黒翼の赤龍帝   作:挫梛道

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100回記念はバトル回だ!
 



花拳繍腿の必殺技!

◆◆◆

アザゼルだ。

先程 俺の執務室にイッセーが訪ねて来たと思えば、『地下牢の"白龍皇"を連れて行きたい』とか抜かしやがってきたんだ。

当然、そんなのは認める訳には往かなかったが あのヤロー、何処で…どうやって入手したかは知らねーが、俺が極秘で進めていた、【変形・合体 巨大ロボver.Ⅶ】の開発計画書のコピーを突き出してきやがった!

 

「シェムハザ様はコレ、知ってるんですかね~?www」

 

この計画書には、何処から予算を持ち出すかも きっちりと記載されており、額が額だけに、それが あの堅物(シェムハザ)にバレた日にゃ、多少の説教じゃ済まされねぇ。

俺は(転生)堕天使なのに、悪魔の様な嗤いを見せる この男に、屈するしかなかった。

…って、本部(たてもの)の外に、多重の…かなり強固な結界が張られたか?

何が起きた?

 

▼▼▼

◆◆◆

…カラワーナよ。

今夜は本部で遅くまで書類仕事をしていたのだけど、その時、外が急に騒がしくなったの。

何事かと思って外に出てみると、

「お、カラワーナじゃねぇか。

お前も見物かよぉ?」

「…ヴァンヴマル。これは一体、何事なのだ?」

イッセー(ボーヤ)と地下牢に居る筈の白龍皇を、大勢の堕天使(ギャラリー)が取り囲んでいた。

 

「そんな訳で、お前も結界張るの、手伝ってくれ。」

いや、だから どんな訳よ?

…って、これって まさか、今から赤白の…二天龍バトルをおっ始めるんじゃないでしょうね?

…で、こいつ等全員、野次馬な訳?

それで皆して、とばっちりを避ける為に、防護結界を幾重にも張ってるって訳か…

仕方無いわね。

そーゆー事なら、手伝ってあげるわよ。

でも、こーゆーのは前以て言ってよね!

最初から知ってたら、酒と おツマミ、持ってきてたのに。

 

「"の〇ごし"と"チー鱈"なら、あるぞ?」

「頂くわ。」

 

≫≫≫

「…くっ!」

「どうした? もう、終わりか?」

そして始まった二天龍対決。

…は、良いのだけど、白の全身鎧を纏い、無数の魔力弾を飛ばす白龍皇に対し、ボーヤは左腕に籠手(セイクリッド・ギア)を装着しただけの状態で、それ等を捌き、弾く。

どうやら あの白龍皇は近接格闘戦よりも、距離を空けて()()()()を使う戦いの方が、好みみたいね。

しかし、それもボーヤには通用しない…と。

んでボーヤは強いて言えば、接近戦のが得意。

しかも、今代の白龍皇はハーフ悪魔らしいから、ボーヤの光の爪は、かなり有効な手段。

更には あの子は、ケルトから正式に譲り受けた、聖剣エクスカリバー(6/7)も持っている。

あの剣は"龍殺し"の属性も有るらしいから、悪魔としても、そしてドラゴンとしても、あの白龍皇には分が悪過ぎるわ。

多分、あの実力差からして、もう出したりしないと思うけど。

 

「くらえ!ドラゴン…波ァッ!!」

 

どっごぉぉっ!

 

「うがっ!?」

ついでに言えば、ボーヤも決して、遠距離攻撃が決して不得意な訳じゃない。

振り抜いた左拳から放たれた魔力ビームが、白龍皇に直撃。

 

「ぐ…ま、まだ…まだだ…!」

しかし、あの鎧の お陰なのか、それでも決定打には至らない。

その辺り、流石は白龍皇…と、言った処かしら。

 

「ちぃ、思ってた以上に、一方的に終わりそうだな…」

それでもヴァンヴマルが呟く通り、勝敗は既に決した様な物。

現状、白龍皇は神器(セイクリッド・ギア)のバランス・ブレイカーの鎧を着ているのに対し、ボーヤは未だ、基本型の籠手の儘。

…にも拘わらず、圧倒的にボーヤが押している。

余程イレギュラーな一撃が決まりでも しない限り、ボーヤの勝ちは動かないわね。

 

「ちぃっ!」

鎧の頭部分(ヘッドパーツ)が砕け、素顔が露になった白龍皇が、ボーヤを憎々しく睨み付け、

「ハァア………………………」

白龍皇が、魔力を集中し始めた。

何か、大技を出す心算の様ね。

 

「…我、目覚めるは、覇の理n

「覇っアァっ!!」

 

バキッ!

 

「ぐはぁっ?!」

「…悪いな。()()はドライグから、マジに危険だって聞かされてるからな。」

「せ、赤龍帝ぇえ~!!?」

え、えぇぇ~~~~~~~~~っ??!

で、でも、何かの詠唱を始めたと同時…と云うかその途中で、ボーヤのミドルキックが脇腹に炸裂!

ちょっとボーヤ、それは少し、ダメダメなんじゃないの?

 

◆◆◆

イッセーだ!

あのライザー・フェニックスの妹、レイヴェル・フェニックスさんに頼まれ、【不死鳥再生計画】(白音ちゃん命題)を進める事になった俺。

ドラゴン恐怖症を拗らせ、引き籠りとなったライザーの更正に、ドライグと共に『兎に角 慣れて貰おう!』と云う結論に達した俺は、先ずは駒王教会の居候となっているオーフィス、そしてグリゴリ本部の最下層に閉じ込められている白龍皇という強力なドラゴンにも、協力を願う事にした。

これにオーフィスの方は、アイスクリームで簡単に落とせた。

だがしかし、白龍皇…ヴァーリ・ルシファーは現在 囚人ポジションの分際で、『俺に勝てたら、協力してやる』と言ってきた!

 

ヴァーリ・ルシファー。

赤龍帝(オレ)と対を成す存在の、白き龍。

俺は この男には、俺が その場に居ない時に ()()鬼灯さんに戦いを仕掛け、逆に〆られていました…と云う印象しか無い。

いや、別に弱いとか雑魚いとか言っている訳じゃない。

あの鬼神様(ヒト)の強さは参考基準に なる筈も無いから、実力は未知数だ。

 

『漸く白いのとのバトルだ!』

そしてドライグが滾る中、仕方無く、実際に戦ってみて…

確かに義経君やセタンタ君、ベル君や匙と比べれてみれば かなり強そうだけど、正直に言って…驕り、慢心な心算は無いが、俺の方が その遥かに上を行っていた。

 

「卑怯者ーーーーーーーっ!」

「空気読めーーーっ!」 

「「「「「「「「ぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーぶーっ!!」」」」」」」」

…そして戦闘は俺が有利に進める中、ヴァーリ・ルシファーは逆転を狙ったのか、"覇龍(ジャガーノート・ドライブ)"の詠唱を始めたので、それを阻止すべくな蹴りを放ってみたら、周りの連中が批難轟々罵詈雑言、ブーイングの大合唱だ。

うるせーよ!

パワーアップすると分かっていて、それを眺めて待ってるバカが居るかよ!?

てゆーかアンタ等、どっちの味方だ?!

 

「いや、何か喋ってる途中で蹴り入れるのは、やっぱアウトだろwww?」

「はぁ~…、これですから、様式美なる物が分かっていないヒトは…」

「この塩野郎~www!」

先頭でヤジを飛ばしているのは、ヴァンとマガガル、それとドーナシークの おっさんか。

…後で覚えてろよ。

 

◆◆◆

…こうやって語るのは、始めてですね?

初めまして。私、アイザック隊所属の下級堕天使、マガガルと申します。

口上の途中で蹴りを入れる等と云う、アイザック隊長の不粋極まり無い手段に、周囲からブーイングが吹き乱れる中、

「ぐぐ…」

白龍皇が、顔を歪めながら起き上がります。

 

「不山戯るな!」

 

ぶぉん…ズシィッ!

 

「しまっ…?!」

そして光る翼を広げての、超高速且つ超低空の片足タックル!

これが見事に隊長に決まり、ダウンを奪いました!

さぁ行け、頑張れ、白龍皇!

普段から鬼畜・無茶振り特訓を強要してくる最悪師弟コンビの弟子の方に、今こそ正義の鉄槌を下すのです!

 

「何だか面白ぇ事に、なってるじゃねぇか…」

「「「「「!!?」」」」」

この場面で登場してきたのは、アザゼル総督です。

 

ぐぃ…

 

「イッセーの野郎、今のは完全に油断してたな。

だから、僅かに反応が遅れたんだ。」

手にしていた やや大きめの徳利に入った(多分、間違い無いでしょうが)お酒を呑みながら、私達に解説を。

 

ガシィ…

 

そして白龍皇は、隊長の体をうつ伏せにすると、両脚をクロスさせた中に左足を入れ込んで極め、両腕も確りとキャッチした状態で、右足を隊長の後頭部…いえ、首筋ですね、を踏みつける様にして固定します。

 

「…リゼヴィムとの対決前に この技を使う事に なるとは思ってもみなかったが、もはや順番等どうでも良い!」

 

グワァァ…!

 

「成る程、リゼヴィム…ねぇ?

確かに()()は、魔力系よりも、あーゆー格闘系の技のが有効かも知れねぇよな…」

このリゼヴィムなる名前に総督は覚えが有るのか、含みの有る笑みを浮かべる中、白龍皇は その体勢の儘 天高く飛翔、

 

ごごごぉお…

 

「ルシファーズ・ソウル・ブランディングーーーーーーッ!!」

 

ガガガァン!

 

…からの急降下、隊長の胸部から腹部、体の前面殆どを、思いっきり地面に叩き付けました!

 

「ぼ、ボーヤ!?」

この見るからに破壊力抜群そうな大技の炸裂に、思わずカラワーナさんが大声をあげますが、

「…こんなものか?」

「な…?!」

隊長は、効いている素振りを見せません。

 

「ば…馬鹿な…?!」

そして これには白龍皇も、戸惑いの表情を隠せません。

 

「ヒャハハ…ありゃ、当然だぜぇ…?」

「…だな。」

しかしヴァンヴマルさんと総督は、然も当たり前だと云う顔付き。

 

「確かに今の技は、見た目はド派手で大ダメージ必至に見えるが、ありゃ落ち方が駄目過ぎる。」

「身体の前側全体を叩き付けてるから、その分ダメージが分散されてんだよ。

俺だったら もう少し角度を付けて、頭から落として顔面、そして首に衝撃を集中させてるぜぇ…?」

成る程、そう言われてみれば、確かに納得出来ます。

…でも隊長?

そこは演技でも せめて、『ハワァッ?!』とか言ったりして、吐血してあげても良かったのでは?

 

「そして、あの()の技を、イッセーに見舞ったのは、失敗だった。

アイツはプロレス?系の技には同系の技で反撃する傾向が有るからな。」

「そして そりゃ、アイツの専門分野の1つだ。」

 

ビシッ!

 

「な…??!」

この総督とヴァンヴマルさんの台詞と同時、今度は隊長がタックルからティク ダウン。

…か・ら・の、

 

ガッシィイ…

 

「ドラゴン・オモプラッター!」

「ぐわぁあっ!?」

『ドラゴン』とか銘打ちしていますが、繰り出しているのは極々普通の肩胛骨固め(オモプラッタ)

しかし あれ、見た目は確かに凄く地味ですが、本当に凄く痛いんです!

私も隊長やコカビエル様に仕掛けられた事が有りますので、その効果は十分に理解しています!!

 

「どうだ? Give up(まいった)すれば、技を解いてやるぜ?」

「がぁあ…だ、誰が!?」

隊長はギブアップを勧めますが、白龍皇は それを明らかに痛そうな顔をしながらも、断固拒否の姿勢。

 

「…ならば!」

 

グィ…

 

これは隊長が折れた…いえ、一気に勝負を決める心算なのでしょう、技を解除すると今度は白龍皇の頭を肩に乗せ、縦一文字の体勢に担ぎ上げます。

 

「「「「…って、あれは??!」」」」

思わず、ヴァンヴマルさんカラワーナさんドーナシークさんとハモってしまいましたが、あの構えは紛れも無く、コカビエル様の必殺技の1つ…

 

垂直落下式ブレーンバスター(テキサス ブロンコ・ドライバー)ーッ!!」

 

ズガァァァッ!!

 

…如何にもオリジナルな名前を附けてますが、繰り出したのは、コカビエル様の必殺技。

この見た目の説得力、そして実際の破壊力も充分な大技の前に、白龍皇の上半身は地面に真っ直ぐ、完全に埋まってしまい、地中から生えているかの様に見える下半身は、ピクリとも動かなくなってしまいました。

 

≫≫≫

◆◆◆

「ふん…()()()()()、敗けを認めてやる。

何処にでも連れ出すが良い。」

イッセーだ!

結果からすれば大圧勝。

最後はコカビー師匠直伝の必殺技で、白龍皇を倒すのに成功した。

これで【焼き鳥再生計画】に、無限の龍神とニ天龍が加わった事になる。

更にはグレモリー家の仲介で、冥界の高名なドラゴンの協力も約束出来た。

もう これで充分な気もするが、ダメ押しの意味で、()()()も参加してもらうか…

 

≫≫≫

「…そんな訳で匙、会長さんから連絡入ってると思うけど、お前にも手伝って貰うぜ?」

『ちっ!勘違いするなよ?

会長の命令だから、仕っ方無く手伝ってやるだけだからな!』

「…ヤローのツンデレなんて、需要無いぞ?」

『違ぇーよ!!』

今 電話で話してるのは、龍王の一角、黒邪龍ヴリトラを宿す神器(セイクリッド・ギア)の持ち主、匙元士郎だ。

先にコイツの主である、生徒会長(ソーナ・シトリー)さんに事情を話して協力を要請、対価として某・ネズミーランドのフリーペアチケットを示したら、二つ返事でOKしてくれたのだ。

これで、俺を含め、駒は全て揃った。

次の連休の時、本格的に計画開始だ。

 

「…そう言うなよ。

お前にも対価で、コ〇ドー様1箱(30ヶ入り)、やるからさ?」

『そんなの要るかっ!』

「え゙? お前、使わないの?

それ、お前は兎も角、会長さんの方が、色々とヤバくね?」 

大バカヤローッ!!

そーゆー意味ぢゃねー!!』

 




①今回の復習…正式には【花拳繍腿好看無用】。
華やかな動きや見た目が派手なだけの技は、武術には必要無いという意味…らしい。
 
②100回記念!…と言ったけど、この焼き鳥編の後、少し前側に、1つ2つ、話を組み込む予定。
 
③他作品(一次)の話だけど、完塩さんマジ完塩(笑)
 
 
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