ISヒロインズとオリ主のお話   作:ジャーマンポテトin納豆

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今回、時間を飛ばします。


箒ちゃん可愛いよね!



80話目

 

 

 

織斑宅から帰って来て早くも二週間が過ぎていた。

寮には殆ど人が居なく、閑散としていた。多分皆は実家に帰るなり遊びに行くなりしているのだろう。

箒は実家に帰っているし、セシリアと鈴は本国に、楯無さんはロシアの方に行ってしまっているし、シャルロットとラウラ、簪は日本代表候補生なので訓練を受けに行っていて居ない。

 

俺はと言うと、暇している所に織斑先生たちに連れていかれ、何が何だか分からないうちに手伝いをさせられていた。なんでも学校に残っている虚さんと本音が生徒会だという事でその仕事の手伝いと先生方の手伝いもしている。生徒会も先生方も本当に忙しいらしく、山田先生は夏休みだというのに目の下に隈を作っていた。

 

手伝いをするときに織斑先生に機密やらは大丈夫なのか、と聞いてみたのだが、

 

「そもそも大河自身が機密の塊みたいなものだからな。それにそのような書類は渡さんから心配しなくても大丈夫だ」

 

とのこと。

言われてみればその通りだと頷いてしまった。

世界で二人しかいない男性操縦者の一人で、各国と女権団のドス黒い部分を知っているし、世界で二機しかない第四世代機を持っている。

……あれ?俺ってパンドラの箱状態じゃね?

 

 

そして手伝いの無い時はアリーナを貸し切って技術科の製作した武装の性能テストをやったりターゲットを出して一日中一人で訓練したり。

そこに織斑先生や山田先生が偶に息抜きで訓練に付き合ってくれる。

 

 

と言う感じでなんだかんだで忙しい日々を送っていた。

 

 

しかぁし!!今日は箒の実家の神社に行く事になっているぅ!!

 

正直楽しみで仕方が無い。ただどんな服装で行けばいいのか分からず織斑先生に相談したところ、被服部に何故か呼び出され、採寸され、気が付いたら浴衣が出来ていた。

しかも物凄く完成度の高い物で、紺色の浴衣だった。着付けの方も教えてくれた。

ただ、俺が着ると何故か完全にそっちの道の人にしか見えない。

 

迷惑ではなかったのか聞いてみたが、

 

「いやぁ、大きい分作り甲斐があったわー。丁度皆で浴衣を作ろうって言ってたのよ。そこにこの依頼が舞い込んだもんだから喜んで飛びついちゃった」

 

との事。

 

「それに、何度も命を助けてもらってるのに何もお礼が出来ないしね。これぐらいだったらお安い御用よ!これからも何か作ってほしい物があったら言ってくれれば作るわよ」

 

とも言われてしまった。

 

それで早速だが、いくつか頼んでしまった。

それは皆の分の浴衣。

俺の実家の方で夏祭りと花火大会があるのだが、それに着て行って貰おうとしたのだ。

箒は多分持っているだろうがそれでも普段から世話になっているしその感謝を込めて、という訳だ。

 

夕方の五時ごろに神社に着いておいてほしいと言われた。

なので一応迷ってもいいように早めに出ることにしている。〇ーグルはあるけど。

 

 

昼飯を食って浴衣を持って出発をする。

なんで浴衣を着て行かないのか?恥ずかしからだよ。

 

モノレールに乗り、取り敢えず神社に向かう。

マップでは二十分もあれば着くと書いてあるが、浴衣を着なければならないから早めに出ることにする。

 

正直、まだ自分でちゃんと着付けられないから時間が掛かるだろうし。

 

 

 

 

そうしているうちに神社の階段の下に来た。

おぉ……結構段数あるなぁ……

 

大体五十かそこいらだろうか。

小高い丘かなんかの上に立っているらしく、なんかこう、神社って感じがするな。

階段の横には桜が植えてある。

 

そんな事を考えながら緑の葉を茂らせた桜並木を見ながら階段を昇って行く。

 

上がって行くにつれて神社が見えて来る。

 

おぉ……でかいな……

 

想像していたよりも遥かに大きい神社だった。敷地面積もかなり大きいだろう。

 

取り敢えずどうすればいいのか分からないから箒に連絡する。

 

「……箒、俺だ」

 

「輝義か?どうした?」

 

「……神社に着いたんだが、どこに行けばいい?」

 

「今どこにいる?」

 

「……鳥居の下だ」

 

「ならそこで待っていてくれ。迎えに行くから」

 

「……分かった」

 

そう言ってここで待つことになった。

なんとなく周りを見渡すと、とても大きいご神木も見える。

何だろうか、階段の下よりもここの方が気温が低く涼しい感じがするのは気のせいだろうか。

 

 

暫くすると箒がやって来た。

 

「すまない!待たせた!」

 

そう言って駆けて来る。

 

「……大丈夫だ」

 

「それにしても早かったな?どうしたんだ?」

 

まぁ早く来て浴衣を着ようと思っていただけなのだが。

 

「……被服部に浴衣を作ってもらってな。着付けがあまりどころか全然出来なくて、箒なら知っていそうだから見てもらおうと思ったんだ」

 

「そうなのか。なら早いがもう着付けてしまおう。私の方も神楽舞の準備があるからな」

 

そうだった。箒も準備しなければならないんだったな。

 

「……すまない」

 

「ん?何、気にしなくていいぞ。ほら、行こう」

 

そう言って俺の手を引っ張る。

引っ張られて母屋の方に連れていかれた。

玄関を開けて入る。

 

「ほら、上がってくれ」

 

「……お邪魔します」

 

平屋のかなり広い日本家屋。

木と畳の匂いがする。

自分家を思い出すなぁ……

 

「この部屋で着付けをしよう。浴衣は?」

 

「……これだ」

 

「おぉ、紺色でいいじゃないか」

 

そう言って浴衣を広げる。

 

「相変わらず大きいな。よし、着てしまおう」

 

そう言うと慣れた手つきで着付けを手伝ってくれる。

ほんの三分程で終わってしまった。

 

「これで良し……ほら、出来たぞ」

 

そう言ってポンと軽く胸を叩いてにこりと笑った。

 

「……ありがとう」

 

「なに、気にするな。誰かの着付けをしたのは初めてだったからちゃんと出来ているか分からないが」

 

そう言ってはいるが、俺がやるよりも遥かに綺麗に仕上がっている。

多分着付け教室とか余裕で開けるんじゃないか?

帯の結び目も綺麗だし。

 

「……凄いな。綺麗に出来ている」

 

「そ、そうか……それじゃ祭りまで待っていてくれ。私はこれから準備をするから出来たら呼びに来る」

 

「……あぁ。待っている」

 

「楽しみにしていてくれ」

 

そう言って笑うと何処かへ行ってしまった。

そうなるとやることが無いわけで、祭りが始まるのは七時から。

それまであと二時間ほど。

 

何しようかな……

 

ボーっとしていると襖が開く。

もう終わったのかと思ったが箒ではなく、細身の筋肉質な男性だった。

 

「君が、大河輝義君で間違いないかな?」

 

優しい声音だった。

マジで誰……?

 

「あぁ、すまないね。自己紹介がまだだったね」

 

「私は篠ノ之龍韻。箒と束の父親です」

 

マジカヨ。

 

え?でも国家重要人物保護プログラムで居ないんじゃ?

 

 

「……初めまして、大河輝義です」

 

「娘達から話はしょっちゅう聞かされているよ。随分とお世話になっているそうだね」

 

「……そんなことはありませんよ」

 

挨拶をして何故此処にいるのかを聞いてみる。

 

「……どうして此処に?国家重要人物保護プログラムで各地を転々としているんじゃ……?」

 

「あぁ、それはね?箒には内緒にしておいてほしいんだが、君のご両親は国家重要人物保護プログラムを適用されずに厳重な警備で住んでいる所を転々としていないだろう?」

 

「……えぇ」

 

「それで国の方がそれは不公平なんじゃないかってなってね。もうしばらくすれば此処に戻って来られるようになったんだ」

 

そうなのか!?

初耳だぞ!?

でも言われてみれば俺の家族はプログラムであっちこっちに引っ越ししていないし、名前も変わっていない。

考えるとそれは変だな。

 

「それで此処に居るんだ。さっきも言ったけど箒には言わないでほしいんだ」

 

「……それはどうしてですか?」

 

「サプライズ、と言うやつかな?」

 

「……束さんはいいんですか?」

 

「あの子はもうとっくに知っていそうだからね。隠すだけ意味が無いような気がするよ」

 

あぁ……

確かにとっくに知っていそうだもんな……

 

「……それで俺に何か用があったのでは?」

 

「いや、特に用はないんだ。強いて言うなら君の事を実際に見たかったのと少しばかり話がしたかった、と言うところかな?それに目的の一つはもう達成できたしね」

 

「……そうですか」

 

最後に何か小さい声で言っていたが聞き取れなかった。

 

「それじゃ、色々と聞きたいことがあるんだ。聞かせてくれるかい?」

 

「……勿論です」

 

「それじゃ学園での箒を教えてくれ。父親としては気になるものでね」

 

そう言ってにこりと笑った。

 

 

 

それから一時間半ほど、ずっと話していた。

話していた中で、親父さんは箒と束さんの事を本当に、本当に心の底から大切にして愛していることが分かった。

 

夏休み前に箒は叔母さんが神社を管理してくれていると言っていたが、どうやら両親が帰って来たことで管理が両親の方に戻ったらしい。

既に叔母さんは自分の家に帰っているらしく、今日は何処かで客としてフラフラしているそうだ。

挨拶がしたいと言ったのだが、捕まらないからやめておいた方がいいと言われてしまった。自由奔放な人なんだろうか?

 

 

 

 

 

そして喋っていると、再び襖が開かれる。

顔を向けると箒と束さんによく似た、女性がそこにいた。

その女性は俺の方を向いて挨拶をする。

 

「初めまして、箒と束の母の篠ノ之雪子です」

 

「……こちらこそ初めまして。大河輝義です。家にお邪魔して直ぐに挨拶をしなくて申し訳ありません」

 

「いえいえ。気にしないで下さい。あなたの事は箒と束の二人からよく話を聞いています。大変お世話になっているようで」

 

「……俺の方が本当にお世話になっています」

 

そんな感じで挨拶をすると、

 

「箒の準備が出来たのでいらしてくださいな。待っていますから」

 

そう言って俺は箒の居る部屋に案内される。

しかし、箒は目元と髪の色が親父さんに似ていて、束さんはお母さん似なんだな。

 

そう考えていると着いた。

 

「どうぞ」

 

そう言うと何処かへ行ってしまった。

 

「……箒、入っていいか?」

 

「輝義か?いいぞ、入ってくれ」

 

返事が返って来たので入る。

そして俺は息を呑んだ。

 

「おぉ……」

 

感嘆の声を上げて何も言えなくなってしまった。

 

「その、何か言ってくれ……」

 

「……箒」

 

「な、なんだ?」

 

「物凄く綺麗だぞ」

 

「ふぇ!?」

 

正直な感想を漏らすと顔を真っ赤にして黙ってしまった。

 

いやだって本当に綺麗なんだって。

薄化粧に紅い口紅を塗っている。元々の肌がビックリするぐらい綺麗なもんだからこれぐらいの薄化粧がとんでもなく似合っている。

 

「……どうした?」

 

「へ!?いや、その、何でもないぞ!?」

 

慌てた後に何でもないと言われても説得力無いですぜ……

 

「その、褒められるのが少し恥ずかしくて……」

 

「……そうなのか」

 

「あぁ……」

 

この姿の箒って物凄く貴重なんじゃ?

そう思って少し聞いてみることに。

 

「……写真を撮ってもいいか?」

 

「しゃ、写真!?その、恥ずかしいから……」

 

「……ダメか」

 

「う……その、一、二枚だったらいいぞ……」

 

消え入りそうな声で許してくれた。

やったぜ!!

 

「……撮るぞ」

 

そう言ってスマホで写真を撮る。

恥ずかしそうにしているのがまたなんかいい。

 

「……ありがとう。いい写真が撮れた」

 

「うぅ……誰にも見せないでくれ……」

 

そう言うが何故だろう?こんなに綺麗なのに?

まぁ箒がそう言うのならそうしよう。

 

「……何時からなんだ?」

 

「七時からだな。あと二十分ぐらいだな」

 

「……なら俺は早めに席取りに行くとしよう。一番いい所で見たいからな」

 

「あぁ。是非そうしてくれ」

 

そう言って笑うが緊張しているのか何時もの笑顔ではない。

 

「……箒、緊張しているのか?」

 

「っ!……そうだな、緊張しているんだと思う」

 

緊張するのも無理はないだろう。

今回が初めてだと言っていたし。

 

「……箒、大丈夫だ。今日までたくさん練習したんだろう?」

 

「あぁ」

 

「……ならその通りにやればいい。箒なら絶対に成功させられるさ」

 

「そう……だな。頑張ってやってみる」

 

「……あぁ」

 

「頑張るから、ちゃんと見ていてくれよ?」

 

「……勿論だ。今日は箒を見るために此処に来たんだから」

 

「っ!!あんまり恥ずかしくなるような事を言わないでくれ……」

 

あれ?また顔を赤くして黙ってしまった。

なんかこれ以上話すと下手な事をまた言いそうなので退散することにする。

 

 

部屋を出ると親父さんが待っていて、俺を席まで案内してくれた。

来た時は見なかったから分からなかったが結構大きい舞台でやるのか。

 

それに客の数も半端なく多い。

なんだこれ。ごった返してんじゃねぇか。人混みがダメな人は速攻で酔っちまうぐらいだな。

 

そしてしばらく待っていると、アナウンスが入った。

 

「お待たせいたしました。只今より神楽舞の奉納を始めます」

 

いよいよか。

スマホを構え、動画を取る準備は出来ている。

 

そこに箒が舞台の上に上がって来る。

一礼をした後、和楽器が演奏を始めた。そしてそれに合わせて箒の神楽舞が始まった。

 

それまで騒がしかった会場は静まり返り、皆箒の姿に見惚れている。

そりゃそうだろう。俺も女神なんじゃないかとと思った。巫女なんだけど。

 

動画を取るのも忘れ、見入っていた。

 

 

そしてクライマックスへ。

日本刀を持っての舞。物凄く幻想的で、美しかった。

 

神楽舞が終わった。まだ誰もが言葉を発せずにいる。なんたってあれだけのものを見せられたのだから。

 

箒が舞台から降りると同時に、観客の雄叫びが響いた。

 

「うぉぉぉぉぉ!!!すげぇ!!」

 

「なんだあれ!?物凄い綺麗だったぜ!?」

 

「今までの神楽舞も凄かったが今年はずば抜けて凄かったぞ!!!」

 

そう言って誰も彼もが口々に箒の事を称えた。

俺自身も興奮している。

 

 

 

そして俺は箒の元に走り出した。

 

 

 






今回は取り敢えずここで切ります。


誤字脱字の報告、数々の感想をありがとうございます。


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