ゴッドファーザーに憧れた男達   作:Don・Corleone

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遅くなって申し訳ありません。

一話から三話まで加筆修正を行ったのでそちらもご覧ください。


案件四 目論見

映画研究部の部室、そこは以前に雪ノ下雪乃と平塚静が訪れたときとは大きく様変わりしていた。以前、彼女らが見た何処ぞの道場やジムのような部屋はほぼ同じ内容のものが映画研究部部室の隣の部屋に再現されている。現在の部室は彼らが手本とする映画ゴッドファーザーに出てくるドン・コルレオーネの書斎に似せてある。

 

勝手に壁紙を変え全体的にダークブラウンになった部屋の奥にある窓には木製のブラインドが設置されて部屋に入る光量を抑えている。そのため部屋の中は電気を付けないと薄暗い。そしてその窓の前には重厚な木製の机と革張りの椅子が置かれ、その椅子には比企谷八幡が腰掛けて膝の上のキジトラ模様の猫を撫でてやっている。部屋の両側には小説から専門書までびっしりと詰まっている本棚が置かれており、本棚の側には黒革張りの椅子が三つ置かれ材木座義輝、朽木勲、楠見謙吾が足を組んで座っている。部屋の中央には客人用の革張りのソファーとテーブルが置かれているが今は誰も座っていない。部屋にはラフマニノフのピアノ協奏曲がかけられていて、かなり雰囲気はある。

 

「今の俺達はかなりゴッドファーザーぽいな」

 

確かにそうなのだが比企谷八幡のこういう発言が折角のゴッドファーザーらしさを損なってしまう。しかし、彼らはそんなことを気にせずゴッドファーザーの雰囲気がある部屋とその中にいる自分達に満足気である。

 

彼らは様々な仕事を行なっているのでそれなりの収入があるが食費やジムや道場の月謝やその他必要経費以外は殆どを将来的に必要である資金の貯蓄に回している。なので彼らの配下の方が裕福に生活を送っていたりする。そんな彼らが今回は部室の改装のために結構な金額を投入した。ゴッドファーザーらしさを追求することに関しては相変わらずの男達である。

 

 

「さて、楠見に対する悪評は今に始まったことではない。まあ、そこまで此処での活動に影響はないので問題視してこなかった。ところがコイツは何の気まぐれを起こしたか知らんが自分の評判を上げるつもりらしい」

 

比企谷八幡の発言によって材木座義輝と朽木勲の驚きの視線が楠見謙吾に向けられる。今まで人に嫌われることを厭わず、あるがままの行動を貫き通してきた男が初めて他人の評価を気にする。これは大事件である。

 

楠見謙吾が自分の評判向上に取り組もうとしているのは当然理由があった。他人からすれば信じられないほど馬鹿馬鹿しいものだろう 。それは比企谷八幡が"あんまり人から嫌われていると愛しの木之本桜ちゃんもいい思いをしないんじゃないか? "と揶揄い半分の発言をしたことである。当然、比企谷八幡としては軽口のつもりであったのだが楠見謙吾はそうとは受け取らなかった。彼にとって彼女は何人にも代え難い存在。彼女から嫌われるということは彼の根本を支えるものを失うということであった。それを防ぐための急な行動開始である。是非とも現実の女性にもここまでの執着を見せて欲しいものである。

 

「何すんだ? 」

 

「一部の人間でいいから俺に好感情を持たせる。彼らが周りにそれを広めてくれれば俺の評判も少しはマシになるだろう」

 

材木座義輝の質問に答えると、楠見謙吾は説明を始める。

 

ある意味で良かったのは楠見健吾に対する評判がこれ以下はないというぐらい低く、上がることはあっても下がることはないと思われることである。

 

「今回、俺はテニス部員を対象にして好感度を上げるつもりだ」

 

「テニス部である理由は? 」

「最近のことだが二年F組のテニス部員戸塚彩加が部を活発化させるために自身の技術を向上したいと考えているという情報を耳にした。行動を起こすにあたってタイミングが良いということが一つ。あとはテニス部の所属人数はサッカー部、野球部、ラグビー部に続いて運動部の中では四番目だ。テニス部は人数的にも悪くないし、何より女子部員がいるのでそれが押さえられるということが大きい。俺の悪評の大半は女から広まっているからな」

 

彼ら四人の中で楠見謙吾は最も評判が悪く、嫌われているが学校内外の情報に誰よりも精通している男である。というのも、彼は以前設置した盗聴器から生徒・教師の弱みを握り、それをネタにして脅し彼らを情報提供者として利用しているからである。

 

「具体的な方法だがテニス部の一年や非レギュラーを中心に俺がテニスの技術指導を行おうと考えている。俺は顔の出来はいいから男子部員だけでなく女子部員も一年ならば上手く引っ掛ける事ができるだろう」

 

この楠見謙吾という男、人の好みはそれぞれとは言っても容姿だけならば確実に学校一だろう。それにもかかわらず学校でここまで嫌われるとはいったいどれだけのことをしたのであろうか。

 

比企谷八幡、材木座義輝、朽木勲は身体能力こそ高いが今まで全てを格闘技・武道に費やした結果、サッカーやバスケといった一般的なスポーツの技術はお粗末なものしか持っていない。彼らは中学の頃にその身体能力を買われて球技大会のバスケに出場したことがあるが、ファールを連発しすぐに退場させられた。彼らが得意とする球技はビリヤードと砲丸投げのみである。

 

一方、楠見謙吾はイギリス留学時代にテニスとサッカーをかなりやり込んでいたためその二つの技術は高く、他のスポーツに関してもかなり飲み込みが早い。

 

「それで、人はどうやって集めるんだ? お前がいきなりテニス部員に声かけても警戒されて、事態が悪化するのがオチだ」

 

比企谷八幡の疑問に対する楠見謙吾の答えは驚くべきものだった。

 

「今度から体育の授業でテニスが始まる。そこでテニス部員の戸塚彩加と接触するつもりだ」

 

「お前のクラスはうちのクラスと合同じゃないだろう」

 

「そうだ、だから俺が比企谷か朽木のどちらかと代わって授業に参加する」

 

「……本気か? 」

朽木勲は少し呆れたように言う。

 

「勿論、本気だ。一回限りだし、お前達のクラスを担当する厚木はかなり適当だから授業の最初だけ誤魔化せれば十分だ」

 

「楠見、お前の方のJ組の授業はどうするんだ? 」

 

「俺の方の授業は出るも出ないも好きにしていい。ただ出るにしても特に問題ないとだけは言っておく」

 

二年J組で楠見健吾に関わろうとするものは材木座義輝を除いてただの一人もいない。それは教師だろうと例外ではない。だから、例え彼の席に別の人間が座っていたとしても咎めようとするものはいないだろう。

 

「わかった、俺が楠見と入れ替わろう。J組の雰囲気というのも見てみたいしな」

 

結局、入れ替わりの件は比企谷八幡があっさりと引き受けた。それは楠見健吾をちょっとした一言でやる気にさせてしまったことにそれなりの責任を感じているからか、それは彼にしかわからない。

 

 

昼休みも半ば、楠見謙吾の提案を聞いた比企谷八幡と朽木勲はF組に向かって一緒に歩いてた。

 

「楠見の件は上手く行くと思うか? 」

 

「楠見はかなりの人間から嫌われているからな。今更テニス部の一部を抑えても焼け石に水という感じがしなくもないが、やらないよりはよっぽどマシだろう」

 

「まあ、奴の悪評は長い積み重ねだから簡単には消えないだろうな」

 

比企谷八幡は返事をしようとして口を開いたがその前にある人物を発見した。

 

「あれは雪ノ下か? 」

 

「本当だ」

 

彼らの言う通り雪ノ下雪乃がF組に向かって歩いてくるところで彼女も彼ら二人に気づいたようだ。

 

「あら、比企谷君に朽木君」

 

「F組に何か用か? 」

 

「ええ、由比ヶ浜さんにお昼を誘われたのだけれども来ないのよ」

 

由比ヶ浜結衣の比企谷八幡への謝罪の手助けの一件があってから彼女らは仲は急接近したらしく、由比ヶ浜結衣は何と奉仕部への入部までしている。

 

彼ら三人がF組に近づくと教室の中から一人の女子が由比ヶ浜結衣を糾弾しているのが聞こえてきた。詳しい内容はわからないが由比ヶ浜結衣の最近の付き合いの悪さを責めているようである。彼女は奉仕部に入部したため以前より時間的制約が厳しいのだろう。

 

糾弾している女子の名前は三浦優美子。縦ロールにされていて背中まで伸ばしてある金髪、恐ろしく短いスカートに肩が見えるくらい着崩した制服。おそらく学年で一番派手な女子であろう。

 

彼女と二年サッカー部のエースである葉山隼人を中心に構成されているグループは映画研究部は別として他の生徒にはかなり大きな影響力を持っている。由比ヶ浜結衣もこのグループの一員である。

 

由比ヶ浜の姿を見て飛び出そうとする彼女を二人が抑える。

 

「お前が行くと問題が拗れそうだ、俺達が片付ける」

 

「そんなこと関係ないわ」

 

そう言って教室に入ろうとする彼女を朽木勲が抑えて、比企谷八幡が出て行く。

 

揉め事には積極的に首を突っ込むのが彼らのスタンスである。勿論、今回の件に関しては彼らが言った通り問題を大きくしないようというのと由比ヶ浜への同情も理由の一つだろう。しかし、それ以上に彼らには揉め事への執着心がある。

 

彼が入ってくるのを見て、教室にいる生徒達は顔を硬ばらせるがヒートアップしている三浦優美子は気づかない。そんな彼女を無視して彼は由比ヶ浜結衣に話しかける。

 

「由比ヶ浜、雪ノ下が待っているから行ったらどうだ」

 

だが、由比ヶ浜結衣は彼女を気にして彼の言葉に上手く反応することができない。

 

「はぁ? 今あーしがユイと話してんだけど」

 

そう言って彼女は彼を強く睨みつけるが彼は由比ヶ浜結衣に視線を合わせたままである。

 

「後にしろ、由比ヶ浜と雪ノ下は約束をしているらしい。由比ヶ浜、行け」

 

「う、うん」

 

彼の言葉を受けて由比ヶ浜結衣は三浦優美子を気にしながら雪ノ下雪乃の下に向かおうとする。

 

「ちょっと、ユイ! まだ話し終わってないんだけど! 」

その言葉を聞いて由比ヶ浜結衣は体を震わせ、雪ノ下雪乃は三浦優美子に矛を向けようとするが朽木勲に追いやられてしまう。彼女らが出ていった教室で三浦優美子が彼らに敵意を向けるが彼らはどこ吹く風である。

 

元々、三浦優美子は比企谷八幡、朽木勲が気に入らなかった。というのも派手な格好からわかる通り彼女は化粧も派手である、そんな彼女に対して化粧の匂いが大変嫌いな彼らは楠見健吾ほどではないが遠慮を知らない男達なので彼女が近くを通るたびに鼻を摘んだり、息を止めたり、手で匂いを払ったりしていた。彼女が腹を立てるのも当然だろう。

 

しかし、結局彼女は彼らに噛み付くことはしなかった。そしてそれは彼らも同様であった。この場で彼らが何らかの手段を取れば彼女が由比ヶ浜結衣を一方的に責めることは二度としなくなるかもしれない。しかし、依頼でもされない限り彼らがそれをすることはない。なぜならば揉め事を求める彼らにとっては揉め事の種は多ければ多いほど良いのである。

 

 

さて、楠見謙吾お待ちかねの体育の日である。三クラス合同の授業にはマスクをして申し訳程度の変装をした楠見謙吾が本来比企谷八幡がいるはずの場所に体育座りをしていた。授業が違うはずの彼をチラチラと見る者がいるが彼に睨みつけられると慌てて前を向く。

 

準備運動を終えて体育教師のよるテニスの一通りの説明が終わるとペアでの練習が始まった。

 

楠見謙吾は立ち上がると迷うことなく戸塚彩加の下に向かう。

 

「楠見というものだ。戸塚、俺とペアを組んでもらえないだろうか? 」

 

まさか、自分のところに来るとは思ってもいなかったのだろう。戸塚彩加は明らかに動揺していた。悪名高い楠見謙吾の誘い、断ったら何をされるか知れたものじゃない。戸塚彩加に彼の提案を拒絶するという選択肢は存在していなかった。

 

「え、えっと、ペアを組むのはいいんだけど。確か楠見君はJ組だよね? J組はこの授業じゃないはずだけど何で此処にいるの? 」

 

「そんな事はどうでもいい。組むなら早くやるぞ」

 

楠見謙吾は戸塚彩加の当然の疑問を無視して強引に練習を始める。この練習で彼は己のテニスの技術の高さを戸塚彩加にアピールするつもりだった。

 

 

一方、その頃楠見謙吾がいないJ組の間でも動揺が走っていた。彼の友人であるF組の比企谷八幡が彼の席に座って材木座義輝と将棋を指しているからである。ちなみに比企谷八幡は振り飛車党で材木座義輝は居飛車党である。

 

楠見謙吾、あるいは比企谷八幡の悪運は強いらしくこの時のJ組の授業は自習だった。出席が終わると代理の先生はすぐに教室を出て行って生徒達だけが残された。本来、J組では異物であるはずの比企谷八幡はまるで自分がJ組にいるのは当然の如く振る舞い、材木座義輝の態度にもなんの変化も見られない。

 

大変不幸な事に楠見謙吾と隣の席である雪ノ下雪乃も比企谷八幡がJ組にいることには動揺していた。

 

「ねえ、なんで比企谷君が此処で将棋を指しているのかしら? 」

 

彼女のこの質問はクラス全員の気持ちを代弁していた。J組に流れる変な空気を物ともせず将棋を指し続ける彼らであったが、材木座義輝は大ポカをやらかしたらしく頭を抱えている。

 

「楠見が俺の方の授業に出ると言ってな、入れ替わったんだ」

 

まず、それ自体がおかしいことなのだが楠見謙吾なら何をやってもおかしくないと彼女は考えてしまう。

 

「何のために? 」

 

「さあな。奴に聞いてくれ」

 

答える義理はないと比企谷八幡は考えて雪ノ下雪乃との話をそれで打ち切り、彼は息絶え絶えの材木座義輝の玉を虐める作業を続行した。

 

 

他のペアのラリーが打ちミスや受けミスを出す中で、テニス経験者とテニス部員だけあって楠見謙吾と戸塚彩加のラリーは長く続いていた。その内、彼らのラリーは本気の打ち合いになり、その場で楠見謙吾は己のテニスの技術を戸塚彩加にはっきりと見せつけた。

 

「楠見君、本当にテニスが上手なんだね」

 

戸塚彩加の息が上がるまで続いた打ち合いを終えると休憩中に彼はそう言った。今のところ楠見謙吾の思い通りに事は進んでいた。

 

「……楠見君はテニス部に入る気は無いよね? 」

 

戸塚彩加は素直で善良な人間である。悪い噂が絶えない楠見謙吾であるが実際に接してみて言われる程酷い人物では無いように感じていた。

 

それも当然である。楠見謙吾は自分の目的を達するために意識してかなり友好的に戸塚彩加と接していた。なので、戸塚彩加は楠見謙吾をテニス部の誘うという愚を犯してしまうのである。

 

「ああ、俺には映画研究部ある」

 

「そうだよね……」

 

彼の返答は予測していたのだろうが落胆した様子を隠さない戸塚彩加に楠見謙吾は悪魔の囁きをする。

 

「……テニス部に入ることは出来ないが、お前の練習に付き合うことぐらいは出来る」

 

「本当? 」

 

楠見謙吾が差し出す蜘蛛の糸に戸塚彩加は迷うことなく掴まった。とんでもない目に遭うとも知らずに。

 

 

こうして戸塚彩加という水先案内人を得た楠見謙吾は彼を利用してテニスの技術指導の参加者を募った。男子部員には彼の実力を見せつけて、女子部員には彼が考え得る最大限の優しさをもって接して勧誘した。

 

結果として男子部員三人、女子部員八人が参加することになった。女に嫌われていて、女嫌いでもある楠見謙吾にしては奇跡に近い数である。

 

自分の評判を少しでも向上させるためには男子よりも女子の中での評判を上げることが重要であることはわかっていたので、楠見謙吾は女子部員をかなり丁重に扱っていた。彼が現実の女性に対して気を遣うというのはこれが生まれて初めてであった。しかし、それは今まで気を遣うということをせずに思ったままの行動をして人を怒らせても何とも思わなかった彼には大変ストレスの溜まることだった。

 

彼のそのストレスは男子部員に向けられることになった。女子部員に対する指導は彼に言わせればお遊びに近いものであったが、男子部員に対する指導は大変厳しくなり、終わった後はしばらく立ち上がることもできなくなるものだった。

 

最初は男子女子共にテニス部の活動がない日の放課後だけに行われていたものが男子だけは朝も行われるようになり、そのうち活動がある日もその後に行われるようになった。

 

昼休みも短い時間だが希望する者には彼が指導した。女子部員が二人、厳しい練習が行われている男子でも唯一戸塚彩加が参加していた。

 

 

楠見謙吾がテニス部員達を指導するようになって二週間が経過していた。昼休みの時間に楠見謙吾の指導を比企谷八幡、材木座義輝、朽木勲の三人は特別棟一階の保健室横の場所からそれを見物していた。

 

流石に特別棟とテニスコートには距離があって肉眼でははっきり見えないので三人で代わる代わる双眼鏡を覗いている。端から見ればかなり危ない連中である。

 

勿論、彼らは事前に楠見謙吾が女子部員にも指導を行っている事を知ってはいたがそれでも楠見謙吾が彼女らのフォームの矯正などをしている姿には驚きを隠せなかった。長い付き合いである彼らでも楠見謙吾が女子とまともに接していたところを見たことがない。そんな楠見謙吾をここまでさせる木之本桜はやはりとんでもない存在である。

 

「お袋さんがあの姿を見たら泣いてしまいそうだな」

 

比企谷八幡の言葉に二人は頷く。朽木勲は楠見健吾の大変貴重な様子を取ろうと望遠レンズを用いて撮影を始めた。そうこうしているうちにそれまで筋トレをさせられていた戸塚彩加と楠見健吾の試合形式の練習が始まる。

 

これはポイントを取られるとネットまで全力ダッシュというキツイものだった。始まって五分もしないうちに見物に飽きた比企谷八幡と材木座義輝は軽い組手をしていたが真面目に撮影を続けていた朽木勲が異変を告げる。

 

「何が変な奴らが来たぞ」

 

それを聞いた比企谷八幡は組手をやめて双眼鏡でテニスコートを確認する。そこには疲労でコートに大の字になっている戸塚彩加と女子部員二人、楠見謙吾は飲み物でも買いに行ったらしく姿を消していた。そして招かれざる客がいた。

 

「葉山と三浦とその取り巻きか」

 

双眼鏡を渡されてそう述べる材木座義輝の顔には薄い笑みが浮かんでいた。

 

「楠見と奴ら確実に揉めるな」

 

「ああ、揉めないわけがない」

 

比企谷八幡と朽木勲がの発言からはトラブルメーカーとしての楠見謙吾の信頼の高さが伺える。

 

「此方も出張りますか」

 

比企谷八幡の発言を受け彼ら三人は足取り軽くテニスコートへと向かう。揉め事には何とも目がない男達である。




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彼らの好きな映画紹介その一

ゴッドファーザー

全部で三作ありそれぞれ三時間以上あるという大作で、あるファミリーの栄枯盛衰を描いている。詳しいことは一話参照、

Part.1が気に入ったならとりあえず全部見ておくべき作品である。


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