アポクリファ世界線での第四次聖杯戦争(妄想100%) 作:ゆきうさ
「ーーー
ドリルのように螺旋を描く剣を弓につがえ、ランサーのマスターに向けて弦を引き絞る。
標的は直前の勝利に酔っていて隙だらけだ。狙撃の警戒などまるでしていない。この矢を放てば確実に貫くことだろう。
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◆ ◆ ◆
アーチャーの召喚直後に時は遡る。
「記憶が曖昧……だと? まあいい、僕としては英霊なんてものに頼る気はさらさらない。死なないでいてくれたら結構だ。」
「む、これは随分と手厳しいマスターだ。しかしどうやって勝ち残るつもりなのだ? マスターは英霊相手に勝てるほどの実力者なのかね?」
「そんなものは必要ない。サーヴァントとの戦闘は避け、マスターを殺せば事足りる話だ。」
「なるほど、それがマスターの方針か。了解した。しかし、ならばなおさら私という戦力を使った方がいいのではないかね?
先ほども言った通り、私のクラスはアーチャーだ。アサシンにこそ劣るが遠距離からマスターを狙うという戦い方も十分視野に入ると思うが?」
それは、英雄という存在についてある種の偏見を持っていた切嗣にとって、驚きの言葉だった。
「英雄というものは、それなりの誇りを持ってるものだと思っていたんだが。」
「英雄にも色々と種類があると言うことだよ。騎士などであれば、このような戦いをしようとはしないだろうが生憎とこちらは掃除屋のような存在でね。」
アーチャーの言葉にしばし絶句していた切嗣だが、すぐに通常運転に戻り、頭を働かせる。目の前の英霊をどのように策に組み込むのか、どのように動いていくのがいいのか、それらについて思いを馳せる。
「アーチャー、お前のスペックを聞かせてくれ。それを聞いてから幾つか作戦をたてていく。」
「了解だ。
……ああ、そうだ。一応一つ聞かせてもらってもいいか?」
「なんだ?」
「マスターは聖杯に何を望む?」
その問いかけに、考えるまでもないとあっさりと答えを返す
「平和だ。この世界にある争いがなくなること、それが僕の望みだ。」
どこかの世界で見た穏やかな満ちたものではなく、ただ強い感情と強迫観念をその目に宿した表情を見て、アーチャーは確信した。
このままではきっと、この世の地獄を見ることになるのだろう、と。
◆ ◆ ◆
その地獄を経験したアーチャーだからこそ、自分の育ての親である切嗣がその道に踏み込むのを止めたかった。
しかし、そのための方法を持ち合わせていなかった。
言葉で止まるようなものではない。それは自分自身がよく知っている。
かといって自分自身ならともかく、実力行使で止めるというのはしたくない。
だから、この世界の聖杯が、正しく万能の願望機として機能していると知りーーー父親の救済を願うのだった。
ゆえにーーー
「ーーー
確かな決心をもって、アーチャーは射る。