ISヒロインズとオリ主のお話   作:ジャーマンポテトin納豆

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ちーちゃん回。


28話目

 

今日は織斑先生が病室に来た。

昨日は山田先生だったが、入学当初はあれだけ俺の事を怖がっていたのに今はそんな事はなくなっている。

嬉しぃ......

 

 

織斑先生が話を始めた。

 

「あの時はすまなかったな。

もし私があの場に行けていたら、無理にでもお前を止めていれば、こうはならなかったかも知れない。全て私の責任だ」

 

織斑先生もか......

うーむ、どうやら皆自分が悪いと思っているらしいな。

 

「......何故織斑先生が謝るんですか?」

 

「え?」

 

俺の考えは違う。

 

「確かにあの場に先生がいたら色々と結果は違ったかも知れないです。ですが、それはたらればの話。過ぎた事をいくら言ってもしょうがないです」

 

「それに織斑先生には仕事がある。立場がある。あの場で俺の所に来なかったのは正解です。色々な指示が出来る人がいないのは更に混乱を招くだけですから。......正直山田先生には指示が出せないでしょうし」

 

「だから、織斑先生が謝る事は無いんです」

 

「だが、それでも......」

 

織斑先生強情だなぁ。

 

「それに、俺の事をかなり心配してくれたんでしょう?

顔は窶れていますし、くまもひどい」

 

「いくら心配だからと言ってもちゃんと自分の事にも気を遣ってください。織斑先生だって女性なんですから」

 

ここまで言って織斑先生は納得してくれた。

 

「......お前がそう言うのならばそうなんだろう」

 

「ありがとう、心が軽くなったよ。

それに嬉しいぞ?私の事を女として見てくれた奴はお前が初めてだ」

 

織斑先生、女性として見られて来なかったの!?

おっかないけどなんだかんだで優しいし、何よりこんな美人なのに?

うっそだぁ!

 

「余計なことを考えているだろう?」

 

心を読まれただと!?

貴様、只者ではないな!

 

でも声音からして本当らしい。

少し頰も赤い。

 

まぁこれで元気出してくれればいいんだけどな。

いつもの織斑先生がやっぱり一番だからな。

 

 

 

ーーーー side 千冬 ーーーー

 

 

私は今日は大河に謝るつもりでここにいた。

 

やはりどうしても色々と考えてしまうのだ。

あの場に私がいたら、

大河を無理にでも退かせていれば、と。

 

 

だから謝った。

そうしたら、大河は不思議そうに、

 

「......何故織斑先生が謝るんですか?」

 

と言ってきた。

何故ってそれは私が悪いからだろう?

 

すると大河は話し始めた。

 

「確かにあの場に先生がいたら色々と結果は違ったかも知れないです。ですが、それはたらればの話。過ぎた事をいくら言ってもしょうがないです」

 

「それに織斑先生には仕事がある。立場がある。あの場で俺の所に来なかったのは正解です。色々な指示が出来る人がいないのは更に混乱を招くだけですから。......正直山田先生には指示が出せないでしょうし」

 

「だから、織斑先生が謝る事は無いんです」

 

だが私はそれを認められなかった。

否定すると大河は更に言い始めた。

 

「それに、俺の事をかなり心配してくれたんでしょう?

顔は窶れていますし、くまもひどい」

 

それは教師として、一人の人間として当たり前だ。

 

「いくら心配だからと言ってもちゃんと自分の事にも気を遣ってください。織斑先生だって女性なんですから」

 

ここに来てまさか女扱いされるとは思っていなかった。

私の家は親がいない。

だから一夏を育てるために、自身が高校に通うためにバイトもしていたし、何よりどの男よりも強い力を持っていたせいで、男女共にあまり親しい人が居なかった。

唯一の友人は天災だったからな。

 

私がモンドグロッソで優勝してからは更にその傾向が強くなった。

ファンとして私を見てくれる人はいる。

それこそ本人である私が引くレベルで。

 

だけど、本当に私という人間を一人の女として見てくれた奴は誰も居なかった。

ブリュンヒルデという肩書きから誰も踏み込んで関わって来ない。

近づいてくる奴はブリュンヒルデという肩書きしか見ていなかった。

それがいい時もあるにはある。

だが私だって人間だし一人の女だ。

寂しい時、辛い時、苦しい時、隣にいて話を聞いてくれる人は誰もいない。一夏には心配させない為に強い姉を演じなければならない。

 

でもこいつはそれを全て関係なしに、私を見てくれる。

どれほど嬉しくて、どれほど頼もしいのか本人は分かっていないだろう。

 

だから言ってやる。

 

「ありがとう、心が軽くなったよ。

それに嬉しいぞ?私の事を女として見てくれた奴はお前が初めてだ」

 

これを聞いて、驚いているな。

 

むっ、何か失礼な事を思われた気がする。

軽くおでこを弾きながら、

 

「余計な事を考えているだろう?」

 

心を読まれて驚いている。

やはりか。

まぁでも許してやろう。

 

 

 

大河との会話を終えて医務室から出ると、物凄く恥ずかしくなって来た。

大丈夫だっただろうか?

顔とか赤くなったりにやけていなかっただろうか?

 

一人であーうー唸っていると、

あいつの顔が出てきた。

 

瞬間に、何故か心が温かくなった。

恥ずかしいがそれ以上に嬉しかった。

 

まさか私が生娘のようになるとはな。

 

 

 

 

この瞬間私は、人生で初めて恋というものを知った。

 

 

 

ーーーー side out ーーーー

 

 





イェー!!!
ちーちゃんが落ちたぜぇ!!!

次は寂しがり屋のうさぎさんの番だ!

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