遅くなって申し訳ありません。
遅過ぎにも程があると罵って貰っても構いません。罵倒しても良いです。
全て受け止めます。
以前とは少し流れが違います。では、どうぞ。
セキュリティ
「………」
ぼんやりと天井を眺めているキラ。昨日の事を思い返しているうちに眠っていたのだが、隣のベッドで寝ている龍亞の凄まじいいびきで起きてしまった。
時間的には朝だから、有る意味目覚まし時計になっていた。
布団から出て、部屋から出た。階段を降りてリビングのソファーに腰掛け周りを見渡すと、ある物が目に入った。
「なんだろう?」
そのある物の前まで行って、マジマジと眺めた。
「それはね、キングとレッド・デーモンズ・ドラゴンよ。」
突然声がしたのでびっくりして、振り向いたらそこには龍可が居た。
「びっくりした…起きたんだ。」
「おはよう。キラこそ早起きね。」
「おはよう。まぁ、龍亞がね……これ、ファンなの?」
キングとレッド・デーモンズのフィギュアの事を言うと、龍可は首を横に振った。
「私じゃなくて龍亞がファンなの。」
「じゃあこっちは?」
「それは招待状。」
封筒から中身を取り出すと、フォーチュンカップの参加券が入っていた。しかも参加資格を持って居るのは龍可のようだ。
「フォーチュンカップ?」
「そう、今日行われるデュエル大会の事よ。でも私は参加しないけどね。」
「どうして?」
「嫌よ、大舞台に立つのが。」
参加券を封筒の中に入れ元の位置に戻した。
「でもね、龍亞が参加するのよ。」
「え?招待されてるのは龍可なんじゃあ……」
「さぁ?多分無理なんじゃないかな。とにかく、朝ご飯食べない?」
龍亞が起きるまでに、朝ご飯の準備を始める龍可。キラが手伝おうとしたが、「座ってて良いよ。」っとの事でソファーに座った。
そこで、ふと気になった。この時代に来る前に行ったデュエルを……。シャイニング・フレア・ウィングマンを出す前に使ったカード、『超融合』。このカードは凄い力が秘められていると、以前ユベルや父が言っていた事を思い出す。ユベルに至っては「僕と十代の愛を再び結んだカードさ。」とも言っていた。
そしてもう一つ。超融合を使った時に右腕に現れた渦状の痣があった筈なのだが、今は消えている。確かにそこにあった事は覚えていた。
超融合のカードを手に取り、キラは考えていた。
「そのカード初めて見たけど、凄いね。」
朝ご飯の準備が終わったのか、キラの隣に龍可は腰を下ろした。
「凄いって?」
「何か…禍々しくて、嫌な感じがするんだけど……そうじゃない感じもするの。でも、とてつもない力を感じる。」
「やっぱりそう感じるんだね。」
「そういえば昨日のデュエル凄いね。龍亞に全勝しちゃうなんて。」
「偶々かもしれないよ。でも、龍亞はまだ自分のデッキを使いこなせてないんだよ。」
「ふふっ、龍亞は勉強不足だからね。」
「やっべ〜!早く起きるんだった!」
どうやら龍亞が起きた様だ。龍亞のおかげで騒がしい朝になり始めた。
「まだ大丈夫よ。朝ご飯出来てるから食べよう。」
「おはよう、龍亞。」
「おう、おはよう!」
フォーチュンカップを観に行く為に、早起きしようとしたのだと2人は思っていたのだが、龍亞は本気でフォーチュンカップに参加するらしく、朝ご飯をすぐに食べ終え、とある準備をするのだった。
キラはどうしようかと思ったのだが、龍可の誘いにより一緒に同行する事になった。
そして、出発する時に龍亞の荷物が大きい事が気になったのだが、聞かないことにした。
フォーチュンカップの会場はトップスから離れた所にあるようで、タクシーを拾う事にしたのだが……
「あっ、やっべ!忘れ物した!」
「デッキとデュエルディスクは持ってるでしょ。」
「いや、あれがないとダメなんだよ!ごめん、一回戻るから待ってて!」
「もう、早くしてよ。」
龍亞が家に戻り、龍可とキラは待つ事になった。
フォーチュンカップに間に合えば良いのだが、そこで事件は起こった。赤信号で一台のDホイールが止まり、キラ達の方を向いていた。
「(あの制服懐かしいな…あれを着たのは何年前だっけか……)あん?何年前?」
キラが着ている服は、過去の世界で小学生の時に着ていた制服のままだ。その制服に男は気になった。このご時世でこの制服はありえないと。
Dホイールに乗っていた男がDホイールから降りて、キラ達の方に向かって来た。
「おい、そこの坊主!」
龍可は不味いと思った。何故ならその男はセキュリティ…つまり警察だからだ。
「はい?」
「お前、学生だよな?学生証を見せろ。」
「龍可、この人は?」
「不味いかもしれないわ。この人はキラの所で言うと警察なのよ。」
「え゛……」
「おい!何ひそひそと話してるんだ?さっさと出せ。」
子ども相手にこの威圧的な言動。一見恐喝にも見えるこの行動に、後々強行手段になるんじゃないかとキラは思い、龍可の手を掴んだ。
「龍可、行くよ!」
「え!?」
「あっ、おい逃げるな!」
龍可の手を掴みながら全速力で走った。ドミノ町よりはるかに発展している町…ネオドミノシティ。ビルが増えている事に思いの外逃げやすかった。
何分か走り続けた結果、男が後ろにいない事を確認すると、止まった。
「ハァ…ハァ…大丈夫?」
「もう…ハァ…ハァ…走れ…ない……」
一旦息を整え、無闇に走った為に何処に居るのか分からないキラだったが、龍可が居るため迷子にはならずに済むようだ。
「ごめんね。こうなる事は予想してたけど、早すぎたわ。」
「分かっていたとはいえ、流石にね……」
「また見つかる前に、さっさと戻ろ……さっきの場所に居るかもしれないわね…」
「どうしようか……あの人が居る場所には戻れないし。でも、龍亞があそこに来るし…」
「誰が何処に居るって?」
「「っ!?」」
2人の後ろから声がして、ゆっくりと振り返ると先程の男がDホイールに乗っていた。
「さて、逃げたって事は何かやましい事があるって事だよな?だから今から拘束させて貰うぜ。」
「ど、どうしよう……」
もう逃げられない。必ず追いつかれてしまう事は、分かった。だから、やる事は一つだ。
「お、俺とデュエルしましょう!」
「お前とデュエル?」
「俺が勝ったら、このまま見逃して貰います。」
「良いぜ。俺が勝ったらお前を拘束させてもらう。」
相手が挑発にのってくれた事により、僅かに希望が見えた。
「ねぇ、大丈夫なの?」
「大丈夫。勝てば良いんだから。」
「ハッ、言ってくれるじゃねえか!ギッタンギッタンにしてやるぜ。」
2人は睨み合って距離を取った。
次はセキュリティの人とデュエルです。
読んでくれる人といるかなぁ……
まっ、ね。