ISヒロインズとオリ主のお話   作:ジャーマンポテトin納豆

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眠い。
とりあえず書く。


42話目

 

VTシステムとの戦闘が始まってから、あまりいいとは言えない状況が続く。

織斑はSEが底をつきかけている。

シャルロットも手持ちの弾薬が各銃マガジン数本づつといったところ。パイルバンカーとミサイルはとっくに弾切れ。

俺もストックしてある刀が二本叩き折られた。

 

「オラァ!」

 

自分の命を刈り取ろうとする一撃を防ぐ。

 

「でりゃぁぁ!!!」

 

その隙を突くかのように織斑が斬りかかるが、防がれて反撃を食らう。

 

「ぐぅっ!?」

 

「織斑!大丈夫か!?」

 

「今のでSEが切れた!」

 

クソッ、不味い。

 

「一夏!下がって!」

 

パパパパパパパパパパパパパパパパパパ!!!!!!

 

「悪い!」

 

「いいよ!でも今ので弾切れだよ!」

 

シャルロットも戦闘能力が無くなったか!?

クソ不味い!

まともに戦えない奴を二人も抱えてなんて無理だ!

 

「デュノア!織斑を連れて下がれ!」

 

「な!?俺は退かないぞ!」

 

「一夏!僕達が居ても足手まといだよ!

だったら今すぐピットに戻って補給して戻って来た方がいい!」

 

「だけど!......あぁクソ!分かった!すぐ戻るからな!」

 

「輝義!なんとか耐えて!

生徒会長達も連れてくるから!」

 

「先生達も間に合いそうだったら頼む!最悪火力でゴリ押す!」

 

「分かった!頑張ってね!」

 

そう言って二人はピットに入る。

あの時と同じ状況か。

まぁいいさ。

どれだけ不利でもやる事は変わらない。

 

「さぁ、仕切り直しといこうじゃないか」

 

そう言って奴を見据える。

そう言って刀を構える。

 

一瞬も気を抜く事すら許されない。

そんな雰囲気がアリーナに満ちていた。

 

膠着を破ったのは俺だった。

 

「おおおおぉぉぉぉ!!!!」

 

瞬時加速で一気に突っ込むが、腐っても織斑先生のコピーと言ったところ。簡単に防がれてしまう。

至近距離での斬り合い。

何十回、何百回と斬り結ぶ。

毎朝訓練に付き合って貰っているからある程度はどんな攻撃をしてくるのか分かる。

 

終わりの見えない剣戟が続く。

一撃一撃が、直撃すれば間違いなく絶対防御すら貫く威力を持って襲いかかってくる。

俺はひたすら受け続ける事しか出来ない。

 

だけど、一つだけ絶対的に足りないものがある。

それは刀に対する想い。

織斑先生は、刀を振るう事の意味を知っている。

だがこいつはどうだ?ただ目の前に立ちはだかる俺を殺す事しか考えていない。

織斑先生は、織斑の為に刀を振るった。

そしてモンドグロッソで優勝した。

それまでにどれだけの鍛錬を積んだのか想像する事は出来ない。

それなのにこいつはただコピーだけして手に入れた気でいやがる。

そんな奴に負けてられない。負けてたまるものか!

 

それに、俺がまた倒れれば皆が心配する。

もう二度とそうならないと誓った。

だから、俺は負けない!

 

ひたすらにがむしゃらに刀を振るう。

ついに痺れを切らしたのか、あの野郎、振るわれた刀を受け止めた俺ごと吹っ飛ばしやがった!

 

「いてぇじゃねぇか!このコピー野郎!」

 

そんな事を叫ぶが、奴は返事など返すわけもなく、代わりに帰って来たのは一撃必殺の威力を込めた剣戟の嵐だった。

 

「ぐっ、このっ!クソッタレ!」

 

思わず悪態をついてしまうほどの。

 

不味い。

さっきからかすったりしてる攻撃でSEが削られていく。

そこへ追い討ちとばかりに更に攻撃が飛んでくる。

 

もう後がない。

持ってる武器(と言っても刀しかないが)を全て使い潰す。

 

一度距離を取り、詰められる前に左手にもう一本刀を展開する。

二刀流で戦う。実戦で使うのは初めてだがなんとかなるはず。いや、なんとかしないと俺の命どころか他の皆の命も無い。

だから、どれだけ傷がついても構わない。

倒れて意識不明にさえならなきゃいい。

傷だらけってだけでも皆は心配しそうだけど、今はそうは言ってられない。

 

「オラァァァァ!!!」

 

奴が来る前に自分から突っ込む。

刀を振るうも全て防がれる。

 

こんなんじゃダメだ。

もっと一撃を速く鋭く!

もっと一撃を強く重く!

 

 

すると、ようやく攻撃が届き始めた。

奴のボディに傷がつき始めたのだ。

だが、傷が付く瞬間に再生を始める。

 

その時、俺は油断したのだろう、それが命取りとなった。

俺の刀を掻い潜って来た一撃が思いっきり俺に突き刺さる。

 

「がぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」

 

その一撃は俺の腹部を切り裂いていた。

ただ咄嗟に回避をしようとしたので、傷は浅くはないが致命傷じゃない。

まだやれる。

 

「やってくれるじゃねぇか!

受けた借りは百倍返しにしてやっからな!」

 

血が流れる。

グラウンドの土を赤黒く染める。

 

トドメを刺さんと再び奴が向かってくる。

また終わりの見えない剣戟が始まる。

 

一撃でいい、どうにかして攻撃を弾いて攻撃を与えられれば!

 

 

 

 

 

ーーーー side 一夏 ーーーー

 

 

アリーナに戻ると輝義とVTシステムが激戦なんて言葉じゃ表せない戦いを繰り広げていた。

それを見て、すぐに助けに入ろうとした。

 

「輝義!今行く!」

 

「辞めなさい一夏君!」

 

だが、更識会長に止められてしまった。

 

「なんでですか!?

輝義は戦っているんですよ!?ここで指を咥えて見てろって言うんですか!?」

 

そう問い詰める。

しかし帰って来た答えは信じられないものだった。

 

「そうじゃないわ。私だって今すぐに助けに入りたい。だけどね、もうあの戦いは私達が割って入れるようなレベルじゃないの」

 

は?

どういう事だよ!?

訳わかんねぇよ!

 

「更識先輩何を言っているんですか!?」

 

「織斑」

 

「千冬姉!」

 

「織斑先生だ」

 

「織斑先生からも言ってくれよ!

早く輝義の助けに入れって!」

 

「それは出来ない」

 

「なんでだよ!?」

 

「今の大河達の戦いはもう人というレベルのものではない。

今お前達が入っても、細切れにされるだけだ」

 

千冬姉まで!?

 

「いいか、よく聞け。

もうあの剣戟の速度は一撃がお前達じゃ捉えられるような、防げるような代物じゃない」

 

「分かったら大人しく見ていろ」

 

「でないと、死ぬぞ」

 

千冬姉が最後に放った一言で俺は冷静になった。

よく見れば、もう目で追うことが出来ない速さで刀が振るわれていた。残像が見えるレベルの速さで。

 

 

クソックソックソッ!!!!

俺はまたこうやって見ている事しか出来ないのかよ!

少しでも強くなれたと思ったのに!

 

俺は足元にすら立てていないのかよ......

 

 

 

だから、今は見守る事にする。

輝義、絶対勝てよ。

 

ーーーー side out ーーーー

 

 

 

まだ奴を崩す一撃が放てない。

右から左から下から来る攻撃を必死に受け止め、時には受け流す。

 

その時、奴は刀を大上段に構えた。

俺はこれが最初で最後のチャンスだと思った。

 

奴が振り下ろす。

それを二本の刀で受け止めながら弾く。

虚をつかれたのだろう、奴は咄嗟に反応出来なかった。

隙が出来たので、ボーデヴィッヒがいる部分を斬る。

すると中からボーデヴィッヒが現れた。

しかし引き込まれそうになったので咄嗟に掴む。

 

 

瞬間に視界が暗転した。

 

 

 

気が付いたら何もない場所にいた。

 

「......ここは......?」

 

いや、場所は重要だがそれ以上にボーデヴィッヒはどこに行った!?確かに掴んだはず!

 

「ボーデヴィッヒ!どこにいる!?」

 

声を上げながら歩く。

すると、前に銀色の塊があった。

近づいてみると、ボーデヴィッヒだった。

 

「......ボーデヴィッヒ?」

 

返答がない。

まさか手遅れって事はないよな......!?

 

「ボーデヴィッヒ、どうした?」

 

「......なんでお前がここにいる?」

 

「ボーデヴィッヒを助けに来た」

 

「......いらない」

 

は?

こいつは今なんて言った?

 

「......なんだと?」

 

「帰ってくれ......!

もう戻りたくない......

こんな事になってお前達に迷惑かけて......」

 

はぁ......

 

「ボーデヴィッヒ」

 

「帰ってくれって言っているだろう!?」

 

怒鳴りながらこちらを向く。

 

「ボーデヴィッヒ、少し話をしよう」

 

そう言ってみるが、応じてくれるかは分からない。

 

「......分かった」

 

良かった。

ぶっちゃけ掛けだったんだがな。

隣に座る。

 

「ボーデヴィッヒ、帰りたくないのか?」

 

「......あぁ」

 

「......なんでだ?」

 

「さっきも言っただろう。

皆に迷惑かけたからだと」

 

「......なんで迷惑を掛けたと思うんだ?」

 

「私が望んだからこうなったんだ......

試合の時、追い詰められて、負けたくないって思って......

声が聞こえてそれに答えてしまったんだ......

そうしたら......」

 

「......こうなっていたと」

 

コクリと頷く。

 

「なぁ、なんでお前はそんなに強いんだ?」

 

ん?

こいつは何を勘違いしている?

 

「......何を言っている?

俺は強くなんかない」

 

「嘘をつくな!

あれだけ戦えて強くないだと!?巫山戯るな!」

 

「私がどれだけ強さを望んだか知らないだろう!?」

 

確かに俺は知らない。

だが俺は別のものを知っている。

だから言ってやる。

 

「......あぁ、知らないな」

 

「だが、強くなる方法だったら知っている」

 

「......なんだと?」

 

「俺は、いつも誰かに支えてもらってばかりだ。

だが、その支えがあってこそ俺がある。

織斑先生に鍛えてもらってる。

楯無さんに鍛えてもらってる。

箒や簪、セシリア達に応援してもらってる。

織斑にはいつも勇気を元気をもらってる。

それがあるからこそ俺は強くなれた」

 

「皆の笑顔を守りたくて、笑っていて欲しくて。

なのに一度、心配を掛けたことがある。

意識不明になって目を覚まして、皆が来てくれて。

その時、あの織斑先生ですら泣いたんだ。

だから俺は皆をもう泣かせたくない。

だから強くなった」

 

そう言ってボーデヴィッヒをみると、

口を開く。

 

「......なぁ、私も強くなれるか?」

 

「あぁ、強くなれる。

強くなれない人間なんていない。

たとえどんな道を歩んでも必ず強くなれる」

 

「それにこの前言っただろう。

いつか必ず自分が満足できる結果が来ると」

 

「......あぁ」

 

「だから大丈夫だ。

それにもし何かあってもここまで来たんだ、俺が手伝ってやるさ」

 

「......そうか」

 

「私は......

またちゃんと自分の道を歩いていいのか?」

 

「あぁ、ボーデヴィッヒがどんな道を歩んでもそれはボーデヴィッヒの自由だ。

だから何も心配する必要はない。

もし壁にぶつかったらその壁を乗り越える手伝いぐらいだったら幾らでもやってやる」

 

「それに、お前は軍隊しか知らないんだろう?」

 

「あぁ」

 

「なら世界を見て回るといい。

世界ってのは思いの外広いもんなんだ。

まだ誰も行った事のない場所もあれば有名な観光地だってある」

 

「それに俺達はISという無限の翼があるじゃないか。

何処へだって飛んでいける。それこそ宇宙にだってな」

 

そこまで言うと、吹っ切れた顔をしたボーデヴィッヒがいた。

いい顔してるじゃないか。

 

「もし......もしその時が来たら......お前は、付いてきてくれるか?」

 

そんなの決まってる。

 

「勿論だ」

 

すると、今までの態度が嘘のような笑顔で言った。

 

「そうか」

 

「......さて、そろそろここを出るとしよう」

 

「すまないな、わざわざこんな所まで」

 

「......いや、構わない。

ただ、こういう時は、ありがとうって言えばいい」

 

「そうか......ありがとう」

 

「......どういたしまして」

 

こうして俺は外の世界に戻った。

 

 

 

外に出ると、ボーデヴィッヒを掴んだ状態だった。

少しISがまだ取り込もうとしている。

だから思いっきり引っ張り上げた。

 

「あ......う......」

 

よかった、特に傷はない。

ただ一つ問題がある。

 

なんでこいつ裸なの?

あれ?ISスーツ着てたよな?

あ、裸は見てないぞ。

ちゃんと目を思いっきり逸らしたから。

 

「輝義さん!大丈夫で...す......

......何をしていらっしゃるのですか......?」

 

はい、死んだ。

そりゃそうだ。

血塗れの大男が素っ裸の銀髪美少女を抱き抱えている。

どう考えても警察案件です。

 

「と、とりあえずボーデヴィッヒさんをこちらに」

 

セシリアの指示に従ってボーデヴィッヒを任せる。

 

「輝義さんは早く医務室に。

傷だらけですからね。

ボーデヴィッヒさんは私が連れて行きますわ」

 

「......はい」

 

なんかセシリアがおっかない。

 

「とりあえずボーデヴィッヒと輝義は医務室に行くぞ」

 

そう言って箒と、織斑が肩を貸してくれる。

て言っても身長差ありすぎて支えているって方がしっくりくるけど。

 

 

 

 

「ほら、着いたぞ」

 

医務室に着いて扉を開けるとそこには信じられない光景が!?

巫山戯てる場合じゃねぇ。

だんだん傷が痛くなってきた。

あ、やばい。

普通に痛いんですけど!?

 

「ね、姉さん!?」

 

「束さんがなんでここに!?」

 

そう、織斑先生の横に束さんがいたのだ。

本当になんでいるんだろう?

 

「久しぶりだね!箒ちゃんにいっくん!

さっきの質問だけどてるくんの治療に来たんだよ」

 

そう言った瞬間に箒がこちらを向く。

こう、グルン!って擬音が付きそうな感じで。

 

「輝義!いつの間に知り合っていた!?」

 

「......クラス対抗戦の後に意識を失って、病室で目を覚ました時からです」

 

「何故言わなかった!?」

 

「......いや、その、言わなくても大丈夫かなぁと」

 

「大丈夫な訳ないだろう!」

 

「まぁまぁ!箒落ち着けって!」

 

織斑!

お前は一生の親友だ!

 

「その話は輝義を手当てしてからでいいだろ!?」

 

裏切ったなぁ!?

もう親友じゃねぇ!

友人だこの野郎!

 

「む、分かった。

輝義、後でしっかり話を聞かせてもらうからな」

 

「......はい」

 

箒さんには逆らえない。

 

「んじゃチョチョイって治療しちゃうからねー。

ちょーっとじっとしててね」

 

そう言うと何処から取り出したのやら

注射器を持っていた。

 

「こん中には束さんお手製の医療用ナノマシンが入ってるからね。

多分それぐらいの傷だったら明日辺りには塞がってると思うよ」

 

流石束さん。

すごい。

 

注射も終わってとりあえず三日は安静にしていろと言われてしまった。また医務室で寝泊まりか......

ここ飯の量が少ないんだよなぁ......

 

 

 

 

 





終わり方中途半端になってしまった。
申し訳ない。

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