私本日をもって退院します!
いやぁー長かった。
この前よりは遥かに短いはずなんだけど。
「輝義、退院おめでとう、って言っても大したもんはねぇんだけどさ」
織斑がそう言ってくる。
「……構わない」
だって皆が来てくれているんだ、これで文句なぞあるわけがない。
すると山田先生が、
「代わりと言ったら変ですけど、今日から男子の三人も大浴場を使えるようになったんですよ~」
なんですと!?
おぉ……これで狭いバスルームから解放される……!
べつに嫌だったわけではない。
ただ、湯船がなくお湯につかれないというのはやはり物足りない訳で。
だからとても嬉しいのだ。
「……ありがとうございます!」
「喜んでくれてよかったです。
時間は六時から九時半までですから、
その時間内ならいつでも入って大丈夫ですから」
「分かりました。輝義、シャルル、一緒に入ろうぜ!」
「……あぁ」
「う、うん」
?シャルロットの様子がおかしいぞ?
………………あ!
そうだった、シャルロットは女だった!
部屋に戻ってから二人で話し合う。
「て、輝義どうしよう?
このままじゃ僕が女だってばれちゃうよ!?」
「ま、まて。
今何とか解決策を考えるから……!」
「一夏完全に楽しみにしてるよ!?
このままじゃ…………」
考えるんだ……!
俺たち三人が嫌な気持ちにならない方法を!
「……よし、俺が先に織斑を連れて入る。
確かここにはサウナがあったはずだ。
そこに入って織斑をのぼせさせる。そうしたら入れ。
そうすればゆっくり入れるはずだ」
ぶっちゃけかなり無理矢理な部分もあるが、まぁ祈るしかない。
「そうだね、そうしよう。
最悪僕は入れなくても大丈夫だから」
そうはいかないのだが……
状況が状況だからな。
「……すまんな」
「うぅん、ちゃんと女の子になったら楽しむことにするよ」
さてやってまいりました、お風呂の時間でございます!
あぁ、なんか緊張してきたぞ……
……シャルロットの事だからな。
決して織斑に対してではない。
「輝義、風呂行こうぜ!」
織斑が訪ねてきた。
「……分かった。行こう」
「あれ、シャルルはどうした?」
早速か!
……やっぱりこいつホモなんじゃ?
そう思いながら返事をする。
「……少し寝ると言ってな。
気持ちよさそうに寝ているもんだからそっとしておいた」
これで誤魔化せるか?
「そっか、それじゃ仕方ねぇな。
二人で行こうぜ」
良かったぁぁぁ!!!!
誤魔化せたぁぁぁぁ!!!!
「……行くか」
「あぁ」
「おぉ、広いもんだなぁ」
大浴場に入るとその大きさに驚かされた。
「取り敢えず頭と体、洗っちまおうぜ」
織斑の言葉で洗い始める。
「輝義の背中でっかいなぁ……
洗うの大変じゃないか?」
「……まぁな。だが慣れれば問題ない」
「じゃぁ、俺が洗ってやろうか?」
おっと織斑君、それはホモかな?
警戒していると、
「ほら、こっち向けよ」
やばい、下ネタにしかきこえない……!
俺の心が汚れているから?
うっさいわ。
んな訳ないだろ。
結果
滅茶苦茶気持ちよかったです。
洗い終わったので湯船に浸かる。
「あ”あ”あ”あ”あ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”………………」
思わず声が漏れてしまった。
そのぐらい気持ちいのだ。
久々の浴槽はいいもんだな……
「はぁ”ぁ”ぁ”ぁ”…………
気持ちいぜ~……」
「……あぁ」
二人してそんな声を上げながら温まる。
十分程浸かってから切り出す。
「……織斑、サウナに行かないか?」
「サウナ?いいぜ」
あっさりOKが出た。
「……よし行くぞ」
「何ならどっちが長く耐えられるか勝負しようぜ」
織斑から自爆の申し出が。
俺を舐めるなよ?
サウナの大魔神の異名、今ここで存分に味合わせてやろう!
「て、輝義、そろそろ限界なんじゃないか?」
「……まだまだ」
織斑選手、辛そうです!
「て、輝義、そろそろ……」
「…………まだまだ」
織斑選手限界が近そうだ!
「……ギブ……おれもうでる」
そう言うと出て行ってしまった。
やべぇ、やりすぎたか?
俺は水風呂に入ってから再び湯船に浸かる。
眠くなってきた……
……なんか忘れてるような?
風呂の扉があく音がした。
織斑が戻ってきたのか?
体を洗う音がする。
なんだまた洗ってるのか。
随分と綺麗好きなんだな。
そんなことを考えていた俺を呪いたい。
「し、失礼しまーす……」
……ん?
織斑の声じゃない?
……あ!?
そうだ、シャルロットだ!
やべぇ!!!
「シャ、シャルロット?」
恐る恐る声を掛ける。
返ってきた声は間違いなくシャルロットのものだった。
「な、なに?」
「すまん!今すぐ出る!」
慌てて出ようとするが、シャルロットに止められる。
「ま、待って!」
えぇ!?
なんで!?
「その、一緒に入って?
ちょっと話がしたいんだ……」
どうしよう!?
本能は残れと言っているが、理性がはやく出ろと訴える。
本能には勝てなかったよ…………
しょうがないだろ!!!
俺だって男なんだぞ!
しかもこんな美少女に言われてるんだ。これで葛藤しなかったら絶対ホモだって。
「その、ごめんね?
引き止めちゃって」
「……構わない」
全然構わなくないです。
「……それで話っていうのは?」
無言でいると色々と不味いから取り敢えずこちらから話を振る。
ちなみにいまは背中合わせです。
見えない分色々と考えてしまう。
「さっき篠ノ之博士から連絡があってね、明日から女の子として学校に通っていいって言われたんだ」
「……それは良かったじゃないか」
やっとシャルロットが本当の姿になれるのか。
よかったよかったと頷いていると、
背中全体にとてつもなく柔らかい感触がががががががが!!!!????
少し振り向くと、シャルロットが抱き着いていた。
すぐ近くに顔がある。
「輝義の背中おっきいなぁ」
そう言うといったん離れて背中を触ってくる。
「とってもおっきくて、
あったかくて、
かっこよくて、
傷だらけだけど頼りがいがある背中だなぁ」
そう言うと再び抱き着いてくる。
……理性がゴリゴリ削られていく音がするのは気のせいではないだろう。
再びシャルロットが口を開く。
「えっとね、何度も言うけど、ありがとう」
それは感謝の言葉だった。
「……俺は何もしていないさ」
そう返すと、
シャルロットは笑いながら、
「ふふっ、そう言うと思った。
だからね、これは僕からのお礼だよ」
頬に柔らかい感触が触れる。
……俺の気のせいでなければそれはいわゆる、
キスというもので。
「お礼のキスだよ。
他にも意味はあるんだけどね?
それは教えてあげない。
輝義が考えてみて」
そう言うと出て行ってしまった。
多分俺の今の顔は風呂に入っているということを差し引ても、
真っ赤になっているだろう。
言葉が出なかった。
部屋に戻るともう既に九時五十分だった。
ベッドを見るとシャルロットはもう寝ていた。
「……俺も寝るか」
そう言ってベッドに入ったが、
あんな事があって寝れるわけもなく、
ようやく寝れたのは一時を過ぎてからだった。
ーーーー side シャルロット ----
お風呂に向かって入るとまだ輝義がいた。
籠にまだ服が入ってたから。
一夏はさっきすれ違ったから輝義のだって分かる。
輝義の服……
ちょっとだけ着てもいいよね……
腕を通す。
当たり前だけどぶかぶか。
でも輝義に包まれている気がした。
えへへ……
これいいなぁ。
癖になっちゃいそう。
いよいよお風呂に浸かる。
輝義は慌てて出ようとするけど何とか引き止める。
正直ここからの記憶が曖昧なんだよね……
抱き着いたこととキスをしたのは覚えてる。
エッチな子だって思われてないかな?
先に部屋に戻ると、
段々恥ずかしくなって来た。
あああぁぁぁぁ!!!!
なんであんな事しちゃったんだろう!?
ベッドの上で悶える。
こんな時は早く寝よう……
ダメだ!!
全然寝れないよぅ!!
しかも輝義帰ってきちゃったし!!
……寝たかな?
時間を見るとかなり遅くなっていた。
輝義もいつもはベッドに入ったらすぐに寝ちゃうんだけど……
今日は全然そんなことはなくて。
もしかしたらさっきのことを考えてたのかな?
……だったら嬉しいな。
今日が最後だから一緒に寝たいな……
そーっと……
よし、ばれてない!
これなら寝れそうだな。
「おやすみ、輝義」
そう言っておでこにキスをする。
それから僕はすぐに寝てしまった。
ーーーー side out ----
はい!
今回はシャルロットがメイン回でした。
感想等お願いします。