ISヒロインズとオリ主のお話   作:ジャーマンポテトin納豆

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36話目

いやぁ、俺って今考えるとここ最近、というかIS学園に入学してから色々と巻き込まれすぎじゃないですかね?

もう今年は厄年なんてもんじゃ済まないレベルだぞこれ。

お祓いにでも行った方がいいのかね?

 

まぁ、んな事は置いといて。

一昨日ボーデヴィッヒと色々あって、織斑先生とどうしたもんかね?と頭を捻ってるところ。

 

「本当にすまないな......

ここ最近大河には迷惑かけてばかりだ」

 

「......気にしないでください。まぁ色々ありはしますが、なんだかんだで楽しく過ごしていますから」

 

「そうか......

そう言ってくれると助かる」

 

にしても......

織斑先生また目の下にくまができてる。

ボーデヴィッヒの件であまり寝てないのだろう。

髪も、なんというか元気がない。

 

「......ちゃんと寝ていますか?」

 

「......はぁ......正直寝てないな」

 

「......何徹目ですか?」

 

「今日寝なかったら三徹だ......」

 

「......それは......

まさか山田先生も?」

 

「あぁ......」

 

うわぁ......

だから山田先生フラフラだったのか......

織斑先生も辛そうだしなぁ......

 

「......何か自分に出来る事があったら言ってください。手伝いますから」

 

「そう言ってくれると嬉しいよ」

 

織斑先生はため息をつきながら、申し訳なさそうにこちらを見る。

 

「すまんが、早速頼まれてくれるか?」

 

「......えぇ」

 

「少しでいいからボーデヴィッヒの様子を見てきて欲しいんだ」

 

「......ボーデヴィッヒを、ですか?」

 

「あぁ、嫌だったら断ってくれて構わん」

 

「......そういうわけでは......理由を聞いてもよろしいですか?」

 

別に嫌ではない。

ただ理由を知りたい。

 

「前にも言ったと思うがな、あいつはドイツ軍で面倒を見ていた事があってな」

 

確かにそれは聞いた。

しかしなんの関係が?

 

「ラウラがあぁなったのはある意味私の責任でもある。だから本当は私が行きたいんだか、更にダメな方へ行ってしまいそうでな。だから頼みたいんだ。何よりラウラは軍という世界しか知らない。だから大河が世界はもっともっと広いって事を教えてやって欲しいんだ。なんというか親心、とは違うんだが、やはり心配なんだよ」

 

そういう事なら断る理由なんてない。

 

「......分かりました。お任せください」

 

「そうか、ありがとう。

しかし責任重大だぞ?人間一人の人生が変わるかもしれんのだからな」

 

織斑先生はクックックッと少し楽しそうに笑った。

やめてくださいよ、そんなプレッシャーに耐えられる程俺の胃は強くありません。

まぁなんにせよ、請け負ったからにはしっかり勤めを果たさなきゃな。

 

「では、私は行くよ。まだまだ各国に今回の説明やら報告書を書かなければならない仕事が残っているんでな」

 

「......えぇ、では」

 

「ではな」

 

あ、言い忘れた事があった。

 

「......あぁ、織斑先生」

 

「ん?」

 

「......ちゃんと自分のお身体も大事にして下さい」

 

一瞬ぽかんとするがすぐに、

フッと笑って言った。

 

「あぁ、分かった。ありがとう」

 

そう言って立ち去っていった。

 

さて、俺も任された仕事をやりますかね。

まぁ時間が時間だから明日になるかな。

とりあえず今日は飯食って早めに寝るとしよう。

 

 

 

 

 

 

次の日の放課後。

俺はボーデヴィッヒの部屋に来ていた。

訓練は用事が出来たから行けないと伝えてある。

 

 

まぁ来たはいいんだけど......

 

「何をしに来た?あれだけ大口を叩いてこのザマなのを笑いに来たのか?」

 

この通り警戒心MAXです。

えぇ......

どうしよう?

こんな野良猫、いや狼か?もびっくりな警戒心じゃ無理じゃね?

とりあえず誤解を解かなければ。

 

「......そういうわけじゃない。様子を見に来ただけだ」

 

「ふん、ならもういいだろう」

 

そう言ってドアを閉めようとする。

 

「......まぁ待て。少し話をしようじゃないか」

 

何か少し悪役みたいになっちゃった。

 

 

 

 

部屋に入ったはいいものの.......

 

この沈黙は辛い......

だってボーデヴィッヒってばめちゃくちゃ不機嫌そうなんですもん。

今も腕を組んでこちらを睨んでくる。

何か話題を!?

あった!

 

「......ドイツ軍にいたそうだな?」

 

「あぁ、まだ現役で少佐だ」

 

あらびっくり。

少佐なんていうご立派な階級だった。

すげー(小並感)

 

「.......そうなのか?では織斑先生ともそこで?」

 

俺はこの一言を発した事を後に後悔する羽目になる。

 

「そうだ!そもそも私はいわゆるデザインチルドレン、作られた子供達という存在でな。試験管ベビーと言った方が分かるか?」

 

「......ボーデヴィッヒは、クローンか何かという事か?」

 

「まぁその認識で構わない。

私は軍人として戦う為に生み出された。

事実ISが世に出るまでは男の、それも特殊部隊の人間にですら負けた事は無かった」

 

「だが、ISが登場してから私はどんどん落ちぶれていった。ISの適性を向上する為の手術を受けた。

その結果は散々だった。

望まれた高いIS適性は手に入れられず、左目はこの通りだ」

 

そう言って見せてくれた左目は、右目とは違い黄金に輝いていた。

正直普通にオッドアイで綺麗だと思うが。

 

「そんな私を織斑教官はドイツ軍の中で落ちこぼれの場所にいた私をここまで引っ張り上げてくれたのだ!織斑教官はーーーーーーーーーー..............................」

 

そこからが長かった。

もう織斑先生の素晴らしさをひたすら語り始めたのだ。

三時間以上たっぷりと語って満足したのだろう。

やりきったという顔をしている。

ただやっぱり聞いておきたい事もあるから機嫌のいい今のうちに聞いておこう。

 

「......だがな、お前は織斑先生の顔に泥を塗る行為をした事は分かっているか?」

 

「私が?何をしたというのだ?」

 

まさか自覚がないのか?

あれだけの事をしておいて?

軍人だから分かりそうなもんだがなぁ?

まぁ教えてやればいいか。

 

「......お前は俺達に向かって砲撃しただろう」

 

「それがどうしたというのだ?」

 

「......それはお前の行動をあらかじめ防げなかった織斑先生の責任になるのは分かっているのか?」

 

「ッ!?」

 

今気づいたと言った顔だな。

おそらく冷静になっていなかったのだろう。

 

「......それにお前は織斑先生の教え子という立場でもある。これは織斑先生の教育が悪かったと言われても文句は言えない。わかるか?」

 

「......あぁ」

 

「行動の軽率さが分かったか?」

 

「......あぁ」

 

それともう一つ聞きたいことが。

 

「......ボーデヴィッヒは何故あんなに織斑を敵対視する?」

 

俺はこれが一番気になっていた。

だって謹慎くらう前まですれ違うたびに睨むし、視界に入れば睨むしでもうひたすら織斑の事を嫌っていた。

その理由が知りたかったのだ。

 

「それは......

織斑教官がモンドグロッソの第二回大会で優勝を逃したのは知っているな?」

 

まぁ知っている。

負けたというよりは不戦敗だが。

 

「......それがどうかしたのか?」

 

「教官が優勝を逃したのは織斑一夏のせいなんだ!

あいつは誘拐され、教官は助ける為に優勝を捨てたのだ!

だからあいつが誘拐されていなければ教官は優勝していたのだ!!何故教官はあんな軟弱者を助けたのだ!?」

 

まぁ気持ちは分からなくもない。

だが、それは間違いだ。

 

「......それは違う。織斑先生にとって一番大切な存在が織斑だったからだ。人間というのは、いや動物全てに言える事だがな、愛する者は命を懸けてでも守ろうとする。しかも織斑先生には家族は織斑しかいない。尚更だろう。誰だって大切なものの為に戦うのは当たり前の事だ」

 

「......そうかもしれない。だがそれは教官には必要のないものだ」

 

「......何が必要かは織斑先生が決める事だ。誰かが他人が決めていい事じゃないんだ」

 

「......それにその過去があったからこそ今のボーデヴィッヒがある。織斑が誘拐されていなかったら?織斑先生がドイツ軍に行かなかったら?今のお前はいない。違うか?」

 

「ッ......そうだ......」

 

「......それに織斑だって好きで誘拐された訳じゃない。

一度だけこの事について話してくれた事があってな。

相当悔やんでいたぞ?

自分がいなければ織斑先生は優勝していたと。

優勝していたと言い切る辺りあいつはシスコンかもな」

 

「だから織斑を責めないでやってくれ。

だれだって望んでその結果に至った訳じゃないって事を覚えておいて欲しい」

 

「......分かった」

 

「......ありがとう」

 

「......あぁ、構わない」

 

「一つ聞きたい。いいか?」

 

ボーデヴィッヒからの質問。

何を聞かれるのか?

 

「......なんだ?」

 

「お前は今のこの結果に満足しているか?」

 

まさかそんな事を聞いてくるとは。

かなり予想外だな

 

「............正直最初は嫌だった。

普通に人生を送るはずだったのに気付いたら強制的にここにぶち込まれて。家族とも満足に会えなくなって、ふざけるなって思った。悔しくて辛かった事もある」

 

「だがな、今は違う。織斑達に出会えた。こんな俺を怖がらずに話しかけてくれる皆に出会えた。騒がしいけど楽しい生活を送れてる。俺にはこれで充分どころかお釣りがあってもおかしくはないぐらいなんだ」

 

「だから俺は断言できる。今のこの結果に大満足だと」

 

「そうか......」

 

「......大丈夫だ。ボーデヴィッヒにもすぐにかどうかは分からない。だけど絶対に満足のいく未来があるはずだ。それは焦って手に入れるものじゃない。ゆっくりでいいんだ」

 

「お前は......もしその途中で私が挫けそうになったら支えてくれるのか?」

 

「......いくらでも支えてやる。だから自信を持って胸を張って生きればいいんだ。誰かと違うところにコンプレックスを持つ必要はない。それは他の誰も持っていないものだ」

 

「......ボーデヴィッヒは左目は嫌いか?」

 

「あぁ、忌々しい」

 

「......俺はそうは思わない。とても綺麗だと思う。

誰も持っていない。それは捉え方によっては世界でたった一つの宝物と同じだ」

 

「......くっくっくっ......

あはははははは!」

 

!?突然笑い出し始めた!?

何か変なこと言った!?

 

「......おい、どうした?」

 

「い、いや、そんな事を言われたのは初めてだ!

あはははははは!」

 

「......なら笑わなくてもいいだろう」

 

「あははは、そう怒るな。おかしくて笑ってるんじゃない。嬉しくて笑っているんだ」

 

「......ならいい」

 

「ありがとう、心が軽くなったよ」

 

「......まぁ役に立てたのなら幸いだ」

 

「あぁ、そうしたらもう部屋に帰るといい。九時だからな。あと一時間程で消灯だろう?」

 

「......そうだな、それじゃ帰るとする」

 

立ち上がり、ドアに向かうと声を掛けられる。

 

「なぁ......その、また来てくれるか?」

 

まさかそんな事を聞いてきたのか?

答えは決まっている。

 

「......毎日は無理だが、来て欲しいのだったら来てやる」

 

そう答えると、初日や今までが嘘の様な顔で、笑いながら言った。

 

「そうか、ありがとう。楽しみにしている」

 

そうやって笑っていればいいのに。

 

 

この後俺は部屋に戻った。

そこで見た光景に度肝を抜かれるとは知らずに。

 

 

 




いやぁ、長い!
調子乗って書いたらこうなった。


あとこの時間になると眠いから文が変かも。

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