アポクリファ世界線での第四次聖杯戦争(妄想100%) 作:ゆきうさ
講義室で
「この論文では、魔術師としての優劣は血統のみでなく本人がいかに効率よく魔力を扱えるかなどで判断するべきだと書かれている。まったくもって嘆かわしい。
私の生徒にこのような考えを持つものがいるというのは非常に嘆かわしいものだ。
……たしか、君の家は魔術師としてはまだ三代目だったね? 君は自分が認められない腹いせにこんなものを書いたのかね?
……魔術師としての優劣は血統で決まる。これは覆すことのできない事実である。分かったかね、ウェイバー・ベルベット君。」
「クソッ……!」
イギリス時計塔にての授業の一風景。血統に優れた魔術師が、歴史の浅い魔術師に対して魔術師としての常識を叩きつけるという、ただそれだけの一幕。
もちろん、血統こそ優れていないが才能はあると思っている少年にとっては許されざる蛮行であり……その講師に少しやり返したい、などと考えるのは至極当然だったのだろう。
「ん? 君は降霊科の生徒かい? ちょうどよかった。これをエルメロイ先生に届けてくれないか?」
だからその機会が驚くほど早くに訪れたとき、少年は迷いながらもその包みを手に取った。
少年ーーーウェイバー・ベルベットはその手にしたものがケイネスが聖杯戦争用に用意していた触媒だと分かると、それを持って単身日本へと向かうことを決める。
金欠ゆえにホテルに泊まることもできず、冬木に住む一般人の家に暗示の魔術をかけることで転がり込む。
そして聖遺物である大王のマントの欠片をもって召喚に臨む。
そして、召喚の結果はーーー
「我が名は征服王イスカンダル! 此度の聖杯戦争はライダーのクラスを得て限界した。
さて、貴様が余のマスターか?」
かくして七騎は出揃った。
サーヴァント・セイバー。真名をガイウス・ユリウス・カエサル。
「いやしかし、剣をとって勝ち進めなどと言われなくて助かったよ。私はまあ、見ての通り戦いは苦手だからな。
とはいえ、マスターの熱い思いを聞かされては応えないわけにもいくまい。あまり気は進まないが私の権謀術数の手練手管をお見せするとしよう。」
マスター、間桐雁夜。
「俺には、守りたいものがある。それを守るために聖杯戦争に参加したんだ……! 俺の命に変えてもあの家族の幸せは守ってみせる!」
サーヴァント・アーチャー。真名をエミヤシロウ。
「なるほど、承った。記憶を失っている身ではあるがマスターの望みに協力しよう。ならばさしずめ、今の私は正義のヒーロー、と言ったところか?
……ああ、そうだ。マスターを倒すのでもいいが、別に私が全てのサーヴァントを倒してしまってもいいのだろう?」
マスター、衛宮切嗣。
「ああ、そうだ。多数の平和を守るために少数を殺す。いつも通りの殺しだ。
しかし、正義のヒーロー、か……。笑えない冗談だ。」
サーヴァント・ランサー。真名をヘクトール。
「んー、オジサンの望み、ねえ。あの戦争に勝ちたい、ってのもなんか違う話しだし、なにより二度も戦いたくないなぁ、アイツとは。
心残りっていやあ、結局はトロイアを守れなかったことかねぇ。結局オジサンが残したのは敗戦における武勇だけだし。負けたけど奮戦しただけってのはちょっとばつかり格好がつかないわ。
つまり今回はマスターがオジサンにとってのトロイアってことだな。今度はきっちり守りきってみせるぜ。」
マスター、ケイネス・エルメロイ・アーチボルト。
「ふん、私の身など自分で守りきれる。心配の必要など皆無だ!
そんなものよりもソラウのことを守れ。貴様の怠慢でソラウが傷ついてでもみろ。私は貴様を決して許さんからな。」
サーヴァント・ライダー。真名をイスカンダル。
「聖杯戦争とは! 面白い! この征服王イスカンダルが悉く蹂躙し、征服し尽くして見せようではないか!
此度の遠征はなかなかに愉快なものになりそうだ!」
マスター、ウェイバー・ベルベット。
「お前、いい加減にしろよぉ……。」
サーヴァント・キャスター。真名をシェヘラザード。
「ああ……死にたくありません……。戦いたくなんてないのに…‥。呼ばれてしまったら、死んでしまうではないですか……。
ああ……死にたくない、です……。死なないためには……勝ち残らないと……。」
マスター、アイガス・風見・ユグドミレニア。
「ああン? なんだコイツ……? ダーニックのやろオ! 変な奴喚ばせやがったナ! くそッ、どうやって勝てって言うんだヨ!」
サーヴァント・アサシン。真名を岡田以蔵。
「聖杯戦争かなんじゃか知らんが、全部斬る! それで解決じゃき! まかせとき、なんたって儂は剣の天才じゃけえの!」
マスター、富嶽武斬。
「楽しむのは構わんが、ちゃんと私の分も残しておいてくれ。先ほどはもう少しで掴めそうだったのだ……。
サーヴァントとの戦いの先に、私の望む境地があるのだからな。」
サーヴァント・バーサーカー。真名をアステリオス。
「ぼく、は……ころして、くらう、だけ。だって、ばけもの、だから……。
でも、そのなまえで、よんでくれるなら……きっと、すこしだけは、にんげんでいられるんだ……。」
マスター、雨生龍之介。
「やっべえ! 本物の悪魔だ! えっ!? 悪魔じゃない? 怪物? そんなんどーだっていいんだって!
ところで名前は? あすてりおす? 聞いたことねーけどかっけーな! ん、ミノタウロス? いやいや、ミノタウロスなんかより、アステリオスの方がかっけーって絶対!」