ガチ!(当社比)
悪魔と云えど、羽の有無等の種族固有な それを除けば、基本的な骨格や内蔵等の体内構造は、人間と変わらない。
「ふ…」
『?』
即ち、胸元を串刺しな如く、心臓毎に貫かれたら、普通ならば絶命は必至である。
「舐めるな、赤龍帝がぁ!!」
『へぇ~?』『ほぅ…』
そう。普通ならば。
イッセーの そんな一撃も、ライザー・フェニックスは不遜な笑みを浮かべ、その疵を自らの炎で燃え上がらせると共に、何事も無かった様に再生させた。
不死の特性。
悪魔貴族・フェニックス家の血を引く者が持つ、例え頭を吹き飛ばされても名の如く、不死鳥の様に復活も可能な、脅威の自己治癒能力である。
『…まさか、此程迄とはね!』
事前に予備知識として知らされていたイッセーも、改めて それを目の前で見て、動揺はしない迄も驚きは隠せなかった。
『相棒、フェニックスを斃すには、本当に細胞の欠片も残さずに滅するか、圧倒的な力を見せつけ、
◆◆◆
イッセーだぜ!!
すっげー、フェニックス!
マジに すっげー!!
不死鳥を名乗ってるのは伊達じゃないぜ!
しかも、ドライグから聞かされたフェニックス攻略法…
後者は兎も角、前者は物騒な話だな!!
尤も、別に今日は、悪魔と喧嘩を…ましてや堕天使として戦争を吹っ掛けに来た訳じゃないし、可能な限りは穏便に済ませたい処だぜ。
『…他にも幾通りか、打倒法は有るには在るが、相棒には無理な話だな。』
≫≫≫
「死ねやぁっ!!」
ぶぉん…
『危なっ?!』
今度は拳でなく、脚に炎を纏わせてのライザーの廻し蹴りが空を切る。
辛うじて躱せるけど、あんなの喰らった日には本当、焼死体の完成だ。
「ふはははは!流石に伝説の赤き龍も、このフェニックスの炎は恐ろしい様だな!!」
『うるせぇーーっ!
それなら こっちも少しだけ、本気を出してやる!!』
ヴォォン…
「な…何だ、それは…?!」
「何…だと…?」
「あれは まさか…」
「…光?」
ざわざわざわざわざわざわざわざわ…
ライザーだけでなく、赤い魔障壁の向こう側の悪魔貴族達も驚き、ざわつき始めた。
「光の…爪…だと?」
『その通り!今代の赤龍帝…俺の、オリジナルだよ!』
そう。
俺が繰り出したのは、光の術式。
剣や槍を創る要領で、左籠手の龍爪の先に、延ばす様に光の爪を創り出したのだ。
あくまでも堕天使の
『でぇやっ!!』
ぶぅん!
「ぉわっ!?」
そして今度は、俺が繰り出す光爪の斬撃を、ライザーが必死な顔で躱していく。
『流石に不死身のフェニックスも、光による攻撃は恐ろしい様だな!!』
「喧しいっ!!」
そして先程の、意趣返し的な台詞での挑発も忘れない。
≫≫≫
「おらっ!」
ぶん!
『うらっ!』
ぶぅん…
その後も、互いに繰り出す炎の拳や光の爪を、互いに躱す展開が続いていく。
「ちぃ!もっと広い場所なら…!!」
舌打ち混じりに吐き捨てる様に呟いた、ライザーの一言。
多分 奴は、火力過剰な技…例えば この会場を吹き飛ばす程な、巨大な炎の弾を撃ち出す様な技も持っているのだろう。
自分が主催した、パーティーの来賓客に被害が及ばぬ様に、配慮しているのか?
一般人な学生だった、そして今も学生兼社畜(泣)みたいな俺には想像も点かないが、一応は貴族故、そのプライドやら、或いは責務みたいな物を、この男は持ち合わせているのだろう。
「喰らいやがれ!!」
ヴォオン!
そう言いながら、ライザーが突き出した掌から放ったのは、鳳の形をしたバスケットボールサイズの火炎弾!
『…くっ?!』
その超スピードで迫る焔の鳥を躱すと、
ボゥッ!!
それは背後の魔力障壁に激突。
直ぐに修復されたが、一瞬其処に、大きな穴が開いてしまった。
「ちぃいっ!!!!」
明らかに悔しそうな顔をするライザー。
やはり周囲を気遣ってか、かなりパワーを抑えている感じだ。
もしもコイツが、そういうのを一切、気にしないタイプだと思えば、少し恐ろしくもあり、そして…
『この会場…周囲を気にしているのか?
俺は開けた場所に、移動しても構わn
「巫山戯るな!!」
ん。絶対に これ、師匠の影響だ。
何時の間にか、本気なバトルを楽しみたい俺が居た。
しかしプライド故か、或いは情けと受け取ったか、この申し出を怒声と共に一蹴するライザー・フェニックス。
「出でよ!サザンジュールッ!!」
ボゥッ!!
そしてまた、プチフェニックスとでも仮名すべきか、鳥を象った火炎弾を放ってきたから、それを躱しt…?!
『シャーッ!!』
『な…?!』
それは、直線に迫る火炎弾ではなく、天井付近迄急上昇すると、次の瞬間 今度は俺目掛けて一直線に急降下、
ズシャッ!
『…っ?!』
少し反応が遅れてしまい、鋭い鉤爪の一撃を、肩口に掠めてしまった。
そして それは、魔力による火炎弾でなく…
『使い魔かよ!!?』
くそっ!完全に騙された!!
≫≫≫
「はははははは!
どうした どうした赤龍帝?
急に防戦一方になったな?」
『うるせー!』
その後…っても、そんなに時間が、ゲーム風に言えばターンが経過した訳じゃないが、あのライザーの使い魔…炎を纏った鷹と、ライザー本人とのコンピネーション攻撃に、俺は手を出せずにいた。
鋭い鉤爪や嘴を躱したと思えば距離を開けての火炎弾、または間合いを詰めての徒手(炎附き)が、想像以上に厄介だ。
『…ならば!』
▼▼▼
ばさあっ!
イッセーは鎧のバーツの1つである、龍翼を広げ、機動力をアップさせてライザーと距離を大きく空けると、
『おらぁっ!!』
ヒュン…!
籠手に附けていた5本の光爪を、飛び道具の様に撃ち放つ。
「ふっ!そんな攻撃が!!」
その全てをライザーは余裕の表情で躱すが、
ドスッ…ずずず…
「な…に…?」
躱した筈の、5本の爪。
しかし その内の1本だけが、ライザーの背後で弧を描いて背中に突き刺さり、その儘 吸い込まれる様に、体内へと入っていった。
「ぐああああああああああああっ?!!」
突如として苦しみ出すライザー。
当然の話だ。
悪魔にとって、猛毒に等しい、光の攻撃を単に身に受けただけでなく、身体の内側に埋め込まれたのだ。
それは如何に不死のフェニックスと云えど、悪魔として耐えられる物では無かった。
『勝負…在りだな。』
『はっはっは!恐れ入ったぞ相棒!
こんな殺り方も在ったとはな!!』
≫≫≫
「え?」
スゥ…
苦しむ様に床を転げ回るライザーを余所に、イッセーは黒歌の妹である塔城小猫…白音を、閉じ込めている赤い光の魔障壁毎、自分の前に呼び寄せ、その結界を解く。
『さて…改めて白音さん?
着いて来て貰うよ?』
「ま、待って下さい!ライザー様は…?」
『ヤツの体内では今、俺の光の爪…猛毒が猛威を震うと同時に、その治癒…フェニックスならではな再生が繰り返されている筈だ。
光が自然消滅する迄 精神を維持して持ち堪えれば、助かるさ。』
「もし、それが出来なければ…」
『その時は、終わりなだけだよ。
先に言っておくが、あの爪は白音さんを囲っていた壁みたいに、俺の意志で消す事は出来ない。』
「そんな…」
『…それじゃ、行こうか。
悪いけど、拒否権は無いから。』
「ま、待って下さい!
1つだけ…アナタに私を連れる様に依頼したのは、黒歌姉様…ですね?」
今回ドライグさんの頭の中に在った、フェニックスの殺り方一覧
①強制的に魂を身体から抜き取り、直後に直接爆破
②絶対零度でしか破壊出来ない、氷の匣に閉じ込める
③毒性植物の香気で五感を麻痺させて、永遠に昏睡して貰う
④石化→破壊
⑤脳内に自身が再生不可でスプラッターされる
⑥異次元の彼方に吹き飛ばし、永遠に その空間を彷徨って貰う
⑦フェニックス以上の業火で燃やし尽くす
…確かに全て、今のイッセーには無理(笑)
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