ISヒロインズとオリ主のお話   作:ジャーマンポテトin納豆

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しばらく日常をお送りいたします。


69話目

 

 

 

ーーーー side 千冬 ----

 

 

大河を除く皆が撤退してきてから、束と一緒に海岸で残っていた時、束が人工衛星からの映像を見れるようにしたのだ。

 

しかし通信は未だに出来ず、ただ映像を見ることしか出来ない。

これがどれほどもどかしい事か。

 

 

それからスラスターを破壊していき、福音の機動力を削いでいく。

しばらくたった頃、大河が距離を開けようとした時、ビームが直撃した。

 

「やばいね……今ので展開装甲が全部持ってかれちゃったみたい……今のをまた食らったら……」

 

束も今のを見て苦い顔をする。

 

そこからは大河の今までの戦い方である持久戦から短期決戦に切り替えるしかなくなった。

福音に相対した大河はスラスターを削っていく。

 

恐らく、機動力と攻撃力を削ぐことが目的なのだろう。

 

 

 

暫くしてかなりの数のスラスターを削った。

 

その瞬間に一気に片を付けに行った。

 

しかしあのビームを食らってしまった。

幸い直撃はしなかったが……

 

「てるくんの腕が……!!」

 

左腕が無かった。

 

それでも大河は戦う事を止めなかった。

 

 

 

 

そして、遂に福音の動きが停止した。

やっとかと思い見ていると、福音が大河に向かって腕を伸ばした。

まだ攻撃をする気か!?と思っていたが、如何やらそうではないらしい。

 

そして大河はその手を取った。

そして大河が動かなくなった。

束に掴みかかってどういう事なのか問い質す。

 

「束!なぜ大河は動かない!?」

 

「そんなの分からないってば!だから身体を揺するの止めて!吐いちゃうよ!」

 

そう言われて束を離す。

確かに束に分かる訳は無いか……

 

暫く動かず、見ていると福音が消えて大河の手の上にコアが乗っている。

それを見た束も驚いている。

 

「おい!あれはどういう事だ!?」

 

「えぇ!?そんなの私だって分からないしむしろ私が聞きたいよ!」

 

「何か可能性は無いのか?」

 

「うーん……そんな事を言われてもこんな事は初めてだからなぁ……」

 

聞いてみると、束も唸っている。

 

「もしかしたら、コアと意識がつながっているのかも……?」

 

「どういう事だそれは?」

 

束の言っている事の意味が分からない。

コアと意識がつながった?なんだそれは。

 

「私も詳しくは分からないけど、簡単に言っちゃえばコアに認められたのかな?」

 

「コアに認められた?どういう事だ?」

 

全く持って意味が分からん。

 

「コアと意識がつながってるって事はコア側からの接続なんだ。だから私達からコアには意識を持っていく事は今の所出来ないんだ。これがどういう事か分かる?」

 

「理解した」

 

要するにあいつは凄いって事だな。

もうあんまり考えたくない。

 

「しかもコアたちは皆一癖どころか二癖三癖あるような子達ばっかりだからね。その子達の誰かから認められるなんてすごいなんてもんじゃないよ」

 

束はそんな事言っているが。

 

「束、通信は出来るか?」

 

「多分できるよ」

 

「なら繋いでくれ」

 

「お安い御用さ!」

 

そう言ってディスプレイ型のキーボードを叩く。

毎度毎度思うが、どうやって浮いているものを触っているんだ……?

 

「これで繋がるよ」

 

「大河、応答しろ」

 

呼びかけるが返事が無い。

まさか何かあったのか!?

焦って呼びかける。

 

「大河!応答しろ!」

 

そこで漸く返事が返って来た。

あぁ……良かった……

 

それから腕の状態と自力で帰って来られるかを聞いたが、腕の方は出血はしていないから大丈夫だ、と。

 

しかし大丈夫だと?腕が無くなったんだぞ!?

そう思って怒鳴ったら束に止められた。

 

それから自力で帰って来られるか聞いたら帰れるとの事。

残念ながらISは一機も無い。

迎えに行くことは出来ないから自力で帰れないのならば自衛隊に要請するしかない。

 

 

そうして通信は終了。

 

終わった瞬間に二人して座り込んでしまった。

 

もうだめかと思った……

大河が死んでしまうかと思った……

 

それらの考えが頭をよぎり、泣き出してしまった。

 

大河が帰って来るまでに泣き止まなければ……

 

 

 

 

一時間程して漸く帰って来た。

それを見た束は喜んで飛び跳ねている。

 

泣き止んではいるが、目とか赤くなってないよな……?

 

そして砂浜に降り立つ。

 

「……大河輝義、只今帰りました」

 

そう報告してくる。

 

そして束が抱き着いた。

……正面から。この時ばかりは教師であることが少し、ハンデになってしまう。

……羨ましいなんて思ってない。

 

 

そして再び泣いてしまった。

そしたら大河が私と束を抱き上げてきたのだ。

流石に焦ったが束に言われて大人しくする。

……嬉しいなんて思ってない。

 

そのまま車に向かった。

降ろされた時、名残惜しかったが……

 

 

車に乗って移動している最中に束は怪我の様子を見た。

 

これなら治るそうだ。

そうか……良かった……

 

しかし、くっつきすぎじゃないか……?

 

 

あぁ、そう言えばあいつ帰ったら間違いなくオルコット達から説教を受けるだろうな。

 

 

そんな事を考えながら学園に帰った。

 

 

ーーーー side out ----

 

 






すいません……
次話で後日譚書くので……




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