年下好きな早苗さんに義弟ができる話   作:かくてる

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マジですみません。

ほんとすみません。

ここからスピードあげたいと思っています


9話 クリスマスイベント

「有原くん!」

 

 赤い髪の少女は涙目になって梁くんの元へ駆け寄って行く。

 

「お、乙島(おとじま)さん……」

「有原くん……どうしていなくなったの?」

「そ、それは……」

 

 私は梁くんとこの子の会話に入るべきではないと判断し、少しだけ梁くんから距離を取って、話を聞いていた。

 

「ちょっとした用事があって……ごめん……」

「それなら、一言言ってくれても良かったじゃない!」

「……ごめん……」

「さっきから謝ってばかりで…………」

 

 赤毛の女の子は、涙を流しながら、梁くんに怒っていた。梁くんは顔を下に向けていたので、どんな顔をしているかは分からなかった。

 

「……今は何も言えないんだ…………じゃあ、またね」

 

 梁くんはいつもよりも冷ややかな声で女の子を一蹴し、踵を返してスタスタと歩き始めた。

 

「ま、待ってよ有原くん!」

「……頼むから、今はやめてほしい……」

 

 そう言うと、女の子も引き下がらざるを得なかったみたいで、それ以上は梁くんに何も言わなかった。そして、女の子の方も腕で涙を拭うと、反対方向を向いてどこかへ行ってしまった。

 私はスタスタも歩く梁くんの方へと走り、事情を聞く。

 

「梁くん、今の子は?」

「……うちの隣の人……の、娘さん。乙島美耶子(みやこ)っていう……僕の幼馴染」

「そう……なんだ…………」

 

 梁くんの顔を見る、その顔は今までにない悲しみの表情が浮かび出ていた。

 これ以上聞くべきではないと、私の直感が語る。私はそれ以上、何も聞かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さってと、ごめんね姉さん。少し暗くなっちゃって」

 

 少し歩くと、梁くんは大きく背伸びをして私に謝った。どうやら、今のことを無かったことにして、切り替えたみたいだ。

 

「ううん、私は大丈夫だよ。でも、いつかちゃんと向き合うべきだよ」

「……分かってる。きっと、避けることは出来ないからね」

「分かればいいよ。さてさて、次は何する?」

 

 私も切り替え、クリスマス気分になっていく。せっかく梁くんと2人きりで出かけられたんだ。楽しまなきゃ損だろう。

 

「さっき言ってたくじ引きやろうよ。姉さん運だけ無駄にいいから、何か当たるかもよ?」

「無駄には余計だよ……」

 

 私は少し肩を落としながらも、くじ引きと書いてある屋台の方へと足を運んだ。

 すると、そこにはタオルを巻き、気前の良さそうなおじさんがベルを持って待機していた。

 

「おう! 姉ちゃんべっぴんさんだな!」

 

 開口一番、私のことを褒めてくれたので、素直に喜んでしまう。

 

「あらやだっ、べっぴんさんだなんて……」

 

 自然と口元が緩んでしまい、照れてしまう。その時の梁くんの顔は多分ムッとしていた。

 

「この後、一緒に飲まねぇかい? 今日のくじ引きで沢山お金はあるんだよ!」

「お、お酒ですか……」

 

 少し威圧感のある店主さんなので、私は押され気味になってしまう。そして、どう断ろうかと悩んでいると私の前に梁くんが足を踏み出した。

 

「姉さんは僕の連れです。勝手に決めないでください」

「……っ」

「………………ほぉ……」

 

 明らかに力の差もあるおじさんを前に梁くんは怖気づくこともなく、鋭い目で睨みつけていた。

 

「ははっ!冗談だよ!姉ちゃん、かっけぇ弟連れてんじゃねぇか!」

「……ええ、全くです」

 

 何となくおじさんの会話に反応する。その時、私の顔は真っ赤だったと思う、今にも爆発するんじゃないかと思うくらい顔が熱い。

 

「おしっ、じゃあ回しな!」

 

 おじさんは私の前にガラガラを差し出す。そして私はそれを一回転、二回転ほど行うと六角形の一辺の穴から赤色の玉が飛び出した。それを見たおじさんはすぐさまベルを持った。

 

「……大当たり!! 一等!」

「えっ、あっ、えっ?」

 

 わたわたと慌てている私を横目に見て、梁くんは一等の景品を見る。

 

「温泉旅行ペアチケット! おうおう、2人で行ってきな!」

「お、温泉っ……」

 

 ぴょんぴょんと跳ね、喜ぶ私の隣で小さなガッツポーズをしている梁くん。素直に嬉しいし、ココ最近遠出なんてしていないから、こういったもので行けるのは本当に嬉しかった。

 

「梁くん!」

「ほ、ほんとに運いいね……」

 

 ココ最近、奇跡をあまり使っていないが、能力が体に染み付いて幸運体質になってしまっているんだろう。

 

「ふっふん! 伊達に無駄に運がいい人をやってないわよ!」

「……それ、自慢出来ることなんだ?」

 

 誇らしげに高笑いする私を見て、梁くんはただ苦笑いをするしか無かった。

 

「おうおう、姉ちゃん!これ持ってきな!」

 

 そう言って、おじさんからそれらしきチケットを貰い、私達は同時に頭を下げた。

 

「クリスマスに良いもの引けたねっ」

「そうだね、お正月くらいに行く?」

 

 ペアチケットだし、2人で当てたのだから梁くんと行きたい。諏訪子様や神奈子様には悪いが、恐らく気を使わせてしまうだけなので、黙っておくことにしよう。

 私は梁くんと2人きりで遊びに行ける機会を設けられて、見えないようにガッツポーズをして、温泉チケットをギュッと抱きしめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そのまま色々な食べ物巡りをして、なるべく妖怪には会わないようにして、人里を回っていた。

 楽しい時間も割とあっという間で、人里を一周する頃にはもう短い針が十を過ぎていた。

 

「そろそろ帰ろうか、梁くん」

「そうだね」

 

 ほぼ人気のない人里の外れ。街灯も少なく気味の悪い薄暗さが少し恐怖を煽る場所だ。

 

「んーっ!楽しかったね、色んな人と話せたし、食べれたし」

「食べたのは八割姉さんだけどね」

「べ、別腹だもんっ」

「だからそれデザートの時言うやつだから、姉さんが食べてたのほとんどお肉だけど?」

「い、いいのっ」

 

 食欲には勝てん。それは男も女も変わらないことだ。お腹が空けば沢山食べたいし、それが全て美味しいものであると願いたい。

 

「はぁ……それにしても疲れたなぁ……」

「人里一周するだけでも十分な距離だもんねぇ……」

「早く帰って、お風呂入って寝よぅ……」

 

 眠い目をこする梁くん可愛い。

 私はそんな邪な思いを抱きつつも、我慢して守矢神社への帰路を辿る。しかし、ここの人里から守矢神社へ続く道も少し距離があって、個人的にあまり好きな道では無いのだ。

 

「あれ……ここ……」

 

 唐突に、梁くんが立ち止まった。

 

「梁くん?」

「…………」

「どうしたの?」

「……………………」

 

 梁くんはこの道を見渡しながら何かを思い出そうとしていた。嫌な予感がした私は梁くんの肩を掴んだ。

 

「梁くん! やめなって!」

「っ!……ご、ごめん姉さん……」

 

 梁くんは全身から汗をかいているようだ。冬の季節にここまで汗をかくというのは珍しい。何か嫌な考え事をしていたんだろう。

 

「……この道……お姉ちゃんが妖怪に食べられた場所なんだ」

 

 我に戻った梁くんは落ち着いたまま話し始めた。

 

「……ここで……」

「だから僕は……この道を走って守矢神社に……」

 

 梁くんは顔を顰め、手を握りしめた。梁くんの義眼が少し動く。持ち主の感情によって動く義眼なので、今梁くんは大きな怒りに駆られているということだ。

 それを察知した私は梁くんの手を握る。

 

「っ……姉さん……」

「ダメ。怒りに体を任せてはいけない。どれだけ妖怪を恨んでいても、怒りだけを原動力にすると、それは必ず自分を不幸にする」

「…………うん……」

 

 私は梁くんを宥めた。梁くんは他の子供に比べ、物分りが良く、心は大人に近づいているので、素直に受け止めてくれる。

 

「…………じゃ、帰ろうか、梁くん」

「……」

「梁くん?」

 

 返事がないので、私は梁くんの方を見る。すると、梁くんは目を閉じて、寝息を立てていた。

 今日は色々あって、疲れたのだろう。幼馴染みに会って、クリスマスだから色々歩き回って……。

 心がどれだけ大人でも、体はまだ幼いんだ。

 

「こんな時こそ、お姉さんの出番だよね」

 

 私は身を屈め、梁くんをおんぶする。まだまだ軽い梁くんの体を持ち上げて、私はゆっくりと守矢神社に帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 朝日が僕の肉眼に直接当たる。

 

「んっ……」

 

 朝だ。昨日、僕はどこかで寝てしまったんだろう。姉さんには申し訳ないことをしたと思う。

 

「ふぁ…………朝ごはん作らな────」

 

 僕の思考は数秒固まる。目を開けて、ボヤけから開放された僕は自分のベッドを見る。するとそこには「僕以外のもう一人が寝ていた」。

 

「…………姉さん?」

「すぅ…………んぅー……」

 

 僕と向かい合わせるように姉さんが寝ていた。毎回思うが姉さんの寝巻きってどうしてこんなにも際どいのだろうか、下着と何ら変わりないだろう。冬なのによく風邪ひかないな。

 

「……姉さーん、起きてっ」

「……ふみゅぅ…………れいくぅん……」

「ちょ、姉さ……おわぁ!?」

 

 寝ぼけているのか、姉さんは的確に体を起こした僕の腕をつかみ、自分の胸に引き寄せた。

 

「んー、ふふ……梁くんあったかぁい……」

「わっぷ……ね、ねえざ……ぐるじ……」

 

 姉さんの胸の谷間に顔を埋められ、全く息が出来なくなる。まずい。息が出来なさすぎて死にそうだ。

 ジタバタと暴れるがさすが現人神、力はやはり強く、引き剥がすことが出来ない。

 それになんと言っても、一番キツイのは「素肌であること」だ。子どもとは言っても、僕も男だ。意識せずにはいられない。

 

「……やばいって……姉さん! おぎでぇ……」

「……んぅ? …………あっ、梁くん…………おはよぉ……」

 

 一瞬だけ、力が緩まる。僕はその瞬間を見逃さず、直ぐに脱出することが出来た。

 

「はぁ……はぁ……姉さん……どうして僕の布団で寝てるのさ……」

「昨日梁くんをベッドに寝かせた時に……あまりにも気持ち良さそうだったから……」

「……ま、まぁ、その件に関してはありがとう…………でも、わざわざ僕の布団で寝ることないでしょ……」

「最近、梁くんと寝れてないんだもぉん……」

 

 まだ寝ぼけているのかと思いきや、思い切りシラフの状態だった。僕は呆れるように額に目を当てる。

 

「ま、いいクリスマスプレゼントだったでしょ?」

 

 姉さんはそう言いながら、胸元をチラリとめくる。乳が見えそうで見えないくらいのラインを攻めてきていて、僕は思わず顔を背ける。

 

「クリスマスプレゼントって……」

「……いらなかった?」

「…………いやまぁ……悪くないけど……」

 

 結局、僕も男だ。こうされて嬉しくない奴はいないだろう。

 僕は顔を赤らめながらも、正直に言ってしまった。姉さんはそれを聞き、満面の笑みを浮かべた。

 

「……可愛い……」

「うるさい……さ、朝ごはん作るから、姉さんも早く着替えてね!」

 

 僕は踵を返して、台所へと向かった。扉を開けて、閉める。そのまま戸にもたれかかり、大きく深呼吸をした。

 

「はぁ…………」

 

 姉さんのあの誘惑に勝てるのか……僕は……。

 毎回あんなことをされる度に思ってしまう。けど、姉さんは僕の「家族」だ。間違いを起こしてはいけないし、僕は心に決めた人とそういうことをしたい。姉さんが嫌な訳では無いが、もう少し考えたいと思っている。姉さんと結婚するという話になれば別だが、それはまだ先の話だ。

 

「姉さんと結婚…………か……」

 

 考えたこともない。姉さんと僕は八つほど離れているのだ。恋人になるとしても年の差がありすぎるだろう。

 

「……まぁ、今は考えても仕方ないか……」

 

 僕はそう解決させて、台所へ再び歩き出した。

 

最終的には?

  • 早苗さんと幸せルート
  • 梁くん独り立ちルート
  • 早苗さんとイチャイチャルート
  • もしかしたら鈴仙と幸せルート
  • 諏訪子、もしくは霊夢と幸せルート
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