テンポよく進めたい……
その後は何事もなく、ホグワーツについたミーシャが他の新入生とともに、小さな部屋で待機していると、とても怖そうな雰囲気の魔女が現れた。おそらくここの教師だろう、ミーシャは緊張でガチガチだった身体をぶるりとさせると、背筋を伸ばした。
「皆さん、こんにちはこの学校で変身術の教師と副校長を努めています。ミネルバ・マクゴナガルです。みなさんはこれから映えあるホグワーツの生徒となり、それぞれの寮に組み分けられます。どの寮も、様々な分野で活躍する魔女や魔法使いを排出してきました。皆さんがその寮の誇りとなれるよう努力することを私は、望みます。まもなく組分けの儀式です。できるだけ身なりを整えておきなさい。」
マクゴナガル先生は、何人かの生徒をちらりと見るとどこかへ歩いていった。
不安そうな同年代の中に不遜な顔をした、男の子を見つけた他の子はみんな不安げに髪をいじったり足元を見ているのに、一人だけ堂々と威張り散らすかのように、胸を張っていた。
というか、実際取り巻きのような二人の男の子に、威張っている、興味が湧いたミーシャは、その子に話しかけようと近づこうとすると
「ミーシャ、マルフォイに関わるのはやめときなよ」
「どうして?ロン」
「あいつ、汽車の中でも突っかかって来てさ…めんどくさいことになると思うよ」
「あら、そんなのまだわからないじゃない。私とあなたは違うし、あなたと彼も違う、人が違うなら同じことはおこらないわ」
自信満々にそう言い切ったミーシャは、マルフォイに声をかけると二言三言喋ってマルフォイの向う脛を蹴ったあと、こちらに帰ってきた。
「何なのかしら、何なのかしら!あの言い草!何が純血よ!血なんて血液型以外みんな大体一緒よ!」
「あ、うん何も言わなくていいよ。まぁ言わせてもらうなら…ね、言ったでしょ?って感じかな。ほら先生が戻ってきた」
ロンの言葉に若干ムッとしつつも落ち着きを取り戻したミーシャは、マルフォイとファーストネームで呼び合う仲になってやると心意気を新たに大理石でできた、大広間の扉をくぐった……
そこには、室内では見れないはずの満点の星空や宙に浮いたたくさんのろうそく、ゴーストなどミーシャの心を魅了するものばかりだったが…一つだけ…一番真ん中の一番前に置かれた椅子に古ぼけた帽子があったのだ…豪華な広間には似つかわしくない帽子は否応にもミーシャの視線を、引き寄せた。
しばらくすると帽子のシワだと思っていた部分が、大きく開き歌を歌い始めた。
曲としてはうまいものではなかったが独特の味があって歌詞の内容は新入生にピッタリのものだった。
「それでは、組分けを始めます………アボット・ハンナ!」
マクゴナガル先生に名前を呼ばれた少女が、前に出て子に座った、その頭に帽子を乗せると一瞬の沈黙後
「ハッフルパフ!」と帽子が叫んだ、その後ABC順に組分けは進み、友達と同じ寮だと色々と楽しそうだなぁと、思っていると、
「エメリー・ミーシャ!」
ついに自分の番が来た。椅子に座り帽子をマクゴナガル先生が被せようとした…………多分今のところ最速だったと思う、触れるか触れないかどころか頭上5センチですでに、
「レイブンクロー!!」
組分けが終わっていた………。
先生も唖然として、帽子を取り落としてしまうほどだった。ミーシャは沈黙の広間をゆっくり歩きレイブンクロー席についた。予想打にしなかった注目のされ方に顔が真っ赤である。沈黙はダンブルドアが咳払いをするまで続き…。
ミーシャは居た堪れない気持ちのまま組分けの儀を終えた。
その後は、特に何事もなくハリーのときにグリフィンドールが一際湧いた程度で、すべての組分けが終わり…
ダンブルドアが立ち上がった
「色々あったが…ともかくおめでとう!ホグワーツの新入生!おめでとう!歓迎会の前に、二言三言、言わせてもらいたい。では!そーれ!わっしょい!こらしょい!どっこらしょい!以上!」
バカと天才は…ととんでもなく失礼なことをミーシャが考えている間に、ミーシャの前にはたくさんの食べ物があった。
あっけに取られているミーシャに、
「驚いたでしょ?私も初めてここに来たときはびっくりしたなぁ…」
と、アジア系の顔立ちの女の子が声をかけてきた。
「あ、私は、チョウっていうのチョウ・チャンよろしくね2年生だからあなたの先輩ね!エメリーちゃん」
「あ、はいよろしくお願いしますチョウさん」
グイグイ来るなこの人、と思いつつも、嫌いにはなれずにこれがこの人の魅力か…と一人納得し、
「チョウさんは…きゃあ!」
チョウに話しかけようとした瞬間、横を撫でるように一人のゴーストが通った。驚いたミーシャは、思わずチョウの手を握って、
「あ、あのチョ、チョウさん…あれは…」
「あれ?あぁ灰色のレディね。レイブンクローのゴーストなのこういう催しにはいつもどこか行っちゃってるからあなたついてるわよ!」
「そ、そうなの?一周回ってラッキーだったのかな?………あ…すいません、手を掴んでしまって…」
ビクビクしながらミーシャは、自分が手を掴んでることに気付き、謝ったが
「ううん、気にしないで!むしろ頼られてる感あってすごく嬉しかった!ミーシャちゃん可愛すぎ〜!もっと頼って〜ほらどんどん食べて!」
「はぁ…そうですか…ありがとうございます…」
このテンションの高い先輩に、ついていけるか初日から心配になるミーシャだった……
みんなのお腹がいっぱいになり、思い思いにまわりと雑談に興じている頃に、ダンブルドアが立ち上がり最初の挨拶とは打って変わって真面目に注意事項を発表した。
とても痛い死に方をしたくなかったら4階の廊下に近づいてはならないという注意だけは、満腹で鈍くなった頭を冷やすかのようにミーシャの耳に入ってきた。
その後は、ホグワーツの校歌を、みんな自由なテンポで歌い、各寮へ向かった。
寮に入るためには合言葉と何かが必要ならしいのだが、もう何も考えられないほど眠気のピークに達していたミーシャは、辛うじて自分の荷物を確認すると、そのままベッドに倒れ込んだ………
途中で見たハリーやロンの仲の良さそうな様子が少し羨ましくて一人だけ違う寮なことをちょっとだけ哀しんで枕を濡らすとすーっと眠りに落ちて行った。
その日は、夢すら見ずに爆睡できた。
変なとこないですよね?
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