ISヒロインズとオリ主のお話   作:ジャーマンポテトin納豆

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おうちかえりたい


73話目

 

 

 

腕も治って授業に参加出来るようになった。

と言ってももう二週間ぐらいで夏休みな訳だが。

夏休み楽しみだぜ!!とか呑気に言っている場合じゃない。

 

俺達学生には一番辛い行事が待っているのだそれは……

 

き・ま・つ・て・す・と!!!

 

そう、期末テストである。

しかもこのIS学園は他の学校とは違い、専門的な分野のテストもあるので数が多いのだ。

それにこの学校は皆さん知っての通り滅茶苦茶、びっくりするぐらい頭がいい。

 

そんな中に放り込まれた一般ピーポーな学力の持ち主こと、俺と織斑は、地獄を見ていた。

 

 

 

今現在、テストに向けて俺の部屋で勉強中なのだが…………

 

「どうしよう……!?ぜっんぜん分からない……!」

 

そう言って頭を抱えるのは織斑。

俺は隣で力尽きていた。

別に全教科分からない訳じゃない。

俺は英語が点でダメなのだ。

織斑はIS関連の専門知識と英語に数学。

 

正直この学校頭おかしいって。

だって赤点の点数って大体の学校って三十点以下とか平均点の半分とかじゃん?

なのにこの学校最低七十点取らないと赤点なんだってよ……

しかも俺は結構怪我とかで休んでいたから更に辛い。

 

織斑先生の授業で赤点なんか取ったらどうなるか想像したくもない。

補修で済むわけがない。組み手を延々とやらされたりISをパワーアシスト無しでアリーナを百周ぐらいやらされたり……

 

間違いなく、死ぬ。

 

そうならないように織斑とアホ面曝して勉強している訳だが、そもそも分からないところが同じと言う時点で詰んでいる。

焦りすぎて全然考えてなかった。

 

「……ここ分かるか?」

 

「え?どこだ?……そこ丁度俺も分かんねぇんだよ……と言うか分かるところが少ない……」

 

「……どうすればいいと思う?」

 

「ここはもう皆を頼るか?」

 

「……よし、そうしよう」

 

「決まりだな」

 

そうと決まった瞬間に二人で教えてもらう為に部屋を出た。

 

 

 

セシリアの部屋の前。

 

「……行くぞ」

 

「お、おう」

 

俺達はなぜこんなに緊張しているのか……

ドアをノックする。

 

「どちら様でしょうか?……あら?輝義さんに一夏さん?どうされたのですか?」

 

「……すまないが俺達に英語を教えてもらえないだろうか」

 

「お願いします!この通り」

 

そう言うとキョトンとしている。

 

「まぁいいですけど……理由を聞かせてもらってもよろしいですか?」

 

「それが、かくかくしかじか……………………」

 

事情を説明するとセシリアは、

 

「そういう事なら勿論いいですわ。ですが次回からはもっと早めに言ってくださいな」

 

「……申し訳ない……」

 

「すいませんでした……」

 

お小言付きで了承してくれた。

 

「では明日からやりましょう」

 

「……お願いします」

 

「お願いします!」

 

二人して頭を下げ、それから数学を教えてくれる人を探すことに。

 

「数学って誰が得意なんだ?」

 

「……分からん」

 

「んー……」

 

「……鈴は?」

 

「あー……あいつは辞めといた方がいいぞ……」

 

あれ?なんか反応悪いですね。

どうしてでしょう?

 

「……なんでだ?」

 

「鈴ってさ、殆どと言うかすべての物事に関して勘で解決するタイプだからさ、説明とか物すっごい下手なんだよ……中学の時、あいつ頭良かったから教えて貰ったんだけど何故か勉強で擬音使って説明するから全く分からなかった……」

 

あー……

なんかそんな感じがする。

訓練の時もどっちかっていうと何となくで教えた方が良く理解してたし。

逆に細かく教えると分からなくなるっていう……

セシリアとは真逆のタイプだな。

 

「……なら誰がいい?」

 

「簪は?」

 

「……簪はIS関連の専門知識だな。そう言うのは得意だぞ」

 

「じゃ簪は専門知識な。……数学は?」

 

「……シャルロットは?」

 

「良さそうだな。よし決まり。早速行こうぜ」

 

「……あぁ」

 

そうして二人に協力を依頼したのだが、驚いたことに本音が数学が得意だというのだ。

超驚きなんですけど。

てことで本音さんにも依頼しました。

 

 

 

 

次の日。

因みに今日は土曜日でテストまで残り三日と言う絶望的な状況である。

 

 

 

「……増えたな」

 

「めっちゃ増えてるな」

 

俺達の勉強を見てくれるセシリア、シャルロット、簪、本音の他にも、箒に鈴、ラウラといつものメンバーが勢揃いした。

 

「……どうして皆まで?」

 

「それは私が誘いましたの。皆さんで勉強会にした方が楽しくできるだろうという事ですわ」

 

「……そうなのか」

 

まぁいいか。

三人寄れば文殊の知恵とか言うし。

まぁもっと多いんだけど。多くて問題があるって訳じゃないし。

 

「それでは早速始めましょうか。最初は何からやりますか?」

 

「……俺は英語、織斑は英語と数学、IS関連の専門知識だ」

 

「そうですわね……輝義さんは英語をやってしまいましょう。

一夏さんは数学を。他の皆さんは自由、という事で宜しいですか?」

 

セシリアの提案に皆頷く。

そして各々が課題や、苦手な部分の勉強に取り組む。

 

「さて、輝義さんは英語が苦手との事ですが、どのくらいできるのか簡単にですがテストをしてみましょう。そうすればやらなければいけない箇所の炙り出しが出来ますわ」

 

そう言って渡されたのは全部で五十問ぐらいの問題だった。

 

「……態々作って来てくれたのか?」

 

「はい。まぁ基礎的なものですからそこまで難しくはありませんわ」

 

すげぇ……

これ全部自分で作ったのか……

 

「……それでも凄いな。ありがとう」

 

「いえ、お礼には及びませんわ。それでは一時間でやってみてくださいな。それでは始め」

 

セシリアの合図で始まる。

 

 

暫くして、用紙を見つめる俺。

……内容は何となく分かるが、回答する時にどんなスペルで書けばいいのかさっぱり分からない……!

 

えぇい!

こうなったら勘で書いてやる!

 

「はい。終了ですわ。貸してくださいな。採点しますから」

 

そう言われシャーペンを置き、用紙をセシリアに渡す。

 

セシリアが丸付けをしていくが、殆どバツを付けられる。

 

ひっでぇ結果だな……

 

「輝義さん……百点中六点ですわ……いくらなんでもこれは酷すぎます」

 

「……仰る通りです」

 

点数低すぎワロタ。

 

「ですが、スペルミスが殆どなので覚えればいいだけですわ。英語のテストは三日目ですからまだまだ時間はありますわ。……ノートを貸してくださいますか?」

 

「……ほら」

 

「少々お待ちください」

 

ノートを貸すと教科書を開いて何やら書き始めた。

何やってんだろう……?

 

 

 

 

暫くすると、セシリアがノートを返してきた。

 

「……何を書いたんだ?」

 

「覚えておいた方が宜しい単語を書き出しておきました。これさえ覚えていれば輝義さんは文法等は出来ているので問題ありませんわ」

 

おぉ……!

セシリアまじ女神……!

 

そう言って返されたノートを見ると、

 

オーマイガー……

びっしり書いてあった。

しかもちゃんと俺が読めるように筆記体じゃないやつで。

 

「……これ全部か?」

 

「勿論ですわ。これでも少ない方ですわよ?」

 

まじかよ……

覚えられっかな……

でもここまでしてくれたんだし頑張らなきゃな。

 

そうして暗記地獄が始まった。

 

 

 

 

一日目

 

「……くそ……忘れた」

 

二日目

 

「……あー……えー……」

 

三日目

 

「…………………………」

 

四日目

 

「……英単語でいっぱいだぜ」

 

五日目

 

「……はははははは!!!!脳内で英単語が踊り狂ってるぅ!!??」

 

 

 

 

そして英語のテスト当日。

 

「輝義さん、大丈夫でしょうか……?昨日、おかしかったですし……」

 

「多分大丈夫だろう……多分……」

 

 

 

 

テスト終了。

 

「……記憶が無い」

 

あぁぁぁぁぁぁ………………

テスト中の記憶が無いぃぃぃ……

赤点だぁ……

補習だぁ……

もうだめだぁ……

 

 

 

そう思いながら過ごして、答案返却日。

 

「大河」

 

「……はい」

 

呼ばれて答案を取りに行く。

 

恐る恐る点数を見ると……

 

 

76点

 

 

おぉ……!

おぉぉぉ……!

おぉぉぉぉぉ……!

 

「っ!っっっっ!!!!」

 

思わず手を上げて喜んでしまった。

 

「ふふ。そのご様子ですと大丈夫だったようですわね」

 

「……あぁ。本当にありがとう……!今度何かお礼をさせてくれ」

 

「まぁ……でしたらどこかに二人で遊びに連れて行って下さいな」

 

「……それぐらいならお安い御用だ」

 

 

セシリアと何処かに出かける約束はしたものの、俺は全教科赤点回避で無事、夏休みを迎えられることになった。

因みに織斑も赤点は無かった。

 

ただ、セシリアと出かける約束をした時に皆の目が怖かった。

 

 






てぇぇぇぇすぅぅぅぅとぉぉぉぉ!!!!

嫌ですよね。
作者も高校時代は赤点取りまくって死にかけていました。



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