ISヒロインズとオリ主のお話   作:ジャーマンポテトin納豆

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昨日は投稿できずに申し訳ない。
遊んでたんや……



55話目

 

 

 

「私は亡国機業日本支部代表、スコールよ」

 

 

「ほら、あなたも挨拶しなさい」

 

「……織斑マドカ」

 

「ごめんなさいね、ちょっと不愛想なのよ」

 

「それよりも、食事にしましょうか」

 

 

 

その言葉を皮切りに何故か食事が始まった。

え?ナニコレ?

想像してたのと全然違うんだけど……

 

「……さっき食事したばっかなんですが」

 

「知ってるわよ。だってあの店私が経営してるんだもの」

 

まさかのオーナーだった。

え?思ってた亡国機業と全然違う……

 

「それにさっきは途中で止めてしまいましたからここでは存分に食べていいですよ。私の奢りです」

 

これどうすればいいんだろう……?

正直睡眠薬とか疑っちゃうんだけど。

気が付いたら実験室で解体される寸前だったりとかじゃないよね?

 

「あぁ、君が心配している事は大丈夫よ。そもそもそんな事をしてもしょうがないし、何かが分かるわけじゃ無さそうだし」

 

そんな事を言ってはいるが本当はどうなんだか……

正直怪しくてしょうがない。

 

「って事でいつも通りに行きましょうか」

 

何時も通り?

どういう事?

 

「もー本当に嫌になっちゃうわよ」

 

いきなりキャラが変わった……

誰この人……?

 

「あぁ、ごめんなさいね?この前の件でちょっとね」

 

「……あれはどういう事ですか?」

 

「どういう事も何も欧州担当の馬鹿どもが功を焦って勝手に暴走したのよ。迷惑この上ない話だわ。おかげで後始末なんかこっちがやらなくちゃいけないし、余計な出費で大変よ」

 

なんか色々苦労してんだんね……

 

「ただでさえうちの日本支部は貧乏なのに、拍車が掛かって大変なのよ」

 

なんかもう大変なんだね……

 

「それに、私達三人は少なくともあなた達と敵対する気はないわよ。篠ノ之博士や、織斑千冬達が味方に付いているあなたを敵に回すとか頭おかしいわよ。冗談じゃないわ」

 

「そんなの死にに行くようなもんだろ。そもそもこいつ自身がとんでもなく強いんだ。あたしら三人で殺しにかかっても勝てねぇよ」

 

オータムさん、だったか?がそう言う。

 

「確かにそうよね」

 

そこまで強くないと思うんだけど……

 

「それじゃ、今日貴方を連れてきた要件を話すとしましょうか」

 

今まで笑っていた感じのいいお姉さんという雰囲気から一転、真面目な空気を纏う。

 

「貴方には今回、亡国機業を代表して謝罪を。

向こうが勝手に暴走してしでかした事とは言え、本当にご迷惑をお掛けしました」

 

そう言って三人が頭を下げて来る。

想定外過ぎて俺大混乱。

 

「だ、大丈夫ですから、気にしないでください」

 

「そう……ありがとう」

 

「おい、スコール、まだあるだろ」

 

「そうね。もう一つあるわ」

 

そう言って再び話し始める。

 

「今度、貴方達は臨海学校に行くわよね?」

 

「……はい」

 

臨海学校がどうかしたのだろうか?

 

「北米支部が何か企んでいるわ。それが何なのかは分からない。だけど、警戒だけはしておきなさい」

 

マジかよ……

休む暇は与えないってか?

 

「……どういうことですか?」

 

「そのままよ。貴方達が臨海学校に行っている間に何らかの形でアクションがあるわ。それが直接的になのか、間接的なのかは分からない。ただ、かなり大規模な事を画策しているのは確かよ」

 

「……どうにかならないんですか」

 

「無理ね。各支部ごとにほとんど独立しているようなものだから対処は不可能よ」

 

「……それを、俺に伝えてどうしようと?」

 

気になるのだ。

この事を俺に伝えて何かしらの利益があるとは思えない。

それどころか不利益しかないだろう。

 

「そうね、謝罪の手土産とでも思ってくれればいいわ」

 

それで納得できるわけがない。

しかしここで疑っても何もならない。

 

「……分かりました。ご忠告ありがとうございます」

 

「えぇ」

 

その後、気になっていた事をいくつか質問してみることに。

 

「……その、織斑マドカさんは何者なんですか?答えたくないのであれば構いませが……」

 

正直聞くのは躊躇ったが取り敢えず聞いてみることに。

それで答えたくないのであればそれで全然構わない。

 

「そうね……どうする?」

 

「別に答えても構わない」

 

「そう。なら教えてあげなさい」

 

「私は、姉さんの、織斑千冬のクローンとでも言えばいいのだろうか」

 

想像以上に重い話だった。

……妹とかそんな感じなのかと思ってたんだけど……

 

「面白い顔してるわよ?」

 

「なんだその顔気持ち悪ぃな」

 

散々なこと言われたんだけど。

だってしょうがないじゃん?

 

「マドカはね、欧州支部の馬鹿どもが作った子なのよ。何人もの犠牲の上に漸く完成した織斑千冬のクローンなの」

 

……胸糞悪い話だな。

 

「……糞ったれな話ですね」

 

「でしょう?多分、私達は正確な数を把握していないけど少なくとも五千の子達が死んでいるわ。もっと多いかもしれないけどね」

 

「その後、マドカは思いっきり反抗したのよ。それでマドカは役立たずの烙印を押されてね。こっちに送られてきたのよ。それからだったかしら、あいつらを見返してやる、ぶっ殺してやるって、その為に鍛えて欲しいって言って来たのは」

 

「大変だったわよー、そこまでの信頼関係を築くのに。

噛みついてくるし、殴り掛かってくるし、蹴り掛かってくるし。

何度もキャーキャー言いながら挑んだわ」

 

「ま、今ではこんなにいい子なんだけどね」

 

そう言ってマドカの頭を撫でるスコールさんの目は、娘を見る母親のような優しい目だった。

そして、撫でられているマドカは、嬉しそうに目を細める。

 

「……あともう一ついいですか?」

 

「いいわよ?何でも聞いて」

 

「……何故貴女達は俺に接触したんですか?」

 

そもそも俺に接触するなら束さんなんかに接触した方がいいはずなのだ。

なんせ、協力してもらえればⅠSを作ってもらうなりなんなり出来るのだから。

 

「さっきも言った通りよ。貴方を含めた面々と争いたくないからよ。

どこの組織や国家もそうだけど亡国機業も一枚岩じゃなくてね。私達の日本支部は所謂、穏健派ってやつよ。

そこまで過激な事はしないわ。と言っても女権団の奴らなんかからはⅠSの強奪なんかはしてるけど」

 

「……どうしてですか?」

 

「考えてみて?奴らがⅠSなんか持ったらどうなると思う?」

 

そう言われて考えてみる。

今でさえ女尊男卑で地獄なのだ。

これが加速したらとんでもないことになるのは目に見えている。

 

「……最悪ですね」

 

「でしょう?だからよ」

 

それから十分程会話をしていると電話が架かってくる。

 

「……もしもし」

 

「輝義?今どこにいるんだ?」

 

箒からだった。

 

「……今?……どこだろう」

 

「もしかしなくても迷子なのか?」

 

「……………………はい」

 

だってしょうがないじゃん。

これ以外に何と言えと?

馬鹿正直に言ったら間違いなく織斑先生緊急出動ですけど?

 

「はぁ……取り敢えずその場を動くなよ?いいな?」

 

「……はい」

 

しょうがない。

だって俺迷子なんだもん。

 

「……そういう事なのでそろそろ帰りたいんですが」

 

「えぇ。オータム、送ってあげて」

 

「あいよ。行くぞ」

 

そう言うとオータムさんは行ってしまった。

 

「お友達、大事にしなさいね?」

 

言われなくても。

 

「……何がなんでも」

 

「それじゃ、また今度ゆっくりと会いましょう」

 

この短時間でだが少なくともこの三人は悪い人じゃないってことが分かった。

まぁ、旨く騙されているだけかもしれないが、そんな感じはしないし。

 

「……では、また」

 

「えぇ、気を付けて帰りなさい」

 

そうして二人と別れた。

 

 

 

 

「おう、何やってた。遅かったじゃねぇか」

 

「……すみません」

 

「大方、スコールに止められてたんじゃねぇの?

ま、とっとと乗れ」

 

そう言われて車に乗り込む。

 

「じゃ、行くぞ」

 

「……はい、お願いします」

 

 

 

 

「おし、着いたぞ」

 

そう言われて外に出るとレゾナンスだった。

 

「……ありがとうございました」

 

「あぁ、こっちが無理言って連れてったんだ。こんぐらいどうって事ねぇよ」

 

この人、口が悪いだけですっごく良い人じゃん。

 

「じゃあな」

 

「……はい」

 

そう言って車に乗って何処かに行ってしまった。

 

 

そうだった……!俺迷子だった……!

 

 

 

その後、その場を動くなと言われたにも関わらず動き回り、すれ違い、

七時になって漸く箒達に保護されました。

 

 

 

 

 

 

寮にて

 

 

「動くなと言ったのに何故動いた!?」

 

「……すいません」

 

「言う事を聞かないからこうなるんだ!」

 

「……はい」

 

帰った途端に箒に正座させられ、目の前にみんながずらっと並んでお説教されました。

 

 

 

「輝義さん?あなたはおいくつなんですか?」

 

「……今年で十六になります」

 

 

 

「輝義、流石に言われたことぐらいは守ろうよ……」

 

「……おっしゃる通りで」

 

 

 

「嫁は方向音痴なのか?」

 

「……多分」

 

 

 

「てるてる探すの大変だったんだよ~?」

 

「……申し訳ない」

 

「後で何かお菓子かってね~」

 

 

 

「輝義、勝手に動いちゃだめだよ?」

 

「……はい」

 

 

 

俺って皆に頭が上がらないのね。

 

 

 






亡国機業三人衆の設定は作者独自です。





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