黒翼の赤龍帝   作:挫梛道

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ぱーふぇくたー?
さあ?知らない単語ですね。
 



バイサーの過去

「ああ、そうだ。

これが この はぐれ悪魔…バイサーの身体に埋め込まれていた"悪魔の駒(イーヴィル・ピース)"だ。」

掌の上の駒を見せながら、イッセー達に説明するアザゼル。

 

「サハリエル、コイツはサンプルとして、保管しておけ。」

「了解です。」

そう言いながら、封印の類の術式を施した駒を、サハリエルに手渡した。

 

「ぐ…あぁぁあ゙…」

「「「「「「「!!?」」」」」」」

そして それと同時に、体内から駒を抜かれたバイサーの身体に、異変が生じる。

 

「こりゃ駒の"呪い"から解放され、本来の姿に戻ろうとしてるんだな。」

「本来の…」

「姿…っスか?」

アザゼルの言う通り、苦しむ様に倒れ込むバイサーの獣の如くな下半身の前半分が、まるで体内に取り込まれる様に消失、真っ白だった髪の毛も、艶やかな黒髪に変化。

表情も理性を失った野獣の如きから、鋭さは残すも穏やかな顔付きとなり、最終的には

「うっわぁ~…」

「き…綺麗な人…」

身の丈約170の"人型"の美女となった。

 

「…はっ?!わ、私は…って、え?」

「おおおぉ!!」

「これは、素晴らしいですぞ!」

「正に、眼福!脳内保存脳内保z

「き…きゃあああああああああああ!!!!?」

…しかも、全裸の美女である。

そして本来の自我を取り戻し、自分の現状(すがた)を理解、男共の視線に気付いたバイサーが、顔を赤らめ、己の胸と秘部を両手で隠しながら、その場に へたり込んだ。

 

「ふ~む、これは はぐれとなった時に失った理性が復活して、それと同時に羞恥心も…って事だな。」

「「「言ってる場合ですか!?」」」

 

◆◆◆

…ジャンヌです。

あれの後は もう、大変でした。

 

≪≪≪

「な…何をするんだ、アーシア?」

「い、イッセーさんは、見ちゃ駄目ですぅ~!

女の人の裸が見たいなら、後で私が、好きなだけ見せてあげますぅ~っ!!」

イッセー様にはアーシアちゃんが、背後に回り込んでの目隠し。

 

「何の心算だい、君達?私は幹部だよ!」

「お、俺なんて、総督だぞ?!」

「「お黙りなさい!このセクハラ総督&セクハラ幹部!!」」

「女の子の敵に、役職なんて関係無いにゃ!」

イッセー様同様に裸体をガン見していた2人は、朱乃さんレイナさん黒歌さんが取り押さえ、更にミッテちゃんがサハリエル幹部の白衣を剥ぎ取り、

「はい、これ!」

「あ…ありがとう…」

この(ひと)に被せます。

え?シェムハザ様?

あの御方は最初から、余所の方向を向いていましたけど?

 

≫≫≫

「私は…」

あれから、私達は この施設の所長室(アザゼル総督私室)へ移動。

サハリエル幹部は、担当している持ち場に戻っていきました。

バイサーさんも改めて、研究員の人から服を借り、それに袖を通しています。

そして何故、自分が悪魔に、そして はぐれになったかの経緯を話そうとしたのですが、その途中で口が止まってしまいます。

 

「「わっ!?何をするんだ?」」

「いえ、当然な流れでしょう。」

「「良いから とっとと出てけ!」」

 

バタン…

 

恐らくは女性として、余りに…特に男性の前では話し辛い事柄だったのでしょう、それを察した私達はイッセー様とセクハラ総督を部屋の外に追い出します。

因みにシェムハザ様は、自ら退室されました。

 

≫≫≫

「そ、そんな事が…」

「ふん!所詮は悪魔の約束事なんて、その程度だにゃ!!」

それからのバイサーさんの告白に、私達は絶句。

特に黒歌さんは、その内容に憤りを感じているみたいです。

バイサーさんはエジプト地方で密かに暮らす、"人獅子"と呼ばれる人間とは異なる種族でした。

ある日、この見た目の美しさだけでなく、種族特有の戦闘力の高さを聞きつけた1人の悪魔が、彼女を己が眷属にと、勧誘に来たそうです。

しかし、バイサーさんは それを拒否。

すると この悪魔は、彼女の家族、そして婚約者迄も人質に取り、最終的にバイサーさんは家族や婚約者を基とする関係者には一切、手を出さない事を契約(やくそく)に、この悪魔(おとこ)の眷属に。

その後の彼女の生活は、女性としては屈辱的な物でした。

眷属となった日から ほぼ毎夜、自分の(あるじ)となった男に身体を弄ばれ、主を訪ねてきた客人にも、夜の相手として差し出されていたそうです。

唯一の救い…と言えば、これも失礼な物言いですが、純潔は婚約者だった男の人に、既に捧げていた事だったとか。

そんな日々から数年…偶々任務でエジプトに訪れた彼女は、帰還前に少し足を延ばし、自らの生まれ故郷へ。

既に自分の居場所は無いと理解しながらも、家族や嘗て愛していた人の姿を、せめて もう一度…の想いからの行動だったそうです。

しかし、実際に足を踏み入れた"故郷だった場所"は、見る影も無い廃墟となっていました。

それは荒れ具合からして、最近の襲撃の事に非ず。

そして茫然としながら、導かれる様に足を進め、その末に彼女が見たのは、嘗ての婚約者だった男性の亡骸でした。

しかし、悲劇は それで終わらず。

その遺体、額と心臓部に刻まれた、致命傷だったであろう独特の傷痕は、仲間の眷属が持つ神器から繰り出される技の それだったのです。

 

「…あの時、私の頭の中が真っ白になり、何かが弾けた様な感覚だった。

…その後は、覚えてない。

気付けば あの部屋で、身を晒していた。」

「う…ウチのスケベ総督とスケベ幹部とスケベ旦那が申し訳無いっス…。」

 

◆◆◆

「(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)(怒)」

「「「「「「(お、怒ってる!滅茶苦茶、怒ってる!!)」」」」」」

やっほ♪ミッテっスよ~♪

この元・はぐれ悪魔バイサーから一通りの話を聴き終えた後、外で待機させていた男達を入室させて、余りにも…………な部分はカットして、詳細を話したっスけど、予想通りと言うか、それを聞いたイッセーがキレたっス!

 

「いや…俺は冷静…至って冷静さ…」

いーや!キレてるっスよね!

人質とか無理矢理って、イッセーが一番嫌ってるパターンだもん!

 

カチャ…

 

「失礼。諜報部から裏が取れました。」

「シェムハザ様?」

そんな中、部屋に戻ってきたのは副総督のシェムハザ様。

バイサーの話を聞いて、直ぐに悪魔陣営の出奔者の情報を、配下の諜報部隊に探らせていたみたいっスけど、速っ!諜報部、仕事 速っ!!

 

「ジョズモ・バアル。

現・大王家当主の従兄弟の三男の曾孫に当たる悪魔ですが、先日、その者の眷属だった転生悪魔が、主以下、その他眷属全員を殺害して出奔。

目下、その行方を捜索中…だそうです。」

「大王家かよ!?」

「ええ。当主からは かなり、縁遠くなってますけどね。」

「あぁ…それは間違い無く、私の事だな。」

大王家の血筋からの出奔というシェムハザ様の説明、そして本人からの確認に、アザゼル様は目を大きく見開いて驚いてるっス。

 

「これは…ちと厄介かも知れんなぁ…」

「…そうですね。」

そして2人して、真剣な面持ちに。

言うには、堕天使サイドがバイサーを保護したって情報を、イッセーが彼女を捕らえた時に出会った、日本地獄の鬼灯っていう鬼が、駒王町の自称管理者(笑)グレモリーに伝えているかも知れない…らしいっス。

 

「…その心配は、無いと思いますけどね?」

「イッセー君?」

しかし、その可能性をイッセーが否定。

 

「そりゃ、どーゆー意味だ?」

「鬼灯さんがリアス・グレモリーに、俺が…グリゴリの者がバイザーを捕らえた事を話した可能性は高い。

しかし、グレモリーが その事を悪魔陣営の上層部に伝えては、いないって事ですよ。

本来、はぐれ悪魔ってのは、悪魔(じぶん)達が始末しなければならない対象。

それを堕天使サイドに横から持っていかれたなんて報告、あのプライド高そうな お嬢様が、上にしているなんて思えない。

まさか悪魔の駒を引き抜いて保護…なんて発想も在る訳無いですし、コッチがバイザーを勝手に始末した…で片付けていると思いますよ。

大体、上に報告していたら昨夜の内に、悪魔陣営からバイサーの引き渡し要求等、何らかの連絡なりが有った筈です。」

「成る程な。」

「確かに…。」

イッセーの仮説に、2人共納得な表情。

…って、3共、あの駄肉姫ディスり過ぎ!

 

≫≫≫

「…あの忌々しい"駒"から解放してくれた恩義には、我が身を剣として、戦働きで組織に返す心算ではいる。

しかし私には今更、この汚れた身で誰かに愛される資格は無い…」

「だ、大丈夫よ!」

「御主人様は、そんな事を気にしたりはしないにゃ!」

「そうですよね、イッセーさん?」

「……………………………。」

あの後、アザゼル様達から悪魔陣営についての簡単な?情報の聴取を受けたバイサー。

今後は、組織の戦闘部…イッセーの部隊に所属する事も決まり、そのついでに朱乃ん達がイッセーハーレムに引き入れようとしたけど、そちらには難色を示しているっス。

別にイッセーが嫌とかで無く、寧ろ朱乃んの誘いに一瞬、乗り気な表情を浮かべたのを、ウチは見逃さなかったっス。

でも やっぱり、好きでもない男に散々と身体を弄ばれていた事を負い目に感じ、その誘いを善しとせずと思っている感じっス。

レイナ姉達は「気にするな」って言ってるし、それはウチも同意っスけど、バイサーの気持ちも何となく解るんスよね~。

ウチだって今、仮にイッセー以外の男に身体を辱められたりしたら、もうイッセーの前に二度と姿を見せる事無く、何処かに身を隠す自信が有るっスから。

 

「なあ、バイサー?」

…と、其処に口を出したのはイッセー。

                  

「バイサー…お前は、俺がDTでないと、駄目なのか?」

「…………………!!」

…ん。言わんとしてる事は解るっスよ。

男女置き換えて、「俺が『非処女お断り』とか言ってる奴に見えるのか?」…って事っスよね?

でも、もう少し、別な表現もって…え?

 

「ぅ…うわゎぁあああああああああ~!!」

あら、バイサー、泣き崩れちゃったスよ。

 

「あ~らあらあらあらあら?」

「イッセー君、堕としたわね。」

「ん。堕ちたにゃ。」

「堕天使だけに…ですか?」

いや、アーシア…上手くないっスよ…。

まぁ でも…流石はイッセー!

ウチ達の旦那様は、男前っス!!

 

「あらあらあら♪

これは また、新しいローテーションの組み直しですわ♪」

「ん…今度は それ、休憩日を入れてくれると、凄く嬉しいな…」

 

◆◆◆

どうも、イッセーです。

結局バイサーも、普段は駒王の教会で生活する事に決まりました。

それから…

「私は…私だけが元の種族に戻る事は、出来ないにゃ…」

例の人工神器で、黒歌の中の悪魔の駒を取り出す話になったけど、黒歌は それを拒否。

自分の所為で、転生悪魔となった妹の事を考えると、自分だけ元のネコショウに戻るなんて有り得ないとの事。

ん。黒歌、良い お姉ちゃんしてるよ。

 

≫≫≫

「おぅ、アイザック?大丈夫か?」

「月曜は何時も、顔色悪いよな?」

「あ…うん。大丈夫。大丈夫だから…」

そして週明けの教室にて、クラスメートに顔色の悪さを心配されながらの放課後、

「「……!!?」」

それはホームルーム後の掃除が終わり、教室内でクラスメート数人と談笑していた時の事。

 

「アイザッきゅん、今の…」

「あぁ…」

それは位置的には…旧校舎!

そう、レイナちゃんも感じたみたいだけど、旧校舎の方から尋常でない魔力の気配を感じたんだ。

その少し後、今度は それなりに強そうな魔力を感じたけど、そっちは最初の強大な それがインパクト大だった為、大して気にしなかったけど。

 

▼▼▼

翌日の放課後。

生徒会長・支取蒼那を基とする生徒会役員達が その日の屋外業務を終え、生徒会執行部の部屋に戻った時。

 

「あら?」

支取蒼那は扉の鍵穴に鍵を差し、解錠しようするが、既に扉の鍵は掛かってない事に気付く。

部屋を出る前に、施錠し忘れた?

いや、そんな筈は無い。

間違い無く、自分が鍵を掛けた筈。

では、何かの用事で、生徒会の顧問教諭が この部屋に入った?

いや、それでも、退室時に鍵を掛けないなんて有り得ない。

 

「…………………………………………。」 

カチャ…

 

そう思いながら、そして用心しながら、扉を開くと、

「やあ。初めまして…だね。

シトリー家の、次期当主・さん?」

「な…!? あ、貴方…は…??!」

本来ならば自分が着く会長専用の席。

其処に座っていたのは、血管を連想させる赤いラインの入った黒いスーツに赤い髪、そして不気味に嗤う造形の黒い仮面を被った男だった。

 




 
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