シリアス続きます。
どんぐらいかは分かりません。
夢を見ていた。
なんの夢かは分からない。
だけどいくつか分かる事がある。
それは皆俺を見て泣いている。
親父もお袋もじいちゃんもばあちゃんも。
織斑にセシリア、箒に鈴、簪、布仏、楯無さんも。
クラスの皆も泣いていた。
山田先生なんかは号泣している。
あの織斑先生ですら泣いていた。
何故だろう?
何故皆俺を見て泣いているんだ?
泣き止んでくれ。
俺が何かしたか?
何かしたのなら謝るし出来る事ならなんでもする。
だから皆、泣き止んでくれ。
ーーーー side 鈴 ーーーー
輝義が目を覚まさずに三日が過ぎた。
まだ危ない状態らしい。
毎日授業が終わってから数人で輝義の所へ向かうが、やはり直接会う事は出来なかった。
いつも窓越しからしか見れないし話しかけられない。
これがどれほどもどかしい事か。
私達は今すぐにでも輝義の手を握って、声を掛けて励ましてあげたい。だけどそれは出来ない。
力のない自分がとても嫌になる。
四日が過ぎた。
未だに良くならない。
今日も授業中に一度危険な状態なったらしい。
看護婦さんが一夏達の教室に千冬さんを呼びに来たらしい。
ここ最近、山田先生も千冬さんもどんどん疲れていっているのが分かる。くまもひどいし、顔もやつれてきている。
会長は元気に振舞ってはいるが、辛そうな顔をしている。
輝義、皆あんたのこと待ってんのよ。早く戻って来なさい。
ーーーー side out ーーーー
ーーーー side 箒 ーーーー
私のせいで輝義は今生死の境を彷徨っている。
もう輝義が起きないまま五日が過ぎた。
今病室、と言っても窓越しだが私と一夏、それに千冬さんがいる。
皆輝義が心配で早く元気になってほしくて、こうやって毎日誰かここにいる。
あれほど輝義に対して怯えていたクラスメイトや同学年の生徒もだった。
理由は輝義が皆を守るために倒れたことを全校集会で更識会長が話したからだ。
それ以降輝義に怯えるものは誰一人としていなくなった。
私のせいで輝義はこうなったのだ。
なのに皆違うという。
何故か分からない。
皆は許してくれたが、自分が自分を許せなかった。
ーーーー side out ーーーー
ーーーー side 千冬 ーーーー
大河が目を覚まさないまま一週間が過ぎた。
今日は容体がやっと良くなって来たので医療用ポッドに移るそうだ。それを私達全員で見届けている。
あの時私があの場にいたら?
無理矢理でも説得して撤退させていたら?
多くのたらればを考えた。
だがもうそれは実行するにはあまりにも遅過ぎた。
学園外の病院の多くが大河を受け入れたい、治療をさせてくれと申し出て来た。
だが、容体のせいで動かせないのはもちろんだが、大河の身柄の安全を考慮すると学園外に出す訳には行かなかった。
どこの国もどの組織も大河を狙っている。
そんな奴らにとって今は願ってもいない状況なのだ。
私がつきっきりになれればありえたかもしれない。
だが教師としての仕事もあるためそれは出来なかった。
医療用ポッドに入って三日が過ぎた。
回復に向かっているらしい。それを伝えると全員声をあげて喜んだ。私も聞いた時、思わず、
「良かった......」
漏らしてしまった。
自分は気が付いていなかったが、山田先生に指摘されて、泣いていることを知った。
山田先生も泣いていたが。
今日は輝義が医療用ポッドから出る日だ。
感染症の心配もなく面会が許された。
久々に間近で見た、大河は少し細くなっていた。
まだ手も足も少し冷たいがしっかりと確かに心臓が動いていた。
ーーーー side out ーーーー
中途半端?かも知れない。
許して。
また投稿します。