ISヒロインズとオリ主のお話   作:ジャーマンポテトin納豆

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投稿出来る時に一気に行きます。


64話目

 

 

 

出撃準備を整えた。

 

と言っても俺は何もやってない。

クロエと束さんが全部やってくれた。

クロエの事を最初はクロニクルって呼んでたんだけど本人から違和感凄いから名前で呼んでくれって言われた。

 

 

「さて、準備は整ったな?ではこれより福音迎撃作戦を実行する。かかれ」

 

織斑先生の合図と共にISを展開。

そして織斑を箒と二人で抱えて飛び立つ。

 

セシリア達は待機。

周囲の警戒は束さんが人工衛星でやってくれている。

この人工衛星も手作りなんだって。

もう凄いとしか言えないね。

 

 

 

「三人とも、会敵予想時刻まで残り五分です。気を引き締めてください」

 

山田先生から通信が入る。

今は山田先生と束さんがオペレーターをしてくれている。

正直、これだけでかなり心強い。

 

ふと、二人を見ると織斑は自分が失敗したらと言う顔で不安そうにしている。

箒は……少し震えている。顔色も悪い。

 

織斑にプライベートチャンネルで声を掛ける。

 

「……織斑」

 

「ど、どうした?」

 

「……無理かもしれないが、あまり緊張するな」

 

「あ、あぁ……でもさ、やっぱり……」

 

「……自分が失敗した時が怖いか」

 

「あぁ……怖い。もし俺が失敗したら、どうなるんだろうって想像しちまったんだ。皆の事を襲うかもしれない。それで誰かが怪我を、下手したら死ぬかも知れないって……」

 

まぁ、そりゃ怖いだろう。なにせ俺達の背中には学年の皆の命だけじゃない。

何十万、何百万の命が、下手をすればもっと遥かに多い数の人達の命が掛かっているんだから。

それで怖くない奴はいないだろう。どんな映画の主人公だって、どんな物語の英雄だってそれは怖いはずだ。

俺だって怖い。

 

「……織斑」

 

「なんだ?」

 

「……失敗した時の事をお前は考えるな。お前は最初の一撃を確実に当てることだけ考えろ。失敗した時の事は俺が考えていればいい」

 

「……そうだな。あぁ、分かった。そうするよ」

 

「……いいか?俺はお前を信じる。お前は強いからな」

 

「そうだな……その期待に応えなくちゃな」

 

少しは不安が抜けたのだろう、さっきよりは全然マシな顔つきをしている。

ただ、問題は箒の方だろう。

 

「……箒」

 

「ひっ!?ど、どうした?」

 

箒は話しかけただけで怯える。

それもそうだろう。

自分で言うのもあれだが、箒は本当に命を懸けて戦ったことが無い。

俺と織斑は何度かあるし、何だったら俺は死にかけた。

だが箒は、そんな経験は無い。むしろ俺達が異常で箒が普通なのだ。

だからより一層恐怖も強い。

もし失敗したらどうなる?皆が死んでしまう、もしかしたら自分が死ぬかもしれない。

そんなの普通の感性を持っていたら恐怖で押しつぶされそうなのは当たり前だ。

 

「……箒、まずは落ち着け。深呼吸でもなんでもいいから」

 

「わ、分かった……」

 

そう言って深呼吸を始める。

 

「……終わったか?」

 

「あぁ……」

 

「……箒、怖いか?」

 

「あぁ……怖い……失敗したら輝義が、一夏が死んでしまうんじゃないか、他の沢山の人達が死んでしまうんじゃないかって……

何よりも自分が死ぬんじゃないかと言うのが一番怖いんだ……」

 

やっぱりそうだ。

 

「……箒、俺だって怖いさ」

 

「え……?」

 

「……俺だって怖い。誰かが死んでしまうのが、自分が死んでしまうのが」

 

「なら……なんで輝義は戦えるんだ?」

 

「……一番いい結果を出すためだ。少なくとも戦わないよりは遥かにマシだからだ。あと、男としての意地もあるがな」

 

何もしないでただ見てるだけ、聞いてるだけじゃ何も変えることは出来ない。

だけど、少しでもいい方向に向けるために俺は足掻く。

たとえそれで自分が死んだとしても。

これは箒達には言わない。心配をかけるからな。

 

「……だから、ポジティブにとは言わん。だが少しでいい。悪い事じゃなくていい事も考えるんだ」

 

「……あぁ。そうしてみる」

 

少しはマシになったか?

 

そこへ再び通信が入る。

 

「あと三十秒です!」

 

そう山田先生が言った。

その言葉通り、ハイパーセンサーが高速でこちらに向かってくる何かを捉えた。

間違いない、福音だ……!

 

「……織斑、準備」

 

「おう!」

 

「……箒、行くぞ」

 

「あぁ」

 

「五秒前、四、三、二、一、投下!」

 

合図と共に織斑を離した。

 

 

織斑は普段の練習で教えた、声を上げながら斬りかかるなと言うのを守った。

上段に雪片を振り上げ、零落白夜を発動しながら一気に振り下ろした。

 

福音は気づいていない、いける!と誰もが思った。

俺だって思った。

しかし、そうはならなかった。

当たる瞬間に福音が、恐らく瞬時加速と思われる方法で避けたのだ。

 

そしてその瞬間、織斑に向けて撃った。

 

 

 






今回は短めに。
次回は長くなります。(多分……)


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