ジョジョの奇妙な冒険〜空条承太郎と9人の女神〜   作:ガリュウ432

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7話です。
前回の頭にちらっと5部キャラが出演しましたが、彼らが本編に出るのはもう少し先です。そして、承太郎たちの前にはついに、3年生組のひとりが立ちはだかります。


7話 メイデン・スタイル・ラブ・スクール その1

凛と花陽の手当を終え、承太郎たちは再び帰路へ戻る。

その前に承太郎はOWSONへとより、ジュースを6本とコーヒーを1本買って出てきた。

 

「自販機で買うつもりだったが、有耶無耶になったからな。1人1本取るといい。」

 

穂乃果達は嬉しそうにお礼を言う。

正直いって、戦闘で動きまくっていたので喉はカラカラだったのだ。

 

「ぷはー!身体にしみ渡るぅー!!!」

 

「穂乃果、おじさんっぽいですよ。」

 

面白い反応をするものだ。

 

「承太郎さんは、明日どうするの?」

 

「勿論明日も音ノ木坂に行くつもりだ。残りの3人を元に戻さないと、学校にも支障が出るだろう。問題は早いうちに無くさないとな。」

 

「にこちゃん・・・、希ちゃん・・・。・・・絵里ちゃん。」

 

3人のことを考えると、少し気が落ち込んでしまう。

ことりは心配そうに3人の名を言う。

 

「・・・弱気になっちゃダメにゃ!!みんな、私たちのことを戻してくれたんだから!3人も元に戻るにゃ!!」

 

「・・・そうだよ!!承太郎さん!よろしくお願いします!!」

 

「ああ。当たり前だ。」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

しばらく歩き、ほかの6人とは道が分かれたので、ここで挨拶を交わす。

 

「じゃあ、また明日。」

 

「はい!さよならー!!」

 

「「「「「さよならー!!」」」」」

 

一人で歩きながら、考える。

・・・やはり、財団の考えた通りだったか。しかし、どこから矢が流出したと言うんだ・・・?矢は俺が1本、パッショーネで2本・・・。これだけのハズ・・・。いや、我々が知らないだけで、その前に誰かが発掘済みだったのか・・・?

いや、これ以上は考えても仕方が無い。

・・・ひとまずは家でゆっくりしよう。

 

承太郎はそんなことを考えながら、玄関を開ける。

 

「パパ!おかえり!!」

 

「おかえりなさい、あなた!」

 

「ぬぉっ!?」

 

玄関を開けた途端、承太郎は娘と妻に抱きつかれる。

 

「・・・やれやれだぜ。ただいま。」

 

承太郎は困ったように微笑みながら抱き返す。

そして、直ぐに引き離しコートをコート掛けにかける。

そして、リビングのソファに座る。

 

「今日は何処へ?」

 

「出る前に言っておけばよかったな。すぐそこの高校に行っていた。暫くはその高校で厄介になる予定だ。」

 

「すぐそこの・・・、あ、ひょっとして音ノ木坂!?」

ー空条エマー

承太郎の妻。スタンド使いでもない、普通の一般人。最近、承太郎と娘と共に日本に引っ越してきた。

 

ーーーーー

 

「ほんと!?パパそこにお仕事いってたの!?」

ー空条徐倫ー

承太郎の娘。スタンド使いではない。パパっ子である。ママっ子でもある。どっちも好き。

 

「ああ。・・・とはいっても、本格的に授業するのは来週からだが・・・。」

 

「音ノ木坂って言えばμ'sがいる高校じゃん。いいなーパパ。」

 

「・・・そうはいっても仕事だからな。」

 

「・・・パパ怖がられそうだしね。」

 

・・・さすがだな我が娘。俺が花陽に怖がられていたことを偶然とはいえ見抜くとは。

 

「・・・図星だった?」

 

「仕方ないのよ。この人は怖い顔だけど優しい人なんだから。音ノ木坂の子達も分かってくれるわよ。」

 

「仕方ないとは・・・。」

 

「事実だし仕方ないでしょ。もうすぐご飯できるから、先に入ってきたら?」

 

「そうするよ。」

 

そう言いながら俺が立って風呂場に向かう。その後ろを徐倫が着いてくる。

なんてことない、いつもの日常だ。この家庭も私が守っていかなくては。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

風呂と飯を済ませ、徐倫を寝かせた後、自室に戻る。

ちなみに作業を行う自室と寝室は別。エマと徐倫曰く、自室にベッドや布団を用意すると俺が篭もりきりになるからだとか。

・・・あながち間違いではない。

 

「・・・一先ず、現時点でのスタンド使いの情報を送っておくとしよう。」

 

パソコンを開き、現時点での事を話すべく、財団の人間にビデオ通話をかける。その先は――

 

 

花京院典明。俺が高校生のとき、DIOを倒す旅に出た際の仲間だ。・・・DIOから致命傷を受けたが、スタープラチナ・ザ・ワールド・オーバーヘブンの能力のお陰で生存させることが出来た。アヴドゥルもイギーも同様だ。イギーは元の生活に、アヴドゥルは財団にも協力しつつ占いの家業に。そして、花京院は研究員として、財団に勤めている。

 

Trrrrrr....

 

「もしもし?」

 

「済まないな突然。今、構わないか?」

 

「もちろんさ、承太郎。ところで、音ノ木坂の調査はどうだった?」

 

「財団の考えの通りだった。μ'sの9人はスタンドを持っていたよ。」

 

「・・・やはりそうか。今のところ危険性は?」

 

「・・・彼女たちには無い。」

 

「・・・つまり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ということだね?」

 

さすが花京院だ。俺の予想をズバリと当てた。

 

「その通りだ。何者かが、彼女たちを操って、混乱に陥れようとしている。・・・が、彼女たちはスクールアイドルだ。スタンドを持っているとはいえ、な。なんとか、その第三者を突き止めて、倒す事が今回の最終的な仕事になるだろう。」

 

「・・・とはいえ、操るということは彼女達も君の前に立ちはだかったのだろう?どう対処したんだい?」

 

「体に傷をつけるようなことはしていない。・・・が、油断すれば此方が死にかねんスタンド能力を彼女たちは持っている。相手のスタンドの穴を突くようにして、できる限り傷つけないようにしている。」

 

「聞く限り無理難題のようだけど・・・、ま、君なら出来るだろうね。というか、やり遂げてるんだろうな。」

 

「まあ、な。それでだが、花京院。」

 

「なんだ?」

 

「財団側でその第三者になりかねない人間を洗い出してほしい。俺が今持つ情報には当てはまる人間が居ない。」

 

「・・・構わないが、そいつがスタンド使いかどうかまで調べあげるには多少の時間がかかるぞ?」

 

「構わない。ひとまずの仕事はスクールアイドルの暴走の沈静化とスタンドの使い方の享受だからな。それが済んでからでも構わない。可能性がありそうな人間のデータを送ってほしい。」

 

「分かった。怪しい人間はこっちで洗っておくよ。承太郎の方も頼んだよ。」

 

「ああ。」

 

・・・今日はもう寝よう。少し無理をしたような気もする。

だが、迅速な対応が求められている今は、多少無理をしてでも彼女たちの沈静化に向かった方がいいだろう。

 

「あら、あなた、仕事はもう終わり?」

 

「ああ。あまり詰めるのも良くないからな。今日はもう寝ることにする。」

 

「・・・あまり、無理しちゃダメよ。」

 

「・・・分かってる。お前たちに心配はかけさせない。」

 

「ふふっ、ありがと。」

 

――――――――――――――――――――――――――

 

翌日の昼頃、テストが終わった頃だ。さて、今日も音ノ木坂に向かうとしよう。

・・・しかし、学校前のこの階段は昨日ぶりだが見るとしんどい。上るのもそれこそしんどいが・・・。

 

(・・・?なにか学校が騒がしいな・・・?)

 

「じょ、承太郎さぁーん!!た、助けてぇぇー!!!」

 

「な、なんなのよコレぇ!!!」

 

な・・・!?μ'sの6人が・・・、逃げ惑っている!?

 

「どうした!?敵スタンドか!?」

 

「い、いえ・・・、そうかもしれないし・・・、そうじゃないかもしれないし・・・。」

 

目の前で息を切らしながら海未が説明する。

 

「・・・まるで意味がわからんぞ。」

 

「で、ですから・・・、あっ!?ま、また来たァ!?すみません承太郎さん!また後で!!」

 

そういい、海未は再び走り去っていった。

が、その直後、承太郎の右側から轟音が聞こえる。

 

(な、何かがこちらに来ている・・・!!)

 

敵の攻撃かと思ったら違う。

 

「「園田さーん!!!」」

 

「「「海未さーーーん!!!!」」」

 

・・・音ノ木坂の生徒・・・!?数十人が海未を追っていたぞ・・・!?

あれもスタンドの能力によるものなのか・・・!?

すると、自分のスマホが鳴る。穂乃果だ。

 

「穂乃果!大丈夫か?」

 

『え、ええ・・・。はぁ・・・、はぁ・・・。し、死ぬかと思った・・・。』

 

「一体何があったんだ?」

 

『わ、分からないです。学校に来て、テスト終わって、部室でみんなでくつろいでたら急にクラスのみんなが来て・・・。な、何とか窓から逃げ出せたんですけど・・・。』

 

「・・・恐らく、それも敵スタンドの仕業だ。生徒たちから危害の危険性は?」

 

『・・・それが、無いんです。ことりちゃんは1人に追いつかれましたけど、サインを求められただけだって・・・。』

 

・・・?相手のスタンドの能力が掴めないな。何がしたいんだ・・・?

 

『ですが、サインを書いた後にその人以外の追跡が激しくなったみたいで・・・。』

 

「それだったら、やはり今の彼女達に関わるのは良くないだろう。幸い、誰からも何も無いようだから、校内を探索してみよう。穂乃果たちはどこかに身を隠してくれ。危害を加えない程度なら、スタンドも使って構わない。」

 

『わ、分かりました!頑張ります!』

 

そういい、穂乃果との通話を切る。

しかし、校内のあちこちから喧騒が聞こえるな・・・。

 

「ドウイウコトニャー!!」「ダレカタスケテー!!」

 

ちょっと待ってろ。

・・・だがあまり時間をかけるとμ'sの子達に負担をかけそうだ。はやくスタンド使いを見つけよう。

・・・候補としては、東條か矢澤・・・。絢瀬は無いだろう。アイツのスタンド能力は把握している。一度部室に向かうとしよう。

 

――――――――――――――――――――――――――

 

―スクールアイドル研究部部室―

 

「・・・鍵は開いているな・・・。」

 

それに、人影も見える。・・・誰かいるようだ。

少しだけ扉を開き、様子を見る。

 

「・・・どうしようかしらね、この男は。コイツだけ条件が揃ってないのよ・・・!これじゃ能力を発動できないじゃない・・・!」

 

あれは・・・、矢澤?

手にはノートを持っているようだが・・・。あれが彼女のスタンドか?

 

「・・・!誰!?」

 

「・・・見つかったか。」

 

「く、空条承太郎・・・!」

 

「それが、君のスタンドか?」

 

「・・・まあね。これが私のスタンドよ。」

 

「学校の生徒たちがああなっているのも、君が操っているからか?」

 

この質問に対し、矢澤は不敵に笑う。

 

「操る?ふふっ、少し違うわ。私はただ、このスタンドで『好き』という気持ちを表に出してあげただけ。どんな感情よりも、どんな理性よりも、表に出してあげたの。好きが故の暴走ってとこかしら。」

 

好きを表に・・・!?

どんな理性よりも・・・、だと?

・・・たしかに、人の『愛情』、『愛着』という感情はどこかタガが外れるだけでおかしな方向に向かってしまう・・・。それを誘発させるスタンドだと言うのか?

 

「・・・私のスタンド、『メイデン・スタイル・ラブ・スクール』は好きという気持ちのブレーキを外してあげるの。そして、その好きという感情はときには・・・。」

 

 

 

 

 

「『狂気(凶器)』になるものなのよ。」

 

 

 

 

 

To be continued...




部室にたどり着いた承太郎。そこに待ち受けていたのは、3年生組の1人、矢澤にこだった。彼女も正気ではなく、スタンドを持っており、明確な敵意を持っていた。
・・・だが、彼女のスタンドは、操るという訳ではなく、その個人の好きという気持ちを暴走させて、μ'sを混乱に陥れているのだという。承太郎はその、攻撃とも言えるような言えないような、実態の掴めないスタンドに頭を抱えるが・・・。

8話 メイデン・スタイル・ラブ・スクール その2

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