ISヒロインズとオリ主のお話   作:ジャーマンポテトin納豆

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他作品を書いてて遅れました。
申し訳ねぇ。



35話目

 

 

ふらふら歩いていると、織斑先生に声を掛けられた。

 

「すまんな、急に声を掛けて」

 

「......いえ、特にやる事も無かったので大丈夫です」

 

「で、要件だがな......

ボーデヴィッヒを少し気に掛けてやってはくれんか?」

 

なんで俺?

絶対俺より適任いるだろ。

箒とか?デュノアでもいいかも。

 

「......何故ですか?」

 

「この前お前も言ったようにあいつは危ういからな......

正直何をしでかすか分からん。その時に私がすぐに対応出来ればいいが、出来なかった時には頼みたい」

 

そういう事か。

まぁ別に構わないからいいけど。

 

「......分かりました」

 

「すまんな、面倒かけて」

 

ありがとうでいいのに。

 

「......先生、こういう時はありがとう、でいいんですよ」

 

そう言うと、少し笑いながら、

 

「フッ、そうか。なら、ありがとう」

 

そうそう、織斑先生も美人なんだから笑ってる方が絶対にいい。

いつものピリピリした雰囲気があるから、笑うとギャップでさらにいい。

 

 

とりあえず、楯無さん達との訓練に行きますかね。

 

 

 

 

 

 

楯無さん居なかった。

どうやら先程、仕事がまだ終わってないからって虚先輩に連行されたんだって。

あの人、仕事サボりすぎじゃね?

俺この前虚先輩に釘を刺しといてくれって言われたんだけど。

 

「輝義、今日も頼むぜ!」

 

「......分かっている。

さぁ、何処からでもいい。かかってこい」

 

そう言うと、織斑、鈴、セシリア、箒、デュノアが同時に攻撃を開始した。

デュノアは織斑が誘ったらしい。

 

そもそもなんで五対一などという事をやっているのかと言うと、この前のアリーナでの事もあるが、少ない時間で経験を積む為。

これを全員やる。

そうすれば、非常事態の時、最大五人の相手をする事が出来るようになる。

同格、ないしは格下という条件になるが。

一対一においても、複数を相手した時よりも余裕を持って戦う事が出来る。

 

「フッ!!!」

 

織斑が斬りかかってくる。

だが、まだまだ遅い。

 

「遅い!」

 

「っ!?まずっ!?」

 

パパパパパパパパパパッ!!!!!

 

銃声が響き渡る。

 

「そうはさせないよ!」

 

デュノアの射撃によって織斑にトドメを刺し損ねた。

 

「私を忘れてんじゃないわよ!」

 

「分かってる!」

 

鈴が斧を振り被りながら、叫ぶ。

 

「その癖、まだ直せていないな!!!」

 

「そうね!」

 

鈴が目配せをする。

 

ッ!?

箒と織斑か!

 

ガギン!

 

「これも防ぐのかよ!?」

 

「防がれた!?」

 

「攻撃に重みがない!

そんなんじゃいくらやって弾かれるぞ!

こんな風にな!!!」

 

「オラァ!!!」

 

この一撃で二人を吹き飛ばす。

これで何秒か時間が稼げた。

これでデュノアとセシリアの対処が出来る!

 

まずはデュノア。

中距離からの援護射撃があるとやりにくい。

しかもマシンガンとかで弾幕を張るもんだから、

仕留められる!という時に仕留めきれない。

 

 

ドンッ!!!

 

瞬時加速で一気に距離を詰める。

 

「オラァ!!!」

 

「うわぁぁぁぁ!!!???」

 

これでデュノアは脱落。

 

セシリアに向かおうとしたが、箒達が体制を整えて再び向かってきた。

 

不意に撃たれないようにセシリアにも意識を向けながら、三人と斬り合う。

正直、鈴の至近距離での衝撃砲さえ気を付ければ後は問題ない。

 

 

まずは箒を、続いて織斑。

最後に鈴を倒してからセシリアに向かう。

 

「また私が最後ですか?

浮気者ですわね!」

 

「すまんな!

替わりにこれからしっかり相手してやる!」

 

言った瞬間に撃ってくる。

避けても安心は出来ない。

理由はいつのまにかセシリアが偏向射撃を使えるようになったから。

 

まぁそれでも勝てたが。

 

 

 

 

「相変わらずつえぇなぁ、輝義は」

 

「ほんとよ。五対一でなんであぁも動けるのかしら?

不思議でしょうがないわ」

 

「......何というか、アリーナでの一件以来、やたらと気配に敏感になってな。皆が特に殺気とかを纏わずに普通にしていても感じられるぐらいにはな」

 

そう、本当に理由が分からないが気配に敏感になったのだ。

正直目を瞑っていても正確な位置や、攻撃が何処からくるのかとかも分かる。

 

「私の偏向射撃も通用していませんし」

 

まぁ、セシリアのはそう弾数が多い訳じゃないから、なんとでもなる。

 

「輝義強すぎじゃないかな?

撃った弾を斬り落とすとか訳がわかんないよ。

もしかして、サイボーグか何かなの?」

 

お前は何故俺を人外認定しようとする?

俺はどこまで行っても人間だ。

 

 

 

そんな時だった。

こちらに向けられている敵意を感じたのは。

 

「ッ!?」

 

ドォォォォン!!!

 

クソッ!!!

ボーデヴィッヒの奴いきなり撃ってきやがった!!!

こっちはISを展開してないんだぞ!?

 

俺は急いでISを展開させる。

間に合え!!!

 

ガギィィィン!!!!!!

 

間に合った!!!

ギリギリのところで砲弾を斬り落とせた。

 

「きゃっ!?」

 

「うおっ!?」

 

「ちょっと!!!なんなのよ!!!」

 

「いきなり撃つとか危ないなぁ!!!」

 

皆の気持ちも分かる。

さて、何故こんな事をしたのか聞かなくてはな?

 

「......おい、ボーデヴィッヒ」

 

「なんだ?」

 

「......お前、今何故撃った?」

 

「何故?理由が分からないのか?」

 

「......こっちは全員ISを展開していなかった。

もし俺が間に合わなかったら、皆死んでいたんだぞ?」

 

「フンッ、それがどうした?

五人がかりでたった一人も倒せない奴らなぞ、別にどうでもいい」

 

こいつは......

頭がおかしいんじゃないか?

皆は一言も発しない。

 

「......お前は一人でも俺に勝てるという事か?」

 

「当たり前だろう?」

 

「......そうか......

なら今やってみるか?」

 

「何?」

 

「......今ここで俺と戦ってみるか、と言ったんだ。

どうする?逃げたって構わないぞ?

見ている他の生徒達はどう思うだろうな?

無防備な人間にしか引き金を引けない臆病者、とでも思うんじゃないか?」

 

「貴様ッ!!!

いいだろう!!今すぐその減らず口を叩けなくしてやる!」

 

今、俺は多分今までで一番キレてる。

理由なんて分かりきってる。

皆に手を出した事。

それともう一つ。

束さんが、宇宙に行くために作ったもので人を殺そうとした事だ。

 

「お前は開発者がどんな事を思いながらISを開発したのか知っているのか?」

 

「ふん、宇宙に行くためであろう?」

 

「なら何故、それで人を殺そうとした?」

 

「開発者の意図がどうであれ、今は兵器だ。

兵器は人を殺すものだ。利用になんの問題がある?」

 

あぁ、人間ってのは、自分がキレていると、キレている理由を自覚するとここまで冷静になれるものなのか。

 

「......こいつと戦う事になった。すまんが、ちょっと観覧席にでも行っててくれ」

 

「輝義さん!落ち着いてくださいまし!」

 

「そうだ!輝義、今ここで怒っても何にもならない!」

 

セシリアと箒に止められる。

だがなぁ......

今回ばかりは矛を収められそうにない。

 

「......大丈夫だ」

 

「でも!」

 

「早く行け!!!」

 

はぁ......

今、自分でも嫌になるぐらい汚い声だったな。

後で謝らなきゃな。

 

 

よし、皆は行ったな。

 

「......じゃ、始めるとしよう」

 

「二度と私に逆らえなくしてやる」

 

 

俺はボーデヴィッヒのその言葉を聞いた瞬間に斬りかかった。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー side 一夏 ーーーー

 

 

俺達は、今観覧席で輝義を見守っている。

あいつは、俺達が攻撃された事に対して怒っている。

自分が攻撃されたからじゃなくて。

 

 

怒った輝義を見たとき、怖くて何も話せなかった。

皆そうだった。セシリアも箒も鈴もシャルルも。

あんな輝義を見たのは初めてだった。

いつも優しい輝義が、あんなに変わるなんて思ってなかった。

 

だけど、輝義がラウラと戦うってなった時、

セシリアと箒だけは止めた。

この二人は輝義の事が、好きだからだろう。

多分千冬姉も。

鈴は分からない。

最近、輝義をよく見ているってぐらいしか分からない。

 

まぁそれは置いておいて。

 

二人は輝義を止めた。

だけど、輝義は止まらなかった。

 

それどころか、輝義は怒鳴ったのだ。

初めて聞いた声だった。

 

流石に二人も諦めたのか、観覧席に行った。

 

 

「その、二人共大丈夫か?」

 

「......何がですか?」

 

「ほら、その、輝義がさ......」

 

「あぁ、その事ですか?」

 

二人に聞いてみた。

そうしたら、以外な答えが返ってきた。

 

「......正直かなり悲しかったですわ」

 

続けて箒が口を開く。

 

「だがな、あれだけ私達の事で怒ってくれたんだ。

嬉しい方が大きいのだ」

 

「えぇ、ですから今は輝義さんを見守る事に致しますわ」

 

「だが、私達に怒鳴ったのは事実だ。後で何か奢ってもらわなければな」

 

「ふふっ、そうですわね」

 

そっか。

二人はそうなんだな。

 

なら、俺もあいつの事を信じて見守ってやらなきゃな

 

ーーーー side out ーーーー

 

 

 

ボーデヴィッヒと戦い始めてから、2分程たった。

正直強いとは思う。

だけど、それ程でもない。

 

「くっ!?」

 

「......どうした?さっきから押されっぱなしだぞ?」

 

「黙れ!」

 

 

そうしていたら、放送が入った。

 

「大河!ボーデヴィッヒ!

お前達は何をやっている!?」

 

織斑先生の声だった。

 

 

......見られたくは無かったんだが。

しょうがない。

 

「今すぐに武器を格納しろ!」

 

指示に従う。

流石に織斑先生からの言葉は聞くらしい。

 

「両名はすぐに職員室にこい!

関係した生徒もだ!」

 

 

 

更衣室に戻って着替える。

 

「......先に行くぞ」

 

「あぁ、俺達も後から行くからな」

 

「......あぁ」

 

そう言って皆と別れた。

 

 

 

 

 

 

職員室に着くと、

取り調べ室みたいな所で待たされた。

一時間程だろうか?

待っていると、織斑先生が入ってきた。

 

「待たせたな。織斑達に話を聞いていた」

 

「......いえ、大丈夫です」

 

「さて、今回の件だがな......」

 

悪さをした事は分かっている。

 

「......どんな罰でもお受けいたします」

 

「今回の件は不問となった」

 

「は?」

 

今織斑先生はなんと言った?

不問?

訳が分からない。

学園の校則には私闘は禁止すると書かれている。

 

「......何故ですか?」

 

「皆に話を聞いてな。

お前はあいつらの為に怒ったんだろう?」

 

「......確かにそうですが......」

 

「という事だ。

まぁ流石に何も無しでは不味いからな。

明日までに反省文を三枚提出する事。

これだけだ」

 

正直納得がいかないが、納得するしかない。

 

「......分かりました」

 

「よし、この件はこれで終わりだ」

 

「......一ついいですか?」

 

気になった事があるので聞いてみる。

 

「なんだ?構わないぞ」

 

「......ボーデヴィッヒはどうなりましたか?」

 

「あぁ、あいつは学年別トーナメントまでの謹慎だ。

無防備な相手に武器を向けた。あまつさえ発砲もしたんだ。これでも軽い方だ。

本来なら退学になってもおかしくはないんだがな」

 

トーナメントまでの謹慎か。

二週間ほどか?

 

「......教えて頂きありがとうございます」

 

「構わないと言っただろう?

ほら、あと一時間半ぐらいで消灯だ

部屋に帰って休め」

 

「......はい。

では、おやすみなさい」

 

「あぁ、おやすみ」

 

 

 

 

さて、そうしたはいいが、飯どうするかな?

八時半だからなぁ、もう食堂は閉まってるし。

今日は飯抜きだな。

そう思っていたのだが......

 

 

 

部屋に帰ると皆が居た。

楯無さんも簪もいる。

虚先輩に布仏まで?

しかもいい匂いがする。

 

「......何をやっているんだ?」

 

「あぁ、帰ってきたのか。お帰り」

 

「輝義さん!

お帰りなさいませ!」

 

「輝義君大変だったわねぇ。

仕事してたらいきなりあんな報告があってびっくりしたわよ?」

 

「てるてるたいへんだったねー。

大丈夫だったー?」

 

皆、口々に俺を心配する。

それはいい。

とりあえず皆がここにいる理由を知りたい。

 

「......何故皆ここにいるんだ?

しかも料理まで」

 

すると箒が話し始めた。

 

「元はと言えば私達を庇ってこうなっただろう?

だから、せめてもの礼だ」

 

「......別に気にしなくても......そうしたら楯無さん達は?」

 

「面白そうだから来ました!」

 

この人は相変わらずだな。

 

「まぁでもね?私達も輝義君の事が心配だったのよ?」

 

そうか......

皆に心配かけたんだよな。

謝らなくちゃな。

 

「......心配を掛けてすまない」

 

「むっ、そういう時はありがとうだろう?」

 

箒に言われてしまうとは。

 

「......皆、ありがとう」

 

するとそこへ織斑が、

 

「飯が出来たから食おうぜ!

ちなみに俺と箒、更識先輩が作ったんだぜ!」

 

「......そうなのか?」

 

「あぁ!だから早く食べてみてくれよ!」

 

そう急かされた。

 

「......分かった」

 

「じゃ、皆で」

 

「「「「「「「「「「頂きます」」」」」」」」」」

 

こ、これは!?

一口食べてみてわかる。

めっちゃめちゃうまい!!!

 

「おぉ......!美味いぞ!」

 

「まじか!?やったぜ!」

 

「て、輝義?これも食べてみてくれ」

 

そう言って箒が勧めてきたのは唐揚げ。

うーむ、これも美味そうだ。

 

「......頂きます」

 

おぉ!美味い!

外はサクサク、中はジューシー!

 

「美味い......!美味いぞ箒!」

 

「そうか......良かった。

それは私が作ったんだ」

 

そうだったのか。

それにしても美味いな。

三人は料理上手、と。

記憶しておこう。

 

 

そうして時間は過ぎていった。

 

「じゃ、また明日な」

 

「......あぁ」

 

「おやすみ」

 

「おやすみなさい、輝義さん」

 

「輝義、おやすみ」

 

「おやすみー、輝義君」

 

「てるてるおやすみー」

 

「おやすみなさい、輝義君」

 

「また明日ね!おやすみ輝義!」

 

それぞれの部屋戻った。

さて、風呂に入って寝るとしよう。

 

 

 

「輝義、おやすみ」

 

「......あぁ、おやすみ」

 

最後に同室のデュノアと挨拶をして眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

デュノアが居ないので部屋で一人のんびりしていた。

その平穏は唐突に破られた。

 

「てる君!久しぶり!」

 

シュワッ!?

いきなり束さんが現れた!

 

どうする?

たたかう

むりだ!かてるきがしない!

 

にげる

だめだ!にげきれるきがしない!

 

たすけをよぶ < 選択

おりむらせんせいならなんとかできるかも!

 

 

「だから待ってってば!

なんでちーちゃん呼ぼうとするの!?

そんなに束さんが嫌いなの!?」

 

「......いえ、束さんは好きですよ」

 

「へっ!?」

 

「......ただ、いきなり現れるのはやめてください。

物凄いびっくりするので」

 

「えへへー、てる君が好きって言ってくれた......」

 

「......束さん?」

 

「ひゃっ!?

あぁ、ごめんね」

 

「......今日はどういったご用件で?」

 

「お礼を言いに来たのさ!」

 

お礼?

なんかしたっけ?

 

「その顔は分かってないって感じかな?」

 

「......はい」

 

まじでわからない。

なんでや?

 

「えっとね?あの銀髪娘と戦った時に、

ISを兵器だって言ったでしょ?」

 

「......えぇ」

 

「その時にてる君は怒ってくれたでしょ?」

 

「......はい」

 

「これが理由だよ」

 

「......これがですか?

礼を言われるような事はしていませんが......」

 

「いや、それは間違いだよ。

他の人がどう思ってるかは分からない。

多分皆、兵器だって思ってるかもしれない。

だけど、てる君はその事に怒ってくれた。

私にとっては凄く嬉しい事なんだよ?」

 

確かにそうかもしれない。

だが、わざわざ礼を言われるほどの事じゃないだろうに。

 

「あ、その顔はそんな事ないって思ってるでしょ?」

 

「......はい」

 

「まぁいいよ。でもね、ありがとう。

私の夢を守ってくれて」

 

......こう言われては仕方がない。

受け取っておこう。

 

「......どういたしまして」

 

「うん!」

 

束さんは嬉しそうに笑った。

 

そのあとはデュノアが帰ってくるまで話をした。

 

 

 

 






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