黒翼の赤龍帝   作:挫梛道

34 / 106
 
さあ、種明かしの時間だ。
 



色々と ぶちまけます!

ざわざわざわざわざわざわざわざわ…

 

「あ…悪魔の羽…だと…?」

「あの赤龍帝…転生悪魔なのか?」

「いや、だとすれば、誰がヤツを…」

「しかも、はぐれ悪魔と行動を共にしていると在らば、当然ヤツも、はぐれ悪魔…」

 

◆◆◆

ひゃぁっはろぉ~ぃ!!(フリードの真似w)

やぁ!イッセーだぜ!!

俺が悪魔の羽を見せたからか、このホール全体が どよめいている!

 

「あ、あなたも…悪魔?」

それは間近で見た、白音ちゃんも然り。

 

「キミ…その羽は、一体…

赤龍帝を眷属にしたなんて、そんな報告、私は誰からも受けてないが…」

そして魔王ルシファーも、これには驚きを隠せない。

 

『さぁね?俺の存在をひた隠しにして、それで悪魔政府の転覆でも、企てていたんじゃないのかな?』

「な…??!」

『分かっただろ…納得出来ただろ?

如何に俺が、貴様等悪魔を信用していない理由が…』

「…………っ!」

そしてそして、この俺のハッタリを、完全に信じ込んでいる!

…って、それで良いのか?

敵対勢力に向ける感想じゃないが、そんな簡単に騙されて、本当に大丈夫なのか、魔王?

さて、種明かしの時間だ。

 

≪≪≪

 

「あ~、それから、冥界に入ったら、悪魔領に乗り込む前に、バラキーん家…ヤツの嫁を訪ねろ。

既に、連絡は入れてある。」

「え?朱璃さん…に?」

 

冥界目指して地上を発つ前、コカビエル師匠から言われた言葉だ。

それに従って、冥界入りして最初に向かったのは堕天使領のバラキエル邸…即ち、朱乃ちゃんの実家。

 

「あら、イッセー君。」

「イッセー兄ちゃん!」

出迎えてくれたのは朱乃ちゃんの お母さん…俺にとっても義母さんとなる、朱璃さんとレオナルドだ。

 

「えっと…師匠に…」

「ええ、話は伺ってるわ。レオナルド?」

「はい!」

 

シュゥウ…

 

朱璃さんに言われて、神器…それも神滅器の1つである、魔獣創造(アナイアレーション・メーカー)を発動させるレオナルド。

それで創られ、目の前に現れたのは、

 

パタパタパタパタ…

 

「へ?」

直径約30㌢、丸くて平らな身体に、大きな1つ目、そして4枚の蝙蝠の様な悪魔の羽を羽ばたかせて飛んでいる、黒い魔獣だった。

 

パタパタパタパタ…ぴた…

 

「ぴた?」

そしてコイツは俺の背中に ぴったりと張り憑くと、その身体に不釣り合いな大きな羽を隠すかの様に消す。

 

「成る程…そういう事か。」

三竦みの関係上、"グリゴリの嗤う黒仮面"としてパーティー会場に乗り込む訳には逝かない。

ならば、消息並びに(天界以外には)正体不明な筈の"赤龍帝"として、その場に姿を見せれば良い。

これが、俺の出した答えだった。

しかし師匠は その発想の上を行き、まるで「どうせなら転生悪魔、偽っちまえw」とばかりに、朱璃さんを介して、レオナルドに魔獣の仕込みを頼んでいた!

本っ当、面倒見の良い師匠だよ!!

俺は自分の意思で、魔獣の羽の出し入れが可能なのを確認した後、

「それじゃ、行ってきます!」

冥界悪魔領、グレモリー家を目指して飛び立ったのだった。

 

≫≫≫

『解ったか? 俺は元・身内だ。貴様等…特に純血の貴族悪魔が、如何に卑劣な輩か…

下僕悪魔…いや、悪魔以外の種を奴隷が文字通りに"駒"としか見ていないってのは、理解している心算だ。』

「いや、そんな事は…」

『お前が偶々に、例外なだけでは無いのか?』

「………………。」

転生悪魔を偽る俺のハッタリに、何も言い返せないのか、魔王は完全に黙り込んだ。

 

「だ、黙れ!」

『ん?』

そんな時に また、障壁の向こう側から声を荒げる悪魔が1人。

振り返れば、偉っそうな趣味の悪い派手な衣装を着飾った、如何にも老害って風体のジジイだ。

 

「貴様、転生悪魔の分際で、何を寝呆けた事を言っている?!

転生させるしか価値の無い貴様等は、純血悪魔(われわれ)に逆らう事無く、黙って大人しく使われていれb(どすっ!)

『…だから そーゆーの、元・人間に向けて話して良い台詞じゃないから。』

怒り顔で興奮気味に話す年寄りの内容が個人的に許容の範疇を超えた為、ついつい頭部に向けて光の爪を1本放ったら、それ以後は喋らなくなった。

…尤も、頭が綺麗さっぱりと蒸発するかの様に消えたのだから、当然と言えば、当然だけど。

 

「「「「「「「き、貴様!何と云う真似を!!」」」」」」」

「魔王様、この様な者を放置する心算ですか?」

「さぁ魔王様!此処は貴方様の御力で、この痴れ者に裁きを!!」

偉っそうで無く本当に そこそこ偉い奴だったのか、いずれにしても この一撃が きっかけとなり、黙って見物していた貴族達が瞬時に怒りモードとなり、怒声を散らし始めた。

しかし俺の光の爪を畏れてか、自分で手を出そうとする者は皆無で、全ては此の場の最強実力者であろう、魔王ルシファーに丸投げする気満々だ。

 

「いや…それは無理だね…」

「「「「「「「「ななな…何ですとぉおっ!!!!??」」」」」」」」

しかし魔王は、それを拒んだ。

そして その選択は、正解だ。

 

「気付いてないのかい?

既に この周囲には、あの赤龍帝が撒いた、粒子の様な魔力が大量に漂っている。

恐らくは魔力を放出した途端に それに反応して…」

「「「「「「「な…??!」」」」」」」

『御名答。…ぼんっ!!だ。』

「やっぱり…そうなのかい…」

流石は魔王を名乗るだけはある。

このパーティー会場内で唯一、俺が障壁を張ると同時に その外側に施した仕込みに、そして その特性に気付いていたとは。

そして俺にとってラッキーだったのは、この会場全ての奴等が最初から"赤龍帝"というブランドにビビって、手を出す気が全く無かったという事だ。

それを考えてみれば、理由や動機は兎も角、正面から勝負を挑んできたライザー・フェニックスは、或る意味"漢"だったと云えるのかな?

 

『…そういう事だ。

俺を捕らえたくば、魔力を使わない純粋な格闘戦で、屈服させるしかないぞ?』

「「「「「くぅっ……………!」」」」」

そして この一言で、魔力マンセー主義な偉い偉い貴族様達(笑)も、完全に黙り込んでしまった。

 

≫≫≫

 

ひょい…

 

「ふにゃあぁっ?!」

一通り、悪魔達との遣り取りを終え、壁の外側からは、魔王ですら手出し不可と理解して貰った後に改めて、俺は白音ちゃんを連れ出す事に。(本人の了承は無視)

 

「い、いきなり何をするんですか?」

『ん? お姫様抱っこ?』

「ちょ…そういう意味で無くて…お、降ろして下さい!

…ってゆうか、何だか凄く、やり慣れてる感が半端無いんですけど?!」

はい!やり慣れてるのは、否定しません!!

…にしても、驚いた時の叫び声、黒歌と同じ!

この辺りは やっぱり姉妹だね!

 

『それでは この子は、連れて帰らせて貰います。

それでは皆様、御機嫌よう。

あ、そうそう…

会場を荒らした件についてだけは、「申し訳有りませんでした」…と、謝罪しておきますよ。』

 

ばさぁっ…

 

「ま、待ちなさい!」

『ん?』

会場の皆様に一言、そしてレオナルド特製魔獣の悪魔の羽を羽ばたかせ、この場を去ろうとした時、それを呼び止める声が。

 

「リアス…部長?」

『何か? リアス嬢?』

それは白音ちゃんの主である、リアス・グレモリー。

 

「あ、貴方、小猫を連れ出して、どうする心算なの?」

『さあ?とりあえず黒歌と対面させて、その後は、知らない…としか言えないね。

この子が望むなら、またアンタの元に戻すかも知れん。

…が、其処で のたうち回っている男の妾になるのなら、今度は黒歌の方が、全力で止めに入るだろうがな。』

「な…?」

「…~~~~?!」

彼女の問い掛けに、未だ(静かに)苦しんでいるライザー・フェニックスを指差しながら、俺は応えると、

 

ばさぁっ…

 

『では改めて、失礼するよ。』

「小猫!」

「「小猫ちゃん!!」」

「部長!祐斗先輩!ギャー君!」

リアス姫や彼女の眷属…金髪イケメン野郎や、やはり金髪の小柄な女の子が、白音ちゃんを叫ぶ中、そして白音ちゃんが仲間達の名前を叫ぶ中、最初の突入の時に壊した、テラスのガラス扉から、この場を脱出した。

 

▼▼▼

 

ばさぁっ…ばさぁっ…

 

その後、フェニックス家かグレモリー家、若しくは魔王サーゼクス・ルシファーが遣わしたのであろう追っ手を躱し、悪魔領を無事に脱出したイッセー。

追撃者を完璧に振り切ったの確認すると、堕天使領手前の荒野の丘に降り、

 

ストッ

 

「きゃぅ?」

「さて、もう大丈夫かな?」

「む…声…」

「あぁ。もう機械を使う必要も無いからね。」

背中に憑いている魔獣の羽を仕舞い、白音をお姫様抱っこから解放した後、機械音声(ヴォイスチェンジャー)の機能を外した素の声で彼女に話し掛ける。

 

「…此処は?」

「悪魔領と堕天使領の中間…どちらにも属していない地域(エリア)だよ。

黒歌に会わせる前に、どうしても先に言っておきたかったんだ。」

 

スゥウ…

 

そう言いながら、禁手の鎧を解除するイッセー。

そして その素顔を見た白音は

「え?ぁあ…アナタって、もしかしてアイザッきゅ先輩?

…って、え?えぇええぇぇ~~っ??!」

まさかの知っている顔…通っている学園にて、女生徒達から絶大な支持を得ている…自身も密かにファンな…金髪の少年の登場に、大声で驚き叫ぶのだった。

 

◆◆◆

「…そんな訳だから、兎に角 会うだけでも会って話して貰えないかな?

その上で、キミが まだ納得出来ないなら、その時は また、悪魔領に戻すからさ。」

「…………。」

やあ!再びのイッセーだ!

今 俺は これから地上に戻り、姉である黒歌と会わせる前に、改めて それに まだ戸惑いが有るであろう、白音ちゃんを説得中だ。

 

「私は…」

「小猫ちゃん?」

「…私は あの時から ずっと、姉様を恨んでいました。

力に溺れ、主だった悪魔(ひと)を殺害した事で、そのせいで私自身も危険視されて、処分されそうになった事に。

結果としてサーゼクス様に救われ、部長…リアス様の眷属悪魔になった事については、特に怨み等は有りません。

でも、姉様の主殺害からの出奔が、実は私の為だったとしたら…」

「それは本当に黒歌の虚言で、貴族(ヤツラ)の言う事のが、真実かも知れないよ?」

「いえ!私だって あの貴族(ひと)達の対応を見て何も気付かない程、鈍くもなければバカでもありません!!

それが真実ならば…確かに私を置き去りにした事については、別件で小一時間程度は問い詰める必要は有りますが、それでも…

私、姉様を信じていなかった!

何も知らず、姉様をずっと恨んでいた!

姉様に謝りたい!謝らないといけない!

私、姉様に…姉様に…会いたい…

ぅう…うあぁああああああぁぁん!!」

心の奥底に溜め込んでいた葛藤が、今回の俺の乱入劇からの悪魔貴族との問答が きっかけ、起爆剤となって限界を超えていたのだろう。

学園では常に無表情無感情な印象だった彼女が、他人(オレ)が居る前で、感情を露にして、跪いて大声で泣き出してしまった。

 

≫≫≫

「…しかし、眷属として、最後に部長を…リアス様を救えなかったのが、心残りです。」

「それは、ライザー・フェニックスとの婚約の事?」

「はい…。」

「キミの主に対して、こういう言い方はアレかも知れないけど、今回のゴタゴタも、元は あの お姫様の我が儘が発端だろ?

貴族なんだから、望まれない結婚も、本来は仕方の無い事だ。」

「………………………。」

「寧ろ その点では、例えマグレの可能性が欠片も無い無理ゲーだったにしろ、打開案を受け入れたライザー・フェニックスの方に、俺は好感が持てる。

ヤツからすれば、そんな茶番は拒めた筈だ。」

「確かに…そうかも知れません。」

「まぁ、リアス姫は兎も角、もう1人の眷属の…あの小柄な金髪の女の子は、少しだけ同情するけどね。

あの子は確実に、お姫様の巻き添えで、ライザー・フェニックスの毒牙に掛かるだろうから。」

「金髪の小柄な女の子…?

あ…ギャー君は男の娘だから、多分 大丈夫ですよ?」

「え…?えぇぇぇえーーーーーっ??!」

あの子、男なの? 女装野郎なの?!

それって詐欺じゃない? 

俺の大絶叫が、荒野に響いた。

 

≫≫≫

「じゃ、行こうか?」

「…はい。」

…それから暫く経ち、漸く落ち着いた白音ちゃんと少し会話。

地上に帰還しようと転移魔法陣を展開しようとした時、

 

『メールが届いているわよ!

ほら、さっさと読みなさいよ!!』

 

俺のスマホに、着信が届いた。

 

 

※※※

 

DaT 5/$& 23:15

From シェムハザ様

Sub 

 

☆☆☆

 

悪魔領を越えたら直ぐ、グリゴリ本部迄来て下さい

 

☆☆☆

 

※※※

 

 

 




 
因みにイッセーの『そういう事だ。俺を捕らえたくば、魔力を使わない純粋な格闘戦で、屈服させるしかないぞ?』…の台詞の後、読者の皆様の殆どが登場を予想したであろう?"あの漢"は、今回の婚約がリアスの望まぬ それだったのを察しており、気を遣ってパーティーは欠席。
あの会場には居ませんでした。
これは、ソーたんも然り。
 
Next:『黒と白』(仮)
 
感想よろしくです。
 
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。