ISヒロインズとオリ主のお話   作:ジャーマンポテトin納豆

53 / 132

ついに50話になりましたね。

今回はついに亡国企業が登場します。
亡国企業の設定については作者の独自設定になります。
そこんところよろしくお願いします。

会話がかなり多いです。


50話目

 

 

「てるくんを襲った奴らについてだよ」

 

この言葉を聞いた瞬間、織斑先生もさっきまでちょっとふざけていた楯無さんもふざけていた顔が一気に強張る。

 

「……束、それはどういう意味だ?」

 

織斑先生が聞く。

 

「どういう事ってそのままの意味だよ。

てるくん達を襲った奴らの事が分かったから教えに来たんだよ」

 

二人はそれを聞いた瞬間、頭を抱えた。

 

「もうやだ……私達が必死になってやってる事をこんな簡単に……?」

 

「更識、もう諦めろ……そんなんじゃこれから聞かされる内容なんて多分持たないぞ……」

 

そんな二人を見て束さんは、

 

「あっはっはっはっは!!!!」

 

大爆笑してらっしゃる。

 

「まぁまぁ、取り敢えず話を聞いてよ。

多分これ聞いたらそんな呑気にしてられないと思うよ?」

 

「その前に束、盗聴や盗撮等の対策は?」

 

「その辺は大丈夫だよ。しっかり対策してあるからね。ばっちりだぜ!」

 

「ならいい」

 

「じゃ、話すよ」

 

そう言って話し始める。

 

「亡国機業(ファントムタスク)って知ってるかな?」

 

その言葉を聞いた瞬間、

二人の顔が驚愕と言った表情になる。

 

「今回てるくん達を襲ったのはそいつらの実働部隊の一つだよ」

 

その瞬間楯無さんが聞く。

 

「……篠ノ之博士、それは本当ですか?」

 

「本当だよ」

 

「だとしたら物凄く不味いわね……

いや、不味いなんてものじゃないわ……」

 

そう言って厳しそうに顔を顰める。

そこへ束さんが二人に聞く。

 

「君はどこまで亡国機業について知っているかな?」

 

「そうですね……

世界規模で暗躍している闇の武器商人、

各国の政治に食い込んでいたり、

世界各地の紛争地域に武器を売り続けていたり

第一次世界大戦前より存在している……

何よりも、正体や、構成人員、正確な規模などの詳しいことが全くと言っていいほど分かっていない事ですね」

 

そんだけ分かってりゃ十分でしょ……

そう思ってんの俺だけ?

 

「まぁその辺が皆じゃ限界かな」

 

「篠ノ之博士はもっと知っていると?」

 

楯無さんがそう聞くと、束さんは何を当たり前の事を言ってるんだと言わんばかりに、

 

「当たり前だよ。

まぁ、何てことは無かったかな」

 

「束、早く話せ。

対策も練らなければならん」

 

「まぁまぁそう急かさないで。

ちゃんと話すからさ」

 

そう言うと束さんは一拍置いて話し始めた。

 

「まずはこれを話さなきゃね。

あいつらは、担当地域があってね?

北米担当、南米担当、アフリカ担当、アジア担当、ヨーロッパ担当、って感じでね。

で、それぞれが担当地域で活動してるんだけど、どこの組織もだけど一枚岩じゃないみたいにこいつらもそうらしくてね。

今回は功を焦った一部の奴らの独断で今回の事を起こしたらしくてね」

 

なんか話がとんでもなく大きくなってね?

俺の脳みそじゃ付いていけねぇわ。

 

「今回の主犯格はヨーロッパ担当の奴らだね。

この前、金髪の……名前なんだっけ?」

 

「……シャルロットですか?」

 

「そうそう!

その子の件と銀髪っ子の件で色々と向こうの奴らにてるくんかなり恨まれてるみたいでね。自業自得なのにね?」

 

えぇ……

俺ってそんなに恨まれてんの……?

やだなぁ……

 

「で、さっき言ってたけど、政府の上層部にも食い込んでるから、銀髪っ子の件でかなり打撃を受けたらしくて」

 

「そうなのか。で、具体的にはどんな打撃を受けたと?」

 

織斑先生が質問する。

 

「そうだね……

それを説明する前に質問だよ。

デザインベビーって分かるかな?」

 

その言葉を聞いて、二人の顔が再び強張る。

 

「なぜ今その言葉が出て来る!?」

 

「そりゃ関係があるからだよ」

 

「……まさか!?」

 

「そ。そのまさかだよ。

あの銀髪っ子は、デザインベビーで作られた子だよ」

 

その言葉を聞いた織斑先生は

 

「クソッ!!」

 

悔しそうに机を殴った。

 

「まさかラウラちゃんがねぇ……

でも納得いくかな」

 

楯無さんが言う。

 

「……どうしてですか?」

 

不思議に思った俺は聞いてみる。

 

「ラウラちゃんが転校してきた時に時に色々と調べさせてもらったのよ。保安上の理由でね。そしたらびっくりよ。

なんたって軍に入るまでの経歴が一切ないんだもの。経歴のない人間なんてあり得ないわ。だからドイツ本国にそれとなく匂わせたんだけど、全く情報は得られず。

だから警戒していたんだけどその矢先にあの事件が起きてね。

それで詳しく調べていたんだけど全く情報が出てこないからさらに怪しくなったのよ。ラウラちゃん自身はとってもいい子なんだけどね」

 

束さんが話し出す。

 

「その計画なんだけどね、一部の軍人と一部の政治家の独断だったらしくて。今回の一件で全部ご破算になったってわけさ。

そりゃ怒るよね。だってとんでもない金額をかけて作った研究所とかも全部無くなっちゃたからね。ほら、これがその写真だよ」

 

そう言って織斑先生にいくつかの写真を渡す。

写真を見た瞬間に二人の表情が無くなった。

気になったので見ようとするが、織斑先生、束さんにも楯無さんにも止められた。

 

「てるくんは見ない方がいいかな。

あの写真にはこの世の悪意が詰まってるようなものだから。

てるくんが見るには早すぎるよ」

 

「これは……余りにも酷すぎる……

大河、お前にこれを見せるわけにはいかない」

 

「輝義君、あなたに見せるわけにはいかないわ。

これを見たら、輝義君は輝義君でいられなくなる」

 

……そんなに酷いのか。

この三人が言うのならばそうなんだろう。

 

「で、その研究所で作られたのがあの銀髪っ子だよ。

ついでに言っとくと私の所に引きとった子もその一人だよ」

 

「本題に戻るけど今回の件で、てるくんは、ドイツやフランスと言った国だけじゃなくて亡国機業っていう存在も敵に回したと見ていいかな。

これから強引な手段に出て来る事が多くなると思うよ」

 

その発言に織斑先生は、

 

「何とか出来んのか?」

 

それに対して束さんは、

 

「うーん……無理かなぁ……

フランスみたいな国っていう事なら出来るけど、情報は知っていても存在が分からないっていう相手にはちょっと手の打ちようがないかな」

 

「そうか……」

 

「篠ノ之博士、亡国機業についての情報を知っている限りでいいので教えてもらえませんか?」

 

「まぁ、いいよ。でも意味ないと思うけどな」

 

「それはまた、どうして?」

 

「あいつら鼻がいいから、情報が漏れたってすぐに勘づくんだ。

だから私が持ってる情報も意味がないかもしれないけどそれでもいいなら渡すよ」

 

「えぇ、構いません。

知っているのと知らないのでは大違いですから」

 

「そっか。じゃ、ちょっと待ってて。今コピーするから」

 

そう言って空中にディスプレイとキーボードが浮かぶ。

本当にどうなってんだあれ……

束さんはキーボードを叩く。

 

ものの数十秒で終わらせてしまった。

はえぇ……

 

「はい、これでいいかな?」

 

「ありがとうございます」

 

「それで、てるくん」

 

呼ばれたので返事をする。

束さんの雰囲気的に真面目なものだと思ったから姿勢を正し、返事をする。

 

「……はい」

 

「これからは今まで以上に色んな人たちが君に接触してくると思う。

それがすべて善意だけじゃない。むしろ善意の方が少ないかもしれない。

悪意ばかりかもしれない。

だから周りに気を付けていかないとだめだよ。それが必ずしも自分に向けられるとは限らない。だから自分の親しい人達に危害が及ぶかもしれない。

だけど、そんなときでも一人で抱え込まないで。

周りには君を大切に思ってくれている人達がいるから。周りを頼っていいから」

 

「もしそんなことがあっても世界に絶望しないで。

私にそれを教えてくれたのは他でもない、てるくんなんだから」

 

そう言って束さんは笑った。

 

「……はい。その時は頼らせてもらいます。幸いな事に周りには頼れる人達が大勢いますから」

 

そう言うと束さんは、

 

「うんうん。

じゃ、取り敢えず用事は終わったから、私は帰るよ」

 

「あぁ。貴重な情報を持って来てくれて助かった。

今回ばかりは感謝するぞ」

 

「今回ばかりはって何さ!?

いつもちーちゃんの役に立ってるでしょ?」

 

「何を言ってる?

毎回毎回お前が起こした面倒事に巻き込まれる私の身になれ!」

 

「そうだっけ?

あ、そうだ!

てるくんに恩返しするって言ったよね?その恩返しが決まったよ!」

 

そう言えばそんな事を言っていたような……?

何だろう?

 

「てるくんに専用機をあげるね!」

 

マジカヨ。

思わず片言になっちまったぜ……

いや、それよりも専用機!?

え!?いいの!?

だって織斑先生が、

 

「束ぇぇぇぇ!!!!

言ったそばから面倒事を持ってくるんじゃない!しかも専用機だと!?あほかお前は!」

 

荒れ狂ってらっしゃる。

いやまぁしょうがないよね。

 

「じゃあね!」

 

そう言うと消えてしまった。

本当にどうなってるんだろう?

 

「また面倒事が増えた……

残業だぁ……」

 

あぁ!?

ネガティブ織斑先生(今命名)が出てきてしまった!

 

「……その、すいません」

 

「あぁ……いや大河が謝る必要はない」

 

でも俺に渡されるものが原因なんだし……

 

「まぁ、取り敢えず今日は寝ろ。消灯時間は過ぎているからな」

 

そう言われて時計を見ると既に十一時を回っていた。

 

「そうね。今日は色々聞かされたから思うこともあるでしょうし、しっかりと休んで整理した方がいいわ」

 

「……はい」

 

「ではな。お休み」

 

「お休みなさい。輝義君」

 

「……お休みなさい」

 

そうして二人は出て行った。

 

 

それにしても、本当に衝撃的だったな。

ラウラの事は知っていたからそうでもなかったが……

まさかそんなに俺は有名人になっていたとは。

世界的な犯罪組織まで俺を狙っているなんて思ってもいなかった。

 

……取り敢えず風呂入ろう。

 

 

なんだかんだでもう十二時か。

寝よう。

色々と衝撃的な事を聞かされて疲れた。

 

そうして俺は眠りに着いた。

 

 

 

 





長いし会話は多いし……
すんません。



感想、評価等ください。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。