神野区出身って…転生早々詰んでるんですけど   作:雪の轍

3 / 5
主人公の独白

ひたすら独白

なんだろうこれ……

早く原作まで行きたい!


3.これからを考えました

神野区から逃げられないとわかって

 

 

神野区のにいれば人生詰んでしまうかもしれないとわかっていても

 

 

神野区を見捨てられないとわかったから。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

そこから私が1番に取り組んだのは時系列の把握だった。

 

 

神野の悪夢が何時おきるのか?

まずそこがわからなければ回避のしようがない。

 

 

あの漫画(僕のヒーローアカデミア)は主人公である緑谷出久(みどりやいずく)が雄英高校に入学を目指す所から始まった。

 

 

まだ彼らが入学し一年生の時の夏。

 

林間合宿で敵連合に襲撃された。

 

 

そこで爆豪勝己(ばくごうかつき)が誘拐され、

救出に来たヒーロー達と戦闘になり、

 

オールマイトがワンフォーオールを打ち倒すも、

 

 

神野区の半分が壊滅状態に陥った。

 

 

 

 

林間合宿のすぐ後ということは覚えているが、林間合宿の具体的な日にちはわからない。

 

 

けど、主人公(緑谷出久)が入学した年には、

次々に事件が起こって、

雄英高校は沢山のメディアに晒されていたはず。

 

 

そこからおおよその予測はできるだろう。

 

 

家では新聞をとってなかったから、私に出来ることはテレビのニュースにかじりつく事と、それとなくお母さんに探りを入れる事。

 

 

まだ林間合宿襲撃のニュースもなければ、

雄英高校にヴィランが侵入したニュースもなく、

ヘドロ事件もまだどうやら起こってないらしい。

 

 

雄英体育祭のテレビ放送はあるらしいが、肌寒い今の時期ではなく、初夏の季節にある。

 

 

念のため、母に雄英体育祭で印象に残った生徒を聞いたところ、おさげの女の子との回答だった。

 

 

私の記憶の中には、主要メンバーにおさげの女の子のいなかったと思う。

主人公達とは世代が違うのだろう。

 

 

 

一先ずは、すぐに事件が起こると言うわけではないらしい。

 

 

 

 

 

 

次に考えるのは、どうやって神野の悪夢を回避するかだった。

 

 

 

【案1】ここに敵連合のアジトがなければいいのだから、地区管轄のヒーローに敵連合が居着かないよう、見回りの強化と注意を促す。

 

 

…………上から目線か!?

誰が3才児の言うことを信じる!?

それにもしも本当にワンフォーオールが神野区に居るとすれば、そこらのヒーローでは話にならない。

迂闊に手を出すのは色んな意味で危険すぎる。

その時点で神野区が詰む可能性も多いにある。

薮蛇ではなく、藪から先生(恐怖)って…………なにそれ笑えない。没。

 

 

 

【案2】オールマイトへ正直に話して助けを求める。

 

 

 

……だから誰が3才児の言うことを信じる!?

たとえ信じてくれたとして、会えば即戦闘からの神野の悪夢直行コースでしょう。

神野区の壊滅を早めてしまうだけ。

こう思うと神野区壊滅の一端はオールマイトが握っている事になるのか…………ダメ、没!

 

 

 

【案3】オールフォーワンに神野区から出てってとお願いする。

 

 

…………バカなの?

今現在どこにいるかもわからず、

奇跡的な接触が出来たとして、

良くて脳無(のうむ)の実験体、悪くて殺されて終わりでしょうが!

ハイリスクノーリターンなんて誰がするか!没!

 

 

 

【案4】警察に情報のリークをして……【案2】と同じ末路をたどって終わりそう。没。

 

 

 

 

「あー、だめだ、ぜんぜんいいあんがおもいうかばない……」

 

 

 

 

 

ーー3才の私に、一体何ができると言うのだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「結子ー! ご飯できたから、お皿運んでー」

 

 

 

「はーい!」

 

 

 

 

 

今は母のお手伝いくらいしか、できることがない。

 

立ち向かう力一つなく、私はどうやったら、母を、この街を守れるのだろう。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

その日、夢をみた。

 

あの日と同じ神野区の星空だ。

 

なぜか私はそれを膝を抱えて見おろしていた。

 

街の明かりが綺麗で、なんだか泣きそうになっていると、

 

誰かがそっと私の肩に手をおいた。

 

怖がらなくていいと、言われた気がした。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の朝、私の周りには星が瞬いていた。

 

ふよふよと、私の両手を合わせた位の大きさの星が5つ。

まるでお母さんの個性()のように私の周りに浮かんでいる。

 

 

目をつむる。

 

目を開く。

 

 

星は消えずに私の周りに浮いている。

夢ではないらしい。

 

 

「……おかーさんって、つきいがいもだせるの?」

 

 

もっと近くで見たいなと思ったら、一つの星が近寄ってきて、手の中に収まった。

 

 

つるりとした表面で、星の中心に向かって厚みが増し、星の真ん中は少し凹み、そこには緑色の水晶のようなものがついているようだ。

月のように顔が書いてある様子はない。

裏返したり、くるくると手の中で回してみたり、見れば見る程、この星は、どこかで見たような気がする。

 

 

 

 

おそらく星川結子(ほしかわゆいこ)として生まれてからの記憶ではなく、転生前の、好きだったものの記憶……

 

 

 

漫画だと思う。

 

 

 

 

この真ん中の水晶っぽい所から、レーザーとか、ビームとか出ていた気がする。

 

 

 

いくつもの星を操り、戦う魔物の子ども。

 

 

 

 

「…………あ、パムーンのほし ?」

 

 

 

これも好きな漫画だったと覚えている。

 

百人の魔物の子どもが次の魔界の王様を決める戦いに挑む物語。

 

そこには本当に沢山の魔物の子ども達が出てきて、性格も能力もそれぞれ。

 

そして、主人公の魔物の子はパートナーの人間の少年と心を通わせながら、優しい王様目指してまっすぐに成長していく。

 

主人公達の心根のよさに仲間も沢山集まって、この星を使う魔物の子も、最初は敵だったけど、戦った後は主人公に味方して、力を貸してくれた。

 

登場したのは僅かだったけど、自分の弱さを認め、恐怖(トラウマ)に立ち向かって主人公に力を貸そうとしてくれた良い子だった。

 

 

 

「たしか、じゅもんは……()()()()?」

 

 

 

瞬間、星は光り、レーザーが出た。

 

星を手に持ち、覗きこんでいた私の顔に向かって。

 

 

レーザーに弾かれた私は大きく仰け反って、後頭部を強く床に打ち付けた。

 

 

「ちょっと、何、今の音……結子(ゆいこ)!? どうしたの結子!?」

 

 

 

 

気を失った私を、母は慌てて病院に連れていった。

 

 

 

この日、私に個性が発現した。

 

 

 

 

ーー個性の名前は『(ほし)』。

 

 

 

 

パムーン(あの子)の、誰かを助ける事ができる強い力だ。

 

 

この力があれば、私は神野の街を守れるだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

個性が発現してから、私がしたことは体力づくりと個性の訓練。

 

 

今までの主な一人遊びだったお絵描きから卒業し、保育園が終わると私は神野の街をひたすら走り回った。

 

 

母に連れて行って貰った所、そうでない場所、危ない路地裏はなるべく避け、

走って疲れては休み(巧朗(たくろう)が本当に馬になってくれた)、

また走っては休み(『MilkyWay』に寄ったらママがオレンジジュースをくれた)、

また走っては休み(お肉屋さんがコロッケをくれた)、

暗くなる前に走って家に帰る、

そんな生活を始めた。

 

 

3才児が一人で街を走り回るのは異様なのか、何度か迷子として保護されかけたが、今のところ全て走って逃げきっている。

3才児にしては、私は足が速い方なのかもしれない。

 

 

 

 

個性の訓練は、母から教えて貰った用水路(昔、川原だった所)で行った。

 

人気がなく、用水路上に渡る橋の間隔も広い為、水の上であれば、レーザーを打っても誰にも当たらないから。

 

レーザーを打つ時、特に呪文を唱える必要はないようで、打とう思えばいつでも打つことが出来た。

しかし、レーザーを打つと直ぐに疲れてしまい、連射することは出来なかった。

 

 

出せる星の数は今のところ5つが限界で、パムーンが操る星の数には遠く及ばない。

また、5つ別々に動かそうとするのはとても大変で、やれなくはないが、とろとろとしたスピードで動かすのが精一杯で、星を動かす事に集中していると私自身は一歩も動く事が出来ない状態だ。

要練習する必要がある。

ある程度星を操りながら移動もできるようになりたい。

 

 

レーザーの他にも、星と星をエネルギー状の紐で結んだり、切り離したり、星をいくつか集めた間にエネルギー状の膜を張ることで盾を作れたりもする。

パムーンの星は汎用性が高い。

 

 

また、母の個性を引き継いだ部分もあるのか、星のある周囲の情報をある程度知覚することが出来た。

色や形、あるいは温度の情報まで母と共有できる『月』と違い、私の場合は壁があればぶつからないように避ける事ができる程度だ。

感覚としてはコウモリが超音波で周囲を認識しているのに近いと思う。

 

 

補足であるが、私は星を出す時、母のように手をかざす必要はなく、出ろと思えばポコンと音をたて、空中に現れる。

ただし、消すときは消えろと念じても消えず、一つずつ手をかざす必要があった。

星が手の中に吸い込まれるように消えていくのだ。

一体何を原材料に生まれ、何を私は取り込んでいるのだろう……考えるとちょっと怖い。

 

 

そんな考察を重ねつつ、レーザーの飛距離やら、一斉射撃はできるのかとか、どのくらい打てば疲れ、回復まで掛かる時間などの実験を重ねていった。

 

 

 

しかし、それは長く続かなかった。

 

 

 

私のレーザーはさほど発射音などはしないが、結構眩しく輝く為、目立つ。

また、街内を爆走する3才児も珍しく大変目につく。

 

 

何度か通報があったのか、私は地区管轄のヒーローに見つかって、母の元に連れ戻され、母共々説教を受けた。

私のせいで怒られる母を見て、罪悪感が半端なく刺激された私は、大いに泣いた。

 

 

 

転生しようと、今の私は3才児である。

感情の制御なんて、できるわけない。

 

 

 

そこで困ったのは私を母の元に連れてきたヒーローで、(この人も真面目に仕事をしただけなのに、本当に申し訳ないと思う)ギャン泣きする私にある提案をしてくれた。

 

 

 

体を動かすのが好きならパルクール教室があるので、参加してみないかと。

 

 

パルクールとは、走る・跳ぶ・登るといった移動に重点を置く動作を通じて、心身を鍛えるスポーツらしい。

 

 

後日、母と共に見学してみると

まるで忍者のように障害物を飛んで乗り越えたり、

塀の上を器用に走ったりする人が沢山いて、

テンションが上がった私は早速母におねだりし、

無事パルクール教室に通うことになった。

 

 

 

また、個性の訓練はというと、流石に禁止された。

私有地内であればまだしも、公共の場での個性の無断使用は犯罪だからだ。

今回は私が個性を発現したての3才児であったことからおとがめなしだが、母にはよく注意するよう言われていた。

 

 

しかしボロいアパートに個性を使えるような庭も部屋もない。

これからはもっと見つからない場所を探して訓練する必要がある。

レーザーを打つと目立つのだから、今は星の操作性向上を目指そう。

沢山の星を動かしながらパルクール出来るようになるのが目下の目標である。

 

 

 

 

 

そしていつか、しっかりと個性を使いこなせるようになろう。

 

 

 

 

 

私が個性に目覚めて、個性がパムーン()の力だと知って、1番嬉しかったのは()を造れるということだ。

 

今はまだ、盾自体ふにゃふにゃしたものしか造れないが、しっかりとした盾を張る事が出来るようになれれば、神野の悪夢を回避する事が出来ると思うのだ。

 

街を覆うほど広範囲に、またビルをいくつもなぎ倒す衝撃に耐えられるような強靭な盾を張れるようにならなければならないが、個性は使えば使うほど伸ばせ、強化できるものだと私は知っている。

 

 

エックスデーまで間に合うかわからないけれど、

やれなければせっかく見えた僅かな可能性もなくなってしまうから、頑張ろうと思う。

 

 

 

その為にも、ヒーロー免許を取っておかなければならないだろう。

個性の無断使用が犯罪である以上、いざ盾を張ろうとした時に(ヴィラン)と勘違いされて捕まったりしては元も子もない。

 

 

ヒーロー免許をとるならヒーロー科のある学校に通わなければならない。

 

 

そしてヒーロー科のある学校で最たるものは主人公達の通う『国立雄英高等学校』だろう。

 

 

ヒーロー育成の為のカリキュラムや施設、環境は随一だ。

 

 

 

 

ただし、その分志望する人も多く、入学の為に必要な偏差値はなんと『79』。

 

 

 

 

 

ちょっと頭がおかしいレベルである。

 

 

 

 

 

 

「……べんきょう、いまからやればできるかな?」

 

 

 

 

私のこの頭、好きな漫画とかは前世から引き継いで覚えてるくせに、勉強の事はあまり覚えてないのだ。

 

 

 

 

英語?関数?なにそれ美味しいの?

社会や歴史はそもそも根本から違う。

 

 

 

 

 

……私、雄英高校、目指せるでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 




星川 結子(ほしかわゆいこ)

お絵描き少女からわんぱく少女へジョブチェンジ
個性:星(ほしと書いてパムーンと読みたい)
きらきらレーザー枠
星一つのレーザーの威力は金属バットをフルスイングした力と同等
勉強しないと!(泣)


地区管轄ヒーロー
(擬態ヒーロー カメリオン)

個性:擬態

ヒーロー名すら出させて貰えない
今後、出てくるかもわからない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。