日本国内での怪死者・行方不明者は年間1000万人に及ぶ。
その殆どが人間から溢れ出た負の感情
呪い
による被害。
これは呪いを祓う者たち、それを隠匿し続ける者の物語。
東京都呪術隠匿師
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『闇より
眼鏡をかけた細い男性は、範囲内に呪術師が入っていったのを確認すると帳を下ろした。その男性の仕事はそれで終わりのようで、ふぅと息を吐き車に乗り込んだと思うと力を抜いてくつろぎ始める。
だが、急になにかを思い出したかのように携帯電話を取り出すと、誰かにかけだした。
トゥルルルルというコール音が何回か続いた後、何者かが電話に出た。
「
どうやら、男性の名前は伊地知というらしい。伊地知は、その何者かの言葉に頷くと、眼鏡を外して眠りについた。
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「ふぅ、よし、やるか!」
と言って携帯をパタンと閉じたのは、黒いダウンジャケットを着た黒髪の青年だった。
その青年が今いるのはとあるビルの屋上。ここからだと先程伊地知が下ろした帳がよく見える。
確かに帳が下ろされているのを確認した彼は、左手を顔の前に持っていくと人差し指と中指だけをピンと張った。
『闇より出でし人の蓋、影と等しく
次の瞬間、急激にといっていいほど素早く帳が見えなくなる。だが、別に消えたわけでは無く、ただ見えなくなっただけだ。
青年は帳が見えなくなった後も、しばらくこの場所に留まった。だが、ある程度すると何かに満足したようで、ぴょんとビルから飛び降りた。ビルから飛び降りた彼の体は、まるで重力を嘲笑うが如くゆっくりと降下していく。
彼の名前は
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「ご苦労」
「いつも通り、やけに素っ気ないのですね」
夜蛾は彼女の言葉に少し笑うと、その問いに答えた。
「あいつとは古くからの知り合いだからな。あれでいいんだ」
秘書の子は一度納得しかけたが、直ぐ様別の事に驚いた。すなわち
『え、あの人と夜蛾さん歳近いの!?』