奥多摩個人迷宮+   作:ぱちぱち

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話数が多くなって来たので前半の話を統合します。
気付いたら原作の話数を超えてしまった・・・

統合で迷惑をかけてしまった方は申し訳ありませんでしたm(_ _)m
お詫びになるかわかりませんが12時にもう一本あげます。そちらもどうぞよろしくお願いします。


誤字修正、ハクオロ様、、244様いつもありがとうございます!


第七十三話 教習開始

「オヒサシブリデス」

 

 

夕方の歓迎会ではサプライズが待っていた。

幹部枠で来ていたケイティがヤマギシカラーのユニフォームを着て会場に現れたのだ。

しかもカタコトではあるが日本語で話してる。

これは何かしたなと恭二に視線をやると恭二も困惑気味だ。

 

 

「ケイティちゃ~ん!」

 

「サオリ!」

 

 

沙織ちゃんが大喜びでケイティに抱きついてる。いつも思うけど、ライバルなのに本当に仲良しだね君たち。

何でも今回、リザレクションが使えるケイティはアメリカ代表の引率兼医学生の候補生を別口で鍛える教官役として参加しているらしい。

ついでに教官免許の取得も狙ってるとは言っていたが相変わらずバイタリティに富んだお嬢さんだ。

 

さて、世界冒険者協会では俺達が所属している日本冒険者協会とは違った形で幾つか資格のようなものを作っている。

軍隊のバッジに似たようなタイプで、攻撃魔法の赤、治癒魔法の白、教員の黄色。ほかに、キャンプ受講済みを現す青とか、俺達が便宜上レベルと呼んでいる攻略済みの階層を現すバッジも勿論ある。

今回ケイティと一緒に付いて来た医療系の人たちは、冒険者免許と同時に医師免許を持っている事を示す黒地に白い蛇のバッジとかね。医学生は医師免許を持っていないので、白地に黒の蛇だ。

 

たとえばヤマギシチームのメンバーなら、胸元に赤、白、黄、青、レベル30と書かれたバッジを付けることになる。

恐らくこのバッジは今後増える事はあれど減る事はないだろうな。

今現在は役割の分担も行わずに一律にある程度の技能を取得してもらっているが、今後更に発展していけばいくほど出来る事も増えていく。

その際に今の大まかなバッジだけだと不便だろうしね。

 

ちなみに、これらのバッジはエンチャント付きで、指で触るとライトボールの魔法で発光する偽造対策がされてる無駄に凝った仕様をしている。

日本国内だとレベル5のバッジは免許取得の意味を持つし、偽造されると不味いからね。

 

 

 

さて、次の日。

早速ダンジョンに突入、とする前にチーム分けを行った。1チーム10人の4チームに分かれて、それぞれのチームを恭二、沙織ちゃん、シャーロットさん、一花が別れて担当する。

 

一花のチームは向こうのチームたっての希望で一花が受け持つことになった。

 

 

「マスターイチカをよろしく」

 

「やかましい」

 

 

ウィルが「マスターのお陰で魔法を覚えられた」とか米国で吹聴しているせいで、マスターイチカの名前は米国冒険者協会では有名らしい。

殆ど全員顔見知りだし、ジェイやジョシュさんは一花の実力を知っているため若すぎると侮られる事もないだろう。

 

因みに俺はウィルと一緒にボス部屋の前で陣取り、ゴールテープ代わりを務めることになっている。

俺達と合流したらその場で自分達が手に入れた魔石を吸収してもらい、教官役はその間に顔写真入りの事前のチェックシートで確認しながら、現在の能力をABC判定する。

 

この判定は教えず出来ればA、教えて出来ればB、出来なければC。

現在どの位の魔法が使えるかの確認だ。

 

今回の参加者は完全な未経験の冒険者は殆ど居らず、各自がすでに何度かダンジョンに潜っている人ばかりだ。

A判定ばかりが出ても可笑しくないなと思ってたら以外と得意不得意が分かれるらしい。

人によっては回復魔法が出来なかったり、攻撃魔法が使えなかったりとかな。

 

 

全ての確認が終わったら午前は終了。

ダンジョンを出て三階に上がって、昼食タイムだ。

 

さて、今回は明らかに国際色が豊かになる事がわかっていたのでバイキング形式にして食材に何を使っているのかを表記して貰ったりしている。

アレルギーや菜食主義の人、お国柄あんまり食べない食材とかもあるかもしれないからね。

 

シェフのお給金は協会から出るし食べ物は活力の源になる。ここはケチる所じゃないと強く要望を出した結果このような形式になったらしいが、代表の皆からは重ね重ね好評なようだ。

 

 

「一番喜んでるのがお前じゃなけりゃ、素直に感心したんだがな」

 

「あ、これ美味し」

 

「聞けよ」

 

 

立場って便利だよね?

午後の部は前半とはまた別のチーム分けで、前半でA判定が多かった順にA、B、C、Dの4チームに分けた。

それぞれのチームを恭二、沙織ちゃん、シャーロットさん、一花の順に受け持ち、基礎的な魔法がB判定になるまで反復練習をしてもらう事になる。

 

因みにチーム分けと教官の順番も関係がある。

魔法を覚えるセンスがありそうな人を感覚型の恭二、沙織ちゃんに振り、判断が付かない人をシャーロットさんが。そして一番センスがないと判断された10人にマスターイチカが付くことになる。

 

 

「全員サクッとBまで育てればマスターイチカの弟子として扱っても良いよね?」

 

「お前がそれで良いなら良いんじゃないか?」

 

 

お前が受け持ちになるって言われたDチームの人たち、皆鎮痛な表情で天を仰いでるけど。

まぁ、ここにいる全員の中で見た目一番幼い奴が教官になるって言われて喜ぶ人はあんまり居ないだろうしな。

 

 

『やった!マスターイチカの教習チームだ!やったぞ!!』

 

『クソがあぁああ!俺と変われええぇ!!』

 

 

訂正。あのバカ共を除く。

 


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