黒翼の赤龍帝   作:挫梛道

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タグにも【残酷な描写】とは、記していますので。
 
※警告!!※
今回はイリナとゼノヴィアが、かなり散々な目に遭います。
彼女達2人のファンは、ブラウザバックを薦めます。
 



続・禁句

◆◆◆

ひゃぁっはろ~っい!!

前回のラストに引き続き、今回のアタマも俺ちん、フリードが お送りするぜぇーい!!

聖剣統合儀式が無事に終了したと思われる中、突如として現れた教会えろびっちコンビ。

この2人、事も在ろうに合体したエクスカリバーが浮かぶ、魔法陣結界の直ぐ傍に立っているマユリさんとバラキーさんに、剣(多分、量産型のナマクラ聖剣)の切っ先を向けやがった!

…って、馬鹿か?マジに馬鹿なのか!?てゆーか馬鹿だろ??!

いくら聖剣使えるからってお前等、所詮は一介の平エクソシスト風情だろ?

堕天使幹部相手に、何やっちゃってくれてんの?

まっさか そんな聖剣(おもちゃ)貰っただけで、「私様TSUEEEEEEE!! URYYYYY!!」って、なっちゃってんの?

大体『返せ返せ』って、元々は天界(オマエラ)がケルト神話さんからパクった代物じゃん?

もしかしてアレですか?

『奪ったから もう、私達の物♪』なんですか?

何処のジャイ〇ンですか?

それに その理屈なら既に、所有権は堕天使サイドだと思うのですが?

 

 

「…ん?何なのだね?お前達は?」

そんな2人に、面倒臭さ気に質問するのはマユリさん。

 

「私達は、貴様等堕天使に奪われたエクスカリバーを奪還する為に、教会より遣わされた者だ!」

「さあ、神妙になさい!!」

………………………………………………。

はぁ~い、先生、質問が有りまーす。

あの2人の根拠の無い自信って、一体 何処から来るんですかぁ~?

 

▼▼▼

「え~と…彼女達…は?」

「…堕天使に奪われた聖剣を取り戻す使命を請け、教会から派遣されたらしいエクソシスト…です。」

いきなりの乱入者に唖然としているのは、校庭に居る者達だけで無く。

校舎の一室から、儀式の様子を窺っていた魔王達も然りだった。

サーゼクスの質問に、ソーナも やや どん引きしながら応える。

 

「…って言ーか あっちには堕天使の総督や幹部が居るし、何よりも あの人数相手に あの2人、一体どうする気なんだろ?★」

「多分、何も考えてないんだと思います…」

 

≫≫≫

「おい、アイザック?ありゃ何だ?」

『…近所の可哀相な子です。』

「そ…そうなのか…」

視点(カメラ)は再び校庭へ。

アザゼルも、何が起きているのか今一把握出来ず、イッセーに質問を投げ掛けていたり。

 

「な…アイツ等、堕天使の幹部に対しても、あの態度かよ!?

何処迄 敵の力量、測れないんだ?!」

「茶髪ツインテさんは面識無いですが、もう1人は本当、脳筋ですからね~…

何だかスイマセン…元同僚として、お恥ずかしい限りです。」

イッセー達と少し離れた場所で、儀式を見学していた匙と茂部も、改めて呆れかえっていた。

 

「ハァ~…」

そして、小さく溜め息を吐くのはマユリエル。

                  

「奴等も運が良い。

儀式の邪魔をする様ならば、即座に殺す処だったが…

…おい、其処の白髪頭。」

「はぃはぁ~ぃ♪

俺ちん、フリード・セルゼンでぇ~す♪」

その後、周りに居る、実験の見学に来ていた はぐれ悪魔祓い達を見渡し、その目に止まったフリードを呼び寄せた。

 

「ふん…貴様の名前等、興味無い。

それよりも あの2人、招かざる客には違いないが、実験も無事に成功に終わり、今の私は すこぶる機嫌が良い。

故に今夜は大サービスだ。

殺す事無く、少々痛めつけるだけで、帰って戴こう。

…ついでに最後の確認だ。

コレを使い給え。」

 

スッ…

 

エクスカリバー統合の実験が、思い通りの進展に満足な狂科学者は、魔法陣が織り成す光の柱に手を差し入れると、その内部に浮かぶ、合体エクスカリバーを掴み取り出し、

 

ぶぅん…ガシィッ

 

それをフリードに投げ渡す。

 

「その合体エクスカリバーの能力、奴等で試せ。」

「はいな~♪

この『真・エクスカリバー(但し6/7)』とでも言いますか?

こんな逸品を使わせて頂けるなんて、俺ちん感謝感激の極みでありま~す!」

 

ぶぅんぶん…

 

そして それを受け取った はぐれ悪魔祓いの少年は、以前から欲しがった玩具を貰った子供の如く、嬉しそうに瞳を輝かせ、豪快に その聖剣を振り回す。

 

≫≫≫

「フリード・セルゼン~んんっ!!」

「おろ?俺ちん知ってるの?

もしかして俺ちんて、有名人?」

真・エクスカリバー(仮)を手にしたフリードに向けて、教会派遣のエクソシストの1人である、蒼い髪の少々ゼノヴィアが吠える。

…彼女達が此の場に現れたのは、実は偶然だった。

深夜、不法侵入していた旧校舎の一室に置かれてあるソファーにて熟睡中、不意に外から溢れ出した強烈な波動を感じて目を覚ました2人。

外を…校庭の方角を見て目にしたのは、巨大な光の柱が、天に向けて聳え立っている光景。

慌てて2人は、何故か その部屋に置かれてあった駒王のジャージから…外部からは卑猥と云う印象で余り評判が宜しくない…教会支給の戦闘衣に着替えて、現場に向かってみれば、それは丁度、堕天使幹部マユリエルによる、エクスカリバーの統合が終わったタイミングだった。

 

「「……………………………………。」」

その景色を見た2人の少女は、共通の発想、結論に至る。

 

 

『エクスカリバー奪還のチャンス!!』

 

 

…そして其処には、其の場に居合わせている相手が、敵対組織のトップや幹部、或いは つい先日、自分達を簡単に屈伏させた者達という思考は無く。

 

「この異端の快楽殺人狂め!」

「覚悟なさい!!」

「ひゃっはー!

覚悟?そりゃコッチの台詞だぜぃ!

マユリさんから殺るのはダメって言われたけど、"犯る"のは別に、止められてないっスよ~ん♪」

「なぁ…やヤやゃ…」

「だ、黙れ!その下種な口、この聖剣で塞いでやる!」

「嗚呼 主よ!この罪深き且つ破廉恥な変態をお許しにならないで下さい!アーァメン!!」

                  

ダダッ…!

 

如何に数打ちの量産型と云え、手にしているのは一応は祝福を受けた聖銀を、同様な聖火と聖水によって鍛えられ造られた、紛う事無き立派な聖剣。

2人の少女が それぞれ、その聖剣を携え、統合された伝説の聖剣を持つ はぐれ悪魔祓いに、その挑発的言動に顔を赤くしながらも、攻撃を仕掛ける。

                

「ぅるっせーぞ!!相手のレベルも見極める事も出来ねー極弱糞ビッチが!!

オメー等こそ、この俺ちんの『ぴー!!』で、その口塞いでやるぜぃ!!」

 

ガキイッ!!

 

そして今、聖剣と聖剣の刃が交差した。

 

▼▼▼

「うぅ…」「そんな…」

「あ゙~、もう良いです そーゆーのー!!」

しかし その激突も、瞬く間に終わってしまう。

聖剣の質も然る事ながら、それを扱う剣士の質が、違い過ぎていた。

ゼノヴィアとイリナのコンビネーションから成る斬撃を受け止めた真・エクスカリバー(仮)は、それと同時に その数打ちの刃をいとも容易く粉砕。

直後にフリードの放った肩口への峰打ちと、柄尻での鳩尾への一撃により、教会が送り込んできた聖剣遣いを地に跪かせたのだった。

 

「ま~だまだ終わってないずぇ~ぃ♪

有言実行!

今から この俺ちんの"聖剣・デラックスカリバー"ちゃんでぇ、さっきから空気読めずに生意気ぶっ叩いてた その口塞いだ後、正しく こっから先が()()

その儘テメー等の〇〇〇〇、貫いてやるぜぃ!!」

 

スチャ…

 

「「!??」」

台詞と共に、ズボンのベルトを緩めながら じわじわと近付くフリードに、少女2人の顔が様々な意味の恐怖で歪む。

 

『はい、其処迄だ!』

 

すぱーん!

 

「ぁ痛あっ?!」

しかし その歩みは、背後から頭上に落ちた、ハリセンの一撃で終わってしまう。

 

「な~にするんですかぃ、このアイザッきゅんわぁ!?」

意外と痛かったのか、やや涙目で脳天を抑え、その一撃を放った黒仮面の男に話すフリード。

 

『この小説はR-15だ…じゃ、なくて、アッチの女子の皆さんが どん引いてるから、今日は もう止めとけ。』

「今、メタりましたね~?」

そう言いながら、アイザック…イッセーが指差す方向をフリードが見てみると、

「「「「「…………………。」」」」」

成る程、確かに何時の間にかアザゼル登場時のフリーズが解凍された5人の女生徒が、まるで汚物を見るかの様な眼で己を見つめている。

 

『この前の茂っさんのセクハラに加え、今お前が此の場で暴走したら、グリゴリはマジに"そんな連中"だと、彼女達に誤解されてしまうぞ。』

「…それって絶対、アイザッきゅんのオッパイスキーっ振りも、一役買ってまっさぁね~?」

『う、うるさい!ほら、コレやるから とりあえずは鎮まれ!』

「んがぅう?!」

そう言ってフリードの口に、イッセーは夜食(サンドウィッチ)を半ば無理矢理に押し込んだ。

 

「モグムグ…ん。美味ちい。

あ~、もぅ仕方無いっすねぇ~。

今日は このアーシアたんの、手作りサンドに免じて、退き下がってあげますよ。

おぅ、この糞えろびっち共!運が良かったな!」

しかしフリードは、それに怒る事無く、寧ろ上機嫌。

その勢いの儘に、先程緩めていたベルトを締め、イリナ達に向けようとした()()を完全に収納。

 

「「…ほっ」」

一見すると漫才さながらな その一連の遣り取りを見て、イリナ達は様々な意味での危機を脱したのを理解したのか、安堵の溜め息を吐く。

                  

「…って、ちょっと待て!

今 貴様、「アーシア」って言ったな?

それって まさか、"魔女"アーシア・アルジェントの事か?」

「え?あの"悪魔さえも癒やす異端の魔女"って今、堕天使側に居るの?

ま…まぁ、お似合いと言えば、そうかも知れないけど?」

『「あ゙ぁ??!』」

しかし、その後の一言で、一瞬和んだ筈の空気が再び、一瞬で殺伐した物へと戻る。

 

斬!!!!

 

パサァ…ボトッ…

 

「…え?」

その次の瞬間、フリードが手にしていた白く光る刃が、その形状な如くの下から上、半月の軌跡を描く一閃。

それによって、茶髪少女の結っていたツインテールの右側の髪が散り散りに宙に舞い、右腕が肩口から鈍い音と共に、地に堕ちた。

 

「い、いやぁああああああっ!!?」

その鋭い斬れ味故に、斬られたと気付いた後、思い出したかの様に その痛みに苦しみもがくイリナ。

 

サュワァッ!

 

やはり遅れたかの様に斬り口から噴き出す鮮血が、激痛に拍車を掛けていた。

 

「イリナ?! 貴様、何をs

『余所見してる、余裕が有るのか?』

「!?」

そしてゼノヴィアには、右腕に金色に輝く籠手を纏ったイッセーが突進。

 

ずず…ボキィッ!!

 

「がぁああぁっ!?」

いきなりの急展開に驚き、身動きが取れないゼノヴィアの左脇腹に、黄金に燃える手刀を突き刺し、すぐさま引き抜いた。

身体の奥深く迄突き刺したが、外傷は無い。

…にも拘わらず、それによりイリナ同様に激痛に顔を歪めるゼノヴィア。

 

「き、貴様…何を…?」

『この輝く医神の手(グレート・ドクター)には、こんな使い方も在る!』

ゼノヴィアが睨み付けるイッセーの右手の中には、数本の骨…肋骨である。

 

グシャ…

 

その肋骨を、イッセーは粉々に握り潰す。

 

「あぁ…き、貴様…?」

『心臓をもぎ取られてないだけ、有り難いと思え!!』

 

バキィッ!!

 

「うゎあああぁっ!???」

更には狼狽えるゼノヴィアに、今度は左の、素手での拳を顔面に撃ち衝けて吹き飛ばした。

基本的、天界所属な者には只でさえ容赦無いイッセー。

「女の顔に」…等という概念は既に、この男の頭の中からは消え失せていた。

 

「おら、この糞えろびっち共!

俺ちんアイドル兼、アイザッきゅん嫁さん(…の1人)をディスった その罪、全盛期のKONISHI〇Iさんの体重より重ぇーぞ?

(ゆ・え・に)!テメー等の命で贖って貰うぜ!!」

 




 
①ぶっちゃけます。
アーシアたん大好き作者は、あの2人が嫌い。
やはり第一印象って大きいよね。
 
パーフェクター輝く医神の手(グレート・ドクター)には、今回の様な使い道も。
イッセーの台詞通り、骨だけでなく臓器等を外傷無しに抜き取ったり、逆に異物毒物等を、体内に入れ込んだりも出来ます。
ついでに言えば この人工神器、既に正式にイッセー所有となっています。
 
③フリード君は下心無しに、純粋にアーシアたんのファン。
以前、教会の掃除番をサボってブッチした時、代わりに その担当場所を掃除した彼女に後で「ダメですよ!」って優しく且つ真剣に注意され、その儘落ちてしまったとか。
その後、彼女の言い付け事は、絶対服従だとか。 
 
 
Next:『更なる乱入者』(仮)
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