黒翼の赤龍帝   作:挫梛道

32 / 106
 
ガチ!(当社比)
 



不死鳥の仕留め方

悪魔と云えど、羽の有無等の種族固有な それを除けば、基本的な骨格や内蔵等の体内構造は、人間と変わらない。

 

「ふ…」

『?』

即ち、胸元を串刺しな如く、心臓毎に貫かれたら、普通ならば絶命は必至である。

 

「舐めるな、赤龍帝がぁ!!」

『へぇ~?』『ほぅ…』

そう。普通ならば。

イッセーの そんな一撃も、ライザー・フェニックスは不遜な笑みを浮かべ、その疵を自らの炎で燃え上がらせると共に、何事も無かった様に再生させた。

不死の特性。

悪魔貴族・フェニックス家の血を引く者が持つ、例え頭を吹き飛ばされても名の如く、不死鳥の様に復活も可能な、脅威の自己治癒能力である。

 

『…まさか、此程迄とはね!』

事前に予備知識として知らされていたイッセーも、改めて それを目の前で見て、動揺はしない迄も驚きは隠せなかった。

 

『相棒、フェニックスを斃すには、本当に細胞の欠片も残さずに滅するか、圧倒的な力を見せつけ、精神(こころ)を折るか…位しか無いぞ?』

 

◆◆◆

イッセーだぜ!!

すっげー、フェニックス!

マジに すっげー!!

不死鳥を名乗ってるのは伊達じゃないぜ!

しかも、ドライグから聞かされたフェニックス攻略法…

後者は兎も角、前者は物騒な話だな!!

尤も、別に今日は、悪魔と喧嘩を…ましてや堕天使として戦争を吹っ掛けに来た訳じゃないし、可能な限りは穏便に済ませたい処だぜ。

 

『…他にも幾通りか、打倒法は有るには在るが、相棒には無理な話だな。』

 

≫≫≫

「死ねやぁっ!!」

 

ぶぉん…

 

『危なっ?!』

今度は拳でなく、脚に炎を纏わせてのライザーの廻し蹴りが空を切る。

辛うじて躱せるけど、あんなの喰らった日には本当、焼死体の完成だ。

 

「ふはははは!流石に伝説の赤き龍も、このフェニックスの炎は恐ろしい様だな!!」

『うるせぇーーっ!

それなら こっちも少しだけ、本気を出してやる!!』

 

ヴォォン…

 

「な…何だ、それは…?!」

「何…だと…?」

「あれは まさか…」

「…光?」

 

ざわざわざわざわざわざわざわざわ…

 

ライザーだけでなく、赤い魔障壁の向こう側の悪魔貴族達も驚き、ざわつき始めた。

 

「光の…爪…だと?」

『その通り!今代の赤龍帝…俺の、オリジナルだよ!』

そう。

俺が繰り出したのは、光の術式。

剣や槍を創る要領で、左籠手の龍爪の先に、延ばす様に光の爪を創り出したのだ。

あくまでも堕天使の能力(チカラ)でなく、今代の赤龍帝のオリジナル・スキル…と、ハッタリを附けるのも忘れない。

 

『でぇやっ!!』

 

ぶぅん!

 

「ぉわっ!?」

そして今度は、俺が繰り出す光爪の斬撃を、ライザーが必死な顔で躱していく。

 

『流石に不死身のフェニックスも、光による攻撃は恐ろしい様だな!!』

「喧しいっ!!」

そして先程の、意趣返し的な台詞での挑発も忘れない。

 

≫≫≫

「おらっ!」

 

ぶん!

 

『うらっ!』

 

ぶぅん…

 

その後も、互いに繰り出す炎の拳や光の爪を、互いに躱す展開が続いていく。

 

「ちぃ!もっと広い場所なら…!!」

舌打ち混じりに吐き捨てる様に呟いた、ライザーの一言。

多分 奴は、火力過剰な技…例えば この会場を吹き飛ばす程な、巨大な炎の弾を撃ち出す様な技も持っているのだろう。

自分が主催した、パーティーの来賓客に被害が及ばぬ様に、配慮しているのか?

一般人な学生だった、そして今も学生兼社畜(泣)みたいな俺には想像も点かないが、一応は貴族故、そのプライドやら、或いは責務みたいな物を、この男は持ち合わせているのだろう。

 

「喰らいやがれ!!」

 

ヴォオン!

 

そう言いながら、ライザーが突き出した掌から放ったのは、鳳の形をしたバスケットボールサイズの火炎弾!

 

『…くっ?!』

その超スピードで迫る焔の鳥を躱すと、

 

ボゥッ!!

 

それは背後の魔力障壁に激突。

直ぐに修復されたが、一瞬其処に、大きな穴が開いてしまった。

 

「ちぃいっ!!!!」

明らかに悔しそうな顔をするライザー。

やはり周囲を気遣ってか、かなりパワーを抑えている感じだ。

もしもコイツが、そういうのを一切、気にしないタイプだと思えば、少し恐ろしくもあり、そして…

 

『この会場…周囲を気にしているのか?

俺は開けた場所に、移動しても構わn

「巫山戯るな!!」

ん。絶対に これ、師匠の影響だ。

何時の間にか、本気なバトルを楽しみたい俺が居た。

しかしプライド故か、或いは情けと受け取ったか、この申し出を怒声と共に一蹴するライザー・フェニックス。

 

「出でよ!サザンジュールッ!!」

 

ボゥッ!!

 

そしてまた、プチフェニックスとでも仮名すべきか、鳥を象った火炎弾を放ってきたから、それを躱しt…?!

 

『シャーッ!!』

『な…?!』

それは、直線に迫る火炎弾ではなく、天井付近迄急上昇すると、次の瞬間 今度は俺目掛けて一直線に急降下、

 

ズシャッ!

 

『…っ?!』

少し反応が遅れてしまい、鋭い鉤爪の一撃を、肩口に掠めてしまった。

そして それは、魔力による火炎弾でなく…

『使い魔かよ!!?』

くそっ!完全に騙された!!

 

≫≫≫

「はははははは!

どうした どうした赤龍帝?

急に防戦一方になったな?」

『うるせー!』

その後…っても、そんなに時間が、ゲーム風に言えばターンが経過した訳じゃないが、あのライザーの使い魔…炎を纏った鷹と、ライザー本人とのコンピネーション攻撃に、俺は手を出せずにいた。

鋭い鉤爪や嘴を躱したと思えば距離を開けての火炎弾、または間合いを詰めての徒手(炎附き)が、想像以上に厄介だ。

 

『…ならば!』

 

▼▼▼

ばさあっ!

 

イッセーは鎧のバーツの1つである、龍翼を広げ、機動力をアップさせてライザーと距離を大きく空けると、

『おらぁっ!!』

 

ヒュン…!

 

籠手に附けていた5本の光爪を、飛び道具の様に撃ち放つ。

 

「ふっ!そんな攻撃が!!」

その全てをライザーは余裕の表情で躱すが、

 

ドスッ…ずずず…

 

「な…に…?」

躱した筈の、5本の爪。

しかし その内の1本だけが、ライザーの背後で弧を描いて背中に突き刺さり、その儘 吸い込まれる様に、体内へと入っていった。

 

「ぐああああああああああああっ?!!」

突如として苦しみ出すライザー。

当然の話だ。

悪魔にとって、猛毒に等しい、光の攻撃を単に身に受けただけでなく、身体の内側に埋め込まれたのだ。

それは如何に不死のフェニックスと云えど、悪魔として耐えられる物では無かった。

 

『勝負…在りだな。』

『はっはっは!恐れ入ったぞ相棒!

こんな殺り方も在ったとはな!!』

 

≫≫≫

「え?」

 

スゥ…

 

苦しむ様に床を転げ回るライザーを余所に、イッセーは黒歌の妹である塔城小猫…白音を、閉じ込めている赤い光の魔障壁毎、自分の前に呼び寄せ、その結界を解く。

 

『さて…改めて白音さん?

着いて来て貰うよ?』

「ま、待って下さい!ライザー様は…?」

『ヤツの体内では今、俺の光の爪…猛毒が猛威を震うと同時に、その治癒…フェニックスならではな再生が繰り返されている筈だ。

光が自然消滅する迄 精神を維持して持ち堪えれば、助かるさ。』

「もし、それが出来なければ…」

『その時は、終わりなだけだよ。

先に言っておくが、あの爪は白音さんを囲っていた壁みたいに、俺の意志で消す事は出来ない。』

「そんな…」

『…それじゃ、行こうか。

悪いけど、拒否権は無いから。』

「ま、待って下さい!

1つだけ…アナタに私を連れる様に依頼したのは、黒歌姉様…ですね?」

 




 
今回ドライグさんの頭の中に在った、フェニックスの殺り方一覧
 
①強制的に魂を身体から抜き取り、直後に直接爆破
 
②絶対零度でしか破壊出来ない、氷の匣に閉じ込める
 
③毒性植物の香気で五感を麻痺させて、永遠に昏睡して貰う
 
④石化→破壊
 
⑤脳内に自身が再生不可でスプラッターされる幻像(イメージ)を送り込み、精神崩壊させる
 
⑥異次元の彼方に吹き飛ばし、永遠に その空間を彷徨って貰う
 
⑦フェニックス以上の業火で燃やし尽くす
 
…確かに全て、今のイッセーには無理(笑)
 
 
 
 
 
 
Next:『悪魔の羽』(仮)
感想よろしくです。
 
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。