9月1日
ついにこの日がきた…
ミーシャは、平静を装いつつキングズ・クロス駅に家族で向かった。車の中ですでに5回は、荷物を確認している。
結局、やることがないので、ミーシャは、フェラルドに教わった。ホグワーツでパソコンを使うために必要な下準備を始めた。
〜キングズ・クロス駅〜
「やあ、アーサー久しぶり」
「フェラルドかい?久しぶりだね。モリーに聞いてはいたんだが久しぶり過ぎてわからなかったよ。そちらが娘さんかい?」
「ミーシャ・エメリーです。よろしくお願いします」
「丁寧にどうも。アーサー・ウィーズリーだ。息子をよろしくね。そうそう今、こんな仕事をしててね」
仕事の話をしだした大人たちを、放置してミーシャは他のウィーズリー家のいる場所に向かった。
見覚えのある赤毛の一団を発見したとき、その近くに困り果てた顔の黒髪の少年を見つけた。
「こんにちは、君もホグワーツ?」
「あ!あぁ!9と4分の3番線はどこか知らないかい?」
少年は、心の底からホッとしたという顔でミーシャを見つめる。
「ええ、でも私も不安だからあそこの赤毛の方たちと一緒に行こうと思っていたのだけど…どうかしら?」
「うん、よろしく僕は、ハリー。君は?」
「私はミーシャよ。よろしくハリー」
ミーシャは少年を連れてウィーズリー家と合流した。壁をぬける瞬間は少し緊張したが、何事もなく抜けた。
「ミーシャ、なにかあったらすぐふくろうを飛ばすんだよ。何があっても迎えに行くからね」
「お父さんそれは、逆に出したくなくなるわ…でも大丈夫よ。きっと何も起こらないわよ。じゃ、行くわね」
ミーシャは楽観的にフェラルドと別れた。汽車の中を歩いているとロンが一人でフラフラしているのを見つけた。
「あら?ロンあなたもコンパートメント探し?」
「あ、あぁ座れそうなとこはあるんだけど…」
言葉を濁すロンの視線の先を見ると、さっきの黒髪の少年がいた。
「ちょ、ちょっと待ってくれよ〜さっきフレッドとジョージから聞いたんだけど彼、ハリー・ポッターらしいんだ」
「だからジニーがあんなに興奮してたのね納得したわ。でも…」
「でも?」
「有名人だからって拒むなんてことはないでしょうし、行きましょうか」
そういうと、ガラガラっと扉を開けて
「一緒でも大丈夫?」
「ん?あ、ああ!大歓迎さ」
「そう?さっきぶりねハリー。途中でいなくなったから線路に落ちたかと思ったわ」
「おかげさまで、きちんと乗れたよありがとう…ところでそっちの人は座らないの?」
「ロン、あなたよ。早く座りなさい」
軽口を叩きあう二人に気圧されつつ、ロンはぎこちない動きで座りハリーを見、
「君本当に、あのハリー・ポッター?えっと…その…額に傷がある?」
「ああ、これね!」
ハリーは若干手慣れた様子で髪をかきあげ傷を見せてくれた。
本当に稲妻のような傷がおでこにあり、ロンは興奮して
「おったまげー、まさかこんなとこでハリー・ポッターに出会えるとは思えなかったよ。僕はロナウド・ウィーズリー。ロンってみんなから呼ばれてる」
「よろしく、ロン。僕は、ハリーって呼んで」
しっかりと二人は握手を交わした。
その後、車内販売で買ったお菓子をシェアしながら、いろんな話をした。
「おったまげー、君って本当に魔法界について知らないんだね?」
「ずっとマグルと暮らしてたから誰も教えてくれなかったからね」
ハリーの話は、7月末までマグルとして暮らしたミーシャにとって共感できる話が多かったため思わず聞き入ってしまった。
ロンにマグルの常識を話したり、ハリーに今度は、魔法のことを教えたりしていると、急にドアが開き
「ねぇ、誰かヒキガエル見なかった?この子のなんだけど…」
ハーマイオニーが、ぽっちゃりした丸顔の男の子を連れて訪ねてきた。
ハーマイオニーは、今ロンの方を向いていてこちらに、注意が向いていない。
そう判断したミーシャは、足の力をほんの少し魔法で強くすると座った状態から、挨拶をすっ飛ばして、直接ハーマイオニーにダイブした。
「な、何よ!いきなり抱きついて!あなた誰よ!ってミーシャ!?」
「そうよ、あなたの魔法界初のお友達ことミーシャ・エメリーよ!あえて嬉しい!ハーマイオニー。あなた、どこのコンパーメントにいたのよ。少しだけだけど探したのよ?」
「3両先のコンパートメンとだけど…そう…探してくれたのね…………私も少し探したんだから…」
「なにか言った?」
「……っ!なんでもないわ!それよりヒキガエル見てないかしらネビルのがいなくなったの」
「ごめんなさい…私は知らない…でも、見つける手伝いはできるよ」
「ほんと!?ありがとう!ネビルもお礼言いなさい」
「ありがとう。手伝ってくれるなんて嬉しいよ」
「いいよ。困ったときはお互い様。じゃあ、二人は、おとなしく着替えて待っとくこと、いい?あとロンは、私の荷物お願いね」
「「あ、はい」」
女の子たちの姦しさに押し負けて居心地の悪そうなネビルを見ながら、ミーシャの言葉に素直に従ってしまう自分たちも似たようなものか…と男ふたりは絆を深めた…
「まぁ、探すと言っても、その必要はないんだけれどね」
「どういうことミーシャ?」
「呼び寄せ呪文という呪文があるの。まだやったことないから不安なんだけど…」
ミーシャは、あるコンパートメントの扉を迷いなく開くと、
「フレッド、ジョージどっちでもいいから呼び寄せ呪文使える?」
「おいおい、ミーシャいきなりご挨拶だな」
「先輩に対する敬意とか持ったらどうだ?」
「そのいたずら癖治したら考えてあげる」
箱いっぱいのタランチュラを鑑賞する。青年三人組がいた。
そして、上級生相手に、構わずタメ口で、何なら少し命令気味に話すミーシャの姿にネビルはすっかり腰を抜かしてしまっていた。
「てか、学校はじまるまでは俺ら魔法使っちゃいけないんだけど」
「へー、そうなのところで、今私の手が滑ってその箱叩き壊したらどうなるのかしらね?」
「あー!待った待った!使ってやりたい気持ちはあるが!俺ら、まだそこまで教えてもらってないんだ。なぁ?ジョージ!」
「あぁ、そうとも代わりに、占いしてやるから!」
「占い?」
「あぁ、三年生からは選択で占い学が取れるんだ」
「教科書パラ見して出来そうなやつだったから効果は保証しないけどな」
フレッドは慌ててビー玉を取り出しジョージが杖をかざした。
「よし、じゃあミーシャ何も探してたんだ?正確に思い浮かべてくれ」
「あ、なくしものをしたのはこの子よ」
とネビルを前に出すとミーシャはフレッドの近くに座り込みビー玉を覗き込んだ。
「ねぇなんで、ビー玉なの?普通水晶玉じゃない?」
「水晶は結構するからな。学校に揃ってるんだよかんたんなのならビー玉でも十分だから今はこいつだけどな」
「へー?」
フレッドがミーシャに説明をしてる間に、ネビルの占いは終わっていて、ジョージは文句を言いながらも占い結果を噛み砕いて教えていた。
「困難の相が出てたから今探しても見つかりそうにないな。でもその後、モヤが晴れてるからいずれヒョイっと出てくるって感じだな」
「ありがとうジョージとりあえずあなたの占いを信じるわ。それと、フレッド面白いことを教えてくれてありがとう。また後で」
そういうと、ミーシャは手を振ってコンパートメントから出ていった。
「俺、終始空気だったんだけど…」
と、双子の大親友がツーっと涙を流した。
「じゃあ、ハーマイオニー、ネビル。また後で、できれば同じ寮になれたらいいわね」
「そうね、あなたと一緒の寮なら、初めてのことでも怖くないもの」
「僕も、君たちと同じ寮だといいななんだか楽しいことがありそうだし」
三人で笑いあうとそれぞれ元のコンパートメントに戻り、ミーシャはロンとハリーを追い出してローブに着替えた。