星夜は一旦対岸を目指すのを一時中断し、先程出会ったスライムと話をしていた。
スライム(――って事なんだよ)
スライムの話によると星夜が思った通り、目の前のスライムは同郷の元人間で
三上悟も死ぬ間際に謎の声を聞いており、目が覚めたらスライムだったらしい。
星夜「へぇ・・・三上さんは自分のスキルの使い方や能力を知ってるんですね」
悟(まぁな。俺のユニークスキル『
三上悟が自慢げに言う。星夜自身も『大賢者』の能力は凄いと思っていた。
ユニークスキル『大賢者』の能力は『思考加速、解析鑑定、並列演算、詠唱破棄、森羅万象』の計五つらしく、加えて三上悟のナビゲートをしているらしい。三上悟が悩んだり、何か知りたい時には教えてくれるのだと。
星夜「便利ですね。自分は未だどんな能力か分からなくて・・・」
悟(そっか。因みに聞くけど星夜のスキルは何なんだ?)
訊ねられた星夜は自分のユニークスキル『魔術者』、『武闘者』、『模倣者』を話す。暫く三上悟は黙る。聞いた三上は暫く黙り混む。
そして――
悟(よし、分かったぞ!!)
星夜「? 何が?」
悟(ちょっとさ、『大賢者』にお前のユニークスキルの能力を聞いてみたんだ)
星夜「え、はぁ」
悟(説明するぞ)
星夜「は、はぁ」
星夜は頷きながら説明を聞いた。
□■□■□■
悟(だ、大丈夫か?)
説明を聞き終えた星夜は乾いた笑い声を発していた。理由は星夜の獲得していたスキルの能力がぶっ壊れレベルだからである。
先ずユニークスキルの能力は以下の通り
『ユニークスキル『魔術者』の効果…
魔法創造:記憶等あらゆる情報から魔法を創造出来る
並列演算:思考と切り離して演算を行う
詠唱破棄:魔法等を行使する際、呪文の詠唱を必要としない
魔素回復:自身の魔素を回復する
森羅万象:隠蔽されていない事象の全てを網羅可能』
『武闘者・・・
身体操作:自身の身体能力を操作する
超速再生:受けた傷を瞬時に再生する
急所必中:あらゆる攻撃が
貫通:結界等を無効化・貫通できる
思考加速:通常の1000倍に知覚速度を上昇』
『模倣者・・・
技術模倣:見た技術を模倣出来る
解析鑑定:対象の解析鑑定を行う
武器複製:あらゆる武器などを複製可能
万物擬態:あらゆるものを再現し、能力行使も可能』
以上の様に大変ぶっ壊れレベルなのだが、他のスキルに関しても同じ。
・魔素や熱等あらゆるものを感知する『万物感知』
・あらゆる属性に耐性を持つ『万能耐性』
・あらゆるものを予測できる『万物予測』
・重力を操れる『重力操作』
・空間移動など空間系の能力を行使できる『空間操作』
・千里眼など目に関する能力を行使できる『万物眼』
以上が星夜のスキルである。
悟(大丈夫か?)
再度三上悟が少し不安そうに訊ねる。先程から星夜が乾いた笑いを発しているので不安になったのだろう。星夜は首を振って大丈夫と伝える。
悟(そ、そうか。ところでさ一緒に行動しないか?『大賢者』曰く一緒に行動した方が良いらしいんだ。どうだ?)
三上の提案を星夜は少し考えて直ぐに首を縦に振る。何があるか分からない以上は人数は多い方が良いと判断したのだ。
悟(そっか!それじゃあ宜しくな!!)
星夜「此方こそ宜しく御願いします」
三上が体の一部を伸ばす。星夜は其れが握手を求めていると判断し、伸ばされた一部を握る。
――こうして三上と星夜。二人の転生者は共に行動を開始した。