黒翼の赤龍帝   作:挫梛道

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衝突!ドラゴンvsフェニックス!!

ざわざわざわざわざわざわざわざわ…

 

突然の、謎の乱入者の出現に、騒然とするパーティー会場。

 

「な…貴様、何者だ!?

此処が どの様な場所なのか、分かっt(バキィッ!)ぬゎっ?!」

真紅の鎧の乱入者の近くに居た、警備の悪魔が詰め寄ると、乱入者は それを強烈な裏拳で応え、この警備兵は吹き飛ばされた。

 

「「「「「「き、貴様っ!!」」」」」」

 

ざざさっ…

 

それを見た多数の警備兵が二叉の鉾を構え、この賊を取り囲むが、

「………………。」

鎧の男は それを無視するかの様に、周囲を見渡し始める。

 

「………。」

そして会場内に居た、1人の少女に目を向けた処で一瞬 視線を止め、最終的には会場全体を一周、見通した。

 

『…事を荒立てる心算は無い。

俺は ある人物に頼まれ、この場にいる、とある1人を迎えに来ただけだ。』

その後、兜の内側に仕込まれた、ヴォイスチェンジャーによる機械音声の様な声が、会場内に響き渡る。

 

「巫山戯るなっ!!」

この発言に、1人の男が過剰な反応を示した。

所々に金の刺繍が刻まれた、ダークワインレッドのスーツを着崩し気味に着こなした、金髪の若い男である。

 

「お前等、何をしているんだ?!

さっさと その男を取り押さえて 此の場から摘まみ出せ!

どうせ不法侵入者だ!抵抗するなら、殺しても構わんぞ!!」

「「「「「は…は!」」」」」

そして この全身鎧の侵入者の排除…いや殺害を警備の悪魔に命ずると、傍らに居た、雅やかなドレスを身に纏っている、紅髪の少女の肩に手を回し、この彼女の耳元で そっと囁いた。

 

「…お前の差し金なんだろ?

とことん抵抗するんだなぁ?リィアスぅ?

だが それも、無駄無駄無駄な事だ。」

「違う!私は知らないわ!!」

 

◆◆◆

イッセーだぜ!

俺は このグレモリー邸のパーティー会場に、"グリゴリのアイザック"でなく、只の"赤龍帝"として乗り込む事にした。

会場に姿を見せた早々、一部の悪魔は纏っている鎧から、俺が赤龍帝だと見抜いた様だ。

俺は兎も角この鎧って、やっぱり結構有名なんだな。

そして ざわめく会場の中…何処かの お姫様みたいな格好の、リアス・グレモリーの隣に居る処から察するに、あのホスト崩れな金髪の悪人顔(師匠には遠く及ばない)の男が、件のライザー・フェニックスなのだろう。

そのライザーの指示により、俺を不法侵入の襲撃者として、沢山の警備兵が襲い掛かってきたのだけど…

「「うぅ…」」「がっ…?!」「「く…」」

「な…何だと?!」

恐らくは下級上位か、中級悪魔かな?

この程度のレベルじゃ、今更 俺を止められないんだよね~♪

只でさえ今、禁手状態な訳だし。

 

「貴様ぁッ!

誰に頼まれて この会場に来たかは知らぬが、リアスは渡さんぞ!!」

『え゙?』

 

ぼぅわゎっ!!!!

 

怒りの表情の儘に、「次は俺だ」とばかりに、悪魔特有の蝙蝠の様な羽でなく、燃え盛る炎の翼を背中に広げるライザー・フェニックス。

…って、この悪魔(ひと)、何か勘違いしてね?

もしかして、俺が其方の駄肉姫様を攫おうとしてるとか、思ってね?

いえ、そんなの要りませんから!!

学校にて、彼女自身は兎も角、そのファン共が本当に毎日毎日ウザいから、もうマジに冥界に引っ込んで、二度と地上に現れないで!…ってゆうのが俺的な本音なのですけど!!

と、兎に角、誤解だけは解かないと…

 

『あ~、違う違う。

俺が連れ出そうとしてるのは、其方の駄にk…コホン、リアス姫でなくて、

「あ、貴方!今 私の事、何て呼ぼうとした!?」

 

ツカツカツカ…

 

『白音さん…だね?

ある人物に頼まれて、キミを迎えに来たよ。』

「え…?」

駄肉姫様の突っ込みは無視。

駒王学園にて、ミッテちゃんと共に"学園2大マスコット"の二つ名を持つ、塔城小猫ちゃんこと、黒歌の妹である白音ちゃんに歩み寄って話し掛けた。

 

「「待て待て待てぇ~い!!?」」

すると、このパーティーの主役カップルが、ハモって「待った」を掛けてきた。

 

「小猫は、私の下僕よ!

勝手な真似は、止めて貰おうかしら!」

「そうだ!そしてリアスの下僕と云う事は、俺の所有物(モノ)も同然だ!

勝手は赦さんぞ!!」

「ライザー、それは違うわ!

あの子はアナタの好きには、させないわよ!!」

「ぅっ?!」

ん。その理屈は、俺も可笑しいと思う。

…てゆーか、黒歌が危惧してた通りに この男、駄肉姫(よめ)の眷属である白音ちゃんも、その毒牙に掛けようとしていたのか。

駆けつけて正解だったって訳だ。

そして駄肉姫…リアス・グレモリーか。

普段の町の管理っぷりから残念無能なのは解っていたが、それでも一応、下僕思いでは あるみたいだな。

認識を少しだけ、上位修正してやるよ、グレモリー先輩?

 

「と、兎に角だ、その娘を連れ去る事は、この俺が赦さん!

何よりも この場を荒らした罪は万死に値する!

貴様、赤龍帝…で、良いのだな?

貴様は この俺が自ら、このパーティー会場の主役として 始末してやろう。

薄汚い蜥蜴如きが悪魔の領域に足を踏み入れた事、後悔させてやる!!」

俺の目的がリアス姫でなくて白音ちゃんと知っても、戦闘の姿勢を解こうとしないライザー・フェニックス。

改めて、俺と戦ろうとする姿勢を見せるが、此の場で更に、改めて殺る気を見せる人物が、約1名。

 

『薄汚い…蜥蜴…だと?!

高々悪魔の分際で、大きく出た物だな、この焼き鳥小僧!!

この誇り高きドラゴンを蜥蜴呼ばわりしたのだ。

当然ながら其れ相応の覚悟、持っているのだろうな?』

はい、我が相棒のドライグさんです。

どうやら伝説のドラゴン様は、蜥蜴という表現が お気に召さなかった様です。

左の籠手に埋められた碧色の宝玉を光らせ、会場全体に その声を響き渡らせました。

 

「警備兵!

テーブルや椅子を、部屋の隅へ!急げ!」

「申し訳無いが、来賓の皆様も、手伝って頂きたい!!」

「「「「「「「は…はぃ!」」」」」」」

グレモリー先輩と同じ、紅い髪をしたオッサンと若い男…もしかして あれって父親と、話に聞く、魔王ルシファーか?

…が、本当に此の場で戦らせる心算か?

慌てて俺と焼き鳥とのバトルの場をセッティングし始めた。

はぁ…

俺は別に、この場でバトる為に、顔を出した訳じゃあ無いんだけどなぁ…

戦闘不可避ですか、そうですか。

尤も、あの魔王が直接に俺を止めに入らない分だけ、ラッキーと思わないとね。

悔しいが正直な話、今の俺では あの男には絶対に勝てそうにない。

 

▼▼▼

「あの人…」

「ん?小猫ちゃん?」

魔王ルシファー…リアスの実兄である、サーゼクス・ルシファーの指示により、豪華な料理が置かれたテーブルや椅子が全て、会場の壁際に寄せられた、会場の中央。

対峙しているダークワインレッドのスーツの男と真紅の全身鎧の男を見つめながら、リアス・グレモリーの眷属であり、黒歌の実の妹である塔城小猫…白音が呟く。

 

「あの鎧の人…私の事を、()()と呼びました。

あの人に私を連れ去る様に頼んだのって、もしかして…?!」

 

≫≫≫

『ライザー・フェニックス…

本当に俺と戦う心算なのか?

最初に言った通り、俺的には あの子を連れて帰られるなら、無駄な戦闘は避けたいのだけどな?』

「巫山戯るな!言っただろうが!

この場を荒らし、泥を塗ってくれたんだ…

その主催であり、フェニックスの看板を背負っている この俺が『はい そうですか』って、素直に賊をお返しする訳が無いだろうが!!」

『…でも結婚と同時に、その看板は捨てて、以後はグレモリーなんだろ?』

「喧しいわっ!!」

 

ダッ…

 

二言三事の言葉の遣り取りの後、ライザーがイッセーに攻撃を仕掛ける。

右手に炎を纏わせての、徒手の一撃だ。

 

チィッ…

 

『…!!?』

その一打はイッセーの予想をやや越えた鋭さだったのか、完全に躱す事は出来ず、兜の側面を掠め、その部分が大きくヒビ割れた。

 

『気を付けろよ、相棒。

フェニックスの炎は、ドラゴンの鱗でさえも焼き尽くすぞ。』

『…みたいだな!』

 

ヴァン!!

 

『ん?』『む?』

イッセーとドライグが話す中、鎧の背中で爆発が起きる。

…尤も、鎧はノーダメージだが。

 

『『誰だ?!』』

「嘘…全然、効いてないの?」

イッセーが後ろを振り向くと、深紫の長い髪の女が掌を前に向けた姿勢で、まるで信じられない光景を見ている様な顔をして立ち尽くしていた。

 

「ユーベルーナ!余計な真似は するな!」

ライザーがイッセーに向けて爆裂の魔弾を放った己の女王(クィーン)…ユーベルーナを一喝、それと同時に

『邪魔…するなあぁっ!!』

イッセーも魔力を放出し、自らとライザーを閉じ込めるべくな、赤い魔力の障壁を創り出す。

 

『先に言っておく!

その壁に少しでも触れたら、大ダメージだぜ!!』

「「「「「「「…!!?」」」」」」」

それは堕天使だからこそ創り出せる、悪魔にとっては毒に等しい"光"の術式で作られた魔力の壁を、それと見抜かれぬ様にドラゴンの(オーラ)でコーティングした赤い壁。

見物客と化した貴族悪魔達に、イッセーが叫びながらの説明。

 

ヴィン…

 

「きゃっ?」

「「こ、小猫ちゃん?!」」

『ゴメンね。キミには逃げられない様に、更に個別に、壁を創らせて貰ったよ。』

そして白音には、傍に居た金髪の少年達が驚く中、彼女の身体よりも少しだけ大きなサイズに、箱状の赤い光の壁を閉じ込める様な形に追加で造りだした。

 

『さて…仕切り直しだな?

ライザー・フェニックス!』

「ふん…俺の下僕が下らん真似をした件だけは、詫びてやろう。

…その上で、死ね!今代の赤龍帝よ!!」

 

ブゥン…

 

ライザーの、右手に燃える炎を剣の如く延ばしての攻撃を、今度は完全に躱したイッセーは素早く間合いを詰めて敵の懐に入り込むと、

『でぇえいやぁっ!!!!』

 

ずんっ!

 

「んがっ…!?」

ドラゴンの籠手に包まれた右拳をライザーの胸元深くに叩き込み、その儘に その拳は背中を貫くのだった。

 




 
イッセーのフルネームor駄肉姫呼ばわりから、先輩の呼び名に昇格して貰ったリアスさん。
 
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