シャルロット回です。
金髪いいよね......
ーーーー side シャルロット ーーーー
やっぱり心配してた通りになっちゃった。
輝義が中々帰ってこないから先にお風呂に入っちゃおうと思って入ってお風呂から出た瞬間に輝義が戻って来てた。
物凄い驚いたし、恥ずかしかったよ。
だって、その、裸を見られちゃったんだもん。
完全に油断してたよ。
輝義も完全に訳わかんないって顔してたし......
そりゃそうだよね。
だって男だと思って接してた相手が女だったんだもん。
僕だって度肝を抜かれる。
それから輝義はおかしくなってたし。
いきなりジャパニーズドゲザし始めるし。
初めて見たよ。
命乞いし始めて、ちょっと外で待っててって言ったら晒し首にされるとか思ったらしいし。
それからちゃんと事情を説明して、僕の立場とかも全部話した。
まぁ正直バレたからどうなるかは大体想像出来るから。
どんな事を言われるのか怖かった。
だからあんな事を言われるなんて思ってなかった。
罵倒されたり、追い出されたり、先生達にバラされるかと思ってた。
輝義が最初に放った言葉は全然違った。
「......デュノア、お前はどうしたいんだ?」
なんでそんな事を聞くの?
だから思わず聞き返しちゃったよ。
どういう事?って。
そうしたら、
「......お前はどうやって生きたい?
自由に生きたく無いのか?」
こう聞かれた。
その瞬間に今まで表に出さなかった色々な感情が溢れ出て来た。
だから叫んだ。
思っていた事を。
自分がどうしたいかを。
「自由に生きたいよ!
普通の女の子として生きたい!
たくさん可愛い服を着たい!
誰かを好きになったりしたい!
だけど、もう無理なんだよ......
それとも輝義がどうにかしてくれるの......?」
だけどもうどうにもならないって事は分かってた。
だから最後はもう不安だった。
どうにか出来るのかって聞いちゃったよ。
だから、どうにか出来るかもって言われた時は信じられなかった。
もうあの時は何を信じればいいのか分からなくなってた。
気が付いたら叫んでた。
「やめて!そんな事聞きたく無い!
希望を抱いて、もしダメだったらもっと辛いから!」
ただでさえ辛いのにもうこれ以上辛いのは嫌だった。
「嫌だよぉ......
もう辛いのはやだ......」
泣きながらこう言っていた。
輝義が僕の名前を呼んでいた。
正直悪いとは思うけど、あんな体格に顔に傷がある人の声とは思えない、とっても優しい声で。
「大丈夫。俺がどうにかするから。
だからちょっと待っていてくれ」
多分僕を安心させる為に言ったんだと思ってた。
だけど、この一言に縋るしかなかった。
だから聞いた。
信じてもいいの?って。
なんで助けてくれるの?って。
聞いたら輝義はこう言った。
「いいか?人間ってのは誰かに指図されて生きるもんじゃない。自分の、自分だけの幸せを見つけるために生きるんだ。
だから幸せのために戦うんだ。
自分だけじゃない。家族や友人、大切な人の為に戦う人もいる。
俺は、誰かの幸せの為に戦いたい」
「デュノアにだって幸せを求める権利がある。
デュノアが言ったように、可愛い服を着る自由がある。
誰かを好きになる自由がある。
普通の女の子として生きる自由がある。
だから、諦めるな。
挫けそうになったら、誰かに助けを求めればいい。
支えてもらえばいい。
俺だって沢山の人に支えられて今の俺があるんだから。
助けを求める事は恥ずかしい事じゃぁない」
この言葉を聞いた瞬間、止まっていた涙がまた流れ始めてた。
私はもう何も考えなくても言葉を発していた。もう嫌だったから、助けてって。
そうしたら、任せろって、超強力な助っ人がいるからって。
ダメだったら、フランスに喧嘩を売ってくるって。
僕の為にここまでしてくれるなんて普通じゃない。だけど嬉しかった。
輝義が何処かに電話をかけ始めた。
相手が出たらしく、僕の事情とか色々説明した。
途中、少し間が空いたからふと気になっていた誰と電話してるのかを聞いてみたら、信じられない返答が帰ってきた。
篠ノ之束博士だった。
え?もう訳わかんないってレベルじゃないんだけど?
誰だってこんな事言われたら現実から逃げたくなるよ。
輝義に声を掛けられるまで膝を抱えてた。
輝義に篠ノ之博士に代わってくれって言われた時は心臓が止まるかと思った。
自己紹介をして、博士と話した。
「さて、私は君の事を助けてあげるよ。
他ならぬてる君のお願いだからね」
博士って他人に無関心だって僕は聞いたんだけど......
「今私達がやろうとしている事がどんな事か、分かる?」
正直、よく分からないから、
「......ごめんなさい、分かりません」
こう答えた。
すると、博士は言った。
「うん、分からないって正直に言ったのは束さん的にはポイント高いよ。じゃあ、説明するよ」
「いいかい?君達二人はフランスという国を敵に回すって事だよ。恐らく直接的な方法では危害を加えては来ないと思う。だけど、間違いなく君は代表候補生っていう立場も、専用機もなくす事になる」
それはなんとなく分かってた。
だから、あまりショックは大きくなかった。
だけど次の言葉は、凄くショックだった。
「それに、もし君が自由を手にしたら君はフランスへの入国は出来なくなる。そうなると、お母さんのお墓にも行けない。二度と会えなくなる」
これを聞いた時、泣きそうになった。
「でもね、てるくんはそんな事にならないように、もしそうなったら指名手配されようが構わない。フランスと喧嘩して絶対そんな事させないって言い切ったんだよ?
まぁ私的には一緒に逃亡生活を送れるからいいんだけどね」
輝義が?
なんで?
どうして他人の為にそこまで出来るの?
「......どうして輝義は、博士は僕の為にそこまでしてくれるんですか?」
「私はてるくんの為にやるんだよ。
でも、てるくんがなんでここまで出来るのかって、そりゃてるくんが優しいからだよ。それも底抜けてね。普通じゃないぐらい優しいんだよ、てるくんは。
だから、どれだけ辛い道のりでも手を差し伸べられるんだったら助ける。それがてるくんなのさ」
そっか......
そうなんだね......
嬉しいなぁ......
今まで誰も助けてくれなかった僕に手を差し伸べてくれるなんて、凄く嬉しいなぁ......
「だから、てるくんが覚悟を決めたんだ。君も、覚悟を決めて。
無理ならてるくんの為にも手を貸してあげられない」
もう、ここまで聞いて、輝義がどれだけ僕の為に動いてくれようとしているのか分かった。
だから答えは決まってる。
「もう覚悟は決まりました。お願いします」
「うん、分かった。
多分トーナメントが終わるあたりには女の子として生活できるようになると思うから、それまで頑張って隠し通してね」
「はい、ありがとうございました」
「じゃ、てるくんに代わって貰えるかな?」
「はい。輝義、博士が代わってって」
そう言って僕は輝義にスマホを渡した。
輝義は電話を切った瞬間に僕を抱き上げてきた。
しかもグルグル回り始めた。
ちょ、ちょっと!?
恥ずかしいよ!
でも、嬉しいって事は伝わってくる。
自分の事のように喜んでくれてる。
その事がすぐに分かった。
なんで助けようとしてくれたのか不思議だったから聞いてみた。
そしたら予想外な答えが返ってきた。
「......まぁなんというか、安い正義感が動かされたからだろうか?」
思わず笑っちゃった。
でも嬉しかった。
だから僕は笑いながら、
「でも、ありがとう」
心の底からの感謝を伝えた。
しばらく、と言っても五分くらいだけど、
輝義が、
「......飯にするか」
え!?ご飯食べてないの!?
びっくりしすぎて思わず、
「えっ!?輝義ご飯食べてなかったの!?」
こう言っちゃったよ。
だっててっきりもう食べたのかと思ってたから。
理由はボーデヴィッヒさんのところに様子を見に行ってたかららしい。
輝義は優しいから、しょうがないって言えばしょうがないのかな?
でももう食堂は終わっちゃったし......
そうだ!僕が作ってあげればいいんだよ!
そう提案すると、驚いた顔をしながら聞いてきた。
「......いいのか?」
そんなのいいに決まってるじゃない。
だって僕はどれだけ返しても返せない恩があるんだよ?
だから、
「任せて!」
張り切って作らなきゃね!
えっと、何にしようかな?
......ラタトゥイユとジャガイモのグラタンかな。
簡単だし、美味しいし。
ぱっぱと作って食べて貰おう!
出来た料理を持っていくと、待ってましたって顔に。
ふふ、なんかいいなぁこういうの。
理由の紹介をすると、
まだですか?もう食べていいですか?って顔で聞いてる。
思わず少し笑っちゃった。
まぁでもこれ以上待たせたら可哀想だからね。
少し笑いながら、
「クスッ、どうぞ召し上がれ」
そういうと、凄い勢いで食べ始めた。
よっぽどお腹空いてたんだね。
「どう?美味しい?」
そう聞くと、
「あぁ、とてもうまい!」
そう返ってきた。
よかったぁぁ......
少し心配だったんだよね。
でも、凄い勢いで食べるから
「そっか、よかった。でも誰も取ったりしないからゆっくり食べた方がいいよ?」
注意しちゃった。
早く食べると体に良くないからね。
でもその間も食べ続けてあっという間になくなっちゃった。
ここまで綺麗に食べてくれると嬉しいな。
輝義がお風呂から出てきた時、僕は輝義の身体を見て驚いた。
だって傷だらけだったから。
理由を聞くと全部話してくれた。
学園が襲撃された時に出来た傷だって。
その後二週間も眠っていた事も。
申し訳ない事を聞いちゃったなぁ......
謝ると、輝義はこう言った。
「......いや、構わないさ。
男にとって友人や家族を守る為に、ましてや女を守る為に付いた傷はどんな勲章よりも価値がある。
そして、俺は皆に心配を掛けた事を思い出すためのものでもある。だから次、もしまたああいう事が起きたら、絶対に無事に帰る。そう思わせてくれるものだ」
輝義は強いな。
だから聞いちゃった。
「ねぇ、もし僕が助けてって言ったらどんな時でも助けに来てくれる......?」
輝義はこう答えた。
「......当たり前だ。それが重要な式典だろうがなんだろうが助けに行く」
嬉しい。
もう凄く嬉しい。
多分耳とか少し赤くなっているかも。
本当はもっともっと輝義と話したいけど、
消灯の時間だから、寝ないと織斑先生に怒られちゃう。
だから、ベッドに潜る。
でも、なんか凄く寂しかった。
だから、輝義に聞いてみた。
一緒に寝てもいい?って。
最初は渋ったけど、許してくれた。
えへへ、なんか凄く安心するなぁ。
あったかくて手も大きくて、腕も太くて逞しい。
だからだろうか?
ちょっとした欲望が出てきてしまった。
その欲望とは、
輝義の腕を枕にして寝る。
もう凄くいい。
ベッドからも輝義の匂いがするから輝義に包まれてる感じがする。
少し気になる事がある。
それは輝義がいつまでも名前で呼んでくれない事。
だからお願いしたら呼んでくれた。
嬉しくて心があったかくなる感じが分かる。
これからもずっとずっと呼んでもらいたいなぁ。
多分この時にはもう輝義の事が好きになってたんだと思う。
ーーーー side out ーーーー
ラウラ短かったのにシャルロット長くなった......
ラウラ好きの方々、申し訳ない......