暗殺教室~君のために義を貫く~   作:緋色の焔

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この話からしばらくイリーナはお休みです。
代わりに緋弾のアリアAAからあの子が登場します。

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イギリスに向かう時のイリーナの服装を加筆。


5弾 合否の時間

 椚ヶ丘中学校の転入試験を受けてから3日後、姉さんが武偵庁からの依頼でイギリスへと潜入調査(スリップ)に行くため、その手伝い──情報収集など──で、椚ヶ丘武偵局に訪れていた俺が椚ハイムに帰宅して、郵便の有無を確かめると郵便受けの中に2通の茶封筒が入っていた。

 その茶封筒を取り出すと送り主は椚ヶ丘中学校だった。

 

(そういや今日が合否の発表だったな)

 

 それを思い出した俺は茶封筒を持って姉さんの部屋に帰った。

 

「ただいま。あかり、椚ヶ丘中から合否の封筒が届いてたぞ」

 

 部屋に入ってリビングの扉を開けた俺は私服にエプロン姿で、キッチンに立って夕食を作っているあかりに声を掛けた。

 

「そっか、今日届くんだったね。合格してた? キーちゃん」

「まだ見てない。どうせならあかりと見ようと思ってな」

「分かった。後少しで作り終えるから手洗いとウガイしてきて」

「ああ……そういや姉さんは? 資料を渡したいんだけど」

「向こうに持っていく服を選んでるからクローゼットにいるよ」

 

 その言葉に俺はリビングを出て廊下を歩き、ウォークイン・クローゼットとして利用してる部屋の扉を開けた。

 室内はまるで服屋の如く、多種多様な女性服がハンガーラックに掛けれており、棚にはバッグや帽子もある。

 中にはナース服やバニースーツ、メイド服、ミニスカサンタ服、婦警服、果てはブルマーや紺色のセーラー服まで用途不明な服もあるが、それにはツッコまずに俺は室内の中央で、ハンガーラックから服を取っては自身の身体に当てて姿見でチェックする姉さんを見付けた。

 その姉さんは姿見に写った俺を見付けると振り返った。

 

「お帰りなさいキンジ」

「ただいま。これ、頼まれた資料な」

「ええ、ありがとう」

 

 姉さんは俺の手から資料を受け取ると目を通していく。

 その様子を見ながら俺は改めてクローゼットを見渡す。

 

「本当に色んな服があるな」

「まあね。私ぐらいになると着る服にも気を使わなくちゃいけないから、これぐらい持って無いとダメなのよ」

 

 確かにその通りだ。

 姉さんは色仕掛け(ハニートラップ)を駆使して男を()()武偵だ。身嗜みには人一倍気を使うからな。

 ちなみにこの『殺す』とは本当に人を殺害する意味じゃなく、ハニートラップに()めて陥れると言う意味だ。

 そんな姉さんだが、相手が()()()()()でも相手の趣味と趣向に合えば()()()()()()を振る舞って逮捕する事が出来る。

 これは昔、正式開校前の武偵高に通っていた姉さんに聞いた話だが、特殊捜査研究科(CVR)には異性を相手にするⅠ種と、同性を相手にするⅡ種で分類され、更にⅡ種は男性的行動で女性の女心を掴むα(アルファ)要員と、女性に可愛がられるβ(ベータ)要員に分類されるらしい。

 で、姉さんは武偵高在学時にCVRでⅠ種とⅡ種αを学んでるらしく、一部を除く異性と一部の同性、男女両方を相手に出来る世界でも稀有なハニートラップ専門の武偵なのだ。

 

「いつ頃向こう(イギリス)に行く予定なんだ」

「来月の頭──4月には向かう予定よ」

「分かった。それじゃ俺は部屋に戻るからな」

 

 そう言って俺は部屋を出ていこうとした時「容疑者(ホシ)はダンディーなオジサマね……あら、セクシーな女性が弱点だわ」、と俺が渡した資料に貼ってある写真を見て呟いていた。

 姉さんは経験と勘で、人の写真を見ただけでが写真に写る人物がどんな異性、または同性に弱いのかある程度分かるらしいのだ。我が姉ながら恐ろしい特技を身に付けたものである。

 

 

 

 あかりが作った夕飯を3人で食べた後、椚ヶ丘中学から届いた合否の茶封筒を開けて結果を確かめる事にした。

 

「よし、まずは私からね」

 

 俺と違って成績が良いため落ちるとは思えないが、あかりはペーパーナイフで封筒の封を開けると、中から折り畳まれた書類を取り出してサッと目を通した。

 自分が編入試験を受けたワケじゃないのに、緊張した面持ちの姉さんがあかりに問い掛けた。

 

「ど、どうだったの?」

「合格だよ。ほら」

 

 そう言ってあかりは俺達に書類を見せてくれた。

 そこには色々と書かれてるが『合格』の二文字が書かれていた。

 

「まあ、私は合格して当然だけど問題はキーちゃんだね」

「……ああ、分かってる」

 

 俺はペーパーナイフをあかりから受け取り、それで封筒を開けて中から書類を取り出すと、震える指でゆっくりと開いていく。

 何この緊張感……! まだ殺人犯と銃撃戦を繰り広げる方が遥かにマシなんだけど……!

 そんな事を思いながら書類を開き、文字を一文字ずつゆっくりと読んでいくと、中盤辺りに太文字で『合格』と書かれた文字を見付けた。

 我が目を疑った俺は目を擦り、もう一度目を通すと、そこには紛れもなく『合格』と書かれた二文字が見えた。

 

「…………」

「……どうだったのキーちゃん?」

「……もしかして落ちちゃったの?」

 

 黙ったまま何も言わない俺に痺れを切らした、あかりと姉さんが声を掛けてきたため、俺はゆっくりと顔を上げて2人に言った。

 

「……受かった」

「「…………は?」」

 

 失礼な反応だな、と思いつつも俺は『合格』と書かれた書類を見せる。

 

「……自分でも半信半疑だが、どうやら俺は椚ヶ丘中の転入試験に合格したらしい。ほら」

 

 俺が見せた書類に目を通した2人は夢だと思ったのか互いに頬をつねる。

 そこまでしなきゃ俺が受かった事を信じられないのか⁉ 泣くぞ⁉

 頬をつねった痛みを感じて夢じゃないと分かった2人は、全身をぶるぶる震えさせて──

 

「「やったーッ‼」」

 

 と、俺以上に喜んだ。

 そして、喜びのあまり2人揃って俺に抱き付いてきた。

 

「さすがは私の自慢の弟だわ!」

「スゴいよキーちゃん! 正直落ちると思ってたからビックリした!」

 

 そんな事を口々に言ってるが、俺はそれどころじゃない。

 なぜなら2人に抱き付かれた事で、あかりの慎ましい胸と姉さんの豊満な胸が俺の両腕に密着してるのだ。

 歩く時や普段の仕草などちょっとした事でも揺れていたため、姉さんの胸が柔らかいのは分かってたが、まさかあかりの慎ましい胸までも柔らかな弾力があるとは……!

 って、なんで俺は冷静に2人の胸の感触を分析してるんだよ。そんな事をすれば──⁉

 

 ──ドクンッ!

 

 ほら、来た来た来ましたよ。

 全身の血液が体の中央・中心に集まるような、あの何とも言えない独特なヒステリアモード感覚が。

 それは刻一刻と強まっていき、知性が雪の結晶のように形作られ、五感が鋭敏になっていく。

 あと数十秒で完全にヒステリアモードになるという時に、目覚めた第六感で閃いた。

 

「そうはさせるかッ!」

 

 突然叫んだ俺にビックリ(まなこ)の2人を見ながら、両腕に抱き付く2人の力の流れを読むと、合気道のように動きを誘導した俺は全身を回転させて2人の間から逃れた。

 少し離れた所で片膝立ちになり、いつの間にかお互いの手をお互いの胸で挟む形になったあかりと姉さんは「「?」」と赤面して離れる様子を見た俺は、勉強して覚えた素数を数えてヒステリア性の血流を遣り過ごそうとした瞬間、ガツンッ! 足の小指を机の足でぶつけた。

 

「~~~~ッ⁉」

 

 激痛で声に鳴らない叫びをあげた俺は床をのた打ち回る。

 お陰でヒステリア性の血流は引っ込んだが、叫ぶ→回転する→床をのた打ち回る、と、ファンタジスタすぎる行動の俺にあかりと姉さんはドン引きしていた。

 しばらくして痛みが引いてきた俺は目に涙を溜めて立ち上がると、2人は何事も無かったかのように食後のいちご牛乳と赤ワインを飲んでいた。

 

「あ、起きた。キーちゃん明日って暇?」

「……明日? 春休み中だし、姉さんの任務の手伝いも粗方終わったから、特に予定は無いぞ」

「だったら制服買いに行こうよ」

「制服?」

「うん。合否の書類と一緒に同封された書類に『4月5日に必用事項を伝えるため、指定した店で制服などを揃えた後、椚ヶ丘中学校・理事長室にお越しください。尚教科書等は当校で用意します』だって」

「始業式前に一度来いって事か。分かった。一緒に制服を買いに行くよ。それから姉さんに頼みがあるんだけど」

「何?」

「もしもの事があるから椚ヶ丘中の制服を防弾化してくれるか」

 

 色仕掛けで犯罪組織に迫るCVRの女性達は、被服で異性・同性を幻惑する技術を学んでいるため、どんな服でも自由自在に作れるからな。

 

「ええ、良いわよ」

 

 俺の言葉に姉さんが了承した。

 相手は兵器利用される触手を持った怪物だ。それ相応の装備を整えておいて損は無いのだ。

 

 

 

 それから数日が経ち、引っ越しも済ませて、カレンダーも3月から4月に変わると、日本というか世界中に驚愕の事件が駆け抜けた。

 それは月の面積が全体の7割が消滅したという事件である。

 連日連夜放送するニュースでも月の話題ばかりだ。なお兄さんが調べたところ月が7割消滅したのは先月の中旬、()()()()が起きた日だがニュースで放送したのは4月に入ってからだ。

 理由は兄さん曰くパニックを防ぐため、各テレビ局に政府から圧力が掛かり報道規制されていたらしい。

 そんな出来事が水面下で起きていた中。

 姉さんに防弾化して貰った椚ヶ丘中の制服を着た俺とあかりは、マンション前で車検から戻ってきたフェアレディZ──開閉式の屋根(ハードトップ)は開いているためオープンカーだ──に乗っている姉さんと話している。

 そんな姉さんはイギリスのセレブの元へ潜入するため、高級感に溢れたセクシーな恰好だ。

 大胆に胸元を開けたヒョウ柄のコートの下には白いプラウスを着ており、鋲型の金具を装飾品としたミニフレアスカートの裾からは、網タイツ柄のストッキングに包まれた長くて綺麗な足がスーッと伸びていて、その足先にはヒールのある黒い編み上げブーツを履いている。首には俺がプレゼントした黒いチョーカーネックレスの代わりに、金のプリンセスネックレスが巻かれていた。

 

「それじゃあ私はイギリスに行くけど、何かあったら連絡しなさい。それと小遣い代わりに()()も渡しておくわ。暗証番号は2222よ」

 

 そう言って姉さんは高級感のある薄い手袋を嵌めた手で、助手席に置いていたブランド物のバッグの中から、ワニ革でピンク色のサイフ──これもブランド物──を取り出すと、カードポケットに挿していたアメリカン・エキスプレス・プラチナ・カード──ゴールドカードの上位版となる白金色のクレジットカードを抜き取って俺に渡してきた。

 

「いや、そんなに高い買い物はしないから要らないんだが……」

「それでも持ってなさい」

 

 プラチナカードを姉さんに返そうとしたが強く押し付けてきた。

 

「キーちゃん。リナ姉が持ってろって言うんだから持ってれば?」

 

 あかりの言葉に俺は使わないだろうなと思いつつも、仕方無くプラチナカードを受け取った。

 

「それでリナ姉、帰りっていつ頃になりそう?」

 

 微妙に嬉しそうな表情のあかりは姉さんに問い掛けた。

 

「そうね。詳しくは分からないけど、大体1ヶ月ぐらいで帰ってこれると思うわよ」

 

 その回答にあかりは「チッ」と舌打ちして、

 

「さすがSランク武偵のリナ姉、お早いお戻りで」

 

 と、称賛した。

 ちなみにSランクというのは、国際武偵連盟(IADA)が任務の成功率とかその他諸々を加味して格付けした武偵ランクの事で、上から順にS・A・B・C・D・Eの6段階で分けられている。

 俺とあかりはランクを取得してないからノーランクだけどな。

 但し、神奈川武偵高附属中(カブチュー)強襲科(アサルト)教諭曰く、もしランクを取得すればSランク相当の実力があるとの事だ。俺は調子が良い(ヒステリアモード)時に限るみたいだが。

 

「心にも思ってない事を言われても嬉しくも何とも無いわよ! 良いキンジ、この絶壁胸に何かされたらすぐ連絡するのよ!」

「誰が絶壁胸だ!」

 

 禁句(タブー)である胸の話題を告げた姉さんに──ビキィッ!

 隣から聞こえた不穏な音に寒気を感じて振り向いてみれば、そこには額に『K』の字形の血管を浮かび上がらせたあかりがいた。

 俺の眼にはそれが、殺す(KILL)、のKに見える。

 もしかするとあかりの身体のどこかに『I』と『L』と『L』の形に浮かび上がる血管があり、それが全て揃うと……

 こ──こッ……怖ぁ!

 殺気を放出してキレた表情のあかりは、カバンに手を突っ込んで漆黒の拳銃(ベレッタ)を取り出した時──ウォン!

 それを見た姉さんはアクセルを踏んで、フェアレディZのエンジン音を周囲に響かせながら走り去っていった。

 

「帰国したら覚えてろよ! アイツ!」

 

 姉さんが走り去った方向に憎々しげな視線を向けたあかりは、取り出した拳銃を振り回しながら地団駄を踏んでいる。

 怒り狂うあかりに関わりたくなくて放置したかったが、残念ながら今日は椚ヶ丘中学校から連絡事項があるため、登校しなければならないのだ。

 ゆえにあかり放置するワケにはいかない。

 

「あ、あかり……いつまでも怒ってないで学校行くぞ」

 

 なるべくあかりの気に障らないような声色で話し掛けながら、俺は振り回している拳銃を掴んで取り上げた。

 

「む~~……分かった」

 

 俺の言葉にあかりは頷くが、憎々しい視線をフェアレディZが走り去った方に向け続けていた。しかしずっと見ているワケにもいかないと思ったのか、しばらくしてコクッと頷いた。

 落ち着いた様子のあかりに取り上げていた拳銃を返すと、それを受け取ってカバンに入れたあと小さな唇を開いた。

 

「キーちゃん。ちょっと頼みがあるんだけど」

「頼み?」

「うん。家の中以外で私を呼ぶ時は『あかり』じゃなく『カエデ』って呼んで」

「ああ、そういや学校には偽名の『茅野カエデ』で登録してたもんな。でも下の名前で良いのか?」

「うん。幼馴染みだからね」

「ん? 今と変わらんが……」

「えーっとね。(あかり)とキーちゃんはずっと同じ学校に通う幼馴染みだけど、(カエデ)()()()()は小さい頃に親の転勤で離ればなれになった幼馴染みなんだ」

「成る程、設定が違うワケか……って、ちょっと待て! 小さい頃に離ればなれになったなら、何で住所が同じなんだよ⁉」

「ああ、それはね。カエデが転校するために住む所を探していた時に街中で偶然、キンジ君のお姉さんである()()()()()()()()()と会って色々と話してる内に……って感じかな。覚えといてよ。テストに出るからね」

「断じて出ねぇよ‼」

 

 とは言ったもののこういう設定は前もって知っておいて良かった。

 もしクラスメートなどに個別で聞かれた場合、この設定を知ってるのと知らないのじゃ情報に齟齬(そご)が発生し、不審に思われて潜入捜査が遣りにくくなってたな。

 

 

 

 椚ハイムから椚ヶ丘中学の本校舎までは約2㎞だ。

 ギリギリ徒歩圏内だったため20分以上掛けて歩いて来たがやはり少し遠いな。

 明日からはバスかチャリ通にするかと思いながら、受付で諸々の事を告げた俺とあかりは頭皮の薄い教頭に案内されて理事長室の前に辿り着いた。

 教頭が両開きの扉をノックして用件を告げると──

 

「──入りたまえ」

 

 部屋の中から、極めて低い、遠い地鳴りのような声が聞こえてきた。

 その声に教頭が扉を開けた中には2人の男女がいた。

 1人は部屋の奥で机に組んだ手を乗せて椅子に腰掛けるスーツ姿の男、もう1人はメガネを掛けて長い茶髪を三つ編みお下げにした身長の低い女子だ。

 前者が理事長で、後者は生徒である。

 室内に入った俺とあかりは理事長に頭を下げて名乗った。

 

「遠山キンジです」

「茅野カエデです」

 

 すると、理事長が口を開いた。

 

「よろしく。私が椚ヶ丘学園の理事長・浅野(あさの)學峯(がくほう)だ。彼女は君達と同じ転入生の……」

加納(かのう)ユキですぅ。2人共よろしくお願いしますぅ」

 

 と、少し間抜けなしゃべり方で女生徒──加納が自己紹介した。

 

「よろしく」

「よろしくね。加納さん」

「あい」

 

 相手が女子のため俺はぶっきらぼうに、あかりは笑顔で応じると、加納は少し独特な返事をした。

 

「さて、互いに自己紹介は済んだようだね。それでは君達が所属するクラスを発表するよ……教頭」

「はい理事長。まず茅野カエデさん。君は我が校の転入試験を優秀な成績で合格したため3年A組所属だ。次に遠山キンジ君、君は学園創立以来過去最低点での合格だ。そんな君には我が校が誇る特別強化クラス・3年E組に所属する権利を与えよう。最期に加納ユキさん。君も遠山君と同じく3年E組所属だ。卒業までの1年間、それぞれのクラスで頑張ってくれたまえ」

 

 成る程、あかりはA組で俺と加納はE組か。

 怪物が来るのはE組らしいから俺は問題無いが、A組所属となったあかりは問題だな。てか、加納のヤツ同い年だったのか⁉

 あかりより小さいからてっきり年下だと思っていたのに、いるところにはいるんだな。あかりより背の低い中学3年生が。

 

「エリートクラスのA組所属ですか。茅野さんってスゴいんですねぇ」

「あ、ああ」

 

 突然、その加納に話し掛けられたため、ドギマギしながら俺が応じた時だ。

 

「すいません。私も2人と同じ3年E組で良いですよ」

 

 そう言ったあかりは理事長の功績を称えた証である、トロフィーや盾などが飾られている棚に歩いていくと、腕を振り上げて──ガッシャンッ! トロフィーなどを叩き壊した。

 

「……ッ⁉」

「うひぃ⁉」

 

 その光景に教頭は絶句し、加納は足を(もつ)れさせて尻餅を突いた。

 そして、トロフィーを壊したあかりは振り返ると── 

 

「これで私も3年E組ですよね?」

 

 笑顔で理事長に言い放った。

 その結果、あかり扮するカエデは目論み通り、理事長から3年E組行きを言い渡されたのだった。

 

 

 




というわけで加納ユキさんがE組に所属します。

加納ユキをご存知無い方は、緋弾のアリアAAのコミックス13巻をお読みください。
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