謎解きはディナーのあとでを性別逆転で 作:さくらい
内線で院長に問い合わせたところ、九条一華は現在診察中という事なので、長迫政美を先に事情聴取する事にした。
ナースの休憩室に現れた長迫政美の容姿を見た瞬間、ボクは高原さんの皮肉げな笑顔の意味を悟った。
女医やらナースやら患者やら、色んな女性から人気があったというイケメンモテモテドクターの三上貴也が、この人を恋人に選ぶという事はないだろう。
でも、ちっちゃいけれど黒目がちでつぶらな瞳や、丸っこい童顔なんかは、見ようによっては可愛らしいので、ボクにはなかなか好ましい容姿に思えた。
もしも恋人募集中とかだったら、ボクが立候補しちゃおっかな、なんてね。
「あー、えっと、今日の午前零時から二時まで何処にいました? あと住所も一応教えてください」
風祭警部のテンションが一気に下がった。質問もやけっぱちでテキトーだ。
警部め、長迫さんが犯人の可能性は低いと思ってやがるな。まあ、ボクもそう思うけど。
「その時間は自宅にいました。住所は国分寺の──」
アリバイなし、住所は国分寺のマンション。一応メモしておく。
本題は三上貴也の女性関係についてだ。とりあえず、長迫さんと三上貴也の関係についてから訊いてみよう。
警部はやる気なさそうなので、ボクが長迫さんに問い掛けた。
「あなたと三上先生は大学の同期と聞きましたが、その頃から仲が良かったのですか?」
「ええ、私は看護学部で彼は医学部でしたが、二人とも大学の野球サークルに所属していたので、そこで知り合いました。私はマネージャーで、彼はエースだったんです」
「ほほぉ、野球ですか! 実はあたしも野球経験者でしてね! 女子プロ野球選手になるか名刑事になるか散々迷った挙句、結局名刑事の道を選んだのですよ。ちなみに現役時代のポジションはピッチャー、現在の階級は名警部です」
風祭警部は急に勢いを取り戻し、早口で捲し立てた。
名刑事の道を選んだとかアホなことを抜かしているが、彼女は名刑事ではないし、名警部なんて階級はない。
「彼は、とてもいい人でした。殺されたなんて、信じられません」
長迫さんは、トイプードルみたいな目に、涙を浮かべてそう言った。警部の妄言は無視しているが、それが賢明だ。
「実はですね、犯人は三上先生と男女の関係にあったと思われるんですよ。長迫さんは、三上先生とそういう関係にあった女性について、ご存知ないですか?」
ボクは、率直にそう訊ねてみた。捜査上の秘密はあまり洩らすべきではないが、長迫さんになら多少は構わないだろう。
「男女の関係……恋人、ということですか。九条さんと、親密な関係という事は聞いていますけど」
「九条さんというと、女医の?」九条一華とそういう関係だったというなら、風祭警部お好みの三角関係展開だ。
「いいえ、九条一華先生ではなく、この病院で事務員をしている九条二葉さんです」
なんだ、二葉さんの方の話か。というか、二葉さんてこの病院の事務員なんだな。職業訊くのを忘れてた。
「えぇと、二葉さん以外の女性については?」
二葉さんが犯人という可能性は低いんだから、それ以外の女性の情報がほしい。
「えっと、恋人、とは違うんですが、三上先生は最近、とある女性に付き纏われて困っていたみたいです」
「ストーカー……ということですか、どんな女性かはご存知ですか?」
「……私が言ったという事は、内緒にしてもらえますか?」
「ええ、情報源を軽々しく洩らすような真似は、ボクは絶対しません」
ボクは、ね。ボクの口は、軽くない。
口が軽い奴は名刑事にはなれない。そして、風祭警部は口が軽い。つまり、風祭警部は名刑事ではない。
「一ヶ月ほど前まで、この病院に入院されていた、島尾美和子さんという方です」
元患者かあ、本当にモテるんだなあ、三上貴也。
「ありがとうございます。参考になりました」ボクは長迫さんに、頭を下げて礼を言う。
「もう、仕事に戻っていいですか? 無理を言って抜けてきたので」
「はい、でもその前に、写真を撮らせてもらっていいですか?」
「は?」
「長迫さんみたいな可愛らしい方と、一度ツーショットを撮ってみたかったんです」
ボクはスマホを取り出して長迫さんの隣に並ぶ。
「はい、笑って笑って。いや、やっぱり笑わないで、真顔で真顔で」
ピコンッピコンッと連写したあと、ボクと警部はさっさと休憩室を辞去した。
「宝生君、長迫政美みたいなのがタイプなの? 趣味わっる〜い」
「なに言ってんですか警部。この画像も解析班に回すんですよ」
ボクはスマホを操作して、ツーショット写真をトリミングする。そして、長迫さんのワンショットに変換した画像を、解析班に送信した。
「長迫政美の画像は、必要ないと思うけどなあ」
「まあまあ、今のところは容疑者もしぼれて無いんですから。次行きますよ、次」
ボクは風祭警部の背中を押して、応接室に向かった。九条一華の事情聴取は、そこで行うことになっている。
ボクらが応接室に着いてから二十分程がたったが、九条一華は未だに姿を見せなかった。
「全く、名警部、風祭京子さまをこんなに待たせるなんて、どういうつもりかしら」
「医師は激務と聞きますからね。お忙しいんでしょう」
「刑事だって激務よ」
警部がそう呟いた時、応接室の扉が音を立てて開いた。
「刑事が忙しいことは知っているが、私もこれで多忙な身なんだ。どうか、許してほしい」
果たして、扉の向こうには九条一華が居た。
どうやら、警部の愚痴は彼女の耳に届いていたようだ。大病院のクセに壁が薄いぞ。
「零時から二時にアリバイは無い、自宅に居た。住所はマンション・クジョーだ」
一華さんはボクらの対面に腰掛けるなりそう言った。話が早い、というより早すぎる。ボクらはまだ何も質問していないのに。
「三上先生とは同僚として親しくはしていたが、特に異性の関係というわけでは無い。もともと、私には結婚願望がないから、恋人も必要ない。これでいいかい?」
そう言って、一華さんは椅子の肘掛けに手を置いて立ち上がろうとした。ボクは慌てて、「ま、待ってくださいっ」と引き止める。
「まだ何か質問が? 父から、これだけ言っておけば大丈夫だと言われたんだが」
院長め、余計な事を。身内だからって贔屓してやがるな。
「まあまあまあまあ、もう少しゆっくりお話を聞かせてくださいよぉ」
スマホの連写モードで何枚も一華さんを速写しながら、風祭警部はニヤリと笑った。
多分彼女の頭の中では、姉妹骨肉のメロドラマが展開されている。九条姉妹はどちらも美人だから、さぞ楽しいドラマなんだろう。
一華さんは訝しげな表情を浮かべながら、椅子に深く座り直した。
「まあ良いがね。実を言うと午前の診察は非番の同僚に代わってもらったから、多少の時間はある」
「ではでは、三上先生との関係をもう少し詳しく」
風祭警部は、傍から見ていてわかりやすいほどやる気満々だったので、ボクは一華さんへの質問は警部に任せる事にした。
「さっき言った通り、ただの同僚だ」
「でもナースの間では、三上先生と九条先生はとっても仲良しという噂があったようですけど?」
「……二人で食事に行く程度の事はあった。それだけだ」
「妹の婚約者と二人で食事にぃ? そんなことして良いのぉ?」
ゴシップ狙いの芸能記者みたいな風祭警部に、一華さんは顔を顰める。もちろんボクも顔を顰めている事は言うまでもない。
「彼と親しくなったのは私の方が先だ。私は内科医で、彼は外科なんだが、ウチは総合医療病院だから、内科の患者を外科に送ることもある。つまり、申し送りなんかで他科の医師と関わる機会も多いわけだ……。その関係で彼とは食事を共にするような仲になったが、私たちの話題はいつも患者や医療に関することばかりだ。男女の仲ではなく、いわば戦友だな」
そういえば院長が、一華さんは出世欲がない現場主義と言っていたが、患者に直向きな人なんだろうなあ。
ボクが病気になったらこの人を頼ろう。無論、この人が犯人でなければの話だが。
「男女の仲ではないとはいえ、妹の婚約者と二人で食事は不味いのでは? いや、料理は美味しかったんでしょうけど」
「実を言うと、私は二葉と三上先生が婚約したことを知らなかった。ついさっき、父に内線で連絡を受けて、初めて知ったくらいだ」
「おや、妹さんが婚約したことを知らなかった? それはおかしな話ではないですか?」
警部の言う通り、姉が妹の婚約話を知らないというのは妙だ。
「婚約といっても、二週間ほど前に、両者とウチの親の間だけで取り決めた、仮の婚約らしくてね。正式な婚約は、近々三上先生の御両親も交えて、親族間で話し合ってから行うつもりだったそうだ。自慢するわけではないが、九条はそこそこ大きな家でね。こういう時は、色々とややこしいんだ」
ああ、それならわかる。自慢するわけではないけど、宝生家も大きい家だからね。
警部もボクの隣で、それならわかる、という表情で頷いている。風祭家も、小さくはない家なんだろう。
「それに、最近は三上先生と二人きりで会うようなことはしていないよ」
「最近、というと?」警部が訊ねると、一華さんは一瞬、天井を見上げてから答えた。
「数ヶ月前に、三上先生の事が異性として気になっていると、二葉から相談されたんだ。私は男女の機微に疎いから、わざわざお互いを紹介するような事はしなかったが、可愛い妹の恋路を邪魔するわけにはいかないので、それ以来、三上先生と二人で会うのは控えたよ」
ふむ、言っている事はスジが通っている。一華さんの言う通りなら、三上貴也を巡る姉妹の争いは無かったのだろう。
「それにしても、三上先生ってモテたらしいですね」警部は未だ納得してなさそうな表情だ。
「まあ、確かに整った顔立ちだから、異性に人気はあるだろうね」
「あたしたちは、生前のお顔を拝見していないのでよくわかりませんが、さぞやイケメンだったんでしょうね」
警部とボクが見たのは、苦悶に歪んだ死に顔と、防犯カメラのぼやけた映像だけだ。
警部の言葉に一華さんは、「では、見てみるかい? 画像を保存しているはずだ」と言って、ポケットからスマホを取り出した。
電源を切っていたらしく、起動に時間がかかっている。2018年現在、携帯電話等の病院内使用は一部緩和されているが、さすがにお医者さんは普段電源を切っているのだろう。
一分ほど待ったのちに一華さんが見せてくれた画像は、彼女と三上貴也のツーショットだった。
ともすれば冷たい印象を受ける一華さんは、画像の中では柔らかい笑顔で微笑んでいる。隣の三上貴也は、なるほど確かに人形のように綺麗な顔をしていた。
しかし、このツーショットを見る限り……
「お二人とも、仲がとっても良さそうですねえ」
風祭警部に同意するのは業腹だが、ボクもそう思った。
一華さんへの事情聴取を済ませたボクたちは、一旦分かれて行動することにした。
警部は病院に残って、院内にいる女性の写真を撮りまくるらしい。不審者に間違われなければいいけど。
一方のボクは、長迫さんに聞いた、三上貴也のストーカーだという島尾美和子の自宅にひとりで向かう事になった。
病院から島尾美和子の自宅までは結構距離があるので、警部は、「ジャガー貸そうか?」と言ってきた。
しかしボクは、シルバーメタリックのジャガーになんて乗りたくないので、「タクシーを呼びます」と言って断った。
病院を出たボクは早速タクシー、ではなく影山を呼ぶ為にスマホを取り出そうと……したところで、呼ぶよりも前にリムジンが目前に停車した。
「グッドタイミングだ、影山。連絡する前に来るとは、行動が早いな」
「れーさまの動向は、宝生家の黒服たちによって常に見守られていますので」
「マジでっ!」
知らなかった。その黒服たちの人件費、ボクの刑事としての給料より高いんじゃないだろうな。
リムジンの後部座席に腰掛けて、病院で調べた島尾美和子の自宅に連絡したところ、彼女は自宅に居た。職業はデザイナーらしい。
洋服などのファッションデザイナーではなく、本の装丁やイラストを描く方のデザイナーなので、大抵在宅で仕事をしているとのことだ。
電話越しに、三上貴也が殺された事と、その件について訊きたい事があると伝えると、今日も家で仕事をしているので、いつでも来てくれて構わない、と彼女は答えた。
電話から二十分後、島尾美和子の自宅マンションについたボクは、彼女の部屋に通された。影山はリムジンで留守番だ。
その部屋は1LDKで、あまり広くは無かったが、一人暮らしには充分なのだという。
訊いたところ、島尾さんにもアリバイは無かった。
「三上先生が、殺されたなんて、そんな……そんなことって……」
島尾さんは、暗く沈んだ声でそう呟いた。
「刑事さん、早く、早く犯人を捕まえてください」
二葉さんと似たようなことを言っている。立場は婚約者とストーカーで、正反対だが。
「実はですね、あなたが三上先生のストーカーだったのではないかという情報があるのです」ボクは単刀直入に訊ねた。
「何を言うんですか! 私、ストーカーだなんて、そんなことしてません!」
ボクの言葉に反発して、島尾さんは激昂する。でも、ストーカーはみんなそう言うんだよねぇ。
「でも、三上先生は貴方に付き纏われて迷惑していたらしいんですよ」
「そんな、そんな筈ないです。私、付き纏ったりなんか、してないです。ちょっと、プレゼントをしただけで」
「プレゼント、ですか?」
「はい、私、三上先生にはとても感謝してるんです」
彼女は右手の甲を、左の掌でそっと撫でた。
長迫さんの話では、島尾さんは三上貴也に付き纏っていたということだったけど、ちょっとプレゼントを贈った程度なら、ストーカーってほどでもないのだろうか。
「私、交通事故に遭って全身に怪我を負ったんですけど、特に、商売道具の大事な右手は、三上先生のオペ技術が無ければ、後遺症が残ったかもしれないほどの大怪我だったんです。でも、幸いこうして無事に退院して、デザイナーの仕事も再開できました。全部、三上先生のおかげです」
「成る程、それで、三上先生にプレゼントを」
「はい」
医者への感謝の気持ちっていったら、袖の下から学問のすゝめの作者が定番だけど、プレゼントっていうくらいだから、薄っぺらい紙幣じゃなくて、心のこもった贈り物だったのかな?
「差し支えなければ、贈ったプレゼントは何なのかお聞きしてもいいですか?」
「ええ、なら、実物をお見せします」
実物? どういう意味だろう。ボクが疑問を浮かべていると、一旦隣の部屋に引っ込んだ島尾さんは、アルマーニのショップ紙袋を持って戻ってきた。
「プレゼント用と自分用、それぞれ二つずつ買ったんです」
好きな人と同じ物を所有したいという乙女心だろうか。ボクには理解できない。
「紙袋の中、拝見してもよろしいですか?」
「どうぞ」
差し出された紙袋を受け取って中身を確認すると、出てきたのは腕時計に財布にベルトに、メンズのシャツやトランクスまである。
「その、三上先生と同じ物を身に着けたいと思ってしまって……」
腕時計や財布はわからないでもないが、トランクスは必要ないだろうに。
「こんなにたくさんプレゼントしたんですか、一辺に?」
「いえ、一辺にではなく、ひとつひとつ分けて、何度も」
プレゼントに託けて、何度も会いにいったわけね。三上貴也の反応次第では、ストーカー規制法でいう『つきまとい等』の行為に該当しそうだなぁ……って、あれ? 紙袋の底から出てきたこのネクタイは確か、フロントの防犯カメラに映った、三上貴也が締めていた物と同じだ。
「三上先生は、喜んでくれてました。その筈です」
三上貴也が喜んでいたのかは定かではないが、とりあえず彼は、貰うものは貰う主義だったらしい。
ボクは、島尾さんの顔をスマホで何枚か撮った後、礼を言って辞去した。
風祭警部に連絡したところ、「病院に戻って来て〜」とのことなので、影山の運転でとんぼ返りする。
ロビーで合流すると、警部は椅子に腰掛けて項垂れた。
「おかえり〜、島尾美和子どうだった?」
「嫌がらせ等の行為はしていないようでしたが、つきまといに関しては微妙なところです。ストーカー予備軍ってとこですかね。あと、事件当夜三上貴也が着けていたネクタイは、島尾美和子のプレゼントらしいです」
「へぇ〜、犯人の可能性は?」
「今のところはシロともクロとも言えません。警部の方はどうでした? 写真撮り終わりましたか?」
「それがさぁ、聞いてよ宝生君。あのね、──」
警部が言うには、ホテルの防犯カメラの設置状況が芳しくない、という連絡が鑑識からきたそうだ。
なんでも、防犯カメラに映らずに客室へ行くことができるルートがあるようで、犯人の姿は残されていない可能性が高いらしい。
「これだから安ホテルって困るのよねぇ。折角あたしが撮りまくった写真が無駄になっちゃったわ」
「まあ、ここは基本に立ち返って、訊き込みを続けましょう」
訊き込みは刑事の基本、捜査の原点、ということで、三上貴也の関係者を回ることにした。
途中から同僚刑事たちを増員して、病院内の交友関係をほぼ網羅したのだが、目新しい情報を得ることは出来なかった。
わかった事は、三上貴也は女性に人気があるということだけだ。
大規模病院だけあって訊き込みにも時間がかかり、日も沈んできたので、今日のところは署に引き上げる事にした。
国立署に着いたボクと警部は、証拠物件管理室に赴き、被害者の所持品を調べている。
スケジュール帳やシステム手帳でもあれば、と思ったのだが、残念ながらそのような証拠品は無かった。
最近は携帯でスケジュール管理する人も多いので、もともと紙媒体のスケジュール帳は持っていなかったのか、犯人が持ち去ったのかはわからないが、とにかく、三上貴也の交友関係を示す手掛かりは何も見つからなかった。
「携帯電話が見つからなかったのは痛いわね。携帯なんて、個人情報の宝庫なのに」
被害者の財布に入っていたカード類を眺めながら、警部はボヤいた。
「そうですね。だからこそ犯人が持ち去ったんでしょうけど」
「名刺も何枚かあるけど、付き合ってる女の名刺なんか持ってないでしょうしねぇ……あら、これって」
「何かありましたか?」
「くふっ、あはっ、あはははははっ! 見てよこれ宝生君っ。三上貴也のヤツ、ホテルのポイントカードなんか貯め込んでるわよ! なにこの量、何年分よ、あはははははっ!」
なんだそんな事か、こっちは真面目に遺留品調べしてるってのに、サボってんじゃないよ。
「ポイント貯めたらどうなるのかしら、アメニティでも貰えるのっ? それとも値引き? あんな安ホテル、値引きしたらタダになっちゃうじゃないっ。あははははっ!」
楽しそうで何よりだが、結局、身になる遺留品は発見できなかったので、ボクらは証拠物件管理室を後にした。
デカ部屋に行って、休憩がてら苦いだけのまずいインスタントコーヒーを飲んでいると、被害者の自宅を捜索していた連中が戻ってきた。
しかし、彼らも、特になんの情報も見つけられなかったらしい。
明日からは病院関係者の外にも対象を広げ、さらに被害者の交友関係を探るという事が決定されたところで、とりあえず今日は解散となった。
出題編はここまでです。
解答編もプロットは出来ているので、出来るだけ早いうちに投稿したいと思います。