今後は月~金で更新して土日はお休みにしようと思います。
誤字修正、244様、kuzuchi様ありがとうございます!
はい、じゃあ二人組みを作って~
違うな、これは俺のトラウマだ。
昔っから沙織ちゃんは恭二にべったりで恭二は恭二で割りと人見知りするタイプだから基本3人で同じクラスとかになると俺だけハブられたんだよなぁ
「あんまり芳しくないねぇ」
「まぁ、ヒールやキュアは結構早かったしこれからだろ」
医者のブートキャンプ参加者に二人組みを作ってもらい互いにリザレクションを掛け合う。
が、当然というか何と言うか発現できる人はいなかった。
この結果に一部のお医者様方は何故出来ないのかと苦言を漏らしていたが・・・
この魔法そこまで優しいものでもないんだがなぁ。
まぁ、彼らがそう思うのもわかる。なんたって畑違いの冒険者達ですら結構な数が習得したんだしな。
あくまでも冒険者としての訓練をしにきた37名の内12人が習得できたというのは、冒険者協会にとってはかなり大きい数字だったらしい。
当然専門に学びに来た人間は全員習得するだろうと見積もられてるんだな。
ただ、このお医者様方と協会の上の人たちが失念している事がある。
それは、元から彼らは魔法のセンスが高い、もしくは運動能力が高いと見られて各国で見出された人材だということだ。
あの37名の教官候補生達はそもそも国の威信をかけて選び抜かれた選抜者であり、俺から言わせれば今回参加しているお医者様方よりよほどリザレクションの適正がある。
その中から短期間の訓練とは言え、12名しか習得できなかったとみるべきなのだ。
ちなみにこの12名のうち実に8名が元から回復魔法を使えていた人物で、最初から回復魔法の素養が高いと言われていた人たちだ。
元から『魔法の習得はセンス次第と』言われていた所に、『魔法には得意不得意が存在する』という説も追加されて教える側も考える事が増えてきた。
ケイティが提案していた魔法大学、確かに必要かもしれないな。
一先ず彼らには特急で10層までの攻略を行ってもらう。殆どの人間は本国でダンジョンに入った事があるそうなので魔石の吸収やら細かい点まで言わなくて良いのはありがたい。
彼らは教官候補生達と違ってじっくり冒険者として育てる必要はないので、どうやったらリザレクションが出来るのか、この一点に絞って俺達は魔法の使い方を説明する。
「それでも、やっぱりまだ習得者は現れないか」
「デース。イチカキャンプ、やるシカありマセーン」
最近日本語が上達してきたケイティが渋い顔でそう言った。
あれキッツいからなぁ・・・前回リタイアが出なかったのが不思議な位に。
一先ずやるにしても希望者から募集をかけないといけないな。倫理的に。
16層以降の敵はお荷物が一緒だと危険が高いが、見合った効果はあったらしい。
俺達ヤマギシチーム6名に新規で参加した御神苗さんとデビッド、それにウィルとケイティの4人を加えた10人を5名ずつに分け、この5名で10名の訓練生をバンシーの元に送り届ける。
と言っても恭二は車の出し入れの為に基本11層に残って16層まで送った後はまた11層に戻るという仕事があるし、流石に1人にするのも問題があるので護衛代わりに俺も抜け、4人で10人の前後につく形になる。
基本行って帰ってまた行っての繰り返しで一日が終わっちまう。まぁ、合間にゴーレムの魔石を補充できたし良いか。まだまだ需要を全然満たせてないしなぁ。
全員が終わった後にようやくお役御免になった俺達がダンジョンの外に出て会議室へ行くと、ちょうどミーティングが始まる所だったらしい。
しかし・・・・・・お医者様は殆どダウン状態でまともに会話が出来てないな。
まぁ、しょうがないだろう。一度の冒険中にバンシーに出会うたびにアレを食らって、その都度回復しての繰り返しじゃあなぁ。
多分今日だけで10回は超えたんじゃないか?状態異常を受けたの。
『んー、初日で出来れば1人位は覚えて欲しかったけどしょうがないよね!明日も同じコースで行くから、自主練はかかさないでね!』
『ス、スズキ教官。明日も、同じ事を繰り返すのですか?』
『うん、覚えるまでやるよ?あ、でも連日は辛いかもしれないね!明日もやって、明後日は休養日。2日に1休なら体調管理も万全だよね!』
笑顔で死刑と言ってるようにしか聞こえないが・・・いや、まあ一花自体はアレ本当に毎日やってたからなぁ・・・
自分に出来た事をエリートの方々が出来ないって思ってないのかもしれない。
ただ、あの必死になれる状況ってのも結構大事な物なんだと思う。前の冒険者連中は本当に適性が無かった奴まで数日でキュアを覚えてたしな。
初日は駄目だったが二日目の途中でリザレクションを発現する事に成功する人物が出てくると、ぽつぽつと成功者が出始め、2週間も繰り返すうちには殆どの参加者がリザレクションを使えるようになった。
途中でストレスのあまりに一気に白髪になった人も居たけどリザレクションで治ってたのは凄かった。その人はその時受けたリザレクションで感覚を掴めたそうなので、やはり感覚をどう掴むかに全てが掛かっているんだろうな。
「それでも3人、まだ使えない人が居るんだよねぇ・・・・・・」
「むしろ真面目に頑張ってる人たちなのにねぇ」
一花の呟きに沙織ちゃんが答える。
予想以上の速度でリザレクションを使える人が増えたが、それよりも残った人員が問題になっている。
彼らはイギリス人、フランス人、ロシア人が各一名。年齢も人種も性別も宗教観もバラバラな彼らが何故リザレクションを覚えられないのか。これが分からないのだ。
「一度、原点に戻ろっか」
「原点?」
「ああ・・・ビョーイン、連れてクデスね!」
精神的に追い詰められてるとは思うが、そこまでは行ってないと思いたいんだが・・・
「ノー。彼ら、患者会わせる、デス」
・・・ああ、成る程。
確かにそれなら効果があるかもしれない。
その日の夜。落ちこぼれと影で囁かれていた3名もリザレクションを習得する事が出来た。
彼らは涙を流しながら、興奮で落ち着きをなくしたかのように捲くし立てた。
『貴方の言った通りだ。我々医者が患者を助けるべきだ。ようやく、あの時の言葉の意味が分かった』
ロシア人の女性医師は涙ながらにそう言って恭二にキスの雨を降らせている。
病院を紹介してもらった参加者の1人、川口医師は、もらい泣きをしながら経緯を説明してくれた。
彼は自身の所属する病院に彼らを連れて行き、重病者、取り分け難病に苦しむ患者達の居る病棟を回ったらしい。
回診に同行させ、痛みに苦しむもの。余命幾ばくもないもの。幼いもの。
それらを見せ、そして家族の了承を得る事ができた患者のみに限定し、<リザレクション>につきあってもらったそうだ。
結果は、彼らの喜びようを見て分かるとおりだ。
「医者のことは医者がやれ。最初言われたときはむっとしました。傲慢に聞こえたんです。でも、今なら分かります。貴方方は冒険をするべきだ。多くの発見や魔法で、あなたたちの冒険の重要性は恐ろしく高い。だから、
そう言って、川口医師は涙を拭いて笑った。
彼ら4名と握手を交わし、俺達は今日の結果を持って今回のリザレクション習得ブートキャンプの終了を協会に報告する。
今夜は良い夢が見られそうだ。