リラとリムルが村長の依頼を受け、ゴブリン達の守護者となった後2人は話し合い迎撃の準備の分担を話し合った。
話し合いの結果、リムルはポーションが沢山有るので戦力確保の為に傷付いたゴブリン達の治療を行い、リラはリムルが治療を行っている間、拠点防衛の為の用意をするという内容で決まった。
リムルと別れた後、リラはゴブリン達に柵の設置指示を出した。戦争迄時間も余裕もないため家を壊し、その素材を流用し、村の外周を全て覆うように円を描いて設置する様にと。
リラは柵の設置班に加え、ゴブリンの中で目端の利く弓を装備した者を斥候の役に任じ、幾つかの注意事項を伝えて送り出した。そして指示を出し終えた後、拠点の周りに落とし穴の罠を設置していく。落とし穴の中には強烈な麻痺毒が噴出する魔法を仕掛けていく。
そして翌日。リラが罠を設置し終えて数時間後、そろそろ夕方に差し掛かる時間になって来た時、リラの方にリーダーがやって来た。リラはリーダーの方に歩み寄る。
リーダー「リ、リラ様柵ノ設置終ワリマシタ」
リラ「ああ、御苦労様」
リーダーに訊ねられリラはゴブリン達が作った柵を見て頷く。リラから見て上手と言えるレベルでは無いが柵としては合格点であると。
そしてリラは蜘蛛の糸で柵の固定と強度の増加を行い、『鋼糸』によるトラップを仕掛ける。指示通り柵の正面に開口部を設けられている事を確認し、『粘糸』を張り巡らす。リラが準備を全て終えるのと同時にリムルがリラの元へ跳ねてきた。
リムル「終わったようだな」
リラ「そっちもね」
リムル「ああ・・・なぁリラ」
リラ「?」
リムルの声が真面目な雰囲気になり、リラは不思議そうに小首を傾げる。
リムル「誰一人欠けることなく勝つぞ!!」
リラ「・・・当たり前」
リムルの言葉に微笑みを浮かべ、リラは答える。そして真夜中になる手前頃、斥候が帰還し、牙狼族が移動を開始した、と答える。
リラは斥候を見る。全員傷を負っているが生きて帰って来ていた。其の事を確認し、リラは目を閉じリムルから聞いた敵の情報を整理する。
牙狼族。東の平原の覇者。1匹1匹がCランク相当の実力を持つ魔物で有能なボスに率いられた時に真価を発揮する。群れとしての評価はBランクにも相当するらしい。
リラ(対するゴブリン達はEランク、自分は分からないけどリムルはA-、か)
此の世界のランクの差がどれだけ戦いに影響を及ぼすのかは分からないが其れでも戦力では其れなりに差があると一応心の中で想定しておく。
リラ(・・・誰一人欠けることなく、か)
心の中でリムルが言った事を思いだし、ゴブリン達を見て少し微笑む。
リラ(たった2日なのに心の底から誰一人欠けてほしくないって思っている自分が居る。情が沸いたのかな?)
案外自分はチョロいのかもしれないなと思ったがまぁ悪くはないなと思いリムルとゴブリン達を見て空を見上げる。
リラは改めて誰一人欠ける事なく戦いを終わらせたいと願うのだった。