また時間を飛ばしてます。
今日からいよいよ学年別トーナメントが始まる。
俺は結局シャルロットと組んだ。
他の皆は、こんな感じの組み合わせになった。
織斑とボーデヴィッヒペア
セシリアと鈴ペア
箒と簪ペア
布仏は谷本さんと一緒らしい。
ちなみに簪は自分のISがまぁなんとかなるレベルまで完成したからそれで出場するらしい。
というか、織斑とボーデヴィッヒがペアとか大丈夫なんだろうか?
不安でしかない。
まぁでもなんとかなるか?
ボーデヴィッヒは俺狙いだし。
今は既に準決勝まで進んだ。
セシリアペアは今織斑ペアと戦っている。
箒ペアはこの一つ前の試合で負けてしまった。
布仏はかなり最初に負けたそうだ。
俺は順調に勝ち進んで決勝に駒を進めた。
お、今決着が着いたな。
織斑ペアの勝ちか。
てことは決勝は俺達対織斑ペアということか。
よし、あと十分程で決勝が始まる。
それまで身体をほぐしたり、ISの最終チェックを虚先輩と行う。
「輝義君、問題はない?」
「......はい、大丈夫です。武装も全部完璧です。
整備、ありがとうございました」
「お礼なんていいわ。それよりも決勝頑張ってね」
「......はい。しっかりやってきます」
「でも無茶は駄目よ?」
うっ......
釘を刺されてしまった......
そうして時間が来た。
「輝義、頑張ろうね!」
シャルロットが声を掛けてくる。
「......あぁ」
「大河ペア、アリーナへ入場してください」
ピット内にアナウンスが流れる。
さぁ!やってやろうじゃないか!
「大河、出ます!」
「デュノア、出ます!」
ワァァァァァァァァ!!!!!
アリーナに出ると織斑達も丁度出てきた所だった。
それにしても、観客が半端ない。
織斑先生曰く各国のお偉いさんも来ているらしい。
......今更だけど緊張してきた。
「輝義!」
「......なんだ」
「今日こそは俺が、俺達が勝つからな!
覚悟してろよ!」
......嬉しい事を言ってくれるじゃないか。
「大河、先日の借りは今日返す。
始まったら精々必死に足掻くがいい」
ボーデヴィッヒも俺を見て言う。
あぁ、楽しくなってきたじゃないか。
「......お前達のその刃、俺に届かせてみろ」
「両者、位置へ」
アナウンスが流れる。
俺達は位置に付いて直ぐにでも動ける態勢をとる。
「開始五秒前。四、三、二、一、試合開始!」
「おりゃぁぁぁぁ!!!」
合図と共に二人が俺に一斉に攻撃してくる。
やはり俺を狙って来るか!
今までの試合もそうだった。
俺ってばモテモテだね。
......うん、こんなモテ方は嫌だ。
「中々上手くなったじゃないか!」
「うるせぇ!一回も攻撃に当たってないくせに!」
そりゃそうだ。
当たってやるか。
当たってなるものか。
ボーデヴィッヒは、合間に砲撃を仕掛けてくる。
この砲撃がセシリアほどではないが中々精度がいい。
しかも爆発で効果が及ぶ範囲が広いから、避けるなりしないと辛い。
「デュノア!ボーデヴィッヒを頼む!」
「分かった!そっちはお願いね!」
そう言ってシャルロットをボーデヴィッヒへ差し向ける。
「......さぁ、これで一対一だ。
存分にやろうじゃないか」
「クソッ!!輝義は余裕そうだな!!!」
「......当たり前だ」
言いながら回し蹴りを叩き込む。
「グッ!?」
ふとシャルロットの方を見ると、押していた。
あの分なら大丈夫か。
「織斑、どうした?もう終わりか?」
「まだまだぁぁぁぁぁ!!!!」
再び斬りかかってくる。
俺は左側に受け流しながら後頭部に踵を落とす。
「ぐぅっ!?」
そのまま畳み掛けようとした時だった。
あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!
あれはなんだ......?
ボーデヴィッヒのISが溶けていく?
俺は嫌な予感がしたので、ボーデヴィッヒの方へ飛んでいく。
「おい!ボーデヴィッヒ!」
「あ...う...た...すけ...て...」
そう言って飲み込まれていった。
クソッ!!
どうなってやがる!?
「輝義!」
「デュノア!何があった!?」
「分からない!でもあれ不味いよ!」
「んな事分かってる!」
クソッ、本当にどうなってるんだよ!
時は少し前に遡る。
ーーーー side シャルロット ーーーー
パパパパパ!!!パパパパパ!!!
私は今ボーデヴィッヒさんと戦っていた。
短連射で弾を撃つ。
だけど恐らくAIC(active inertial cancelle:慣性制御装置)によって全部とはいかないけど防がれてまともなダメージを入れる事が出来ない。
ただ、突破出来ないわけじゃない。
さっきミサイルを撃った後に射撃したらミサイルしか防げてなかった。多分複数の物を同時に止められないのだろう。
だから僕は賭けに出た。
思いっきり拡張領域に入ってるミサイルを叩き込む。
その間に接近する。
腕に装備したパイルバンカーをミサイルに気を取られているボーデヴィッヒさんの脇腹に叩き込む。
「な!?」
でも流石は軍人と言った所かな。
パイルバンカーを打ち込まれながらも、身体をこちらに向けてAICを使おうとする。
だけどそうはさせない。
まだまだ小型ミサイルがあるんだよね。
小さいからって言っても威力は折り紙つき。
直撃すれば間違いなく、かなりSEを持っていかれる。
だから僕を対応してもミサイルを対応しても必ずダメージは入る。
その時だった。
ボーデヴィッヒさんが声を張り上げたのは。
ーーーー side out ーーーー
ーーーー side ラウラ ーーーー
私は今フランスの代表候補生に追い詰められている。
パイルバンカーを腹に叩き込まれて、小型ミサイルの直撃を受けて。
あれだけこいつらを馬鹿にした私がだ。
その時、私は思った。
負けてたまるかと。
その瞬間、声が聞こえた。
(汝、力を欲するか?)
(汝、我に全てを委ねるか?)
誰の声かは分からない。
だが、私は答えてしまった。
シュヴァルツェアレーゲンにもっと力を寄越せと。
それがいけなかった。
「搭乗者の承認を確認......
Walkure Verfolgen system Bedienung(ヴァルキリートレースシステム 起動)」
そんな音声が流れた。
その瞬間身体に激痛が走る。
思わず声を上げた。
「あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
痛い痛い痛い痛い!!!
やめろ!やめてくれ!
ISを停止することも出来ない。
私は意識を失った。
ーーーー side ラウラ ーーーー
俺達はボーデヴィッヒのISを見ているしか出来なかった。
アリーナにいる生徒やお偉いさん達も唖然としている。
すると、溶けたISが形を作り始めた。
あれは......
織斑先生......?
どういう事だ?
隣を見るとシャルロットがまさに驚愕の表情といった顔をしていた。
そしてこう漏らした。
「まさか......VTシステム......!?」
VTシステム?
なんだそれは?
「......デュノア、あれがなんだか分かるのか?」
「......うん、あれはVTシステム、ヴァルキリートレースシステムって言うんだけど......」
「......だけど?」
「本来ならアラスカ条約でどの国も組織も開発は禁止されているはずなんだ......」
「......だが、現にあそこにいるが?」
「うん、あれが本当にVTシステムだとしたら不味いなんてレベルじゃないよ」
今の言葉を聞く限りデメリットがあるっぽいな。
「......何が不味い?」
「あれって搭乗者にとんでもない負荷が掛かるんだ。だからあのままだと間違いなくボーデヴィッヒさんは死んじゃうよ」
......は?
死ぬ?
んなもんを載っけてんのか?
「研究者達の独断か、それとも政府の指示なのかどうかは分からないけど、どちらにしろ早く助けないと不味いよ」
見るとドイツの政府の人間と思われる奴らが青ざめていた。
それよりも、
「......あれを停止させる方法は?」
そこで通信が入った。
「大河!今すぐデュノア、織斑を連れて離脱しろ!
あれは本物のVTシステムだ!」
まじかよ......
俺っていっつも貧乏くじ引かされてんなぁ......
織斑先生に聞く。
「......あれを停止させる方法は?」
「ない!だから早く逃げろ!」
「......ボーデヴィッヒはどうなるんですか?」
「今教師で構成された鎮圧部隊を準備している!」
「......デュノア、間に合うと思うか?」
「多分間に合わないと思う。
あれって織斑先生をコピーしてるからね。しかも全盛期のモンドグロッソ優勝時の。
先生達が来ても勝てないよ」
「......分かった。
織斑先生、そういう事なのでボーデヴィッヒを助けに行ってきます」
「どういう事なのか全く分からん!
いいから逃げろ!」
確かに逃げた方がいいに決まってる。
だけど、俺は出来ない。
「......先生、俺はあんな状態のボーデヴィッヒを放っておくのは無理です」
「何を言っている!?
早く逃げろ!」
「......それに、何よりもボーデヴィッヒが助けてって俺に言ったんです。なら、男として助けなきゃいけない。助けないなんて男が廃る」
「あぁクソッ!!!
分かった!認めてやる!
しかし、ちゃんとボーデヴィッヒを連れて帰ってこい!」
「......はい」
「それとお前も無事に帰って来る事!これが条件だ!いいな!?返事!!!」
「はい!!!」
そこでまた通信が入る。
「てるくん!話は聞かせてもらったよ!
私も手を貸すよ!」
束さんだった。
「束!?お前いつのまに大河と知り合った!?」
あの織斑先生が驚いてる。
いいもの見れた。
「まぁまぁちーちゃん、今はそれどころじゃないでしょ?」
「ぐ......すまん、取り乱した。
で?手を貸すとはどういう事だ?」
「私が手に入れた情報を教えてあげる。
てるくんいい?
あの子は多分今の状態だと十五分持つかどうか。
多分十分って見ておいた方がいいね。
その間に決着を着けないとあの子は死んじゃうよ」
思ったよりも時間がある。
それだったらまだマシだ。
正直五分あればいい、ぐらいに考えていたからな。
「てるくん、あの子はアレの真ん中にいるよ。だから強引だけど、無理矢理引っ張り出して。そうでもしないと無理だからね」
「あと、強さだけど、紛い物だけど間違いなく全盛期のちーちゃんよりも強いよ」
まじかよ......
超絶ベリーインフェルノモードじゃねぇか。
「あれ、なんか自己学習プログラムが組み込まれてるっぽいんだよね。だから今までの試合の相手の戦い方を学習してるよ。
それに機械だから、どれだけ無理な速さで動いても問題ないしね」
「......はい、分かりました。
ありがとうございます」
「いいってことよ!
それに私もISがあんな使われ方してるのに怒ってるんだ。
だから思いっきりやっちゃって。あ、中の子を傷付けないようにね」
「......はい」
さて、一丁やってやりますか。
「デュノアは後ろから支援してくれ。
織斑、俺は行くが、ついて来れるか?」
「あぁ!やってやる!
あの野郎、千冬姉の刀を使いやがって......」
「よし、そうと決まれば早速行くぞ」
「あぁ!」
「うん!」
こうしてVTシステムとの戦いの火蓋が切って落とされた。
いやぁ、AICの日本語訳に手間取った。
なんか物によっちゃ慣性減衰装置だったり慣性制御装置だったりしてどちらにするか迷った。
まぁ物を止めるって事で後者にしましたが。
前者だと高速高機動の時に発生するGに対しての物みたいな解釈をしたんで。
その道の専門家の方がいたら間違ってたら言って下さい。
あと、VTシステムって英語なんで作者が勝手にドイツ語に変えちまいました。
こっちも間違ってたら誤字脱字報告をお願いします。
Walkureのuの上に本来なら二つの点が入るんですが、ちょっとスマホで入力が出来なかったので、書いておきます。