ぶっちゃけ主人公の専用機、センスないかもしれない。
許して。
今日はISを使った実習をする。
なんか二日ぶりだから結構楽しみにしていた。
事前の説明で専用機を持っている人とそうでない人は分かれて別々でやるとの事。
今、俺を含めた専用機持ちは各国から届いた新しい武装をインストールしている。
まぁ、俺とシャルロットにラウラ、箒はそれが無いので端で見ているだけだが。
「なぁ……輝義?」
箒に話しかけられる。
「……なんだ?」
「なんで専用機を持っていない私まで此処に連れてこられているんだ?」
そんなこと言われても……
俺は知らないんだよ……
「……俺が知っていると思うか?」
「いや、知っている訳ないか」
そう言って再び皆の作業を眺める。
そこへ束さんの声が響く。
「ちーーーーちゃーーーん!」
「なんだ、あの人はまた来たのか……」
呆れ顔でため息をついてもう嫌だみたいな顔してる……
「ようやく来たか。で?例の物は?」
「遅れたのは謝るからヘッドロック決めるの止めてくれるかなぁ!?」
そう言って束さんは織斑先生にヘッドロックを掛けられていた。
「はぁ……早く要件の物を」
「いたたたたた……分かったよ……
さて!てるくん!箒ちゃん!私からの贈り物だよ!」
そう言ってパチンと指を鳴らすと海からでっかい箱が二つ出てきた。
何だあれ……たばねさんすげー。
「おい、なんで二つもあるんだ」
「箒ちゃんの分もあるからね!」
その言葉に周りが凍り付いた。
「………………なんだと?」
なんとか織斑先生が絞り出した言葉だった。
「いやー箒ちゃんにも専用機作ってたんだけど、全然電話にも出てくれないし、会おうなんて更に無理だからこの機会に渡しちゃえって事で持ってきました!」
そう言い終わった瞬間に絶叫と共に織斑先生と箒が駆け出す。
「貴女という人はぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「束ェェェェェェェェ!!!!!お前はまたこんな面倒事の種を持ってきおって!!!!」
「わぁぁぁぁぁ!!!!????」
あぁ……また束さんが追いかけられてる……
「待ってよ二人とも!!??取り敢えず話を聞いてってば!!!」
「はー、はー……何ですか……言っておきますがあれはいらないですよ。私には大きすぎる力ですから」
「箒ちゃん、そうは言っても無理なんだよ」
「何故ですか?」
「箒ちゃんのためでもあるんだ。いい?箒ちゃんが思っている以上に箒ちゃんは色んな奴らに狙われているんだよ。だから最低限、自分の身を守れるようにこの機体を作ったんだ。てるくんや私が必ずしも箒ちゃんの事を守ってあげられるとは限らないからね」
ド正論を言われ黙ってしまう箒。
しかし織斑先生は、
「だとしても、これはやりすぎだ。それにこの二つの機体はどうせお前の事だ。普通じゃないんだろう」
確信していると言った口調でそう言う。
束さんは当たり前じゃんと言った顔をしながらコンテナを開ける。
「流石ちーちゃん!私の事をよく分かってるね!ちーちゃんが言った通り、この二機はそこらの凡人共が作ったのとはわけが違うよ!なんせ第四世代機だからね!」
再び束さんの口からとんでもない単語が飛び出してきた。
第四世代!?
なにそれ強そう!
「はぁ!?お前ふざけるなよ!?それがどういう事か分かって言っているのか!?」
「ちーちゃん取り敢えず離して!締まってる!思いっきり締まってるから!」
「……いいだろう。取り敢えずは離してやる。だが、しっかり説明してもらうぞ」
と言っても俺自身はよく分からないので隣にいたシャルロットに聞いてみる。
「……シャルロット」
「どうしたの?」
「……聞きたいことがあるんだがいいか?」
「いいよ。どうしたの?」
「……第四世代の何が凄いんだ?」
「あぁ……えっとね、先ずは世代について教えるね。
ISの完成を目的としたものが第一世代。織斑先生の乗ってた暮桜が有名かな。
後付武装を搭載することで多様化を図ったものが第二世代。これはラファールとか打鉄がそうだよ。
操縦者のイメージインターフェースを利用して特殊兵装を使えるようにしたのが第三世代。セシリアとか鈴の機体がそうだよ。
ここまでは授業でやったから分かると思う」
「で、第四世代なんだけど、パッケージ換装を必要としない万能機なんだけど簡単に言うと一々装備を変えなくても遠距離戦から近距離戦、接近戦とかのすべてに対応できるって事なんだけど、問題は各国はまだ第三世代の開発途上って事なんだ」
あー……
何となくやばい理由が分かった気がする。
「第三世代機は開発途上、完成していないんだ。ましてや第四世代機なんて卓上の空論もいい所だよ。多分、あの二機は世界最強の機体だと思う。問題はそれだけじゃないよ。ISのコアは世界中に全部で467個だけなんだ。しかも全部IS委員会に登録されている。だけど目の前にあるのはどう考えても登録なんてされてないであろうISコア。これだけで下手したら紛争ものなんじゃないかな」
「……よく分かった。ありがとう」
取り敢えず滅茶苦茶やばいっていうのが良く分かった。
「うん。どういたしまして」
俺が言うのもあれだけどさ、束さんやりすぎやで……
今の説明を聞いた箒が青ざめちゃってる……
「……箒、大丈夫か?」
「あ、あぁ……」
フラフラしてんじゃん。
大丈夫だとは言ってるけど……
「……ほら、つかまっておけ」
ポカンとするが笑って、
「ふふ、ありがとう。それではお言葉に甘えて」
つかまって倒れる心配はなくなった。
だが新たな問題が生じた。
箒の胸がすんごい当たっております。
何なんこれ?
おまけに皆からどさくさに紛れて何やってんの?って顔で睨まれてる。
いや、別に狙ったわけじゃないんだ……
どうやら織斑先生に説明を終えた束さんが来た。
「さぁさぁ!取り敢えず最適化とか色々やっちゃおう!」
そう言われ、問答無用で連れてかれた。
「じゃじゃーん!こっちが箒ちゃんの専用機で名は紅椿!」
最初にコンテナから出てきたのは赤いISが出てきた。
超強そう。
「こっちがてるくんの専用機、イージス!」
そして次に出てきたのは銀色の機体だった。
それにしてもなんか皆のと違う気がする。
「それじゃ説明に行こうか!」
そうして説明が始まった。
「まず紅椿だけど、いっくんの零落白夜あるでしょ?
あれに似たようなもんなんだけど、いっくんのは元の攻撃能力が思いっきり上がるわけなんだけど、紅椿は今ある最小のエネルギーを増大させるんだ。それに零落白夜が全体に施されているからね」
その説明を聞いた皆は驚きの表情をしている。
何だったら俺も滅茶苦茶驚いている。
「最小のエネルギーを増幅させるって事はSEがある限りそれを回復させられるんだ」
流石にこれは俺でも分かる。
少しでもSEが残っていればそれを回復させて操縦者の身体が持つ限り戦い続けられるという事だ。
何それチート?
「武装も展開装甲だからね。状況に応じてどんなものでも出せるよ。攻撃、防御、機動、すべてに対応できる即時万能対応機(リアルタイム・マルチロール・アクトレス)なのさ!」
何それやばい。
あれか?日本のFー2とかFー15とかみたいなもんか?
「次にてるくんのイージスだけど、大体説明は同じだよ。ただ、紅椿みたいにエネルギーを増幅させることは出来ないけどね」
「さぁて他にも説明はあるけど、実際に使いながらにしようか」
そう言われて展開するが驚いた。
どうやら俺の専用機はは全身装甲らしい。
「はい、これで最適化とかは終わり!それじゃそのまま飛行に移ろうか。少ししたら武装の展開をしよう」
その指示に従って飛行に移る。
「おい、束、あの機体の操縦性はどうなんだ?」
「そうだね、かなり難しいはずだよ。でも……おー、流石てるくん!易々と乗りこなしてるね!」
「篠ノ之の方は?」
「まぁ、他の機体よりは難しいと思うよ。でも箒ちゃんは実際に乗ってる時間が皆よりは少ないからね。あれぐらいはしょうがないよ。でも直ぐに乗りこなせると思う」
「どういう事だ?」
「後で説明するよ」
そんな声が聞こえるが、織斑先生それでいいの?
「大河、私はもう諦めたんだ……こいつの制御はお前に任せた」
考えを読まれた。
それよりもそんなに疲れた顔しないで下さいよ……
「まずは箒ちゃん、武装の展開をしてみて。全部で三つあるんだけど、
腰の左側にあるのが空裂(からわれ)。
これは振るとエネルギー刃が飛ぶよ
腰の右側にあるのが雨月(あまつき)だよ。
こっちは刺突した時にレーザー出るから」
この説明を聞いた瞬間、箒が叫んだ。
「貴女はなんてものを作っているんですか!?こんなの扱いきれませんよ!?」
「大丈夫だよ。ちゃんとオンオフの切り替えが出来るようになってるから。暫くはオフの状態で練習してからオンに行くのもアリだね。
あともう一つが展開装甲だよ。名前は伊吹(いぶき)。
名前の通り展開する装甲だね。これが第四世代の由来で、防御、攻撃、移動全てに使えるよ。あ、因みにこの展開装甲があるから拡張領域は無いからね」
「これで全部だよ。取り敢えずそのまま飛行をしててね。その間にてるくんの方を説明しちゃうから」
そう言って俺の方のプライベートチャンネルに通信が入った。
「てるくん!お待たせ!それじゃ説明を始めるよ」
「……はい。お願いします」
「うん!それじゃまずは展開装甲の説明をしちゃうね。
この展開装甲の名前はイージス。機体の名前と同じなんだ。
てるくんのは全部で八枚の展開装甲があるんだけど、この全てが自動制御されているんだ。だから戦いながら勝手に防御してくれるんだ。だから態々操作の切り替えを行わなくていいようになってるけど、手動での操作も出来るようになってるよ。
てるくん、結構無茶苦茶な戦い方するからね。これがあれば多少は無茶が出来る。けど、絶対に無茶はしちゃだめだよ?皆も、私も心配するからね」
「……はい」
「それと最大の特徴は自在に形を変えられることと自己修復機能があることなんだ。
自在に形を変えられるのは手動の時だけなんだけど、銃火器にもなりえるし、剣にもなれる。ぶっちゃけ世界最強の鉾であり盾でもあるんだ。
まぁ、銃として使うのにはナノマシンを弾丸として使うから、制限はあるんだけどね」
「次は槍の説明に行こうか。
名前はゲイボルク。ケルトの英雄、クーフーリンの使っていた槍の名前を取っているんだ。
こっちは相手に放ったら当たるまで追っかける。当たったら勝手に戻ってくるから回収の心配は無いよ。でも無制限に使えるわけじゃないからそこのところは気を付けてね」
なんかもう名前から豪華ですね。
能力もチートやんけ。
ついでに言うと〇GOの兄貴の顔が出てきた。
「次は剣だね。二本あるんだけど、二つとも特に能力は無いよ。強いて言うならひたすらに丈夫だね。
一本目が鬼羅刹、二本目が阿修羅。
てるくんって剣を使って戦う事が多いからね。使ってるのも葵だったからそれに近づけたんだ」
「……一ついいですか?」
「何でも聞いていいよー!」
「……何故、俺のは全身装甲なんですか?」
全身装甲にした理由を聞きたい。
「それはね、てるくん戦うたびに大怪我してるでしょ?全身装甲だとSEが無くなっても装甲があるから守ってくれるんだ。だからだよ。ただ、SEが無くなったらもう終わりだと思って。攻撃を耐えられたとしても多分、数回が限度だからね」
「……分かりました。ありがとうございます」
感想。
なんかオーバースペックですね。
「取り敢えずそのまま飛行して、そうだね……青い機体の君とシャルちゃんちょっとこっち来てくれるかな?」
そう言うと束さんはセシリアとシャルロットを呼ぶ。
「君、名前は?」
「せ、セシリア・オルコットですわ」
「あぁ、そんなに緊張しなくても大丈夫だよ」
「は、はい」
何するんだろう?
セシリアも緊張してる。
「今から、てるくんの事を撃って。可能な限りの弾幕で」
オウ……いきなりですか……
「てるくんは避けたりしなくても大丈夫だよ!展開装甲が守ってくれるから」
えぇ……めっちゃ不安なんですけど……
でも束さんが作った物だから大丈夫な気もするけど……
……三人を信じるしかないか。
「……分かりました」
「うん!それじゃ二人とも、やっておしまい!」
ドロンジョ様!?
そしてその言葉を合図に二人が弾をバラまき始めた。
ヴァァァァァァァァァ!!!!!
シャルロットはガトリングをぶっ放してくるし、セシリアは合間合間に正確な射撃を叩きこんでくる。
そこへ束さんの指示を受けたのであろう、ラウラまでもが撃ってきた。
ドォォン!!ドォォン!!ドォォン!!
三連だが、シャルロットとセシリアに当たることはなく、しかもその間も射撃を続けて来る。
間を開けて再びラウラが撃つ。
ドォォン!!ドォォン!!ドォォン!!
やはりその間の射撃が止まることはない。
だが、機体にダメージがあるどころか、SEすらも減っていないのだ。
正直、これだけやられれば少なからずダメージが入るもんだと思っていたが。
皆の居る所へ戻って解除する。
「どうだった?」
「……凄いですね。あれだけの攻撃を受けてもSEが減らないし機体本体にダメージもかすり傷もない」
「そうでしょ!?そうでしょ!?」
この後は特に問題なく作業を進めていった。
因みに俺の機体を見た簪が鼻息を荒くしていた。
それから問題はなく、順調に作業が進んでいたかに思われた。
山田先生が顔色を変えて走ってくるまでは。
「織斑先生!緊急事態です!」
「どうしたんですか?そんなに慌てて」
物凄い慌てようだな。
何かあったのか?
小さな声でこちらに聞こえないように話している。
「-----!----!」
「----!?--------!?」
何を言っているのかは分からないが、織斑先生までもが血相を変えている。
本当に何があったんだ?
「お前達!今すぐに出撃準備を整えて待機!」
「ちーちゃんどうしたの?」
「すまんが説明している暇はない!今すぐにコアネットワークで見てみろ!事の重大さが分かる!」
そう言われた束さんはなにか空間ディスプレイをいじり始めた。
そして、怒った表情になる。
「ちーちゃん、これ……」
「あぁ!そうだ!だからだ!急げ!準備が出来たらコントロールルームに集合しろ!そこで纏めて説明する!」
そう言って織斑先生は走って山田先生と共に行ってしまった。
準備を終えた俺達は旅館に設営されたコントロールルームに集まっていた。
「よし、全員集まったな。では説明するぞ」
そう言ってパネルに映像を映し出す。
「本日、午後五時七分にアメリカで開発中だった軍用IS、シルバリオ・ゴスペル、これを福音と呼称する。福音が突如暴走。そして基地の警備をしていたISを振り切り脱走。
今現在、シルバリオ・ゴスペルは音速で飛行中だ」
その説明を聞いた皆の顔が険しくなる。
「そして、今から五分後にハワイ駐留のFー22戦闘機とアメリカ軍IS部隊が中心となって迎撃を開始する。もし、これが失敗したら我々IS学園の専用機持ちで迎撃を行う。正直成功するとは思えないがな。ここまでで何か質問は?」
セシリアが手を上げる。
「何故私達が迎撃を担当するのですか?」
「福音の予想進路が此処だからだ」
「そんな……ですが余りにもこちらの戦力が足りなさすぎますわ!」
その発言に織斑は不思議そうな顔をして聞く。
「なぁ、セシリア?」
「なんですか?」
「なんで戦力差がそんなにあるんだ?専用機持ちがこんなにいるのに」
それは思った。
なんで?
「そうですね、説明いたしますわ。
まず最初に、今現在の専用機の数は私を入れて八名ですわ」
「なら……」
「最後まで聞いてくださいな。
戦力差がある理由ですが、いくつかあります。
先ず一つ目はシャルロットさんの機体は第二世代だという事」
「箒さん、最初に謝罪しておきますわ。
そして箒さんは今まで専用機を持っていませんでしたわ。
今、第四世代機を持っていると言ってもつい先程もらったばかり。操縦時間は一時間にも及ばない慣れていない機体」
「最大の理由は私達の載っている機体が、軍用ではなく競技用という事です」
「それのどこがダメなんだ?」
「いいですか?競技用と軍用では性能や搭載している武装に天と地ほどのとまでは言いませんが大きすぎる差があるのです。威力や射程、強度などの全てです。しかも相手は軍用の第三世代。率直に申し上げますと、勝ち目なんて殆どありませんわ」
その説明を聞いた織斑は愕然としている。
「……何とかならないのか?」
何か手は無いのかと聞いてみるが、余りいい反応では無かった。
「あるにはありますが……」
「……それは?」
「私達のISは一応ですが軍用になれます。ですがそうするには専用の機材の搭載に、プログラムのインストールなどをしなければなりません。そして国から正式な許可と命令、リミッターを解除するパスワードの入力があります。これら全てを行っていては間に合いませんし、間違いなく国からの許可は下りないですわ」
「……ありがとう」
もう無理じゃん。
状況は絶望的だね。
そこへ山田先生が声を出す。
「織斑先生、ハワイでの迎撃は失敗。正式に学園に依頼が通達されました」
「やはりか……!くそ……」
そう言って織斑先生は手を握りしめた。
「聞いたな?これより作戦立案を始める。何か意見のあるものは?」
「福音の詳細なデータを教えてください」
そう言ったのはシャルロットだった。
「いいだろう。だが万が一情報を漏らせば良くて監視付きの生活。最悪、刑務所行きだ。分かったな?」
「はい」
「山田先生、お願いします」
そうして表示されたデータは驚愕の物だった。
「高機動広域殲滅型、ですか……」
セシリアがそう力なく言う。
「あぁ」
その瞬間に全員が一斉に話し始めた。
「これじゃ全員で囲んでタコ殴りって手段は使えないわね」
「うん。これだと一撃で決めなきゃ蜂の巣にされちゃう……」
鈴と簪の言葉で一斉に織斑の顔を見る。
「え!?俺!?」
「当たり前でしょ。この中じゃあんたの零落白夜が一番なのよ」
鈴に言われ、
「……分かった。でもどうやって接近するんだ?俺じゃ追い付けないぞ?」
そこへ今までどこに行ってたのか分からないが束さんが現れた。
……天井から。
あの人忍者だっけ?違うよね?
「とうっ!」
「何処に行ってた?もう始まっているぞ」
「ごめんごめん。調べてきたんだけどさ、実験中に何者からかハッキングを受けたみたいなんだよね。それで暴走したんだと思う」
「そうなのか?」
「うん。私もなんとか止めようとしたけど無理だね。完全な暴走状態でアクセスを受け付けない。なんとか侵入しても私の処理が追い付かなくてダメだった」
「……そこまでなのか?」
「うん。しかも無人で暴走している訳じゃなくて操縦者が乗ってるときに暴走したらしくて操縦者が今も乗ってる」
そうなのか……
「今は、どうやって福音に接触するかだが……」
「それならてるくんと箒ちゃんが適任だね。速度的には追い付けるし」
「織斑を運ぶとしたら?」
「どっちかだけだと少し速度が遅くなっちゃうけど、二機同時だったら問題ないよ」
その言葉を聞いて織斑先生は言った。
「それではお前達の作戦で行く。それでは最終準備を行え。出撃までに準備を整えておけ。それでは解散!」
「あぁ、束」
「どうしたの?」
「ここでオペレーターをやってくれんか?」
「いいよー」
そうして俺達は準備に取り掛かった。
正直これでいいのかという専用機の説明でした。
後日、ちゃんとした形で書きます。
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