ジョジョの奇妙な冒険〜空条承太郎と9人の女神〜   作:ガリュウ432

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また新たなスタンド使いが現れます。
どうやら、相性の良い2人1組のスタンド使いのようです。
しばらくはバトル回が続きますが、μ'sが全員揃った後は日常回を多めにしようと思います。


5話 孤独な天国(ロンリーヘブン)恋の合図(ラブ・シグナル)

真姫を仲間にした承太郎と海未は、3人で部室に戻る。

部室には先程と何も変わらず、穂乃果とことりが帰り支度をしていた。

 

「・・・5時前。もうそんな時間だったのね。」

 

真姫が時計を見て呟く。昼からの半日で壮絶な事をこの5人は体験しているのだ。

 

「今日はひとまずみんな帰ることにしよう。だが、若しかしたら帰り道にほかのメンバーに出会うかもしれない。できるだけ固まって帰るぞ。」

 

承太郎からの提案を全員承諾する。μ'sの殆どはスタンドの扱い方を学んだとはいえ、戦いの経験は薄いし、ラブライブ予選も近いので怪我をする訳にも行かない。

 

ー帰り道ー

 

「そういえば承太郎さんはどこに住んでるんですか?」

 

穂乃果が承太郎に聞く。

 

「東京の実家近くの一軒家に住んでいる。そろそろ帰らないと心配するかもしれん。」

 

「心配?奥さんがですか?」

 

「いや、愛娘が、だな。」

 

承太郎が顔を輝かせて穂乃果の方を向く。

 

「む、娘さんですか?」

 

(いたんだ・・・。)

 

(いるのですね・・・。)

 

(いるものなのね。)

 

「前に似たような案件で日本に来る時に娘が『自分も行きたい』とゴネたことがあってな。」

 

「え、その時も・・・」

 

「ああ。しようがないから連れてきてやったさ。本当は嫁と留守番させるつもりだったが、子供の涙には勝てん・・・。」

 

(意外と子煩悩・・・。)

 

承太郎、見た目によらず子煩悩である。

 

(それに、過去に『徐倫に会った時』、未来の私が軽率な判断をして悲惨な目にあわせてしまっていたからな・・・。もう『あの神父』はあの時に倒したんだ。・・・もうこれ以上間違える訳にはいかない。幸せな時間を築いていかなければ。)

 

「承太郎さん?」

 

「ああ、すまない。まあ、そんなことがあって、なんの因果なのかそれ以降日本に来ることが多くなってな。だからついこの前日本に越してきたんだ。」

 

「・・・アグレッシブな家族ね。」

 

「まあ、あの二人にとっては旅行のようなものだからな。今日もたくさん東京を見て、また家に戻っているだろう。」

 

承太郎の娘と嫁の話をしながら帰る途中、聞き覚えのあるふたつの声が聞こえる。

 

「真姫ちゃん!先輩たちー!」

 

「あっ!この声は!!」

 

聞き覚えのある声に穂乃果は元気よく反応する。

 

「凛!花陽!大丈夫だったのね。」

 

同期である真姫が2人に話しかける。

1年生の星空凛と小泉花陽だ。

 

「まあね。みんなも無事だったかにゃ?」

 

「ええ。お蔭さまでね。2人は他の誰かに遭遇したりしてない?」

 

「いや、みてない・・・かな。遅くなるから、私たちも帰ろうと思ってて。」

 

花陽が質問に答えつつ、ここにいた理由も話す。

 

「これで、6、7人目の無事が確認できたわけだな。(残り3人・・・。すなわち、『3年生組』・・・だな。絢瀬はスタンドが判明している分戦いやすいが、残りの2人がわかっていない分少し怖いな。)私達は、先ほどまでスタンド使いに遭遇していてな。これ以上危険な目に遭う訳には行かないと固まって帰っているんだ。」

 

「ふえっ!?」

 

「えっ?」

 

「かよちん、空条さんにゃあ。数時間前に見たばかりにゃ。」

 

・・・フーム・・・。そうか・・・。高校生にはビビられるか・・・。

 

「あっ、ちょっとダメージ入ってる!?」

 

「ダメです承太郎さん!!気をしっかり持って!!」

 

穂乃果と海未がすかさずフォローに入る。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

承太郎は帰り道、自販機を見つける。

今日は半日で怒涛の出来事が起きた。6人も疲れているだろうから、ジュースでも買ってやろうと思い、自販機による。

 

「承太郎さん、どうかしました?」

 

「今日は6人とも疲れただろう。私が奢るから、好きな物を買ってやるさ。」

 

「ほんとですか!やったー!!」

 

スタンドを持っていても、行動の一つ一つは女子高生だな。

 

「・・・・・・。」

 

承太郎は全員の希望を聞き、順番に買っていこうとする。

財布から100円を取り出し、投入口に入れようとする

 

(・・・しかし、矢がまだ存在していたとは・・・。残骸とはいえ、スタンドを発現させる効果を持つ矢がまだ存在していることをSPW財団に伝えなくてはならんな・・・。)

 

そんなことを考えながら、投入しようとしたが案の定、手元がぶれ、フレームに当たり100円を落とす。

 

チャリーンッ・・・

 

「む・・・。」

 

承太郎は落とした100円を拾おうとする。

 

シュバァッ!!

 

「ッ!!」

 

ザシュゥッ

 

「ぐぅっ!?」

 

「承太郎さんっ!?」

 

突然として現れた何者かに承太郎は腕に斬撃を負わされる。

 

攻撃・・・!?だが、実態が掴めないッ・・・!

という事はッ!『敵スタンド』だ!!

・・・だが本体はっ!?

 

承太郎は周りを見渡すが、それらしき人物は見当たらない。

 

「・・・気の所為か?」

 

「承太郎さん、今の・・・!」

 

穂乃果が駆け寄ってくる。

 

「ああ。敵スタンドかもしれん。」

 

「・・・本体はどこへ?」

 

海未からの質問。だが、承太郎は首を横に振る。

 

「まだ掴めていない・・・!『遠隔操作型』のスタンドだッ!・・・しかし、遠隔操作型にもかかわらず、あのパワー・・・。本体は近くに居ると見ていいだろう・・・!」

 

「み、みんな何を・・・?」

 

「せ、先輩方、な、何をしてるにゃ?」

 

「小泉、星空ッ!そこから動くな!先程話したスタンド使いが近くにいる!君たちはスタンドを持っていない!動くのは危険だ!」

 

「・・・で、でも承太郎さん!このままだと私たち一網打尽にされちゃいます!」

 

ことりが怯えたように言う。周りを見張るべく、1箇所に固まっているのだが、これでは全滅しかねない。

 

「全員バラバラに分かれるんだ!同時に動き出すぞ!」

 

周りを見渡し、次の攻撃が来ないか確認する。

そして、安全が確認する出来たので、分散する。

 

「今だ動けッ・・・!?」

 

だが、体が動かない。いや、動けないのだ。強い磁石が地面に仕掛けられていて、足とくっついているかのように動けないのだ。

 

「くっ・・・!!」

 

「花陽ちゃん!!無事!?」

 

「・・・ええ。無事ですよ。でも、いまは自分の身の心配をした方がいいですよ。穂乃果ちゃん。」

 

「な・・・。」

 

「まさか・・・!」

 

「小泉・・・。お前・・・!!」

 

「・・・ええ。ご察しの通りです。私の孤独な天国(ロンリーヘブン)からは逃れられない。・・・空条さん。・・・貴方を、殺させていただきます。」

 

ぐ・・・。ここから動けないことにはどのような攻撃を仕掛けられるかわからない。

・・・いや、だが・・・。なぜ『小泉は攻撃してこない』?

我々を一点に拘束した時点で全滅できるはず。

時を止めても、ほかの4人に危害が加わったあとでは遅い。

・・・まさか・・・。

 

「・・・攻撃できない・・・のか?」

 

「空条さん・・・。前情報と同じ・・・。あなたはやはり侮れない。その通りです。ロンリーヘブンは攻撃力を持ちません。・・・でも、別に『私がトドメを刺す必要はない。』」

 

「・・・やはり、そうか。」

 

「凛・・・!あなたまで!!」

 

花陽の隣には、花陽と同じような、ドス黒いオーラを発している凛が立っていた。

 

「・・・わたしからはいつでも攻撃できるにゃ。・・・誰からでも・・・にゃ。2人で1組。私達は相性がいい。それはスタンドも例外ではないにゃ。」

 

・・・まずい。まずこの拘束から抜け出さねばならない・・・が、やはりこの集団から抜けることが出来ない。・・・スタンドも同様のようだ。

ふと、足元を見ると小石が転がっていたが、その転がり方が不自然なのだ。全てふたつで1組などの複数で固まっていたのだ。

 

「まさか・・・。」

 

承太郎はバレないように、スタープラチナの拳の飾りを2ついっぺんに転がす。

 

コロコロ・・・

カチンッ

 

するとどうだろう。承太郎達が集まっている場所から意図も容易く脱出し、また離れたところで固まったのだ。

 

ガシィッ

 

「え・・・!ちょ、ちょっと!!」

 

承太郎はすぐ隣にいた真姫の腕を掴み、1歩を出す。

 

「・・・やはりな。」

 

「こ、拘束が解けたッ!!?」

 

「・・・もう、見破ったのですか・・・。」

 

「端から我々は、拘束と言われるほど行動を縛られてはなかったようだ。複数の物や人を1点に集めるスタンドといったところか。だが、そこ集めた1点からは、2人以上で一緒に行動すれば簡単に抜け出せるようだな。」

 

「さすがですね・・・。でも、『合図は出してはダメでしたね。』」

 

「・・・さっきのあなたの音・・・しっかりと『合図(シグナル)』にさせてもらったにゃ。」

 

「・・・音・・・?(!!まさかッ!!さっき拳の弾丸を転がして、固まった時のあの音ッ!!)」

 

「音は・・・、私の攻撃源にゃッ!!!恋の合図(ラブ・シグナル)ッ!!!!!」

 

そうさけぶと、地面から先程承太郎を攻撃したスタンドが承太郎の腹を貫かんと、飛び出してきた!

承太郎はスタープラチナでなんとか受け止めるが、パワーが大きく吹き飛ばされてしまう。

 

「ぐうっ・・・!」

 

「きゃあっ!?」

 

承太郎と真姫は同時に吹っ飛ぶ。

 

「承太郎さん!!真姫ちゃん!!」

 

ことりが2人が吹き飛び、驚嘆の声を上げる。

 

「!!まずいッ・・・!」

 

承太郎は隣にいる真姫を抱き寄せる。

ロンリーヘブンの能力のせいで、承太郎が吹き飛ぶと真姫も同じ勢いで承太郎に合わせて飛ぶからだ。

地面に直接激突しないよう体制を変える。

 

「・・・ぐ・・・。なんとか、なったか。真姫!大丈夫か!?」

 

傷は入ってないが気を失っているようだ。

 

「空条さん。どうするつもりで?気を失った真姫ちゃんを抱えて戦うには辛いですよね?」

 

花陽が妖艶な笑みを浮かべ、承太郎につめよる。

 

「海未!真姫を!」

 

「構いませんが・・・!私の未来の花(フューチャーフラワー)は限界が・・・!」

 

「大丈夫だ!気が戻るまででいい!君のスタンドには復元能力もある!」

 

「そうでした・・・!すみません・・・真姫!少しの辛抱を・・・!」

 

海未は真姫をフューチャーフラワーのホールで飲み込む。

フューチャーフラワーの能力で真姫を気を失う前に《復元》するのだ。

そして、承太郎は真姫がこの場からいなくなったことで独立した・・・。というわけではなかった。

 

「・・・人は孤独には耐えられないんですよ?」

 

「独立したのは判断ミスだにゃ。」

 

そう凛が呟いた直後、承太郎の体が傾く。

そして、海未と穂乃果とことりの方向にものすごい速度で突っ込んで行ったのだ!!

 

「うおおおおおおおおおおおおおお!?」

 

「ロンリーヘブンの能力が発動している間は孤独でいることは許されない。孤独になったものは、集団を求め、《高速で移動する!》」

 

「ちょ!?承太郎さん!?」

 

「ダメだよ承太郎さん!!その速度で、その体格で突っ込まれると私たちまで吹っ飛んじゃうよ!!」

 

「穂乃果!ノーブランドガールズを!!」

 

海未が穂乃果にノーブランドガールズの能力の発動を促す。

 

「ッ!そうか!海未ちゃん、有難うッ!肩書きのない少女(ノーブランドガールズ)ッ!」

 

ピタアッ

 

「と、とめ・・・た!?」

 

「嘘・・・!?」

 

花陽と凛が驚く。

 

「ノーブランドガールズで、ここで止まるように導いたんだよ。この距離であれば、少し移動する程度になるでしょ?」

 

承太郎が体制を戻し、穂乃果と海未の傍に自動的に移動する。

 

「ありゃりゃ。あまり意味ない感じだったにゃ。」

 

「あれで全員気でも失ってくれればよかったんですけどね。まあ、気にする差でもないね、凛ちゃん。」

 

「そうだよね、かよちん。」

 

2人は、予定通りに行かなかったことに焦りを示すわけでもなく、4人を静かに見つめる。

 

「じ、承太郎さん・・・。」

 

不安そうな声でことりは承太郎を見つめる。

 

「・・・2人を倒すには花陽のスタンドの能力上、『1人の相手に複数人で相手しなければならない』・・・。我々は今、4人だ。だが、海未は能力を発動すると真姫を解放してしまう。それは危険だ。真姫にもこれ以上負担をかける訳には行かない・・・。」

 

「…ほ、他に策が・・・。」

 

「ああ・・・。あるにはある。やはり、1人ずつ叩くよりも・・・、一網打尽にするしかない。」

 

「「!!」」

 

(・・・あの2人の位置関係が変わっていないということは・・・。やはり、そういうことなのかもしれんな。)

 

to be continued…




承太郎が口にした作戦。それは固まってでしか行動できない以上、1人ずつ倒していくのではなく一網打尽にするという作戦だった。それが可能な理由を承太郎は掴んでいるようだが・・・。

「的は大きくても、攻撃がひとつならッ!」

「不可思議なる境の攻撃が・・・!?」

「それがわかったという事実があればいい。」

「私とかよちんのコンビに、弱点はないにゃ!」

「・・・それを思うのはあなただけのようですね。」

「例外ではない、ということだ。」


第6話 孤独な天国と恋の合図 その2


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
《Chara File》
Master Name:星空凛
Stand Name:恋の合図《ラブ・シグナル》
破壊力B
スピードA
射程距離A
持続力D
精密動作性C
成長性C
能力:標的が発した音を合図に攻撃する
解説:遠隔操作型のスタンドなのだが、近距離パワー型とほぼ同じパワーを持つ。標的を決め、基本的には壁や地面に潜み、その標的自身が発した音、もしくは標的によって別の物が発した音を合図にし、行動を起こす。音がなり続ける限り攻撃できるため、反響する場所では非常に強い。なお、ある程度凛自身でスタンド本体を操作して攻撃できるが、相手が音を発していない状態で外に出てしまうと直ぐに衰弱してしまい、潜むこともままならなくなる。

μ'sのメンバーで1年生。運動神経抜群で語尾に『にゃ』をつけて話すことが多い。

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