ジョジョの奇妙な冒険〜空条承太郎と9人の女神〜   作:ガリュウ432

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バレンタイン回です。
まだ全員のメンバーが揃っていませんが、揃った後の話です。
スタンドは一切出ません。時系列は気にしないでください。


EX話 バレンタインという文化

「さて、そろそろ行ってくるよ。」

 

「うん!パパ、行ってらっしゃい!」

 

「行ってらっしゃいパパ。」

 

娘と嫁の見送りを受け出発する。

今日は元々音ノ木坂学院に向かう予定はなかったのだが、μ'sの方から連絡があり、急遽向かうことになったのだ。

 

(しかし、急ぎの用など何かあっただろうか?取り急ぐようなことは無かった気がするが・・・。)

 

何かまずいことでもしたのか考えながら、音ノ木坂に向かっていたが、結局答えが見つからず到着してしまった。

なにもわからないまま扉を開ける。すると、

 

「ハッピーバレンタイン!!」

 

とメンバー9人の声が聞こえた。

 

「・・・あ、そうか、今日はバレンタインか・・・。」

 

「え!?承太郎さん忘れてたの!?」

 

「ああ・・・、最近論文で詰めていたから曜日感覚がなくてな・・・。」

 

「休んだ方がよろしいのでは・・・。娘さんに怒られてしまいますよ。」

 

ぐう・・・、海未に娘のことを怒られてしまった・・・。

その通りだな・・・。仕事は減らさなくては・・・。

すると穂乃果が

 

「まあまあ承太郎さん。今日はバレンタインパーティと称してみんなでパーっと楽しむことにしたんです!!」

 

「でも、その前にまずは承太郎さんお待ちかねのチョコやな〜?」

 

チョコ・・・。久しく食べるな・・・。

 

「ここにある好きなチョコから食べてくださいね!」

 

ことりが机の上にある多種多様のチョコを指す。

 

「そういう事だったのか・・・。」

 

「まあ、全部承太郎さんのために作ったんだから、ちゃんと全部食べなさいよ。」

 

にこから命令が下る。

・・・この量はしんどいな。

まず、1番手前にあったチョコクランチを手に取る。

 

「あ、そのチョコは私と海未ちゃんで作ったチョコですね。」

 

ことりが自分たちで作ったチョコの紹介をする。

 

「ふむ、サクサクとした食感で美味い。」

 

「っ!やったあ!やりましたことり!美味しいと言っていただきました!」

 

「やったね!海未ちゃん!」

 

次は、このトリュフか。

 

「私たちのは美味しいわよ!」

 

「味わって食べなさいよ。」

 

にこと真姫が作ったようだ。

食べたら、中からトロリと溶けたチョコが溢れ、とても美味しかった。

 

「とても美味しいが、にこも真姫もこんなことも出来たんだな。」

 

「ま、アイドルとしてはとーぜんよね!」

 

「別に、少しかじってただけよ。」

 

次は・・・。なんだこれ!?おにぎり!?

あ、いや大福か・・・。

 

「私の家の大福の生地の中にチョコを入れたんだ!!」

 

「少し見た目はおにぎりっぽいですけど・・・。」

 

「かよちんと私と穂乃果ちゃんの3人で作った傑作にゃー!」

 

食べてみたが普通に美味しかった。

考えたらこれ普通にチョコ大福だよな。

そして二個目をかじったその時。

 

「かじったらチョコじゃなくてラーメンだったんだが・・・。」

 

なんてことをしてくれたんだッ!

 

「もー、だから凛ちゃんそこはいちごだって言ったじゃん!」

 

「それじゃ普通すぎるにゃ!」

 

「お米入れるのが1番・・・。」

 

「「それは一番ない。」」

 

「ふええ・・・。」

 

いちごでいいだろ普通に・・・。

 

さて、最後に希と絵里のチョコだな。

 

「私達は普通にチョコを作ってみました。」

 

「みんなみたいに捻ってはないけど、美味しいと思いますよ。」

 

そう言われ、1つ口に入れる。

シンプルだが味わい深い、美味しいチョコレートだ。

 

「間違っていたら済まないが、洋酒入っているか?」

 

「お、気付きはったんですね。ええ、正解です!」

 

「この前、ロシアのおばあちゃんから洋酒が送られてきて使い道に困ってたんです。両親もあまり洋酒が得意でないので。気に入って頂けたみたいで嬉しいです。」

 

μ's9人のチョコを食べた承太郎は各々に感想を伝える。

そしてその後はバレンタインパーティと称し、楽しんだのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「今日はとても楽しかった。ありがとう。・・・ホワイトデー、期待しとくんだな。」

 

承太郎からの珍しい冗談。

だが、冗談かどうかわかりづらい。

 

「ええ、期待して待っときます。・・・期待外れだったらワシワシの刑やで?」

 

さすがに30の男が17歳の女子高生に胸を揉まれる絵面はヤバいので真面目に考えるとしよう。

 

「じゃあ、また明日。風邪には気をつけてな。」

 

「はい!また明日来てください!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

家に帰り、玄関を開ける。

すると、娘である徐倫がかけてきて、

 

「パパ!これあげる!!」

 

「・・・む?」

 

承太郎が受け取ると徐倫は恥ずかしそうに戻って行った。

 

「なんだったんだ・・・、」

 

自分の部屋に戻り受け取った箱を開けると、そこには歪な形のチョコと共に『おしごとおつかれさま パパだいすき』というメッセージと、『ハッピーバレンタイン。あまり切り詰めないようにね!』と、嫁からのメッセージが添えられていた。

 

「・・・フッ。」

 

承太郎はそのいびつなチョコを1つつまみ口に入れる。

そして、ゆっくりと味わい、

 

「・・・甘いな。」

 

と、呟いた。

承太郎ら9人の女神からのチョコと愛する家族からのチョコを眺めながら、ひっそりと微笑んだ。

 

to be continued…?


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