ISヒロインズとオリ主のお話   作:ジャーマンポテトin納豆

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久々の投稿。


101話目

束さん達と別れてから教室に戻った。

戻ったんだけど……

忙しさが増していた。過酷ってレベルの度合になっている。

たったの十数分程しか離れていなかったのにも関わらず織斑は既に死にそうな顔をしている。

 

「……何があった?」

 

「やっと帰って来たぁ……マジで死ぬかと思ったんだよ……」

 

「……そうか」

 

重症ですねこれは。

哀愁漂う背中に顔が灰になっている。

マジで何があったんだ……?

 

「輝義!すまないが一夏と交代してくれ!」

 

「……構わないが何があった?」

 

箒に聞いてみた。

 

「それが、一夏を狙っている客がとんでもない数がいるんだが、どうにも女だけではなく男もいるらしくてな……その客にその、尻を揉まれたりしてな……勿論そいつは追い出したんだが他にも何人か居たらしくてな。他にも難癖を付けて無茶な要求をしてくる客も居たりして精神的に疲れてしまったらしくて……」

 

「……すまない。俺が抜けたばっかりに織斑が……」

 

「あぁ、いや責めているわけでは無いんだ。取り敢えず一夏が復活するまで頼めないか?」

 

「……勿論だ」

 

まぁ俺が居ても居なくても変わらなかったかもしれないが少なくともこんな事にはならなかっただろうし。

それを考えると俺にも責任はあるわけだから断る理由なんてありゃしない。

取り敢えず仕事するか。

俺にちょっかいかけてくる奴なんて居ないだろうし。

 

 

 

 

と、思っていた時期が俺にもありました。

なんなんだこれ。おかしいだろ。

なんで俺にちょっかい出すの?怖く無いの?尊敬するわ。

尻を触ってきたりとかは無いんだけど無駄に難癖付けてくる奴が多い。

今もほら。

 

「こんなこともできないの!?これだから男は……」

 

と、何かを言っているがぶっちゃけ聞いていない。だって聞いても訳分からんし。

適当に右耳から左耳へと通り過ぎていく。

こいつも女尊男卑主義者か。

 

「ちょっと!聞いているの!?」

 

話を聞いていないことがバレた。

表情は変えずに内心、めんどいなー早く帰ってくれないかなーと考えながら周りを見ると不快そうにしている客の顔。

これは早めにご退場してもらった方がいいですなぁ……

 

「……申し訳ございませんお客様」

 

俺が謝った事で何故か気分を良くしたのか笑いながら、

 

「ふん!分かればいいのよ分かれば。これからはーーー」

 

ところがどっこい。俺はこいつに謝った訳じゃぁ無いんだな。

 

「……あぁ、別に貴女に謝罪をした訳ではありません」

 

「は……?」

 

「……不快な光景を他のお客様にお見せしてしまい誠に申し訳ありませんでした。今すぐにこの方には此処から出て行って貰いますので少々お待ち下さい」

 

さっきから俺に何かを喚いていた奴は訳が分からないといった表情をしている。

 

「……話を聞いていただろう?早く出て行け」

 

俺がそう言うと言われた事の意味を理解したのか段々と赤くなっていく顔。

俺が言える事じゃ無いけど面白い顔してますよ。

 

「な、な、なな何を言っているのか分かってーー」

 

「……勿論分かっている。もう一度言ってやろうか?」

 

「他のお客様に迷惑だ。とっとと出て行け」

 

俺が言うと女は耐えられなくなったのかその場から逃げ出すように何処かに消えた。

そのまま学園から出て行ってくれると有難いんだがな。

その瞬間に何故か拍手が起きる。

 

えぇ……?なんで……?

 

拍手されてる理由が分からなくて困惑していると近くにいたシャルロットが説明してくれた。

 

「さっきの人ね、輝義が戻って来る前から居たんだけど周りに迷惑ずっと掛けてたんだ。だから皆言わなかっただけで早く出て行かないかなって思ってたんだ」

 

「……そうだったのか」

 

なんとなく予想出来る事だから驚かないけどまぁムカつくな。

 

「……まぁこれで解決したんだ。仕事に戻ろう」

 

「うん。そうだね」

 

まぁ特に散らかっていたわけでもなかったので出した皿を片付けて次のお客様を案内する。

大体二時間ぐらいだろうか?一夏が復活した。

 

「悪い!迷惑掛けた!」

 

「……気にすることはない」

 

「でも俺が死んでたから一人だったんだろ?」

 

「……まぁな」

 

「なら迷惑掛けてるだろ。でも、ありがとう」

 

「……ん」

 

これから昼が終わるまでは俺も織斑もシフトに入っている。

二時ぐらいまでだからあと二時間程。

頑張るか。

 

 

 

 

それから暫くすると束さんとクロエがうちのクラスにやって来た。

 

「やぁやぁ輝義君!」

 

「輝義様、こんにちわ」

 

「……ようこそいらっしゃいました。ただ今お席にご案内します」

 

まぁ動揺したけどそこは流石俺。

そんな事を感じさせない様にちゃんと執事を演じる。

 

「おぉ……輝義君かっこいいね!」

 

「輝義様、流石です」

 

どうだ!褒められたぞ!

俺に掛かればこのぐらい朝飯前って事よ。

 

でも後ろの方から感じる視線が怖いです。

具体的には好奇心とか野次馬みたいな視線に混じって明らかに別の物が混じっている。

恐る恐るチラ見してみると箒、セシリア、シャルロット、ラウラ、本音がおっかない顔で見ている。その顔にはこう書いてあるのが手に取るように分かる。

 

(((((その女は誰だ?答えによっては……分かっているな?ん? )))))

 

そんな顔をしています。

今此処で下手な事をすれば首が飛んでしまう。

……あとでしっかりと弁明しなきゃ。

 

 

 

「……こちらのお席にどうぞ。メニューはこちらになります。お決まりになりましたら近くの者にお申し付け下さい」

 

そう言って束さんとクロエにメニューを渡してその場を去る。

怖いから仕事に没頭しようとした瞬間に織斑が近づいて来て小さな声で話し掛けて来た。

 

「なぁ輝義」

 

「……どうした」

 

「今輝義が案内した人って束さんだよな……?」

 

えっ。

なんでこいつ束さんって気付いてんの?

 

「……そうだが」

 

「なんで此処に束さんが?」

 

なんかもうバレてるからいっか。

話しちまおう。

 

「……俺が招待したんだ」

 

「そうなのか。納得がいった。箒が招待する筈は無いしもしかしたら何時ものトンデモ技術で侵入したりチケット偽造したりしたのかなって思ったからさ」

 

織斑が言ってる事間違いじゃ無いんだよな。

ここ最近は無いけど俺の部屋にいきなり現れたりするからチケットの偽造くらい簡単に出来てしまうのだろう。

 

「でも箒達も他の皆も気付いてないのかな?」

 

「……いや、どうにも俺以外の人間には束さんを束さんだと認識出来ない装置か何かを使っているらしい。それのせいだろう」

 

「そうなのか。でもさそしたら俺はどうなんだ?」

 

確かに何故織斑には束さんを束さんだと認識出来たのだろうか?

考えてみるがそんな事が俺に分かる筈もなく。

 

「……分からん」

 

「ま、気にしてもしょうがないか」

 

織斑はさして気にしていない感じで仕事に戻ってしまった。

俺も他の客の所にオーダーを取りに行こうとした瞬間にとんでもない注文が入った。

 

「お好きな執事どちらかとイチャイチャフルコースのオーダーが入りましたー!」

 

はぁ!?

あんなん完全にネタ枠で作っただけのアレをか!?

値段をよく見てだよな!?

十万だぞ!?十万円だぞ!?誰だそんなもん頼んだ奴は!?

思わずそちらを見ると、

 

「ふっふーん!これで輝義君を暫く独り占め出来るよ!」

 

束さんでした。

束さんかぁ……うん…なんというか納得したわ……

 

「一応ですがどちらの執事を指名しますか?」

 

「そりゃ勿論輝義君だよ!」

 

俺を指名すんの!?

まじかぁ……あれ内容が酷過ぎるからやりたくないんだけどなぁ……

本当に酷い。どうかしてんじゃないかってぐらい酷い。

 

執事とポッキーゲームから始まり記念撮影に好きなデザートを選んでそれをアーンさせたり……

他にも色々あるが濃過ぎる内容だ。

多分黒歴史間違い無しの内容がてんこ盛りだ。

 

「さぁさぁ輝義君!」

 

これ精神的に保つかな……

 

「……分かりました」

 

「やったぁ!」

 

クロエさんや……

素知らぬ顔してオムライス食べてないで助けて欲しいんですが……

目で訴えたが無視された。神は死んだ……

 

でも注文された以上は断る訳にもいかず箒達からの冷たい視線を浴びながらメニューに書いてある事をこなしていく。

最初は希望通りにあーんから始まる。

 

「……あーん」

 

「あー…ん〜!!美味しいよ!輝義君が食べさせてくれてるからもっと美味しく感じちゃうな!」

 

「……それは良かったです」

 

「さぁさぁどんどん行こうか!」

 

束さんは嬉しそうな顔をしている。

それならいいやと一瞬思ったがやはり視線が怖いのでマイナスになってしまっている。

マジで怖ぇ……殺されんじゃないかてぐらい。

 

「次はポッキーゲームやろう!」

 

はい死んだ。

 

「あれ?どうしたの?」

 

「……いえ、なんでもありません」

 

思わず死んだかと思って固まってしまった。

いやもうそう思うに決まってるでしょ。

周りはキャーキャー騒いでいるがそれどころじゃない。

それに混じってさっきまでとは比にならないぐらいの殺気が篭った視線が複数感じる。

まじで死ぬんじゃないだろうか。

 

「はい!ポッキーでーす!」

 

面白がっているクラスメイト達はすぐさまポッキーを持ってくるがこれほど食いたくないと思ったのは人生でこの瞬間だろう。

 

「早速やろうか!」

 

束さんは周りの視線など御構い無しと言った風に催促してくる。

流石です束さん。

それとクロエさん。割と真面目に助けて欲しいんですが。

視線を送ってもスルーされた。それどころか面白いものを見るような目でこっちを見ている。

俺には分かるぞ。あの目は早く始めろと言っているんだな。

織斑に助けを求めようとするがあいつは休憩に入っていて居ないんだった。

覚悟を決めるしかないか……

 

「……分かりました。やりましょう」

 

俺がそう言った瞬間に束さんは口にポッキーを咥えて目を閉じる。

 

ふぅ……なんで目を閉じるの!?

と言うか束さんの綺麗な顔がすぐそこにあるって言うだけでもうヤバイんですけど!?

キスされるのを待っているみたいじゃん!?

俺にどうしろって言うんだよッ!!!!!

 

(輝義様)

 

葛藤しているとクロエが小さい声で話し掛けてきた。

 

(……どうした)

 

(いい機会ですので思いっきりぶちゅっと行っちゃってください)

 

この娘は何を言っているのかわからないんだけども。

しかしいつまでもこうしている訳にはいかない。

覚悟を決めるしかない!

 

「……行きます」

 

「ん……」

 

差し出されたポッキーの端を加える。

目を瞑って咥えたはいいがそれによって嗅覚と聴覚が鋭くなったのか束さんの何度か嗅いだ事のあるいい匂いと束さんの息遣いが周りがこれだけ騒がしいのにも関わらずしっかりと感じる事ができる。

少しづつ食べ進める。

しかし耐えきれなくなった俺は目を開けてしまった。

そこには視界いっぱいの束さんの綺麗な顔。シミひとつ無くきめ細やかな張りのある肌。

初めて出会った時は荒れていた肌がここまで変わっている。

目の下にあった隈も無く、誰が見ても絶世の美女と答えるであろうその顔が数センチ先にあるのだ。

思わず仰け反ってしまても仕方がないと思う。

 

その瞬間に折れるポッキー。

そして束さんも目を開ける。

 

「むぅ……残念だなぁ」

 

「……申し訳ありません」

 

「しょうがないなぁ。じゃぁまた今度最後までやってくれたら許してあげる」

 

と言われこれをまたやるのか……?しかも最後までだと……?と思った俺の考えを読んだのかそれとも別に理由があるのか分からないが、

 

「ふふっ、冗談だよ。それじゃ次に移ろっか」

 

と笑いながら言った。

束さんの言った通り次の事を始めた。

まぁ残っていたのは写真撮影だけなんだけども。

 

その後は束さんと写真を撮った。

束さんはその後は一般参加型のイベントまであちこちを見て回ってくるそうでクロエを連れて何処かに行ってしまった。

クロエは終始俺と束さんを見て楽しそうに笑っていた。

黒い笑顔と思ったのは気のせいだろうか。

 

この後は休憩が二時間程あるからその時に箒達と回るとしよう。

でも簪と鈴は時間が合わなくて一緒に回る事が出来ないそうだ。

残念だ。

 

 




次回は学園祭を回るところを書こうかなと思っています。


感想、評価等くださいな。


追記

5月29日に日刊ランキング15位にランクインしました。
読者の皆様のお陰です。
ありがとうございます。

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