前回に続き、新年早々スプラッター!
ドッドッドッドッドッ…
「待て!コラー!」
「止まらないとブッコロすぞ、オラー!!
どっちにしろ殺すけど!」
「ひぃいぃぃいっ!!?」
夜中の駒王町を、3台の暴走バイクが疾走する。
周辺の住民が その喧しいエンジン音や、物騒な怒声を耳にするも、『また何時もの
「ひぇええっ?!」
先頭を走る、パーマの髪を金色に染めた10代後半の男は、顔面蒼白で考えていた。
どうして こうなった?
週末の夜、仲間達と
冷やかし半分で声を掛けると、それは2人の"外国人"。
コスプレのオタクにしか見えない この2人は
だが、流暢な日本語で
7人という数の有利さで取り囲み、
すると2人の内の1人…白髪の男が映画"ス〇ー〇ォーズ"に出てくるライトセイ〇ーの様な武器?を取り出した。
最近のオタクは、良く出来た玩具もっている…と思っていたのも束の間、興味本位で その男に近付いた仲間は己の首を、一瞬にして斬り墜とされたのだった。
まさかの、本物…?
首を喪った胴体、その斬り口から夥しい程の血が、噴水の様に勢い良く噴き出した。
いきなり目の当たりにした、リアルな惨殺場面に暴走族達は驚愕する。
そのスプラッター、そしてゴロリと地面に転がった顔と視線が重なり、着ている特攻服の股間周りを盛大に濡らすと共に、腰を抜かし倒れ込んだ時に視界に写ったのは、2人組の もう1人…赤髪の男。
この殺人シーンを見て、走って逃げようとした自分達のリーダー格の男を捕まえたと思えば顔面を電柱に叩き付け、その儘"人間"とは思えない程の握力で、頭部を粉砕する場面だった。
更に2人は無表情で次々と、仲間達を物言わぬ屍に変えていく。
只者ではない…
この儘では、自分も確実に殺される…
この"殺り慣れている"感が半端でない2人の顔付きに人生最大、嘗て無い恐怖を感じた男は、生き延びたい一念で竦んでいた身体を無理矢理に起こすと、自分の物ではない、只単に一番近場に有った仲間のバイクに跨がって 此の場から走り去るのだった。
≫≫≫
「待て!コラー!」
「止まらないとブッコロすぞ、オラー!!
どっちにしろ殺すけど!」
「ひぃいぃぃいっ!!?」
…そして、今に至る。
仲間のバイクを駆る、あの2人の"外国人"に追い掛けられている。
それが、彼の現状だった。
「ひっ、殺されるぅ?」
一番 手を出しては駄目な類の人種に手を出してしまった。
あの2人が一般人社会の"闇"の側に生きる者…其処迄は発想が及ばぬも、それだけは理解出来たが、時 既に遅し。
この異様な追跡者との鬼ごっこは数㌔に渡り繰り広げられ、彼等は町の外れにある、廃屋敷に辿り着いた。
▼▼▼
「うゎあぁあああぁっ!!」
ダダダッ…
「あ…」「あ~らら~?」
追われながらに、
それは この2人の追跡者…イッセーとフリーからすれば、この1人生き残った暴走族の行動は、自分達のセオリーから外れている事だったが、
「もう一杯一杯で、まともな判断が出来てないんだろうなぁ。」
「追い掛けっこの手間が省けて、ラッキーしょ?
後は殺るだけ♪…って、イッセー君?!」
「ああ…お前も気付いたか!」
極限迄追い詰められての まともな判断が出来ない状況だったと分析納得しながら、自らも廃れた屋敷の中に一歩、足を踏み入れた瞬間に、その内部に異様な違和感、気配を感じ取るのだった。
◆◆◆
ひゃっはろ~い!
俺ちん、グリゴリ所属"嗤う黒仮面・アイザッきゅん"ことイッセー君の舎弟、はぐれ悪魔祓いのフリード・セルゼンだぜぃ!!
最近はアジトの教会で、近所のマダムや おっさん達との平和な触れ合いに、血が不足してストレス溜まりまくりだった時、偶々見つけた糞悪魔契約者、そして糞悪魔を殺ろうとしたら甘々思考なイッセー君に止められ、更にストレス爆発寸前になった時に逢ったのが、最近 近所で騒音をバラ撒いている町のGの皆ちゃま。
向こうから ちょっかい出してきて、イッセー君の許可も出た(出さざる得ない状況にしたw)ので、此処はク〇ステルさん調で言えば『MI・NA・GO・RO・SHI…皆殺し♪』、英語で言えば、"Kill them All!"…にしようと思ったのだけど、1人、逃がしてしまったぃ!
勿の論、見逃すって選択肢は無く、鬼ごっこの末、Gちゃまが逃げ込んだのは、町外れに在る古い廃館。
しっかーし、この廃館の中に一歩、足を踏み入れた瞬間に感じたのは死臭。
そして、糞悪魔の気配!
どうやらイッセー君も、これには気付いてるみたいでっすけど…
「う…うわぁあーーーーーっ?!!!!!」
「「!!?」」
そんな時に奥のフロアの方から聞こえたのは、先程 俺っち達より先に逃げ込んだ、Gちゃまの悲鳴。
こ、これは…
「あちゃ~、これは もしかしたら、糞悪魔に先に、仕留められましたか?」
「言ってる場合か!行くぞ!!」
◆◆◆
イッセーだ。
あの暴走族の悲鳴を聞き、その声が聞こえたと思われた部屋に入った時、
「きゃはは…また人間だ…
ん?1人は何だか、違うなぁ?」
「な…?」「うひょっ!」
其処に居たのは上半身裸の美女!(眼福!)
但し、足下から頭頂まで約3㍍、下半身は逞しい4肢の金色の毛皮の獣。
例えるなら、ケンタウロスのライオン版と云った処だ。
そして彼女が両手に持つ、巨大な二振りの槍の一方の先端には、さっきの暴走族が突き刺さって死んでいる!
恐らくは異形の者を見た恐怖に身体が硬直した処に胸元を貫かれた一撃による即死だろう、その表情は脅え歪んだ状態で、固まっている。
「ケケケ…あの姿、どう見ても、理性を失った、"はぐれ"っすね?」
アザゼル総督曰わく、大抵の転生悪魔は"駒"の特性とでも云うべきか、"はぐれ"になった時、体内に埋め込まれた"駒"に精神を喰われ理性の殆どを失い…目の前の はぐれ悪魔が、正しく そうなのだろう、その本性を表すかの、獣の様な姿に変化するらしい。
因みに黒歌は魔力や精神力が かなり強い部類だからか、そんな風には ならなかったみたいだけど。
「さぁて、ちゃっちゃと殺っちゃって、スッキリして帰りますかねぃ!!」
そう言いながら、光の剣を構えるのはフリード。
新しい獲物を前にして、あの殺された暴走族には、既に興味が無くなったみたいだ。
『殺る手間が省けました!』…程度にしか、考えてないのだろう。
「それにしても、驚かせて…
潜伏早々、てっきり追っ手が来たかと思ったら…」
ん?つまりコイツ、冥界から地上に逃げたばかりって事か?
「ふん!どちらにしても、見られたからには殺すけどな、人間!」
そしてコイツは4本の獣の脚で床を蹴り上げ、俺達に襲い掛かってきた!
≫≫≫
「ぐぅ…殺すなら、さっさと殺せ!」
結果から言えば、この はぐれ悪魔は俺の敵ではなく、あっという間に幾重もの光の輪で拘束した。
最初は拘束を解き破ろうと抗っていたが、実力差を理解したのか、今は大人しくなり、自らにトドメを刺すのを強要している。
「さて、どうするかね?」
「な…?」
「はぁ?!ちょ…イッセー君、マジ?マジに殺らない気な訳?
それ、マジに甘過ぎね?」
しかし、俺の このリアクションに、はぐれ悪魔は兎も角、フリードは本当に不満気な顔だ。
「お前にも、連絡は入っているだろ?
はぐれ悪魔と遭遇したら、極力 殺さず、捕らえて本部に連れて来い…と。」
「うぅ…」
「………………………………………。」
俺の台詞に、黙り込むフリード。
はぐれ悪魔も、複雑な表情を浮かべている。
そう、本当に つい数日前の話だが、『遭遇した転生悪魔、特に それが はぐれだった場合、なるべく生け捕りで本部に連行するように』と指示が下っていたのだ。
どういう意図か…恐らく、捉えた悪魔から、何かしらの情報を得ようとしていると考えるのが、無難だろう。
「あの~、イッセーきゅん、こんな言葉を知っています?
『ばれなきゃ命令違反じゃないんですy(ゴンッ!)たゎぶゎっ!?」
お馬鹿な発言をしてきた この大バカヤローのド頭に手刀を落とした俺は、絶対に悪くないだろう。
「あの~、お取り込み中、宜しいでしょうか?
少し、聞きたい事が有るのですが?」
「「「??!」」」
そんな中、何の前触れも無しに此の場に現れ、俺達に声を掛けてきたのは、黒い着物の男。
無数の鋲が付いた巨大な鉄棍を携えた この黒髪の男の額には、短くも鋭い、1本の角が。
明らかに人間ではなく、そして…強い!!
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