アポクリファ世界線での第四次聖杯戦争(妄想100%)   作:ゆきうさ

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ユグドミレニア陣営

 

 第三次聖杯戦争において大聖杯を奪いその手に修めたユグドミレニアの血族。その本拠地であるミレニア城塞にて、ちょっとした内輪もめが起こっていた。

 

 対立しているのは二人の男。

 一人は青みがかった髪に金色の瞳を持つ、ユグドミレニアの当主、ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア。

 対するのは淡い金髪に黒色の瞳を併せ持つ、日本人と西洋人のハーフを思わせる青年。名をアイガス・風見・ユグドミレニアという。

 

 

「デ? なんデ俺はマスターに選ばれなかったんだヨ? そりゃア、あんたとそっちの嬢ちゃんは分からんでもねエ。だガ、他の奴らが俺を押しのけてまで選ばれるってのハ、おかしくねえかイ?」

 

 

 内輪もめの理由は単純。次の大聖杯を巡って起こる聖杯戦争、ユグドミレニアの血族の中から選ばれるそのマスター候補の中に、風見の名前がなかったからだ。

 

 とはいえ風見の魔術師としての実力はギリギリ二流と言える程度。

 とはいえ、血族としての名を優先するあまり一流と呼べる魔術師はほとんどおらず、二流と言える魔術師すら多くはないユグドミレニアの中ではそれなりに貴重な人材でもある。

 

 

 だからこそ、自惚れるなという言葉をダーニックは飲み込み、耳障りのいい文句を選んだ。

 

「聖杯戦争におけるマスターは魔術師としての腕もそうだが、いかにサーヴァントと歩みを合わせられるかという点も大きい。

 風見、決して君のことを蔑ろにしているわけでは無いのだよ。ただ、英雄と呼べるものと、君の性格は少々噛み合わない可能性が高くてね。だからマスター候補から外したんだ。

 ーーーこれは前回の聖杯戦争優勝者として、参加した一人のマスターとしての私の言葉だ。それでも不服かね?」

 

「なるほどなるほド、マスター、ネ。だったらじゃア、俺がマスターでもやってけル、ってのをあんたにまで見せつければいいのかイ?」

 

「それは……。」

 

「だかラ、俺は半年後に日本に行こうと思ってナ。どういうつもりカ、賢いあんたなら分かんだロ?」

 

 

 それじャ、あばヨ、と言って風見は部屋を出て行く。

 それをダーニックは止められなかった。否、止めるつもりもなかった。

 

 

(……ふう、馬鹿が思い通りに動いてくれて助かった。先日の亜種聖杯戦争は近場であったから、()を忍ばせるのも容易かったが、流石に極東の地まで目を届かせるのは大変だからな。使い潰しても構わない奴に自主的に参加させるために色々と細工するのは面倒だった。が、目標は達せられた。

 あとはあのサーヴァントを呼んでもらうだけだ……。)

 

 

 ダーニックは聖杯戦争での情報を集めている。敵対している時計塔の魔術師がどの程度なのかを見るために。そして、自分の呼び出したサーヴァント、ヴラド三世に勝ち得るサーヴァントがいるかどうか見定めるために。

 

 もちろん、ルーマニアにおいて最大限の知名度補正をうけるヴラド三世は最強と読んでも差し支えないほどの強さを誇る。

 が、ダーニックには一つのの懸念があった。

 

 真っ向勝負であればヴラド三世を越えるサーヴァントはそうはいない。しかし、勝負とは正々堂々と行うものが全てではない。

 

 例えば暗殺。例えば多対一の状況。

 それらもダーニックへと届きうる刃であることは確かだが、自分であれば対処できると考えている。

 ゆえに、懸念材料となるのは敵対する英雄の宝具と逸話による、絶対的な相性不利があるのかないのか。

 

 

 例えば、竜殺しの英雄であるジークフリートは竜に対して絶対的な有利をとれる。

 先の聖杯戦争では竜の特性をもつバーサーカーのサーヴァントの宝具をいとも容易く破って見せたという。

 

 同じことがヴラド三世に対して起こらないとも限らない。

 例えば、吸血鬼殺しの逸話を持つ英雄や

 そして例えばーーー王に対して有利を取れる英雄など。

 

 

 吸血鬼殺しの逸話はともかく、王殺しの逸話は世界中に存在している。残りの六人が呼び出さないとも限らない。

 

 今回は時計塔のロードが征服王の聖遺物を手に入れたという。ならばと、王殺しの特性がどのくらい脅威になるかの試金石に、今回の聖杯戦争を使うつもりなのだ。

 

 

 そうして、風見はある一つの聖遺物を手に入れた。ペルシャ語で書かれた、千夜一夜の物語の断片を。

 

 

 かくして、召喚の結果はーーー

 

 

「喚ばれて、しまいましたか……。聖杯戦争など……参加したくは無かったのですが……。

 だって、死んでしまうじゃあ、ありませんか……。私は死にたくない、ただそれだけが望みです……。」





 今更ですが、fgoの亜種特異点Ⅱ「伝承地底世界:アガルタ」のネタバレがあります。ご容赦を。


 龍之介のところで、キャスター枠は決めていると言いましたが、このサーヴァントに参加してもらおうと思ったのは二つほど理由があります。
 その一つが、騎士王も英雄王もいないのに、征服王はいて大丈夫? これただただ無双されない?
 →なら王特攻のサーヴァントだすか!
 という理由です。


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