神野区出身って…転生早々詰んでるんですけど   作:雪の轍

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※やっぱり前回のが納得出来なかったので修正しました。

方向性が変わった部分が多々あり、前回まで明るかった部分が暗くなった所もあります。

遅筆なうえ、優柔不断で申し訳ないです。

前回の話を見てお気に入り登録や評価を下さった方も本当にごめんなさい。
こんなお話でもまだお付き合い頂けたら幸いです。

※このお話内の席順は最初から出席番号順だったことにしています。




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タイムリミットまで残り4カ月
5.入学初日


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春。

 

私は再び雄英高校を訪れていた。

校内案内を片手に、向かう先は1Aの教室。

 

結論からいうと、私は無事合格した。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

入試から1週間後、私の手元には雄英高校の合格通知が届いていた。

 

我が家の居間には、私以上に受験結果を心配していた巧朗(たくろう)と『MilkyWay(ミルキーウェイ)』のママが来ていた。

二人とも私の筆記試験が合格ラインぎりぎりだった事を知っている。

特に勉強を教えてくれていた巧朗は心ここにあらずの状態で、時折、平方根や円周率を永遠と壁に呟く奇行にはしったので、その度に少々乱暴に目を覚まさせる事になった。

 

「……映すよ?」

 

「あ、待って、まだ心の準備が……ッ!」

 

「男が何女々しい事言ってんの! 結子(ゆいこ)、やんなさい!」

 

「はーい」

 

ママのゴーサインで私は合格通知の中に入っていた映写機のスイッチを押した。

-ブゥンーと音を立て、ホログラム映像が空中に映し出される。

映像の真ん中には、目に大きな傷跡がある服を着た小動物。

 

『やぁ! 雄英高校校長、根津(ねづ)さ!早速結果を伝えるね!

まずは実技、これは問題なく合格だよ!むしろ君は群を抜いていたね!

開始直後の一斉射撃で取得した(ヴィラン)Pはなんと"78"!

これだけで実技2位の総ポイント数を上回るね!

最終的に取得した(ヴィラン)Pは合計"93"P。

本当に素晴らしいよ!

また、あの0Pの仮想(ヴィラン)を拘束するだけの技術!

街への被害を抑えようとする立ち回りは高く評価させて貰ったよ!

そして今回の実技試験、実は(ヴィラン)Pの他にも救助活動(レスキュー)Pも見ていたんだ!

君は移動の最中、他の受験生が危険になった時には盾を張ってくれていたね。

助けられた子ども達に代わってお礼を言うよ、ありがとう!

すれ違い様の一瞬の判断力、盾を形成するスピード!

こちらも大変素晴らしい!

君が獲得した救助活動(レスキュー)Pは"22"P。

合計"115"Pで実技試験一位の成績さ!

この試験で百点を超える生徒なんて久しぶりに見たよ!

そう、実技試験だけで考えれば君は大変優秀だ……ただ筆記試験も合わせると、残念ながらと言わざるをえないね。

君はヒーロー史と英語が苦手のようだね。他の科目もケアレスミスが多い。

書き終えた後の見直しを丁寧にするだけで君はもっと伸びるさ!

その為には時間配分も大事で、あ、もう時間かい?

星川(ほしかわ) 結子(ゆいこ)くん!春にまた話の続きを聞かせるよ!

つまり、合格さ!

首席合格は惜しくも逃してしまったが、総合的に大変優秀な成績だった!

雄英高校(私達)は君の事を待っているよ!

そうそう!今年は君たちヒーロー科の皆に朗報があるんだ!

驚くことになんとあのオールマ』

 

 

ブツ-と音をたて、そこで映像は停止した。

 

 

「話長ッ!! 最後途切れたし!?」

 

「最後のなんだったのかしら……?」

 

「後で学校に問い合わせてみるよ(なんとなく言おうとしたことわかるけど)」

 

 

ホログラム映像が消えたにも関わらず、未だに空を見つめる二人を不思議に思いつつ、映写機を片づける。

他の同封書類に目を通し始めた時、巧朗が恐るおそると私に振り向いた。

 

 

「……あの、合格で間違いないんすよね?」

 

「そうだね。やっぱり筆記が危なかったみたい。実技で稼いどいて良かった!」

 

「……ッよくやった!!結子、アンタ春から雄英生よ!」

 

「おおおおお!お嬢おめでとう!!」

 

「うわっいきなりうるさっ!?……でも、ありがとう二人とも」

 

「合格祝いしましょう!『ホストKAMINO(うち)』で!今日は臨時休業にするんで!」

 

「いやそこはちゃんと働きなよ。私も入学準備したり良い物件探さないといけないし。気持ちだけ受け取っとく」

 

「……ああ、そうよね。なるべく学校に近くて、セキュリティがしっかりしてる所を探しましよ」

 

「セキュリティに関しては別に、私もヒーロー科だし……家賃安くて、寝るスペースさえあれば、まあいいかな?」

 

「バカ言うんじゃないよ、あんたはまだ子ども、それに女の子なんだから。家賃のことも何も気にしなくていの、入学祝いだとでも思っときなさい」

 

「入学祝いの規模が大きいよ、ママ……」

 

「ん? なんの話っすか?」

 

とんとん拍子に話が進む中、取り残された巧朗が一人首を傾げる。

 

「決まってるでしょ?春からの住むとこ探しよ。雄英に通うんだから……あんたまさかここから通うと思ってたわけじゃないでしょうね?片道2時間はかかるのよ」

 

「………!………!? そ、そんな、お嬢、春から神野にいないんすか?」

 

「雄英に通うことになったからね」

 

「………!………っ!!?」

 

「ショックを受けた所に追い討ちかけるようで悪いけど、ヒーロー科は土曜日も授業あるし、長期休暇も合宿とか研修授業あるみたいだから、頻繁になんて帰れないよ」

 

「っ!…………お、お嬢……雄英に進学すんの、やっぱ辞めない?」

 

戯れ言を言い出した巧朗に、二人分の拳が叩き込まれる。

もちろんママと私だ。

巧朗が泣き出した。とても鬱陶しかった。

 

 

「それで、アパート(ここ)はどうする?」

 

「…………わがままだけど、借りたままにしてたい」

 

「……わかった。私が時々掃除に来てあげる。ただし、大家さんの交渉はあんたがやってみなさい」

 

「……ッうん!ありがとう、ママ!」

 

 

大家さんとの交渉は思っていたよりすんなり終わった。

私達親子をずっと見守ってきてくれた人だからか、家賃の滞納さえなければ好きにして良いと了承してくれた。

それよりも雄英合格を一緒に喜んでくれた。本当にありがたい。

 

新居もママと一緒に(途中やけっぱちになった巧朗も合流して)吟味を重ね、学校から徒歩15分、オートロックと防犯カメラ、防犯センサー付きの賃貸マンションに決まった。

今までのアパートと比べると別格の住み家である。

この家賃を気にしなくていいとか……ママと巧朗の金銭感覚は大分おかしい。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

少々学校探索をしたかったので早めに家を出たら、指定された時間より30分以上早く学校に着く事ができた。

私の身長の3倍以上はありそうな教室の扉を開けると、1Aの教室の中には既に3人の人影がある。

 

教室の扉側に近い、後の委員長、飯田天哉(いいだてんや)くん。

窓側の一番後ろのポニーテールのナイスバディ、後の副委員長、八百万百(やおよろずもも)ちゃん。

真ん中の列の一番前、クールな音楽少女、耳郎響香(じろうきょうか)ちゃん。

 

一番乗りでもおかしくない時間帯だと思ったが、雄英生の朝は早いらしい。

 

「おはよう!俺は私立聡明中学出身の飯田天哉(いいだてんや)だ!早速だが、黒板に席順の記載があるから、確認するように !」

 

「あー、うん。丁寧にありがとね」

 

素早い動きで詰め寄ってくる飯田くんに軽く仰け反りそうになってしまったが、腹筋で耐える。

 

「えっと、私は星川結子(ほしかわゆいこ)櫻木川(さくらぎがわ)中学出身」

 

「星川くんか! クラスメイトとして、これからよろしく頼む!」

 

「よろしく」

 

飯田くんと固い握手を交わすと、彼は満足そうに自分の席に帰っていった。

初対面で圧が強すぎやしないだろうか、飯田くんや。

 

一息ついて、黒板に書かれた席順を確認すると、私の席は、窓側の前から二番目。

思わず黒板を二度見してしまった。

 

 

これはもう素直に驚いた。

 

 

 

私の席の前後、前には爆豪勝己(ばくごうかつき)

後ろには緑谷出久(みどりやいずく)

 

 

 

主役達に挟まれた……なんで?

ああ、あいうえお順の出席番号ですね……わかります。

 

 

 

ヒーロー科で入学さえできれば、クラスにこだわりはないはずだった。

ヒーロー科に入って、個性の使用可能な施設を使える事が出来ればいいはずだった。けれどこれは……

 

(二人のゴタゴタに巻き込まれないよう注意しないと)

 

夏まで約3か月しかないのだから。

 

意識が沈みかけた所で、誰かの手が私の肩に乗せられた。

振り向くとそこには、おかっぱと長い福耳(プラグ)が特徴的な女の子。

 

「あんた、大丈夫? 黒板見て急に固まったけど……」

 

「なに!具合でも悪いのか!?」

 

「いや、元気だよ。結構良い席だなって思ったのと、自分の周りの席に誰が来るのかなって見てただけ」

 

遠い席から即座に反応した飯田くんに内心ビビりつつ、手を振って事でその場に押し止める。

 

「なんだ、そうだったんだ。あ、ウチは耳郎響香。よろしくね」

 

「星川結子。よろしく」

 

耳郎ちゃんとの自己紹介を終え、私は自分の席に荷物を置いて来た道を引き返す。そのまま教室を出ようとすると再び耳郎ちゃんに呼び止められた。

 

「どっか行くの?」

 

「校内探検。トレーニングルームの場所とか保健室の場所とか確認しておきたくて」

 

「へぇ。ねぇ、ウチも一緒に行ってもいい?」

 

「うん。いいよ」

 

元々1人でまわるつもりだったが、断るのもおかしな話だろう。

校内を見て周る間、ほんの少し、耳郎ちゃんとお話した。

お互いの出身中学や地元の話。お互いの好きなもの。

私が一人暮らしを始めた事や耳郎ちゃんは自宅から学校に通う事。

驚いたのは耳郎ちゃんが母がよく歌っていた曲を知っていた事。

マイナーな曲だと思っていたが、耳郎ちゃんの音楽知識は幅広い。

流石は音楽少女の耳郎ちゃんらしい。

 

あと、最初は耳郎ちゃんと呼んでいたが、「呼び捨てでいいよ」と言われたので、今後は遠慮なく響香と呼ばせてもらう事にした。私の事も結子と呼んでもらう事になった。

 

いくつもあるトレーニングルームへの行き方を全て把握する事はできなかったが、保健室や食堂、職員室の場所などは粗方覚えた。

 

二人で教室に戻る頃には、すでにクラスメイトのほとんどが登校し、席が埋まっていた。

和気あいあいとしてる様子はなく、まだ皆どこかよそよそしい。

1Aのクラスは仲が良く団結しているイメージが強かったから、少し驚いた。

自分の席にから動かず、興味深そうに視線だけをこちらに寄こす様子が、私には初々しく見えた。

 

(……ああ、そっか。皆は今日から始まるんだね)

 

「なんか席に着いてた方が良いみたい?」

 

「そうだね。時間も近いし」

 

響香と別れ、といっても席はさほど離れてはいないのだけれど、私も自分の席に向かうと、前の席には既に彼がいた。

見た目の不良っぽさからは想像できない天才肌の優等生。

 

主人公の幼馴染ーー爆豪勝己。

 

思わず上から下へ、じっくりとなめるように見てしまった。当然のように彼も気づいて、こちらを睨み返してきた。

 

「何見てんだ、コラ」

 

「いや、初日からネクタイ忘れたのかなって」

 

「誰が忘れるか!! 暑苦しいから着けてねえだけだ!!」

 

「あ、そう」

 

それ以上会話は続かなかった。

正直、現在(いま)の彼には好感もなければ興味もない。

私はそのまま自分の席に着くと、響香がきょとんとこちらを見ていた。よく見ると他のクラスの皆も。

爆豪くんが大きい声を出すから、視線を集めてしまったらしい。

 

彼は一つ舌打ちをすると、机の上に足を乗せた。

それに即座に反応したのが、我らが委員長(予定)。

 

「君!机に足をかけるな!」

 

と、彼に詰め寄って行った。

 

 

ここから先は見たことがある光景だった。

 

既に1Aの教室の扉から、(主人公)が顔を覗かせている。

その後ろから歩いてくるヒロインと、奥の方に見える寝袋の塊。

 

 

 

集中しよう。

 

私は1Aのクラスに急に飛び込んだ、"不純物"だ。

 

初日から除籍されないよう、全力で頑張ろう。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

よれた黒い服に、ぼさついた長めの髪と無精髭。

寝袋で登場した一見小汚なく見える我らが担任、相澤消太(あいざわしょうた)先生。

 

先生から体操着を受け取って、それに着替えた私達はグラウンドへと集まっていた。

 

 

これから行うのは、個性把握テスト。

全部で8種目。

 

ソフトボール投げ

立ち幅跳び

50m走

持久走

握力

反復横飛び

上体起こし

長座体前屈

 

入学式やガイダンスの時間は全て省略。

相澤先生曰く、「ヒーローになるならそんな悠長な行事に出る時間ないよ」と。

また"自由"が校風の雄英高校、それは"先生側"にも適用される。

学校行事の参加可否だけでなく、それは教える生徒の()()も。

 

爆豪勝己によるソフトボール投げのデモンストレーションが終わり、トータルの成績最下位には"除籍処分"を告げられた。

ざわつくクラスを先生はこの言葉で黙らせた。

 

「"Plus Ultra(更に向こうへ)"さーー

ーー全力で乗り越えて来い」

 

まずは50m走の記録から測るらしく、出席番号順で2人ずつ先生から名前を呼び上げられた。

 

 

さて、私はどうやって記録を作ろう。

 

足は速い方だと思うし、普通に走ってもそれなりのタイムにはなるだろうが、折角の個性把握テストなのだから、なるべく個性を使っていきたい。

 

漫画では青山くんがレーザーを推進力として使っていたが……

私はレーザーを推進力として使えない。

 

星から打ち出されるレーザーは、どんなに威力を高めても、どんなに飛距離を伸ばしても、"始点"である星は位置が変わらない。

 

青山くんのレーザーと違って反動なく、双方向に衝撃がいかないのだ。

 

科学的に説明できないこの現象は、やはり超常だからと言わざるおえない。

 

パムーンが使っていた身体強化の技『オルゴ・ファルゼルク』を使う事ができれば、話は簡単なのだが、イメージが上手く掴めず、成功した事が無い。

操作して身体に星をくっつけたり、身体の表面にエネルギーを纏わせる事はできるのだが、そこから身体強化に繋がるというのは、どういう事だろう。某少年探偵のように電気でツボを刺激する感じだろうか。

そもそもどこのツボを刺激したら筋力強化なんてできるんだろう…

 

…うん、考えるのやめよう。

 

(レーザーでは無理だけど、星自体を動かして体を押させる?いや、無理じゃない?)

 

宙に展開する私の星自体には、重さがほとんどない。

 

母の"月"もそうだったが、手のひらサイズの見た目からは想像できないほど軽い。

それで何かを持ち上げようとしたり、押そうとしたりすると、全身にずっしりとした重さを感じるのだ。操作性も格段に鈍る。

幼少期、どうにか星に乗って空中飛行をやりたいと頑張った時もあるが、早々に諦めることになった。

 

(……最高速度で加速させた星をぶつければ、その衝撃で前に進めるかも。その場合、私自身の大ダメージを負うけど……いや、それこそレーザーで打って押しだせばよくない? 星を背中にくっつけて盾を張ればなんとかいける、かな?)

 

 

「次、星川と緑谷 」

 

 

名前を呼ばれて、レーンに並ぶ。

隣に顔を強ばらせている緑谷出久(主人公)がいるが、気にしている余裕が、私にもない。

 

(イチかバチか!)

 

「ヨーイ スタート!」

 

 

- キィン - 甲高い音で出現する"星"。

同時に私もスタートダッシュをきる。

星は自分より約1m程後方に5つと背中や足にくっつける形で5つ。

展開した後ろの星に高威力でレーザーを打てるように力を集中させ、

 

 

「ファシルド!――とッ、ファルガ!」

 

 

身体にくっつけた5つの星同士をエネルギー状の『辺』で結び、『辺』の内側にエネルギー状の『面』を張る。

威力を高められたレーザーが5本、星から打ちだされ、盾にぶつかる瞬間に、私は両足を地面から離す。

 

「ーーッンぐ!」

 

グンッと全身にかかる衝撃と慣性に驚いている間に、ピピッと機械音がゴールを知らせる。

 

「ーー星川、3秒58」

 

わっとクラスメイトのわく声が聞こえたが、私はというとゴールより数十メートル離れた場所でグランドを転がっていた。

 

ゴールの音は聞こえていたし、レーザーもすぐに止めたのだが、威力を殺す方法を考えていなかった私は、ゴールを超えて尚ふっとび続けたのだ。

 

地面になんとか着地しようと足を地面に着けるも、勢いがつきすぎて何度も前転を繰り返すはめになった。三半規管は強い方と自負はあったが、流石に目が回った。

 

「星川、とっとと起きて次の記録を測れ」

 

「は、はい……」

 

立ちあがってみんなの元に向かうが、ふらふらとあちこちに身体が行ってしまって、見かねた響香が迎えに来てくれた。

 

「記録はすごいのになんかバカっぽい」

 

「やめて響香、傷口抉ってかないで」

 

「なに!怪我をしたのか!?」

 

「違うよ飯田くん。無傷だけど、無傷じゃないんだよ」

 

「……? つまりどういうことだ!?」

 

「…………うん。もう飯田くんはずっとそのままでいてね」

 

「意味がわからないんだが!?」

 

「面倒くさくなったからって適当に投げないの」

 

ひとまずはすごい記録だったと飯田くんに誉められながら、響香と一緒に次の種目を測りに移動していると、ふと爆豪くんと目が合った。

 

思い切り舌打ちされた。

 

ちょっとイラっとした。

 

 

 

第2種目 握力

 

これは星で"縛る"方法をとろう。

 

2つ星を出現させ、星の間に光の紐を結ぶ。

技名がないと呼びにくいので、今後は"光糸(こうし)"と呼ぼう。

 

光糸を握力計の真ん中で交差させ、ぐるんぐるんに回す。

その上に見せかけであるが手を添え、星同士を逆方向へ移動させる。

 

これは時々モンペ並に過保護を拗らせた巧朗を縛り上げる時によく使っていた。

 

ピピッと握力計が計測が終わった事を知らせた。

 

ー67kgwー

 

素の握力は30になるかならないかなので、倍以上の記録を出せたことになる。やったね。

 

 

 

第3種目 立ち幅跳び

 

これは50m走と同じ方法の盾とレーザーの2重使いで乗りきった。

今回は砂場を越えた辺りで着地できるよう、威力の調整もしっかりした。

 

 

 

第4種目 反復横飛び

 

これは普通に測った。

両側からレーザーで何度も打つか考えたが、流石に身体が持たないだろう。

他に星の活用性が思い付かなかった。

 

 

 

第5種目 ソフトボール投げ

 

爆豪くんがデモンストレーションをしてくれたソフトボール投げ。

この種目では一つ試してみたいことがあった。

 

「相澤先生、質問してもよろしいですか?」

 

「なんだ」

 

「"星"を白線の外に配置しておくのはありですか?」

 

「なしだ。個性で作った創造物(もの)も白線から越えた瞬間、記録なしとする」

 

「…………わかりました」

 

残念。ここはレーザーで打ち出すことにしよう。

 

星を1つ出現させ、"力を溜める"。

50m走や立ち幅跳びの時の簡易的に力を集中させるのではなく、集中させた力を溜める続ける、所謂チャージ状態だ。

当然、チャージをする程、星一発分のレーザーの威力は上がる。

チャージされた星は徐々に輝きを増す。

 

もうそろそろ良いかなと、私はボールを白線の外へ投げ、そのボールに向かって威力をあげたレーザーを当てた。

レーザーが当たったボールは瞬く間に遠くへ飛んでいく。

 

 

記録 ー531mー

 

 

狙った斜め上45°の角度で打ち上げる事ができて、私は満足である。

続けて2投目に入ろうと星にチャージを始めた時、先生にストップをかけられた。

 

「記録がなしになって良ければ、さっきの試してみろ」

 

「え、良いんですか?」

 

「むしろお前が2投目の記録がなしになって構わないなら、だ。やるか?」

 

「やります!!」

 

 

そして先生は言った。「お前が思う個性の最大限の活用法、見せてみろ」と。

 

 

まずは自分に出せる限界量まで星を出す。

今回は出現スピードよりも量と操作性重視なので一つずつ星をイメージしながら出現させる。

反射的に出した星よりも、しっかりイメージを固めて出した星の方が操作性がしやすく感じるのだ。

ポポポコン、ポポポコン‐と、どこか間抜けな音が連続してグラウンドに響く中、出した無数の星はボール投げのライン上に散らす。目が届かなくなる程、遠くにも。

 

そしてグラウンドやその先に散らした星との感覚共有に集中する為、私は一旦、目を閉じた。

 

先生が何かを言ったようで、クラスがざわついている気がするが、あまり耳に入ってこない。声が遠くに聞こえるようだ。

 

 

星同士、距離間も等間隔にちゃんと散っている。

 

 

ーー準備は整った。

 

 

私はボールを前方へ軽く投げる。

レーザーを打ち込む角度は1回目で掴んだ。

 

 

「ファルガ!」

 

 

手元に残し、チャージしていた星で宙に浮いたボールを打ち上げる。

強く輝くレーザーはボールをあっという間に視界の外へと運んでいく。

 

ここまでは1回目と変わらない。

ここからが、試したかった。

 

星たちの感知でボールが推進力を失い、落ち始めたのを感じた。

 

「ファルガ」

 

ボールに最も近い星を操作し、再度ボールにレーザーを打ち込む。

角度はもちろん斜め上45°。

更にボールは高く遠くまで飛んでいく。

 

これをボールが感知できなくなる限界まで繰り返す。

 

これが自身の"星"の感知力と操作性を活かした個性の最大限の活用方法。

 

神野の街中では、こんな事を試せる機会は流石になかった。

 

飛距離は2kmを越えたあたりだろうか。

チャージしながらレーザーを打つ所為か、一発ごとに疲労感が押し寄せてくる。

 

でも、まだまだこんなもんじゃない。

 

 

「ファルガ!」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「すごい……」

 

 

思わずそんな呟きが漏れた。

 

僕の一つ前の席の女の子。

 

円の中、彼女はボールが飛んで行った方向をじっと見据え、不敵に笑っていた。

時折、何かを言っては、肩で息をしている様子はあるが、彼女の笑みは崩れない。

相澤先生の手元にある計測機からも、まだボールの着地を知らせる音はしない。

 

(これが、雄英……これが実技試験一位の実力……)

 

一体どこまで記録を伸ばしているんだろう。

 

それに対して、僕はまだ何一つ良い記録が出せていない。

 

焦りばかり募る中、「あ」と抜けた声が深く沈みかけていた僕の思考を止めた。

 

「外しちゃいました……」

 

暫くして、ピピッと相澤先生の手元で計測器が鳴った。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「どのくらいまで行ったか、わかるか?」

 

手元の計測結果を見ながら、目の前の女生徒に問いかける。

少女は疲労した様子で、上がった息を整えているところだった。

 

「……たぶん5100m前後だと思います」

 

「5123mだ。感知範囲は5kmくらいが限界のようだな。外した原因は?」

 

「風に煽られてボールの軌道が予測から大きくずれました。星で追いかけましたが、感知した位置とも誤差があって、ボールにレーザーを当てる事ができませんでした」

 

(星の操作自体は5km先でも可能……しかしそれは動かず一方向のみに焦点を絞ったときか)

 

「全方向に同じように個性を使った場合、どのぐらいまでいけそうだ?」

 

「……2kmくらいなら」

 

「お前自身が動きながら個性を使った場合は?」

 

「……100mいくか、いかないか」

 

大分渋い顔をしながら少女は言う。

 

(なるほどな、だから入試後半はポイントの伸びが悪い。他の受験生を考慮した訳ではなく、移動しながらで狙いが絞られたのか)

 

「わかった。さっき言った通り、1回目の531mが正式な記録になる。いいな?」

 

「はい。むしろ、わがままを言ったみたいで……すみません」

 

「謝罪はいらない。俺がやってみろと言ったんだ。わかったら、早く次に代われ」

 

「……はい!」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

全身がだるく重たい。疲れのせいか、眠気もひどい。

感知とレーザーの組み合わせをここまで思いっきり試したのは初めてだった。

そもそもレーザー自体、ヒーローに怒られた時からあまり練習できていなかったから、自分の事なのにイマイチ限界がわからない。

 

あくびを噛み殺しながら皆が待機してる場所へ行くと、ぽかんと口を開けている響香がいた。

クールなイメージが強い響香には珍しい表情だ。

 

「響香、口開いているよー?」

 

「……あんたって見かけによらず凄い奴だったんだね」

 

「おっと、その『見かけによらず』ってところ、ちょっと引っかかるんだけど、詳しく聞いても?」

 

「いや、悪い意味じゃなくて、ヒーローっぽく見えたから……て、なんか眠たげ?」

 

と、響香は首を傾げる。

 

「まあ、さっきのは流石に疲れたからね。眠気もピークかも」

 

「まだ種目残ってるけど大丈夫のなの?」

 

「……な、なんとか」

 

そうだった。

これはまだ5種目めで、あと3種目残っている。

 

(ペース配分間違えたかも……)

 

若干、冷や汗をかいていると、「まあ、今まで結構いい記録出してるし、除籍はないんじゃない?」と、響香ちゃんも言ってくれるが、できれば残りの3種目でもいい成績を残したいところだ。

 

 

突如、またクラスがざわついた。

 

 

緑谷くんが第1投目を投げたところだだった。

記録は芳しくなく、クラスから心配そうな声があがる。

会話の内容は聞こえないが、更に顔を青ざめさせた緑谷くんに、相澤先生は何かを言っている様子が見えた。

 

「指導を受けていたようだが」

 

「除籍宣告だろ」

 

と、どこか覚えのあるやり取りが聞こえると、緑谷くんは2投目の投球フォームに入った。

彼はしきりになにか呟いているようで、口元が小さく動いている。

 

彼がボールを離す瞬間、まるで小さな爆発が起こったかのようだった。

SMASHと大きく叫んだ彼の向こう側へ、ボールはどんどん小さくなって消えていく。

彼が初めて出した大記録だった。

 

ボールを投げ終わった後、彼の人差し指は赤紫に変色し、腫れ上がっていた。

それでも痛みを堪え、涙を浮かべながらも笑う姿に思わず言葉がもれた。

 

 

「すごい……」

 

 

 

 

 

 

ーーでも、

 

 

 

 

 

 

「負けたくないな……」

 

 

 

 

 

 

その後、爆豪くんが緑谷くんに掴みかかろうとする一悶着があったが、個性把握テストは続く。

 

 

第6種目の長座体前屈は掌から星を連続して出すことで好成績を出し、

 

第7種目の上体起こしは体を起き上がらせる時、星に補助してもらった。さすがにレーザーは使えないので、加速させた星を何度も背中にぶつける荒業だった。盾を張っても衝撃は伝わり、若干痛い。

 

 

最後の種目の持久走は、直線コースでは星のレーザーと盾でタイムを縮めたが、コーナリングの部分は普通に走らざるをえなかった。

レーザーも自分の意思で曲げることができれば良いのだが、如何せん直線にしか打つ事ができない。

なんとか上位陣にくい込めた為、まあまあといったところだろうか。

 

 

 

これで、全ての種目の計測が終わった。

 

個性把握テストの成績発表は、ホログラム映像によって先生から一括開示にて行われる。

 

固唾を飲んで見守る中、相澤先生は手元の計器を操作すると同時、

 

「ちなみに除籍はウソな」

 

と、平々凡々と言ってのけた。更に悪い笑みを浮かべながら言葉を続ける。

 

「君らの最大限を引き出す、合理的虚偽」

 

一気にやかましくなるクラスに、響香は耳を塞いでいた。

特にやかましかったのは飯田くんと緑谷くんだろうか。

飯田くんは眼鏡にヒビが入るほど叫んでいたし、緑谷くんはもう全身で驚いていた。小刻みに震えているのか、輪郭がぼやけて見える程で笑った。

 

 

 

成績順位はーー

 

1位 八百万 百

2位 星川 結子

3位 轟 焦凍

4位 爆豪 勝己

19位 峰田 実

20位 緑谷 出久

 

 

今日はこの後、教室にあるカリキュラム等の書類を受け取って終わりである。

 

先生も一足先にグラウンドから去り、生徒も各々、更衣室へ向かう中、私は一つあくびをこぼし、歩き出した。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

帰る間際、私は相澤先生に呼び止められた。

「職員室へ来い」と何が何やらわからないまま、先生の後について行く。

 

職員室では、相澤先生の机の上に、一つ小包が置かれていた。

 

「学校にお前宛の荷物が届いた。悪いが差出人の記載がなかったから、こちらで勝手に開けさせてもらった」

 

「私宛?……なんで学校に?」

 

「それはこれを読めばわかる」

 

と、先生に差し出されたのは白い便箋。

 

 

『初めまして』

 

 

そんな書き出しから、手紙は始まった。

 

 

『私は、貴方の祖母にあたる、目空(めそら) 雨露子(うろこ)と申します。』

 

 

「…………え?」

 

文字の意味をうまく理解できず、手紙から顔をあげると、ちょうど椅子に座った所の先生と目があった。

先を読めと促されているようだった。

 

 

『貴方が雄英高校のそれもヒーロー科に入学すると知り、今日、筆をとりました。

 

雄英高校への入学、本当におめでとうございます。

苦手な勉強もすごく頑張っていたと聞きました。

 

突然の手紙に、貴方は今、大変驚いていると思います。

祖母と言われてもよくわからないでしょう。

なので、少しだけ、意気地無しの私の事を書きます。

 

私は、青森県の田舎の方で旦那と二人で暮らしています。

旦那との間には3人の子供に恵まれ、長男として生まれたのが、貴方の父、目空(めそら) 光線(こうせん)でした。

 

息子はちょっと変わった子供で、友達と遊ぶことよりも機械の分解や改造に熱中するような子でした。

その趣味が興じて、息子はヒーローのサポートアイテムを作る会社へ就職しましたが、就職してからは仕事ばかりで、親しい友人の話も、浮ついた話も聞く事がなく、親として心配していました。

 

けれどある日、息子から結婚を考えている人がいると聞きました。

 

息子に好い人ができたことは嬉しかったけど、相手の方の職業がホステスと聞いて、失礼な話だけど、息子は騙されてるんじゃないかと疑いました。

それでも息子が素敵な人だと強くすすめるから、会ってみる事になったけれど、あの事故が起きてしまった。

 

私はとても悲しくて、心を取り乱してしまった。息子の葬儀に来てくれた月子(つきこ)さんにとてもひどい言葉をあびせてしまった。

 

月子さんは何も悪くないのに、何度も私に頭を下げていたのを覚えています。

 

本当に、本当に申し訳ないことをしました。

 

それからの私は息子の死を悼む日々を過ごしました。

 

日が経ち、年月が進むにつれて、ようやく息子の死を受け入れられるようになった時、ふと、月子さんの事を思い出しました。

 

彼女は私になんて会いたくないだろうとも思ったのだけど、もし許されるなら葬儀の時のお詫びをしたくて、私は息子から聞いていた彼女の職場へ会いに行きました。

 

彼女は長くお休みしているようで、その日は会えなかったのだけれど、偶然、帰り際に月子さんを見掛けました。

小さな貴方を抱えて歩いているところでした。

 

その時初めて、貴方が生まれていることを知りました。

 

すぐに謝りに行ければ良かったのに、私は怖じ気づいてしまった。

 

一番助けが欲しい時に、私は月子さんに酷い言葉を投げつけ、突き放してしまったから、きっと恨まれていると思いました。

 

それでも、貴方たち家族の事はずっと気になって、時折、息子の後輩だった接客(せっきゃく)くんに様子を聞いたりしていました。

 

接客くんの話を聞けば、彼女が私を恨んでないことはすぐにわかりました。

彼女はただ、私と同じように息子の死を悲しんで、悼んでくれているだけだった。

 

月子さんは息子の話の通り、とても素敵な人だと思います。

 

月子さんは貴方をとても良く育ててくれたし、貴方もとても良い子に育ってくれた。

 

それでも私は意気地無しだったから、貴方たち家族にちゃんと会いに行くことはできなかった。

時折、影から顔を覗きに行くことが精一杯だった。

 

でも、一度だけ貴方とお話した事があるの。

 

貴方は私が困っているように見えたのね。

大丈夫ですかと、話しかけてくれた。

私は上手くお返事できなかったけれど、間近で見た貴方の目元が息子とそっくりだったのを覚えています。

笑った顔がとても愛らしかった。

 

 

 

貴方も月子さんも、二人で幸せそうに暮らしているようだったから、

今更、横から水を指すのもと、私はだんだん会いに行くのを遠慮するようになりました。

 

でも、もっと早くに会いに行くべきでした。

 

 

月子さんのこと、本当に残念でした。

 

 

私は貴方たち家族に何一つしてあげられなかった。

 

 

後悔に明け暮れていた時、接客くんから貴方がヒーローを目指していると聞きました。

ヒーローのサポートアイテムを作っていた息子の子供がヒーローを目指しているなんて、なんて巡り合わせでしょう。

 

送った小包は息子が働いていた会社から返却された遺品です。

息子の研究が、きっとヒーローを目指す貴方の助けになると思います。

そして、私が持っているより貴方に受け取って貰えた方が、息子も喜ぶと思います。

 

なんて手前勝手な話だとは思うけれど、少しずつでも貴方たち家族の力になりたいと強く思っています。

 

そしてもし、

 

もしも許されるなら、

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

厚顔無恥なお願いとはわかっているけれど、もし許されるならどうか。

 

贖罪の機会を、私に下さい。』

 

 

その後、祖母の連絡先等や転居先の住所がわからず、小包を雄英高校に送ったことの謝罪が綴られていた。

巧朗に聞けば、転居先の住所はわかっただろうに、それよりも気持ちが急いていたのだろうか。

 

読み終わって顔をあげたとき、再び相澤先生と目があった。

 

先生は少し驚いていたようだけれど、私はそれよりも机の上に置かれた小包に目が行った。

小包の中には、長年、父が開発案や研究を書き留めていたと思われるノートがたくさん入っていた。

 

「明日の授業には間に合わんが、コスチュームやサポートアイテムの再申請はいつでもできるぞ」

 

そう相澤先生から差し出されたのは、コスチュームの申請届とティッシュの箱。

 

私は申請届を受け取りながら、ティッシュを一枚拝借し濡れた頬をおさえた。

 

 

「ありがと、ございます……」

 

 

小さな声になってしまったけど、今日は先生も許してくれると思う。

 

 

 

 

 

 

後に、なかなか泣き止まなかった私のせいで、他の先生方から相澤先生にあらぬ嫌疑がかけられたのは本当に申し訳なかった。

 

 

そして、家に帰ってから見た父の研究内容に、度肝を抜かれたのは、また後日。

 

 

 

 

 

 

 




星川 結子(ほしかわゆいこ)

実技一位!筆記ギリ!
実技で稼いでホントに良かったね(実は脳筋?)
響香ちゃんと友達になれたよ!
祖母ゲット!
父開発のサポートアイテム考案・図面ゲット!
あれ、ねえ、父よ、貴方まさかの疑惑浮上
泣いていた為、職員室でちょっとした有名人に
先生方が近くにくると何故か頭を撫でてく不思議



目空 雨露子(めそらうろこ)

青森県在住
目空光線(父)の母
結子の祖母
月子さんへの罪悪感半端ない
一目みた孫が可愛くてうれしいおばあちゃん
孫のそばにいる接客くんがうらやま、うらめしい
父の他、娘が二人
内、一人は嫁いで子供もいるようだ





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早くエアギア要素を出したい……!

また修正かけるかもしれませんが、次回の更新予定は最新話のつもりです!

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