休憩が終わって再び話し合いが始まった。
「では、外務省の方から」
「えー、輝義君に関してですが、各国からとんでもない量のお見合いが申請されています」
ふぁ!?
ど、どどどういうこっちゃ!?
お、落ち着け俺!そして考えるんだ!
……うん!全くわからん!
「……どういうことですか?」
聞いてみると、
「まぁ、簡単に言うと君の遺伝子情報が欲しいんでしょうね」
「もっと簡単に言うと種が欲しい」
聞きたくなかった……
遺伝子ならまだ分かるけど、いや分からんけども。
種って……
「挙句の果てに国連から一夫多妻にしろとまで来ましたからね」
まじかよ。
俺はまだ清い身体でいたいのに。
「もうほんとにやってられませんよねぇ」
それはこっちのセリフだよ。
どうすんのさ?
「ただ、好機ではあります」
どういう事だ?
「大河君の事を本当に好きでいてくれる方々と結婚してもらって周りを固めてしまうんです。それならば文句は言ってくるでしょうが、今よりは遥かにマシになるはずです」
うぅん……
正直いまこの場で返事は出来ないな……
「……すいません、考えさせてもらえませんか?」
「もちろんです。強制ではないですし、何より君の考えが一番大事ですから」
「……ありがとうございます」
「いえいえ」
はぁ……
なんか色々大変だな。
今までが楽だったのか……
「では、次にローランさん、ボーデヴィッヒさんについてですが……」
「あの、そのことなんですけど、僕は篠ノ之博士が用意してくれた戸籍があるはずなんですが……」
「そのことも含めてご説明します」
一旦区切って話し始める。
「まずローランさんですが、篠ノ之博士がご用意された戸籍も抹消されていました。ですので現在戸籍も無い上に無国籍ということになりますね。存在自体が無かったことにされています」
「そんな……どうして……」
そう言うと泣きそうになっていた。
「……大丈夫か?」
「うん……」
全然大丈夫じゃなさそうだな……
しかし次の一言によって驚かされる事になる。
「それでですがお二人とも、もしよろしければ日本国籍を取りませんか?」
「……え?」
まさかそんな事を言われるとはおもっていなかったのだろう。
俺だってそうだし。
「え?……でも、いいんですか?」
「勿論です。正直ローランさんとボーデヴィッヒさん程の実力者であれば喉から手が出るほどですし」
「……本当にいいんですか?」
「私もか?」
「はい」
「僕は……日本国籍を取ります」
「私もとるとしよう」
「そうですか。分かりました。
それでは後日必要な書類等をお持ちしますのでそれまでお待ちください」
「「分かりました」」
「それじゃこれで終わりね」
やっとか……
ものすっごい疲れた。
しかしそれだけでは終わらなかった。
「ねぇ、シャルロットちゃんラウラちゃん、良かったらうちの子にならない?」
この一言によって混乱したのは言うまでもない。
結果的に楯無さんの提案は断ってた。
それにしても今日は濃すぎる一日だったな……
早く帰って飯食って寝よう……
今回は短めです。
感想、評価等くださいな。