ISヒロインズとオリ主のお話   作:ジャーマンポテトin納豆

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暫くぶりのシリアスでござる!!


今回は会話多めでお送りいたします。


84話目

 

 

昨日、箒の家から帰って来た後にスコールさん達に電話を架けた。

急で申し訳ないが明日会う事が出来ると伝えたところ、了承してくれた。

 

明日、スコールさん達の所に行くが今日の昼頃には集合場所、集合時間の連絡が来るはず。

取り敢えず織斑先生にこの事を伝えに行く。

 

職員室に織斑先生はいた。

書類とにらめっこしている。

 

「……織斑先生、今宜しいですか?」

 

「大河か。構わんぞ」

 

「……場所を移しても?」

 

「あぁ。分かった」

 

そう言って織斑先生は鍵を取って立ち上がる。

 

「付いて来い」

 

「……分かりました」

 

あ、連絡が来た。

午前十時にこの前俺を下ろしたあたり、か。

織斑先生に付いていくと、空き教室の一つに辿り着いた。

そこに入ると織斑先生は鍵を閉める。

 

「此処なら今は余り人が居ないからな。教室自体にも防音が施されている。余程のことが無い限りは大丈夫なはずだ。少し待ってろ」

 

そう言うと、あちこちを調べ始めた。

あぁ……盗聴とか盗撮されてないか調べてんのか。

 

しかし、低い所を見る時にタイトスカートに包まれたお尻が揺れる揺れる。

生徒の教育にはとても悪い光景です。ご馳走様でした。

 

「私が見た限りでは仕掛けられて無さそうだが、万一の事を考えて余り大きな声で話すのは辞めておこう」

 

「……はい」

 

そして話を始める。

 

「それで、どうなった?」

 

「……明日、午前十時に集合だそうです」

 

「場所は?」

 

「……前回、帰る時に車で送って貰った時に降ろしてもらった所の近くだそうです」

 

「了解した。後は何かあるか?」

 

「……後は特に無いです。ただ、心の準備はしておいた方がいいかと」

 

「それはまたどうして?」

 

「……俺に初めて接触してきた時にその正体を明かされた時、度肝を抜かれましたから」

 

あの時は本当にびっくりしたよ。

だって敵だと思っていた相手だぜ?誰だって驚くわ。

 

「そうなのか。はぁ……」

 

「……大丈夫ですか?」

 

織斑先生は疲れたように溜息を吐く。

よく見るとお疲れの様子。髪の毛に艶が無い。

 

「またしても厄介事の感じがしてならなくてな……」

 

「……すいません」

 

「お前が気にすることでもないさ」

 

「……出来るだけお手伝い等はしますから」

 

「そう言ってくれるだけ有難いよ。全く、何処の国もああしろこうしろうるさいのなんの……此処は完全に何処の国の干渉も受けないと明記されているのに……」

 

それから十分程、織斑先生の愚痴に付き合った。

 

その後は生徒会室に行って仕事の手伝いをしていたら一日が終わっていた。

 

 

 

 

次の日、俺は織斑先生と共に迎えを待っていた。

 

「そろそろ十時か」

 

と、織斑先生が漏らした時に運転席に見覚えのある人が乗った車を見つけた。

よく見ると、オータムさんだった。

 

「……来ました」

 

「お、そうか」

 

車が近付いてくる。

俺達の前で止まると、窓を開けてオータムさんが顔を出した。

 

「すまねぇ。待たせたみたいだな」

 

「……いえ、そうでもないですよ」

 

「ま、取り敢えず乗ってくれ。あ、織斑は助手席に頼む。そうしねぇと輝義が乗れなくなっちまうんでな」

 

そう言うとドアが勝手に開いた。

車に乗り込むとドアが閉まり、出発する。

道中、織斑先生は緊張しているのか分からないが一言も話さなかった。

 

 

 

 

それから暫くすると何処かの地下駐車場に着いた。

 

「よし、到着。降りてくれ」

 

言われて車から降りる。

 

「付いて来い」

 

オータムさんに付いて行くとエレベーターに乗り込む。

 

「織斑、あんま緊張しなくても大丈夫だぞ。まぁ、これから聞かされることの方がヤベーからな。今から肩肘張ってっと持たねぇぞ」

 

「ご忠告、感謝する」

 

そして着いたのはかなり高い階層にある一室だった。

 

「ほら、ここだよ」

 

そう言いながら開かれた扉の先には、度肝を抜かれる様なぐらいの豪華な部屋だった。

そしてそこにいたのはいつも通り、スコールさんとマドカ。

 

「輝義君は久しぶりね。Ⅿs,織斑は初めまして」

 

「……お久しぶりです」

 

「初めまして。織斑千冬です」

 

「マドカだ」

 

「あたしはオータム。さん付けとか絶対にやるなよ。むず痒い」

 

各々挨拶をする。

 

「さて、それじゃ私達が誰なのかを教えちゃいましょうか。気をしっかり持ってね?」

 

 

 

「私達は亡国機業。私は日本支部代表。オータムとマドカは実働部隊の隊長と副隊長よ」

 

 

 

それを聞いた瞬間織斑先生が固まった。

まぁそうなるよね。

 

たっぷり数分してから織斑先生は再起動を果たした。

 

「いやおかしいだろう!?敵対しているんじゃなかったのか!?」

 

「……この人達はそうじゃないです」

 

「亡国機業も一枚岩じゃないのよ。基本的に過激なのは女権団絡みの派閥よ。欧州方面とか北南米に多いわ。私達日本支部は過激なのが嫌いなタイプの人間が集まっているのよ」

 

「それで、どうして大河に接触する事になる?」

 

「過激派は女権団絡みって言ったわよね?あいつらは簡単に言えば輝義君の事を消そうとしている。ついでに言えば非人道的な研究なんかもこいつらがやっているわ。それで私達穏健派は輝義君と敵対するなんて馬鹿らしい、なんなら手を組んだ方がいいって感じね」

 

「その話を信じるとでも?」

 

織斑先生はピリピリしている。

まぁ敵対していると思っていた相手だもんな。

この話を聞かされてホイホイついていくのは余程の馬鹿ぐらいだろうし。

 

「それもそうよね。だから情報を渡すわ」

 

「情報?」

 

「そう。情報よ。今の貴女達からしたら喉から手が出るほどどころか実力行使をしてでも手に入れたくなるようなものよ」

 

そう言ってスコールさんはウィンドウを展開する。

 

「今まで女権団とそれに繋がっている亡国機業の情報。情報の中には起こした事件や実験の情報も入っているわ」

 

「っ!!……何故そんなものを渡す?」

 

「女権団と欧州支部の奴らはやり過ぎたのよ。もう付いていけない、と言うのが私達日本支部の意見よ」

 

「それを信じろと?」

 

「だから情報を渡すのよ。別に今すぐ信じろなんて言わないわ」

 

「………………分かった」

 

織斑先生は頷いた。

あれ、もっと渋るかと思ったんだけどな。

スコールさんも俺と同意見だったらしく驚いている。

 

「あら、もっと渋るかと思ったんだけど?」

 

「まぁ、嘘は言っていないようだしな。それに大河が信用しているのなら問題はないはずだ」

 

「騙そうとしているとは考えないのかしら?」

 

「騙したところでお前達になんの利益がある?大河を騙したりしたら間違いなく篠ノ之束が出て来るだろうしな。まぁ、私も殴り込むだろうが」

 

そう言うと軽く笑った。

 

「それじゃ、納得って事でいいのかしら?」

 

「あぁ」

 

「そしたらちょっと待ってて。今データをコピーして渡すわ」

 

「頼む」

 

あぁ……良かったぜ。

これで殴り合いが始まりましたとかスプラッターな光景待ったなしだからね。

良かった良かったと心中で頷いていると織斑先生に肩を叩かれる。

 

「あぁ、大河」

 

「……はい」

 

あ、嫌な予感がする。

 

「お前、こんな面倒事をよくも今まで黙っていたな?」

 

「……いえ、その、言おうとはしていたんですが機会が無くて……」

 

「ほう?それでこのクソ忙しい時にか?」

 

「……申し訳ありませんでした」

 

「帰ったら模擬戦だ。私の気が済むまで付き合って貰うからな?覚悟しておけよ?」

 

死刑が決まりました。

 

「ついでにお前が持って来た案件だからな。責任を持って最後までやってもらうぞ」

 

「……はい」

 

まぁこれは仕方ないか。

 

「こんなことなら更識も連れてくればよかったな、全く。私はこういうのは専門外だからな」

 

「ほら、出来たわよ」

 

「すまないな」

 

 

 

 

 

織斑先生がスコールさんに聞いた。

 

「もし、今回私が協力を断っていたらその情報は教えなかったのか?」

 

多分、それは無いんじゃないかな?

だってスコールさんだよ?なんでとは言えないけど確証がある。

 

「いえ?教えていたわよ?」

 

ほらね?

 

「それはどうして?」

 

「だって子供に危害が加えられるのは我慢ならないもの」

 

「そうか……」

 

スコールさんは亡国機業に所属して代表なんかもやっている。

だけどものすっごい良い人なのだ。優しいし。

 

 

そして二人は色々と細かい事を話していた。

俺はよく分からないから聞いていただけだったけど。

 

 

 

 

 

 

「私からは終わりね。何か質問はあるかしら?」

 

「そうだな……特には無いな」

 

「そう」

 

「あぁ、でもマドカと言ったか?正直に答えて欲しい。何者だ?」

 

やっぱりそれは気になるよね。

でも織斑先生は耐えらえるだろうか?

 

「マドカ、貴女が答えたかったら答えなさい。嫌なら答えなくてもいいわ」

 

「いいや、別に答えても大丈夫だ」

 

「そう……」

 

そしてマドカは織斑先生に自分の正体を明かした。

それを聞いた時の織斑先生の顔は多分一生忘れられないだろうな。

 

 

 

 

それからは軽めの食事をしてからオータムさんにまた送って貰った。

 

 

 

まぁ、学園に帰ってからは織斑先生と周りがドン引きするレベルの模擬戦をしました。

ストレス溜まってたんだね。

 

 

 

 

ーーーー side 千冬 ----

 

 

大河に会って欲しいと言われた人物に会いに行った。

なんかもう嫌な予感しかしないが此処まで来てしまった以上、観念するしかないか。

 

 

 

集合場所に迎えに来たのは不良っぽい女だった。

車に乗せられ、某有名ホテルの一室に連れていかれた。

 

そこにいたのは金髪の女。

そして驚いたのが中学生ぐらいの時の私そのままの少女が居た。

 

まぁこれに関しては後で聞けばいい。

それよりもこの三人の正体を知りたい。

 

 

 

 

はっ!?まさか気を失っていた!?

いやまさかな……

 

でもそれぐらい驚いたのは確かだ。

なにせ目の前にいる三人は亡国機業と名乗ったのだから。

 

いやもう訳分からん。

何がどうなって輝義は知り合った?

というかこいつらは敵対しているんじゃなかったのか?

 

と、その辺の疑問をぶつけると敵対する気は無く、むしろ協力すると言った。

しかし、それを信じられる訳が無い。

 

だが、味方である証拠として女権団と、それに繋がっている亡国機業の情報、それに関連した事件、実験の情報まで渡してくると言って来た。

 

交渉するには私達に対するメリットが大きすぎる。

 

スコール、だったか?

そいつ曰く、他の亡国機業や女権団はやり過ぎたと言っていた。

確かにISが登場してからの女権団の行動は行き過ぎている。それを差し置く程の事をやっているというのか?

 

亡国機業の情報は貴重だ。

何せ分かっていない事の方が多すぎる。レストランを襲撃した奴らは口を割らないから何の情報も入ってこない。

 

そんなものを渡す?

交渉をするのならばどちらかだけでいいはず。

その点を考えると手を組もうとしているのは確か、という事になる。

 

この時点でもう私の手に負えるような物ではなくなっている。

更識を連れてくればよかった、と後悔するがアイツはロシアに居るから無理だな。

 

……此処は頷くしかないか。

 

 

 

そして私は女権団と亡国機業の情報よりも現時点で最も貴重な情報を手に入れることになる。

 

 

IS学園で文化祭が行われる時に何かが起こるという事。

 

 

この情報は政府の情報機関や更識の所の暗部ですら把握していない情報だ。

それを聞いたところ、

 

「今まで情報が簡単に手に入っていたのよ。でも何故かは分からないけれど、どうにもセキュリティが厳しくなったらしいの。だから政府でも把握していないのは無理も無いわ」

 

「依頼主は女権団で間違いないわ。でもそれ以上の事はこっちも分からないの。ごめんなさいね」

 

しかも依頼主は女権団と来たか……

もう勘弁してほしい。

 

 

 

こんな面倒事を持って来た輝義を後で扱き倒してやろう。

それぐらい許されるはずだ。

 

 

 

学園に帰ってから一頻り輝義とドンパチやった後。

先に報告しろ、などとは言わないでくれ。

そうでもしないと色々と持ちそうになかった。

 

学園長に今日の事を伝えた。

すると今回の件は当然と言えばそうなのだが、機密扱いとなり職員と更識にのみ伝えられる事になった。それと政府の一部の者のみ。

 

 

本当に、これからどうなってしまうんだろうか……

 

そう言えばナターシャも学園に教師として来るとか言っていたな……

連絡がないがどうなったんだろうか?

 

 

 

 

ーーーー side out ----

 

 






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