最初だから短めです。
世界は理不尽で埋め尽くされていて、絆とかそんなもんないってのが俺のこの世界に対する考え方。
なぜって?簡単だろ。もし理不尽ってのが存在しないのならば、俺は親に捨てられてなんかない。
生まれてすぐ俺は親に捨てられた。愛情なんてへったくれもない。両親の顔なんてまったく覚えていない。いや覚えていたとしても興味なんてない。
以降、俺は孤児院に引き取られ、生気もなく意味のない日々を過ごしたという。虐められたりもした、なんでかは知らんけど。どうでもいいしな。
後に大赦とかいう頭のイッテる連中の集まりみたいな所に引き取られた。まぁそれについておいおい語ろう。
俺を守ってくれるものなんて存在しない。そんなことを四歳の時に知った。友達とか大事なものとかなんにもなかった、あったとしても自分くらい?いやそれすらもどうでもいいと考えていたと思う。
けど、人生ってのは面白いもんで。俺のこの考えは一人の少年とある三人の少女達によって変えられることになる。
出会った瞬間から、自分が否定し続けた『友との絆』ってやつを。俺は知ったのだ。
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一面が炎と白い何かに埋め尽くされた__の世界。
そこに剣のようなものを地面に突き刺し、まるでそこにいるのが自分の使命とでも言うかのように居座っている鎧があった。
これは彼の____が残った抜け殻。本物の彼は今も尚____に抗い続けている。
その鎧からは__を救いたいという優しき思いと__に対しての激しい怒りの感情が籠っていた。
時がくるのを待ちながらその鎧は一人、ぽつんとそこに居座っている。
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「……なんだありゃ?」
朝からよぉわからん夢を見て首を傾げる。あんなもん見たことがない。
(俺が使ってる『あれ』にちょっと似てたか?)
「なわけないか……やばっ」
時計を見るともうとっくに登校してなきゃいけない時間だった。まぁなによ、今日から俺は神樹館とかいうお嬢様やらお坊ちゃんばっかりいらっしゃるとこへ転校をすることになったのだ。
んで今日がその初日。
「確か、神樹館だっけか?にしてもよぉ、安芸姉の野郎……同じ学校の教師と生徒なんだから、起こすくらいしてくれたっていいだろうが」
一緒に住んでいる年上のことに対してぐちぐちいいながら着替え、家を出る。
(一日目から遅刻……めんどいな)
いつまでもぐちぐちと文句を垂れながら、人のいない通学路を歩きだす。直後、耳にやたら響いてくる声が背後からした。
「なぁぁぁーー!!!遅刻だぁ!!!」
悲鳴に近い叫び声が響く。振り向くと俺と同じ色をした制服を着ている女の子がいた。
(同級生ってとこか?関わられるのもめんどうだし、目合わせないようにしとくか)
そう考え歩き出す。しかし、いつの間にこちらまで移動してきたのか。肩を叩かれる。
「お前も遅刻……って見ない顔だな。あ!もしかして転校生か!?」
「まぁ、まぁ……まぁ、そうですね」
「まぁって何回言うんだよ。てか、暗くない?なんでそんなにダルそうなんだよ?」
「いや、ホントにだるいんだけど」
「ひど!?なんか冴えないやつだなぁ」
(ひどい言われようだな、まぁ間違ってないか)
「ま、いっか!せっかくだから一緒に行こうぜ!」
「…………………えー」
「いや!えーじゃなくてさ!行き先一緒なんだから別にいいだろ?」
その女の子はまるでマシンガンかのように言葉を掛けてくる。よく朝からそんなテンションを出せるなぁーと切実に思った。そんな俺を置いてきぼりにして更に彼女は捲し立てる。
「そういえば!名前聞いてなかった!君、名前は?」
「安芸、安芸影人(あき かげと)」
「影人か!よろしく、私は三ノ輪銀だ。銀って呼んでくれ!」
「お前が……三ノ輪」
名前を聞いて動揺する俺を余所に、三ノ輪はこちらに手を差し出してくる。
(こいつが三ノ輪か、面倒なことになりそうだ)
「ああ、よろしくな。三ノ輪」
「速攻でガン無視された!?」
「いきなり名前呼びとか……お前もやだろ?」
「ん?別に?」
「へーあー、そうですか……」
「ちょ、ちょっと!待てって!!置いてくなよ~!」
これが俺、安芸影人と三ノ輪銀の出会いだった。
とりあえず天草洸輔の方も更新しつつこちらも頑張ります!