君には世界がどう見える?   作:抹茶スフレ

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おそくなりました。
タイトルで分かる人いますかね?




北海道~音の見えるおねえさん~

 僕は今、森の開けた場所に落ち葉をベッドにして寝転び、夜空を眺めている。

 

 つい先日に受けたインタビューが終わった直後に飛行機に乗って北海道にやってきた。そこからレンタルバイクを借りて気の向くままに走らせていれば、気づけば森で迷ってしまい、気づけば夜になり、どこか休める場所はないかと探していたら、この場所にたどり着いて今に至る。

 

 因みにバイクは自転車などではなく白のハーレーダビットソン FLH-80。

 夫婦で運営しているレンタルバイク屋の来客数が僕でちょうど一千万人を突破したらしく、店頭に並べていない店主のお気に入りのバイクを特別に、どこまで走ってもよし、どれだけ返さなくてもよしと言われ、遠慮はしたが、そこに更に料金が無料だなんて言われればお言葉に甘えるしかなかった。

 まぁ、身長のせいで変な目で見られたけど、実際に大型バイクを目の前で運転してみせ、それでも半信半疑な店主夫婦に身分証明書を提示してなんとか成人していると証明できた。思えば先に身分証明書を出しておけばよかった。

 そういえば、別れ際に店主夫婦が二人して涙を流していたように見えたのは、気の所為だったのだろうか。最近視力が落ちた所為で思い出しても判断がつかない。

 これ以上は無駄に脳に負担を掛けてしまうだけになるので遠い夜空に思いを馳せようとするが、先に先客へ対処する。

 

「やっぱり、こういう所で見る星ってさ、綺麗だよね。

 そう思わない?おねえさん。」

 

 景色なんてわからないくせに、昔見た夜空を思い出してわかったように話しかける

 

「!?どう...して。」

「後ろから視線を感じたから、耳をすませていたらお姉さんの『音』が聞こえただけですよ。」

「...ずっと動かなかったので、死んでいるのかと...思いました...。」

「あー、変な心配掛けましたね。すみません。僕は見ての通り生きてますから安心してください。」

 

 おねえさんを安心させるために身体を起こし、後ろを振り向き声を仕事用に変えて笑顔をつくる。

 振り向いたことで互いに顔を見ることになるわけで。

 おねえさんは耳元でピンッと跳ねるくせっ毛の金髪に、タレ目の緑眼、どこか眠たそうに見える外見だった。

 

「貴方は...なんですか...っ。」

「??それはどういう意味ですか?」

 

 おねえさんの顔色がみるみるうちに悪くなっていく。

 なんだろう。なにかしたっけ?

 

「さっきまで...あなたの音は真っ黒で気持ち悪かった。...なのに突然、綺麗で見とれてしまう音に変わった...。」

 

 なんて言うんだっけ?これ。確か......そう。共感覚。

 このおねえさん、僕の声が見えるらしい。

 共感覚を持っている人に会うのはいつぶりだろう。

 

「貴方は一体なんなんですか...。」

 

 さっきと同じ質問を繰り返すおねえさん。

 さて、なんて答えればいいんだろ。

 

 世界No.1アイドルSENKA?

 いやいやいや、言っても信じて貰えるわけない、変な目で見られるのが関の山。たとえ信じてもらえたとしても素顔を隠してる僕がそれを明かす訳にはいかない。

 

 今を煌めくカリスマギャルアイドル城ヶ崎美嘉の弟の城ヶ崎千嘉?

 それこそだめだ。おねえさんがたとえアイドルに関して疎かったとしてもひょんなことから世間に知られてしまえば大変なことになる。

 日本に帰ってくる前に調べたネットの情報では、城ヶ崎家の家族構成は母、父、長女、次女の四人だけだった。

 

 どちらにしても名乗る訳にはいかない。

 なら簡単、彼女の質問に答えて、名前を答えなければいい。

 

「僕はしがない旅人ですよ。」

「旅人?...。」

「そう、旅人。世界を旅して、ようやく最後の旅をこの日本で終えようとしているんですよ。因みに、この北海道がスタートで、沖縄まで行って、長崎で最後にしようかと考えているんです。」

「なぜ...最後が沖縄ではなく長崎なんですか?」

「出身地だからですよ。」

「日本人だったんですか?...。」

「あはは、この髪じゃ、誤解しちゃいますよね。」

 

 白髪の日本人なんて、ハーフでもそうはいないだろうしね。

 

「髪もそうですが、貴方...目が...。」

「目?」

 

 目?視界がぼやけているくらいで特に何も.........あ、そういえば昔、事故の影響で目の色が変わったとか医者に言われたっけ?

 あのヤブ医者、本当の事言ってたんだ。いつもヘラヘラしてるし嫌なとこを突いてくるからあんまり好きじゃなかったんだよねー。

 あーだめだ。思い出すだけで、ニャハハハ言ってるのが頭にしつこく残って響く。匂いを嗅いでくる時なんて目が怖かった。

 ......あんなのよりもイブのことでも考えよう。

 あのサンタは元気かな?プリッツェンはちゃんとご主人様を支えられているかな?

 

「...あの。」

「あ、すいません。僕の目のことですよね。」

「...はい。...変わった、目ですね。」

 

 思いを馳せることを一時中断する。

 まぁ、確かに変わっているだろう。

 一般的には青と黄の金眼銀眼が知られているけど、僕の目はヤブ医者曰く世界に一人しかいないだろうアースアイとダイクロイックアイの2つを兼ね備えているらしい。

 変わった色、とおねえさんは言うけれど、気を使ってくれている筈だ。この目は正直言って気持ち悪い。左目が青と黄色の地球を閉じ込めたかのような景色を持つアースアイ、右目は3等分されており紅・蒼・鬱金の配色となっている。

 そして髪色を合わせれば、あら不思議、気色の悪い化け物の出来上がりだ。

 

「気持ち悪いでしょ。この目、いつもは隠してるんですけど、気を抜いちゃってたみたいで、気分悪くなっちゃうもの見せてすいません。」

 

 瞼を閉じて頭を下げる。

 初めて会った人を気分悪くさせてしまうなんて、アイドル失格だ。おねえさんには悪いけど汚名返上に付き合ってもらおう。

 

「少し、話しませんか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




主人公視点での出会いとヒロイン(その話で出てくるキャラ)視点とに分けていこうと思います。

ヒロインは県ごとに変わって行きます。アイドルになっている筈のキャラがなっていなかったりしますが、ご了承くださると嬉しいです。

この作品は別の作品の合間に書いていこうと思っているので、投稿が遅くなりますが、作品は最後まで書ききるつもりですので、よろしくお願いします。

PS
今回のキャラは梅木音葉です。わからなかったらすいません。
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