いやぁ!休日ってのはいいもんですね!土日祝日で三連休とか最高すぎ!
セシリアの貝殻事件から五分程経った。
さて、次にやって来たのは箒だった。
「輝義、見てもらっても構わないだろうか?」
そう言って水着を渡してくる。
渡されたのは黒のビキニと白のビキニ。
どちらも少ないながらフリルが付いているものだった。
「……どちらも似合うと思うぞ」
「そ、そうか」
似合うと言ったら嬉しそうに微笑む。
そうそう。別にわざわざ着替える必要なんてないのだ。
そう思っていた矢先に、
「箒さん、実際に見てみないと分からないものですわ。折角輝義さんもいるのですから見て頂いた方がよろしいですわ」
セシリアァァァァァ!!!???
何でそんなに俺の精神力が削られるようにすんの!?
もうお腹いっぱいなんだよぉ!
別に?見たくない訳じゃないし?むしろ見たいし?
でもさ、なんか悟り開きそう……
「て、輝義……」
そう言って出てきた箒は黒のビキニを最初に着ていた。
うわぁ……セシリアも凄かったけど、箒はそれを遥かに超えてる……
開いた口が塞がらない。
セシリアと布仏も、
「……な、なんなんですの?アレ……?完全に負けてますわ……」
「しののんすごいね~」
「その、何か言ってくれ……」
うん……
その、何というか……
「………………………………とても似合ってると思います」
「似合ってないならそう言ってくれ!」
「……いや、似合ってはいるんだ」
本当だよ?
でもさ、それがね?
「……ただ……」
「ただ?」
「……その、刺激が強すぎる」
そう、男子高校生には余りにも刺激が強すぎるのだ。
いや、だってさぁ……
半端ないんだって。
それを言われた箒は、
「な!?なななな!?」
顔を真っ赤にしてあたふたしている。
「……箒さん、服の上からでも何となく分かっておりましたが……改めて見ると、とんでもない凶器をお持ちなのですね……」
「しののん~、どうしたらそんなにおっきくなるの~?」
セシリア、その気持ちよく分かるぞ……
布仏、やめなさい。
「うぅ……」
引っ込んでしまった。
まぁ、しょうがないよね。
多分白の方は着ないんじゃないかな?
そう思って俺は完全に油断していた。
まさか着替えて来るなんて思ってもみなかった。
「その、こちらはどうだろうか……?」
ふぁ!?
そう言って出てきた箒は、白のビキニを着ていた。
腕で胸を隠そうとしてはいるが、全然隠れていない。
それどころかむしろ強調されている気がする。
「………………似合っているぞ」
「そ、そうか……」
謎の沈黙。
気まずい。とてつもなく気まずい。
「そ、それでどちらの方がよかっただろうか?」
そうだな……
どっちも似合ってた。そりゃもう。
だけど、黒はちょっと不味い。
なので、
「……白の方が良かったな」
「分かった。ありがとう。それでは買ってくる」
そう言って試着室から私服に着替えてレジに向かって行った。
「輝義さん」
「……なんだ」
セシリアに話しかけられる。
「……箒さん、物凄かったですわね」
それ俺に聞く!?
「………………そっすね」
としか返せなかった。
しかしセシリアは、
「大丈夫ですわ。
……何故白の方を選んだのか教えて頂いても?」
えぇ……
なんでぇ?
「怒ったりしませんわ」
ならいいか……
「……強すぎた」
「何がですか?」
「……刺激が強すぎた」
「あぁ……確かにとんでもなかったですわ……」
「……セシリアは、何か思ったのか?」
逆に聞いてみた。
「そうですわね……
もう凄すぎて嫉妬なんて感情はありませんでしたわ。ただ、女としてとても羨ましく思いますわ」
「……そうなのか」
「えぇ」
そうして箒が戻ってくるまでそんな会話をしていた。
次にやって来たのは簪。
あ、普通だ。
……ちょっと残念に思ってしまった俺がいる。
「輝義、その……」
「……あぁ」
「水着、見てくれる?」
「……あぁ」
簪が持ってきたのは水色のワンピースタイプのやつ。
簪は心のオアシスだったんだな……
「ど、どうかな?」
出てきた簪は、とても似合っていて可愛らしいものだった。
「……可愛いと思う。似合ってるぞ」
「ほ、ほんと?」
「……あぁ」
「そっか……えへへ」
嬉しそうだな。
「……もうそれでいいのか?」
「うん。私はこれにする」
「……ならばもう買ってくるといい。
セシリア達はもう会計を済ませているからな」
「そうなの?それなら私も行ってくるね」
そう言ってレジへ。
……簪まで……ビキニとか言ってたら俺もう逃げだしていたかもしれん。
ここに来て精神的に疲れたわ……
それに俺まだ水着選んでないんだけど。
「ごめんね。遅くなっちゃった」
「嫁!私の水着姿に興奮するがいい!」
「大丈夫ですわ」
シャルロットとラウラですね。
……ラウラ、ここでそんな事を大きな声で言うのは辞めようね?
俺が犯罪者になっちゃうから。
だってラウラには悪いけど見た目が完全に幼女な訳で。
しかもそんな子に嫁とか言われてる顔面に傷がある大男。
完全に事案じゃないですか。
「取り敢えず僕たちの見てもらえるかな?」
「今着替えて来るぞ。待っていろ」
大丈夫だってば。
逃げたりなんかしないよ……
そもそも逃げられないでしょ。
逃げたとしても今更じゃん。
「はい!どうかな?」
最初に出てきたのはシャルロット。
黄色の水着に下は黒と黄色の縞々のスカートみたいなのを付けてる。
「……似合っているぞ」
「ありがとう」
すると、ラウラが出てきた。
「嫁!どうだ!」
黒の水着ですね。
うん、可愛い。
「……可愛いと思うぞ」
「本当か?」
「……本当だ」
「そうかそうか」
ムフーといった表情で腕を組んでドヤ顔決めてらっしゃる。
「それじゃラウラ、お会計行くから着替えて」
「分かった」
……本当に親子みたいだな。
そこに箒が、
「輝義は幸せ者だな」
そう言って来た。
本当にそう思うよ。
特にここ最近は怖いくらいだ。
だから頷く。
「……あぁ」
よし、それじゃ自分の水着を選びに行きますかね。
今俺は笑われていた。
その理由は、
「ほ、本当におかしいですわ!」
「あはははは!!!!」
「水着のサイズが無いって……フフッ」
そう、サイズが無かったのだ。
そもそも、成人男性の三倍はある肩幅。
それに比例して身体全体が他の人よりも遥かに大きいのだ。
そりゃあるわけがない。
今思えば着ている服はばあちゃんと母さんのお手製だ。
それか特注になるわけで。
「そうすると、輝義は水着どうするんだ?」
「……今頼んで間に合うなら特注だな。
無理だったら学校指定の水着しかない」
そう、今から頼んで間に合うのか分からないのだ。
別に学校指定の水着でも全然構わないのだが、箒達が納得できないらしく、
「だめだ。私達だけ新しいというのは納得いかん。少し業者に聞いてみよう」
そう言ってセシリアがどこかに電話をかけ始めた。
え?どこに電話かけてんの?
「もしもし、セシリアオルコットというものですが、特注で水着の製作を金曜日までにお願いしたいのですが」
「使用する人の名前?大河輝義です。はい、はいそうです。その大河輝義ですわ」
「輝義さん、変わってほしいとのことです」
そう言ってスマホを渡してくる。
まぁ、いいや。
なんかもう止まりそうにないし。
「……もしもし、大河ですが」
「え!?本物!?」
本物って……
まぁ、そうなんだけどさ。
「……はい」
「ちょ、ちょっとお待ちください!」
そう言って電話から離れる。
余程慌てていたのか、そのままで行ってしまったらしく、遠くで何やら聞こえる。
なになに?
「本物の大河輝義さんです!部長、早く変わってください!」
だって。
するとすぐにその部長と思われる人が出た。
「お待たせいたしました、部長の山田です。
本日はどういったご用件で?」
「……水着を作ってもらいたいのですが」
「水着ですか?何時ごろまでに?」
「……金曜日までには作ってもらいたいのですが」
「分かりました。少々お待ちください」
そう言ってどこかへ行ってしまった。
十分程だろうか?今度は別の人が出てきた。
「社長の川合です」
社長!?
なんでそんな大事になってんの!?
「えーと、水着を金曜日までに特注との事ですが、それでよろしいでしょうか?」
「……はい」
「分かりました。それではお近くの店舗へ向かっていただいてもよろしいでしょうか?」
「……分かりました」
結果的に作ってもらえることになった。
それから近くの店で採寸を行い、そのデータを送った。
あと、なんかお代はいらないって言われた。
代わりに宣伝で使っていいかって聞かれた。
流石に俺だけじゃ決めることは出来ない。
なので後日、織斑先生に聞いてからということになった。
「……すまないな、時間を取らせた」
「いいえ、構いませんわ」
「しかし、そうなると私服も全て特注になってしまうのではないか?」
箒のその言葉通りなのだ。
今日服を選ぶことは出来ない。
「……そうだな。今着ているものも母さんとばあちゃんが縫ってくれた」
「そうなのか?凄いな」
「でしたら、後日また時間がある時に皆さんで輝義さんのお洋服を選びましょうか」
「そうだね」
ということでまた皆で買い物に行くことになった。
「そしたらごはん食べに行こうよ」
シャルロットの提案により皆で飯を食べに行くことに。
「どこにする?」
「輝義、沢山食べるからそういうのも考えなきゃね」
「だったら、食べ放題なんかはどうだ?好きなだけ食べられるぞ」
箒の提案により食べ放題に決定。
「……食うぞ」
「あぁ、好きなだけ食べるといい」
「うまい」
「こちらもどうぞ」
全力で気の済むまで食べていたら、
店員さんに止められてしまった。
箒達はやっぱりそうなったか……という顔をしていた。
その後、各自で何処か行きたいところに行くという事になって一人で移動したのだが、広すぎて迷子になった……
やべぇ、ここ何処だ?
あっちへウロウロ、こっちへウロウロ。
そんなことをしていたら本格的に分からなくなった。
あ、これ迷子センター案件かな?
などと途方に暮れていると、声を掛けられる。
「すいません、大河輝義さんで間違いありませんか?」
そう言って声を掛けてきたのは明るい茶髪をした美人さんだった。
……誰?
「……えー、どちら様ですか?」
「あぁ、申し遅れました。
亡国機業のオータムという者です」
瞬時に身構える。
「……何の用だ?」
「そう警戒しなくても大丈夫ですよ」
「……信じられるとでも?」
「無理ですね。
……口調をいつも通りにしてもよろしいでしょうか?」
何なんだこの人……
「……どうぞ」
「あぁ、ったく面倒極まりねぇな。
おい、ついてこい。うちの上司が用があるんだとよ」
「……何故だ?」
「知るかよ。なんか呼んで来いって言われたからてめぇのとこまで態々来てやったんだ。それに私じゃお前に殴り掛かっても勝てねぇしな。いいから取り敢えず付いて来い」
どうする?
ただ、本当に危害を加えようとしている訳じゃ無さそうだし……
「……分かった」
「よし、付いて来い」
そう言って歩き出す。
どこに向かうのかと思っていたが、車に乗せられた。
窓から外が見えると思っていたが、如何やらこちら側から外を見ることは出来ないようになっているらしい。
これじゃどこに向かうか全然分からないじゃないか……
そして、車が止まる。
降ろされた場所にはビルがあった。
「ここだ。入れ」
そうしてビルの中の一室に通された。
そこには金髪の女性がいた。
そして、その横に信じられないが、
織斑先生によく似た少女がいた。
本当にどういう事なんだよ……
クソ、全然状況が掴めない。
そして、金髪の女性が口を開く。
「初めまして。大河輝義君」
「私は亡国機業日本支部代表、スコールよ」
これから長い時間になりそうだ。
今回の内容、R-15に入んのかな?
さて、ようやく亡国機業三人衆が登場しましたね!
ここ最近シリアスが多い気がする……
感想、評価くださいな。