以前ゴッドファーザーと呼ばれた男という作品を投稿していましたがそちらとは大きく内容が変わる予定です。
以前の作品の読者の方は此方の作品も宜しければお願いします。
千葉県立総武高校には不思議な部活がいくつかある。その一つは第二学年国際教養科の才女と謳われる雪ノ下雪乃が唯一の部員で部長を務める奉仕部だ。この部活は学内で面倒事を抱え込んで困っている者を助ける部活なのだが、単にその人の問題を解決するのではなく問題解決のやり方を教えることで自立を促すという奉仕の名を冠するに相応しい高貴な理念の下に行動している。
ところが残念なことにこの部活にやってくるものはほとんどいない。お気楽な身分と言われる学生でも何かしらは問題を持っていたりするものである。それにも関わらず奉仕部を訪れる者が少ないのはどういう訳だろうか。そう、この部活には商売敵がいるのである。
その商売敵というのが映画研究部である。もちろん映画研究部の本分は自主映画製作、名作映画の研究といったものだ。ところが総武高校映画研究部の部員達はそれらの活動に対する熱意が少ない、では彼らはどんな活動に熱意を注いでいるのだろうか。それが人助けなのである。
彼らもまた人々が抱える厄介事を片付ける活動をしている。奉仕部があくまで問題を解決するのは当事者で奉仕部がするのはあくまで問題解決の手助けというスタンスを取るのに対し、映画研究部では問題解決の一切合切を部員達が主導して行うところに違いがある。
この二つの部活、問題を抱えた人々が選ぶのはどちらであろうか。片方がしてくれることは問題解決の手助け、もう片方は問題を解決してくれるという。となるとついつい楽な方を選んでしまうのが人間というものだろう。奉仕部を訪れる依頼人が少なく、映画研究部を訪れる依頼人が多い理由はそれだった。
しかしだ奉仕部が人助けをするというのは部の名前からして尤もなことだろう。だが何故映画研究部が人助けをするのだろうか?
これは映画研究部部員達の趣味嗜好が大きく関係している。総武高校屈指の奇人変人と呼ばれる彼らは映画研究部に属していることからわかるとおり映画好きである。古いものから新しいものまで名作と呼ばれる映画は多いが彼らはその中でもある一本を史上最高の映画だと考えている。
それがゴッドファーザーPart.1である。話としてはマフィアのファミリーのドンの息子として生まれマフィアを嫌う三男坊がファミリーの危機のために立ち上がり、様々な問題に対処していった結果、嫌っていたマフィアとしての貫禄を身に付けて、父の死後ドンを受け継ぐというものである。脚本、俳優、演技、撮影、編集、音楽全ての要素が完璧に調和した傑作であり、彼らの人生に大きな影響を与えた。
この映画の冒頭では主人公の一人ドン・コルレオーネがシチリアの古い風習に従い友人達の頼み事を聞き入れるというシーンがある。
この映画に影響を受けるあまり、彼らはゴッドファーザーの主人公達のようになろうと彼らの行動を模倣することを始めた。その一つが人助けなのである。
映画研究部の活動理念は奉仕部の活動理念と比べようがないが、それでも彼らは実績も多く人々から問題解決において絶対の信頼を得ているので奉仕部にとって映画研究部は目の上のたんこぶなのである。
*
国際教養科二年J組の教室で奉仕部部長雪ノ下雪乃は部活のことで悩んでいた。依頼が来ないこともそうだが、同じような活動をしている映画研究部には多くの依頼が来ていることにもだ。活動内容は似ているが奉仕部と映画研究部では方向性が決定的に違う。奉仕部はあくまでも依頼者の自立を促すため、問題解決の手助けに活動を留めている。彼女はそうすることが依頼人のためだと信じているので映画研究部のように問題解決の全てを行ってしまう彼らのやり方は彼女の理念に真っ向から反する。だから尚更彼女は映画研究部に対抗意識を持ってしまうのだろう。
活動理念としては奉仕部の方が間違いなく上ではあるが奉仕部に依頼が来ない以上、映画研究部とは張り合うことすらできない。彼女は自らのプライドを抑え込み、教室にいる映画研究部の部員のもとに向かう。二年J組には部員が二人いるが一人はもう行ってしまったらしく、もう一人もこれから行こうとしているらしい。
「楠見君、ちょっといいかしら? 」
「…………」
映画研究部は揉め事の解決な面では大きな信頼を得ているが、彼らの普段の素行などに対する評判は決して良いものではない。とはいえ全員の素行が悪いわけではなく悪評の原因の八割は話しかけてきた彼女を睥睨するこの楠見謙吾という男にあると言っても過言ではない。
この男、眉目秀麗、成績優秀、運動神経抜群と女子生徒などから人気がありそうな男だが実際のところはそうではない。他の生徒に話しかけられても碌に返事もせず、たまに何か言うと思ったら皮肉や厭味ばかりと協調性の欠片も無い男で、巷では冷血人間と呼ばれ、その評判はすこぶる悪い。
「あなたの部活に後で私と平塚先生とでお邪魔したいのだけれどもいいかしら? 」
「来るものは拒まずだ、好きにしろ。しかし、奉仕部の部長が此方に来るのはそちらの理念には反さないのか? 」
そう言い捨てて彼は教室から出て行く。残された彼女は顔を真っ赤にし、怒りで肩を震わせていた。
「あの男……」
*
奉仕部部長雪ノ下雪乃と奉仕部顧問平塚静は映画研究部部室前にいた。ドアの前にはノックをして名前を言ってくださいという張り紙が貼ってある。外見上はその張り紙以外何の変哲も無いが、先程から部室の中から人を殴打する音や投げる音が鳴り続いているのが彼女らの不安を煽る。
「……雪ノ下、奴等はいったい何をしているんだ? まさか、生徒を閉じ込め暴行を振るったりしているのだろうか」
楠見謙吾の悪評はこういう所に影響を与えているので他の部員達は映画研究部の評判を一応は気にしているが特に手を打ってはいない。
「いくら何でもそんなことはないと思いますが……。入った方が早いですよ」
平塚静はノックをすることなくドアを開けようとするが鍵がかかっている。仕方なく彼女はノックをする。
「奉仕部の平塚と雪ノ下だ。ここを開けろ! 」
しばし間を置いてドアが開かれる。彼らの部屋は彼女らの予想と大きく反していた。無論彼女らは彼らが一般的な映画研究部としての活動をしているとは考えていなかったが、それでも予想外だったのである。部室の大部分には畳が敷かれていて、一方の壁には全面に鏡が貼られており、もう一方の壁には道着とグローブが掛かっている。天井からはサンドバックが吊るされていて、ぶら下がり健康器、エアロバイク、バーベルなども置いてある。この部屋を見た者はおそらく空手部の部室だと思うだろう。部屋の中にいる彼らは道着を身に纏っていて、汗を拭いていた。
「むさ苦しいところで失礼」
そう言うのは部員の一人である朽木勲である。成績優秀で身体能力も高いがやはりそれだけでは終わらない。渋い顔立ちをしていて、常に仏頂面をしているため声を大変掛けづらい人物である。外見や佇まいから楠見謙吾と同じ冷血人間だと思われたりするが彼とは違ってその行動には確かな熱情が伴っている。だが彼と相性が悪いということはなく、寧ろ良いほうである。
「お二人さん、まあお掛けになって」
雪ノ下雪乃と平塚静に座るよう勧めるのは同じく部員の一人である材木座義輝である。成績優秀で身体能力も高く、他の部員と違って人当たりもよく気さくな男である。だが元からかなりの強面である上に額からこめかみにかけての大きな傷跡が全てを台無しにしてしまった。その外見のせいで楠見謙吾以上に人からは避けられているのだが彼は一向に気にする様子もない、何ともおおらかな性格の男である。
「何か飲みます? そこに書いてあるものならお出しできますが」
彼女らに客人用のドリンクメニューを示すのは映画研究部部長を務める比企谷八幡である。一癖も二癖もあるこの男達を動かすことができる唯一の男であり、当然並みの男ではない。やはり成績優秀で運動能力も高く物腰も柔らかい。だがその眼光は鋭く、表情からは何も読み取ることはできない。それでも他の三人とは違って威圧感を与えない不思議な男である。
*
全員が席に着き、飲み物が行き渡ると平塚静は先程から気になっていたことを口に出す。
「部屋から喧嘩をしているような音が聞こえたが君達は何をしていんだ? 」
「我々が撮るのは格闘アクション映画でしてね。格好でわかると思いますがそのための稽古をしていました」
比企谷八幡はコーヒーを啜りながらそう答えるが勿論嘘である。確かに彼らの撮る映画は格闘ものである(というかそれしか出来ない)。だが彼らが身体を鍛え、武道・格闘技の稽古をするのは彼らの所に来る依頼の半分程が暴力沙汰であるからである。
普段、彼らは依頼が来るまで筋トレや基礎練、組手などで身体を苛め、休憩代わりに勉学に励むということをしている。
「映画のための稽古にしては随分と激しかったようだが? 」
「半端なものにするわけにはいかんので、稽古にも気合が入るというもんです」
追求しようとする平塚静であったが材木座義輝によって煙に巻かれてしまう。
「それで、お二人のご用件は何です? 」
そして、彼は本題を切り出した。
「貴方達は奉仕部のことを知っているわよね? 」
雪ノ下雪乃がそう言うと、楠見謙吾は揶揄うように答える。
「勿論知っている。貴方達のやり方は間違っているわと噛み付かれたことは記憶に新しい」
彼女は睨みつけるが楠見謙吾は平然としている。
奉仕部の理念は映画研究部の面々のものよりも遥かに立派ではあるが彼らにもそれなりの言い分がある。例えば弱い男が数人がかりで殴られるなどのイジメを受けていたとする。奉仕部のやり方ではその男を鍛えてイジメに屈しない男にするということなどが考えられるがそのようなやり方は時間が掛かるし、その間に問題が深刻化することも考えられる。なのでイジメをする奴らを即効で叩き潰し二度とそんなことが出来ない体にするという方が有効なこともある。
奉仕部に任せる方がいい問題もあれば映画研究部が解決した方がいい問題もあるということだ。だが現状ではほぼ全ての問題を映画研究部が独占している。
「コホン、雪ノ下よりも私が話した方が良さそうだな」
「いえ平塚先生、私が話します」
「だが、君は冷静さを失っている」
「……それはこの男が」
「君を動揺させるのがそいつの目的かもしれないぞ」
平塚静の言う通りで楠見謙吾の目的は雪ノ下雪乃を動揺させることにあった。
彼らは人と相対する時にはそれぞれ役割を持っている。材木座義輝の役割は話の切り出しと会話を保つこと、楠見謙吾の役割は相手の動揺を誘い会話の主導権を握ること、朽木勲の役割は会話を正しい方向に保つことと相手に助け舟を出すこと、比企谷八幡の役割はこの三人を使い分けて相手の意図を聞き出し、最善と思われる提案を相手に呑ませること。彼らは視線とさりげない動作だけで意思疎通を取りながらそれらを行う。
平塚静は雪ノ下雪乃を抑えて話し始める。
「君達も知ってのとおり、奉仕部の活動は君達の活動と大きく被っている。ところが君達の方には沢山人が訪れるらしいがこちらには全然来ない。それをどうにかしたいということで此処に来たんだよ」
「依頼をそちらに譲ってほしいと? 」
朽木勲が彼女に尋ねると彼女は小さく頷く。
「図々しくて、身勝手な話なのは百も承知だわ。ただそれでも私は奉仕部の活動をしなければならないの。お願いするわ。どうか、貴方達の依頼の一部を奉仕部に回してくれないかしら? 」
雪ノ下雪乃はそう言って頭を下げる。
しばらくの沈黙の後、冷めたコーヒーを飲み干した比企谷八幡は顔を上げる。
「……何故お前がそこまで奉仕部の活動にこだわるかを教えてもらいたい」
「奉仕部は依頼者の抱える問題の解決を手伝うことで依頼者の自己改革を目指す部活。奉仕部での活動は優れた人間ほど生き辛いこの世界を変えるという私の目標の第一歩よ。だから私はなんとしても奉仕部の活動を行う必要があるの」
雪ノ下雪乃が大真面目にそう言うと、それまで一切の感情を見せず無表情を保っていた比企谷八幡が僅かに口角を上げた。
「奉仕部のような立派な活動理念はないが此方にもそれなりに考えがあってやっている。依頼者ではどうしようもない案件、そういったものを片付けるのが本来の活動だった。だが、最近はそういったもの以外の依頼も増えてきた。それらは此方よりも奉仕部の案件とした方がいいだろう。それでよければ奉仕部に依頼を回すという件も吝かではない」
「本当に? 」
「ただ、お前の奉仕部はその名の通り見返りを求めないようだが此方は対価は頂く 」
「それは勿論だわ。ただ何を払えばいいのかしら。……まさか、お金? 」
朽木勲は苦笑いして言う。
「雪ノ下、学生が払える金額なんてたかが知れている。そんなしみったれったものじゃない」
「じゃあ、何かしら? 」
「雪ノ下、お前さんには貸し一つということで俺達が必要とするときには協力してもらう」
「何か変な事を頼む気じゃないでしょうね。……いやらしい」
冗談半分で肩を抱える雪ノ下雪乃に楠見謙吾は嘲るように言う。
「俺達にはお前より遥かに魅力的な女がいる。そんな心配はするだけ無駄というものだ」
「まあ、材木座の言うように我々に少し協力してもらうだけで心配するようなことはない。それでよければ其方の要求は呑もう」
比企谷八幡は立ち上がり右手を差し出す。
「……お願いするわ」
雪ノ下雪乃はその手を握りこの話はまとまった。
*
「おい、楠見。女がいる奴なんてこの中に一人もいないだろ」
比企谷八幡は無表情を通していた先程とは違い、笑みを浮かべ楽しそうに言う。
「いやいや、俺達には立派な脳内彼女がいるじゃないか。俺は木之本さくら、比企谷は千反田える、材木座は大道寺知世、朽木は雪城ほのかというな」
そう彼らは重度の二次オタだった。
「残念すぎるにも程があるな。しかもお前ら二人の相手は小学生じゃねえか」
朽木勲は呆れたように笑うがそれは目糞鼻糞というものである。
「いや、クリアカード編じゃ雪城ほのかちゃんと同じく中学生だからセーフだろ」
材木座義輝はそう弁解するが残念ながらいったい何がセーフなのかわからない。
「いや、俺の千反田えるは高校生だけど、妹は彼女の抱き枕とか見てかなり引いていたぞ。最近は俺と口を聞こうともしないからな。お前らはもっと不味いだろ」
「お前の妹でもそうなのか……。今度から気をつけた方がいいな」
朽木勲はそう言うが、残念ながらもう手遅れだろう。朽木勲にも妹がいて比企谷八幡の妹とは仲が良い。彼女らは兄の趣味について相談し合っていて比企谷八幡の部屋の状況も朽木勲の部屋の状況も筒抜けである。家でも口数が少ないこの男は妹の彼への態度の変化にはまだ気づいていない。
暫くの間、彼らは各々の自慢の彼女についての話を続けるが比企谷八幡が神妙な顔をしたので話を止める。
「最近、俺達にはゴッドファーザー的なものが欠けているとは思わないか? 」
彼は真面目な顔をして言うがやはりくだらない話であることに変わりはなかった。だがゴッドファーザーにも狂っている彼らは真剣な表情になる。
「まず部屋がダメだろ」
材木座義輝の指摘通り、畳が敷かれてトレーニング用の道具が部屋の大部分占めている場所にゴッドファーザーらしさなどあるはずもない。
「だが、鍛錬は必要だ」
「じゃあ鍛錬用の教室をもう一つかっぱらうか」
朽木勲は楠見謙吾にそう答える。そもそも彼らが今いる映画研究部の部室もかっぱらったようなものでそれがもう一つ増えても彼らには問題ないのだろう。
「なら部屋はそれでいいとして、他に何かあるか? 」
「後は俺達のお前への振る舞いかたかな」
比企谷八幡は部長であるため他の三人よりも形式的なものとはいえ立場は上である。これをゴッドファーザーに当てはめると彼はドンで残りの三人は彼の部下ということになるのである。
「そういうのは形から入ったほうがいいかもな」
朽木勲はそう言うと比企谷八幡の手を取り、手の甲に接吻をする。
「ドン・比企谷」
「いやいやいや、無理があるって気色悪い」
比企谷八幡は朽木勲の手を振り払うと手の甲をウエットティッシュで拭く。
「やっぱりそういうのはちゃんと考えた方がいいな。まず日本の組織の長がドンと呼ばれるのには違和感しかない」
「わかってるんなら、最初からやるなよ」
冷静に呟く朽木勲に材木座義輝は呆れたように言う。
「俺も一つ足りないものが思いついた」
「何だ? 」
「猫だ」
ウエットティッシュを放り投げる比企谷八幡に朽木勲が目を向けると比企谷八幡は自信を持って答える。
残りの三人はそれを聞き目を見開く。
「それだ! 」
「失念してたな」
「ああ」
ゴッドファーザーPart.1の冒頭でドン・コルレオーネ役のマーロンブランドは猫を抱きかかえながら依頼人の話を聞いている。だからといってゴッドファーザーらしさを出すためだけに猫を飼おうとするのは彼らがどれだけゴッドファーザーに毒されているかがよくわかる。
「猫のことは任せてくれ、ちょっとした伝手がある」
朽木勲の言葉に比企谷八幡は頷く。
「では猫のことは朽木に、新たな部屋のことは楠見に任せる」
「「了解、ドン・比企谷」」
「それはやめろ」
*
「しかし、それにしても今日はツイてるな駒が一つ増えた」
材木座義輝は口笛を吹いてご機嫌である。
「まあ、あの女は此方と違って生徒間の人気も高いから何かしらの使い道はあるだろう」
楠見謙吾は興味無さそうに応えると他の三人は反発する。
「此方の評判が悪いのはほぼお前のせいだろ」
朽木勲がそう言うと他の二人も頷く。
「それに関しては悪いと思っている。ただ、如何に此処の評判が悪くなろうと来る奴は来る。それに俺は自分が下げた評判以上の働きをしているという自負がある」
比企谷八幡、材木座義輝、朽木勲、楠見健吾にはそれぞれ別の仕事がある。ただ、万が一の場合に備えて彼らは全ての仕事を行う事が出来るようにしている。しかし、楠見健吾が受け持っている仕事に関しては三人が逆立ちしたって彼以上の結果は得られないだろう。問題は多いが楠見健吾は幹部の一人として欠かせない男なのである。
「まあ、あの女は一時的ではあるだろうが下請けにすることができるだろうし、悪くない」
「ああ、これで少しは時間を浮かせられるし良かった」
朽木勲の言葉に材木座義輝は頷く。三人が雪ノ下雪乃を単なる駒としか見なしていないのに対し、ただ一人比企谷八幡はそれ以外の使い道があるかもしれないと考えていた。
だが、彼女が駒として使われるのか、それとも彼女には駒以外の道もあるのかそれはまだわからない。
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