アインズ様がシモベ達とイチャイチャする話。   作:らるらるはまて

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今回マジで原作クラッシャーです。
オーバーロードの一期を見直して宝物殿でアルベドが泣くシーンを見た主が大人びた女の子が静かに涙を流すシーン良いな、と思って書いたものです。今回今までで一番設定ガバガバな感じがします。ソリュシャンってそもそも寝るのか、とかね。
それでも良いと言う方のみご閲覧ください。


ソリュシャンに添い寝する話。

「褒美、でございますか?」

 

「そうだ。お前は王都で重要な働きをしてくれたからな。結果的にセバスが裏切っていなかったとはいえ、深刻な事態に発展する前にその芽を摘んだお前の働きは報酬を与えるに相応しいものだ。」

 

 

王都での一件。セバスがツアレを八本指の下部組織から無理矢理救出したことによってアインズの意に反して八本指と対立する事になってしまった際、ソリュシャンはこれをナザリックに対する叛逆と判断し、アインズに報告した。

 

勿論セバスがアインズを裏切る筈もなく、セバスとしては己の造物主であるたっち・みーの信念とする正義に基づいて行動しただけであり、その事をアインズは寧ろ嬉しく思っていたが、それでも自分の直属の上司であるセバスからこの事に関してアインズへの連絡は不要である、と言われていたにも関わらずそれに背いてしっかりとナザリックを第一に考え行動したソリュシャンに対しては然るべき褒美を与えるべきだろう、とアインズは考えていた。

 

 

「ナザリックに尽くす以上の褒美などある筈もございませんがーーそうですね。今回に至っては細やかなお願いがあるのですが…。」

 

ほう。とアインズは関心する。

ナザリックのシモベ達に褒美関連の話をするとほぼ確実に前述のようなやりとりーーナザリックに尽くす事こそ至上の喜びであり、褒美など頂いては失礼に当たるーーが発生するのだが、やはりソリュシャンは優秀である。実際、デミウルゴスやアルベド、パンドラズアクターの様にそうあれと想像されたシモベを除けばソリュシャンは他と比べて群を抜いて柔軟な考えができる。その一部でももう一人の三女に分けてあげられれば冒険者稼業も楽になるのだがな、とアインズは苦笑する。

 

「ああ、構わない。では何か決まったら私の部屋に来るように。」

 

「畏まりました。では失礼します。」

 

今回の件に関して、アインズはソリュシャンに褒美として何を渡したらいいのか全くと言って良いほど思いつかなかった。きっと何を渡してもソリュシャンは喜ぶだろう。だが褒美というからには本人が本当に欲しいものを渡すべきだ、とアインズは考えた。そこでソリュシャンを呼び出して何が褒美として好ましいか質問をしていたのである。

 

(これがコキュートスとかなら武人建御雷さんの刀を渡してやるだけで良いんだが…女性だと想像するのが難しいよなあ。俺童貞だしなあ。)

 

アインズはソリュシャンの趣味趣向など全く知らない。故に何を求められるのかと、ソリュシャンの内面を知れることが少し楽しみでもあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アインズ様。ソリュシャン様が面会を求められています。」

 

「良かろう。通せ。」

 

あれから1日、想像していたよりもずっと早くソリュシャンがやってきた。

 

「……?どうした、ソリュシャン?」

 

心なしかソリュシャンの顔がいつもより赤い気がする。それになんだか瞳が動くとき情痴のような可憐ななまめきがちらついている。どうにも様子がおかしい。

 

「……っ!失礼しました。」

 

そう言った途端、いつもと同じ様子に戻る。

 

「体調でも悪いのか?お前には普段から沢山仕事をしてもらっているし少しなら休んでも構わないぞ?」

 

「いえ!そういう訳ではありません。今日は先日の報酬の件をお話しさせて頂きたく参上した次第でございます。」

 

「良かろう、言ってみろ。サービスで何でも聞いてやろう。」

 

「はい。それにつきましては、アインズ様にご確認して頂きたいモノがあるのですが…。」

 

そう言ってソリュシャンはポケットから一枚の紙切れを取り出す。

 

「ふむ。……!?こ、これは…!」

 

そこには「アインズ様と添い寝券♡」という文字がつらつらと書き連ねられていた。

 

これは少し前のこと。ナザリックに給金システムを導入しようとしたアインズが守護者達から意見を募ろうとし、その意を深読みしたデミウルゴスとアルベドによって開催された第一回好き好きアインズ様ナザリック守護者記念大オークションの景品の一部である。

 

「私は今回の褒美として、此方を頂きたいと思っております。」

 

「………他には?本当にこれでいいのか…?」

 

「はい。他にも候補があって迷っていたのですが……」

 

ソリュシャンが豊満な胸を縮こまらせて借り猫のようなおとなしさで主張する。

 

「……その候補とはなんだ?聞かせてくれないか?」

 

(なぜこれをソリュシャンが……。断って別のものにしてもらうか?でもさっき何でも聞くって言っちゃったしな…。それを今から撤回するのも支配者として有り得ないよな…。)

 

「はい。アインズ様と一緒にお風呂券、というものもあってとても迷ったのですが……。」

 

「い、いや!!添い寝にしよう!!それで良いな!ソリュシャン!」

 

「はい!勿論でございます!」

 

(もう一緒にお風呂はナーベラルだけで充分だ!あの後怒り狂って修羅と化したアルベドを鎮めるために全階層守護者を呼び戻さなきゃいけなかったんだからな!!)

 

なおアルベドは現在、絶賛謹慎中である。

 

「では、今晩寝室に参らせて頂きます。失礼します。」

 

「あ、ちょっと待っ……!!…行っちゃったよ。どうしようこれ。」

 

アインズは手に持った紙切れを眺めて深いため息を吐く。

 

(まあ、相手はソリュシャンだ。アルベドみたいにがっつり体を狙っては来ないだろうし、そういう雰囲気にもならないだろう。案外ただ甘えたいだけなのかもしれない。それに部下との心を縮める為にも物理的な接触は必要不可欠だ。究極的に言えば、一緒にお風呂よりは何倍もマシだろう。)

 

とアインズは前向きに思考していた。

 

 

 

一方その頃ーー

 

「アインズ様…。慈悲深いお方。本当に認めてくださるなんて…。」

 

ソリュシャンはにんまりと嬉しそうな顔をほころばせていた。

彼女は狡猾なメイドであった。

最初は生きている人間でも貰おうか、と考えていたが、ナーベラルが報酬でアインズ様と入浴する栄誉を賜りトラブルを引き起こした、ということを思い出した。

これをうまく使えば、私でもアインズ様とお風呂に入れるんじゃないか?という考えがふと頭に思い浮かんだが、即座にそれを否定する。一度トラブルを引き起こした問題を思慮深い主人がもう一度してくれるという可能性は極めて低い。

ならばーーとソリュシャンは思考する。このシャルティア様に頂いた「アインズ様と添い寝券」と「アインズ様とお風呂券」を二つ同時にそれとなく提示するのはどうだろうか。まず間違いなく主人は一緒に入浴はしてくださらないだろう。だからあくまでも本命は添い寝だ。初めに添い寝という条件を提示して難色を示した所にお風呂の話をチラつかせ、判断の余裕を奪い、添い寝の方に飛びつかせる。

ソリュシャンには主人はこれに引っかかるという確信があった。

恐るべき智謀を持つ主人を素面の状態で出し抜くことはナザリック一の知恵者であるデミウルゴス様ですら不可能である。

しかし、私達の主人は異性のシモベとの駆け引きに対して少し遠慮がちになる節があった。まるでーーどう接していいものか分からない、という風に。実際はきっとそんな事はなく、何か理由があって演技でもしているのだろう。しかしソリュシャンにしてみれば演技であろうとこれを使わない手は無かった。

これは実際他のシモベが聞けば不敬だ、と言われるような内容であったがソリュシャンは今までの行動を鑑みて主人はこの程度では絶対に不敬とは判断しないと考えていた。それになりよりもーー

 

 

 

「では準備を始めましょうか。」

 

 

 

ーー今回はどうしても主人と一緒に寝たい理由があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(そろそろソリュシャンが来る時間帯だな)

 

「すまない、リュミエール。しばらくしたら…そうだな。0時頃にソリュシャンがやって来ると思うので、彼女が来たら部屋の外で待機してもらえるか?この部屋に2人きりにしてくれ。」

 

「………!?か、畏まりましたっ!!」

 

そう言ってリュミエールぱたぱたと可愛らしく駆け足で部屋の外に出て行く。なぜか妙に顔が赤みがかっていた気がする。どうしたのだろう。

そんな事を考えているとコンコンとノックの音がする。

 

「ソリュシャンか、入れ。」

 

「失礼します。」

 

「……ふむ。き、綺麗だな、ソリュシャン」

 

「ありがとうございます…。」

 

ソリュシャンの格好は羽衣のような、透けた水色のネグリジェで、服の隙間からいまにも零れ落ちそうな乳房の端の膨らみがほのかに見える。すらりとして流麗な身体の曲線は彼女の水禽のように冷たい優美さを示し、象牙細工のように華奢で端正な足で床をこつんこつんいわせながら鹿のように軽快に歩みを進める。

 

「…んん!さて、今回は添い寝ということだが、一体私は何をすれば良いのだ……?」

 

「まずはベッドに行きましょう。アインズ様。」

 

「あ、ああ。そうだな。」

 

そう言ってソリュシャンの手をドギマギしながら引いて寝室まで連れて行く。

 

「さてここが寝室だが……」

 

「ではまず、アインズ様。ベッドに横たわって貰っても良いですか?」

 

「あ、ああ。こうか?」

 

「ありがとうございます。では…失礼します。」

 

「ぅぉっ!?」

 

突然ソリュシャンが着ていたネグリジェを脱いで全身を練り絹のようにあらわした。そのままアインズの元へ倒れこみ、胸に頬を寄せ、本来なら心臓がある位置に耳をつけ、馴れ合った男女の感じで肌を寄せる。

 

「そ、ソリュシャン!?服!服は!?」

 

「私、眠る時はいつも全裸ですので。」

 

そう言ってソリュシャンは漆黒の闇の中で恋人の手が見えない相手の輪郭を確かめるような艶かしい動作でアインズの首に手を回す。

ソリュシャンのスライムらしい柔らかな乳房はアインズの肋骨の上に吸い付きながら動く。

腰を蛇のように柔らかにクネクネと動かし艶かしい足をアインズの腰を包む様に組む。

ソリュシャンの髪が金色の渦を巻いてきらきらと慄え、そこから湯上りのような香りがする。

 

「あ、あの……ソリュシャン?」

 

「……申し訳ありません、アインズ様。少しだけ…もう少しだけ、このまま居させてもらえないでしょうか?」

 

ソリュシャンが怯えた子犬の様な声を出す。心なしか体も震えている様な気もする。

 

「……何かあったのか?」

 

「………………。」

 

ぎゅ、とソリュシャンはアインズを抱きしめる手に力を入れて頭をさらに強く押し付ける。アインズはそれを肯定の返事と受け取りソリュシャンの豊かな金髪の頭を軽く撫でてやる。すると時々痙攣のようなものが痩せた首の上に走る。

 

「もし良かったら、何があったか教えてくれないか?」

 

「………………。」

 

ソリュシャンは何も言わずにアインズに抱きついている。

 

(一体何があったんだ?普段クールなソリュシャンをここまで追い込むなんて只事じゃないぞ。)

 

そのまま10分程が経過した。ようやくソリュシャンが頭をあげる。アインズがそちらに目を向けると恐怖の色をその目の中に宿しながらソリュシャンが震えた声で言葉を紡ごうとしていた。

 

 

 

「…………夢を見たんです。」

 

ソリュシャンの目には涙が一杯溜まり、それが月の光をキラキラと反射する

 

 

 

「……夢?」

 

「はい。ほんとうに恐ろしい夢を」

 

「それは、どんなものだ?」

 

「……アインズ様が私達を置いてこの地を去り、ナザリックが崩壊する夢です。」

 

「…………そうか。」

 

アインズはそれ以上聞くことが出来なかった。アインズは守護者達がアインズが去る事を最も恐れているということを知っていた。 しかしアインズはシモベ達に絶対にこの地を去らない、と明言した事は無かった。それに関して特に理由はなかった。強いて言うなら必要だと思わなかったから、程度であった。

だが、今回ソリュシャンをここまで追い込んだのはアインズ自身に他ならない。アインズは心の底から申し訳ないと思った。完全に自分の失敗だ。

 

だが、ここで絶対に居なくならない。と言ってもソリュシャンの不安は拭いきれないだろう。だからアインズからは何も言えない。その代わりーー強く、強くソリュシャンを抱きしめる。

 

しらじらとすべらかな肉づきのよい肩を自らの肋骨にしまい込む様に引き寄せ、蜂のようにくびれた腰に手を回す。びっくりするほど艶かしい一糸纏わぬソリュシャンの裸体をかき抱く。キメ細かい桃色の肌は泡にさわるようにやわらかく、融けてしまいそうだ。少し恥ずかしいのかソリュシャンの体が狡猾な猫のように妖しい媚態で動き出す。

にじみ出た汗がソリュシャンの胸元を濡らし、一筋の線となってベッドに滴り落ちる。

 

「…あ、アインズ様!!どうか!!どうか私達を置いて行かないとお約束ください!!」

 

抱擁によって堰を切ったようにソリュシャンから言葉が紡がれる。

 

「…………。」

 

それに対しアインズは沈黙で返答する。返事をしない代わりに、さらに強くソリュシャンを抱きしめる。

ソリュシャンの湯上りの様な瑞々しい肌は、アインズとの抱擁で汗をかくことによって熱帯植物の果実のようにねっとりとした肌になる。

アインズはソリュシャンを納得させるにはこうするしか無いと思って居た。ここで気休めの言葉などを言ってもなんの解決にもならないだろう、と言うこともわかって居た。

 

「アインズ、様……。」

 

「済まないな、ソリュシャン。」

 

「っ……ふ……っ……ぅ……」

 

ソリュシャンが声を押し殺す様にして暖かな涙を零す。アインズはそれを止めることもなくただ頭を撫でて抱きしめる。

 

そうしているうちに1、2時間程経っただろうか。いつのまにかソリュシャンは眠っていた。泣き疲れたのだろう。胎児のように体を丸めてくぅくぅと寝息を立てている。腕の内側に彼女の息がかかって、その部分だけ温かく湿る。

アインズはアンデッドなので眠らない。ソリュシャンが起きるまでの数時間、ずっと愛おしそうに頭を撫でて居た。

もう朝日が昇ってきた。人口の太陽がアインズの寝室を照らす。

朝日の眩しさに目を細めて外を眺めているとつられるようにソリュシャンも目を覚ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アインズ様の動きに釣られて目を覚ます。

泣いているうちにいつのまにか寝てしまった様だ。

不思議なことに昨日の事はほとんど覚えて居ない。それでも胸の中には確かな温もりがあった。父親がいたらこんな感じなんだろうか、と率直な感想を口にする。そんな事をしていると頭の上から声が聞こえてくる。

 

 

 

「おはよう、ソリュシャン。昨日はよく眠れたか?」

 

そんな事を言いながらアインズ様は私の頭を撫でる。骨だから表情に変化はないが、微笑んでる様に見えなくもない。

 

 

「はい。アインズ様。今までで最高の夜でした。」

 

ニッコリと耐えようにも耐え切れなさそうな微笑が口元に浮かび、頬はいつしか紅を差す。

 

「ああ…!素敵でした…アインズ様の熱い抱擁…!他の姉妹達に自慢してやりたい気持ちでいっぱいですわ…!」

 

「ぜ、絶対に言うんじゃ無いぞ!!頼むから!!」

 

冗談です、と満足からくる笑みを漏らす。本当に慈悲深いお方だ。不敬かもしれないがそうやって慌てるところも可愛らしい、と心の中で呟く。

 

 

 

きっとこの方は私達を置いて居なくならないだろう。昨日約束はしてもらえなかった。だがきっと誰にも言えない理由があるんだ。

 

 

 

ならば私達は貴方が此処から去らない様、全身全霊を以って尽くさせて頂こうと思いますーーと決意を新たにしたソリュシャンだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




お疲れ様でした。本当に。ここまで読んでくれた貴方に最高の感謝を。

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